あらすじ
四年前に死んだ妻の追憶のための晩餐会に出席してほしい――ある富豪から依頼されポアロが赴いた場所では、昔と同じ状況が繰り返され、テーブルには依頼人の義妹の死体が……表題作をはじめ、ポアロもの五篇、マープルもの一篇、パーカー・パインもの二篇、幻想小説一篇を収録する珠玉の短篇集。
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「仄暗い鏡の中」:傷の男に絞殺される女の幻影。
「黄色いアイリス」:ポアロ「忘れられぬ死」の原作。毒殺。
「二度目のゴング」:ポアロ「死人の鏡」の原作。
パーカー・パイン×2/ポアロ×5/ミス・マープル×1
Posted by ブクログ
アガサクリスティの短編集は、マープル、ポアロがときどき出てくる。
できれば、マープル、ポアロが出てくる短編は、それぞれにまとめてもらえると嬉しい。
どうして、こういった構成でまとめられているのかが分かりにくかった。
長編でも、最後がなんとなく足早だと感じる作品があるが、
短編だと、より足早感がある。
翻訳が丁寧なので、一度英語でも読んでみたいと思った。
Posted by ブクログ
久しぶりに古典ミステリーが読みたくなり「アガサ・クリスティ」の短篇集『黄色いアイリス』を読みました。
「クリスティ」作品は一昨年前の6月に読んだ『鏡は横にひび割れて』以来なので約1年半振りですね。
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四年前に死んだ妻の追憶のための晩餐会に出席してほしい―
ある富豪から奇妙な依頼を受けた「ポアロ」が赴いた場所では、昔とまったく同じ状況が繰り返され、テーブルには依頼人の義妹の死体が…
表題作を始め、「ポアロ」もの五篇、「パーカー・パイン」もの二篇、「マープル」もの一篇、幻想小説一篇を収録する珠玉の短篇集。
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本作品には以下の九篇が収録されています。
■レガッタ・デーの事件 (The Regatta Mystery)
■バグダッドの大櫃の謎 (The Mystery of the Bagdad Chest)
■あなたの庭はどんな庭? (How Does Your Garden Grow ?)
■ポリェンサ海岸の事件 (Problem at Pollensa Bay)
■黄色いアイリス (Yellow Iris)
■ミス・マープルの思い出話 (Miss Marple Tells a Story)
■仄暗い鏡の中に (In a Glass Darkly)
■船上の怪事件 (Problem at Sea)
■二度目のゴング (The Second Gong)
「ポアロ」もの、「パーカー・パイン」もの、「マープル」もの、ノンシリーズの幻想ものと、バラエティに富んだ短篇集です。
短篇は当たり/外れが大きいのですが、さすが「クリスティ」作品… どの作品もクオリティが高かったですね。
その中でも、特に愉しめたのは、
本書のタイトルにもなっている作品で、「ポアロ」が、レストランで起きた昔と全く同じ状況が繰り返された毒殺事件を推理する『黄色いアイリス』、
「ミス・マープル」が、家にいながら、その直観力と観察力で事件の謎を解く『ミス・マープルの思い出話』、
「ポアロ」が、船室での密室殺人を推理する『船上の怪事件』、
の三篇かな。
あと、ミステリーとは言えませんが、、、
子離れできない母親が息子のことを心配し過ぎて、息子の恋愛の妨げとなっていたが、その息子からの依頼で「パーカー・パイン」が恋を成就させる『ポリェンサ海岸の事件』が印象に残りましたね。
以下、あらすじを紹介しておきます。
(wikipediaより)
『レガッタ・デーの事件 (The Regatta Mystery)』
「パイン」もの。
手から落ちただけのはずの宝石"明けの明星"が部屋から忽然と消えた。依頼を受けた「パイン」はその謎を解く。
『バグダッドの大櫃の謎 (The Mystery of the Bagdad Chest)』
「ポアロ」もの。
パーティに来なかった客の男が翌日、会場に置かれたバグダッドの大櫃と呼ばれる箱の中から死体で見つかる。
『あなたの庭はどんな庭? (How Does Your Garden Grow ?)』
「ポアロ」もの。
「ポアロ」の事務所に曖昧な依頼の手紙が届く。
「ポアロ」は返信するが、その後音信は無く依頼主は死亡したことを知る。
気になった「ポアロ」は調査を始める。
『ポリェンサ海岸の事件 (Problem at Pollensa Bay)』
「パイン」もの。
「パイン」はあるリゾート地のホテルに宿泊する。
そこで知り合った女性は、息子のことで「パイン」に相談を行う。
『黄色いアイリス (Yellow Iris)』
「ポアロ」もの。
「ポアロ」の元に女性の声で急な危機を訴える電話がかかってくる。
「ポアロ」は急いで指定されたレストランへ向かうが依頼してきた女性はいない。
唯一黄色いアイリスが置かれたテーブルが気になった「ポアロ」は、そのテーブル客たちに話しかける。
『ミス・マープルの思い出話 (Miss Marple Tells a Story)』
「マープル」もの。
知り合いの弁護士「ペサリック」の紹介で、「マープル」はバーンチェスターで起こった殺人事件の真犯人を推理する。
『仄暗い鏡の中に (In a Glass Darkly)』
私は幽霊屋敷のような友人の家に行く。
部屋の鏡の前で身支度を整えていると、鏡に写る私の背後で男が女性を絞殺している。
慌てて振り返るが、そこには誰もいなかった。
『船上の怪事件 (Problem at Sea)』
「ポアロ」もの。
アレクサンドリア港に停泊中の客船、その密室下の客室で女性が刺殺される。
『二度目のゴング (The Second Gong)』
「ポアロ」もの。
「ポアロ」が依頼を受けた家を訪ねると、依頼主が拳銃で自殺していた。
一部の人間に聞こえた2回のゴングの音を手がかりに捜査を始める。
Posted by ブクログ
ポアロにミス・マープルにパーカー・パイン・・・
クリスティオールスターズ(?)の活躍を描いた短編がいくつか入っていて手軽に読めちゃいます。
ロマンチックな話が多くメロドラマみたいな雰囲気もあり。短いながらもクリスティならではの鋭い人間描写が冴えているので、やっぱり読み応えがある。
「あなたの庭はどんな庭?」なんて、ちょっと味付けしてフランスで映画化してくれたら面白そう。(最近クリスティ作品、何故か仏での映像化が主?なので)
というわけで、基本的には長編派なのだけどたまには短編も楽しいなと思いました。
Posted by ブクログ
ポアロもの5作、パーカー・パインもの2作、マープルもの1作、
その他1作品が収録された短編集。
どれも面白くて、読み始めるとラストまで一気に読んでしまう感じだった。
(これが短編集の良いところ)
「バグダッドの大櫃の謎」は一度読んだ事があるような話だと
思っていたら、「クリスマス・プディングの冒険」に
収録されている「スペイン櫃の秘密」に大変よく似ていた。
どちらかの作品がもう片方の作品の焼き直しなのだろうか。
マープル作品も嫌いではないけれど、
回りくどいおしゃべりが時に・・・。
「早く本題へ行って下さい!」
「・・・で、あなたの性格はわかりましたが、
結局あなたの言いたかったことはなんですか。
今している話の中心はどこですか!」と
思わず突っ込みそうになる私は、マープルおばさんが語る
武勇伝の聞き手失格なのか。
やっぱり並外れた自信家でもポアロさんがいいなぁ。
表題作の「黄色いアイリス」は読後感も良くて好き。
「あなたの庭はどんな庭?」では、ポアロの私立探偵の、
というよりは人間としての「良心」を感じさせられる。
Posted by ブクログ
ポアロあり、パーカーパイン氏あり、マープルありのお得な短編集。
最後の話は鏡は横にひび割れて、に似てたので、これを膨らませたものかな?
ミスレモンの有能さが好きです
カキって噛まずに飲み込むものだったんですね・・・
ほか、マープルさんの自慢話など。
パイン氏の話は、ダイヤ泥棒の手立てが鮮やかでした。
Posted by ブクログ
ポアロあり、マープルあり、パーカー・パイン氏あり。
ミステリあり、怪奇ものあり。お得な感じの一冊。
クリスティは怪奇がうまいと思います。次第に緊張してくる感じが。
Posted by ブクログ
四年前に死んだ妻の追憶のための晩餐会に出席してほしい―ある富豪から奇妙な依頼を受けたポアロが赴いた場所では、昔とまったく同じ状況が繰り返され、テーブルには依頼人の義妹の死体が…表題作を始め、ポアロもの五篇、パーカー・パインもの二篇、マープルもの一篇、幻想小説一篇を収録する珠玉の短篇集。
Posted by ブクログ
アガサ・クリスティにしては珍しい短編集。いっぱいの登場人物を覚えなくていいし、読みやすかったです。ミス・マープルが大阪のおばちゃん風に思えました。
Posted by ブクログ
スーシェ版ポワロさんの次の回が「黄色いアイリス」なので先に原作を読んでみました。ドラマもどんどん見たいのになかなか進みません(^^;
9話収録のうち、先にドラマで観ていたのは3編。いずれも、脚本家の脚色のうまさが光る作品になっていましたね。
そして本書を手に取るきっかけとなった「黄色いアイリス」も、映像映えしそうな内容。どんな演出になっているのか、楽しみです。
短編はさくっと読めていいのですが、いかんせん長編よりも人物を覚えるのに苦労します。覚えた頃にはお話が終わってしまう……。
中でも気になったのはパーカー・パイン。調べたところ、このお話に登場したマギー・セイヤーズは悪女を演じることが多いんだとか。ドラマで大好きなミス・レモンも同名で出演しているそうで、次はパーカー・パインの短編集を読んでみようと思います。
それにしても、「二度目のゴング」はあの格闘技に出てくるゴングでいいんだろうか……??
Posted by ブクログ
短編集。
ポアロもの5編、パーカー・パインもの2編、マープルもの1編、ノンシリーズの幻想小説1編が収録されております。
まさに“クリスティー・バラエティーパック”といった感じで、様々な毛色の話を楽しめる本書。
個人的に好きだったのは、パーカー・パインもの「ポリェンサ海岸の事件」。
タイトルに“事件”とありますが、実際は事件はなくて、パイン氏お得意のドッキリばりの仕込みによる“お悩み解決”のお話です。
“パーカー・パイン劇団”所属女優(?)のマドレーヌ・ド・サラの登場も嬉しいですね。
そして、異色の幻想譚「仄暗い鏡の中に」も、鏡に映った“ある光景”をきっかけにした、“世にも奇妙な物語”っぽい展開で、何となく『死の猟犬』あたりに収録されていそうなテイストの話で印象的でした。
因みに、本書に収録されているポアロものには、既視感のある作品もちらほら見受けられて、特に「バグダッドの大櫃の謎」は、“あれ?この話読んだ事あるけど?”と思った程で、こちらは『クリスマス・プディングの冒険』に収録されている「スペイン櫃の秘密」の元ネタらしいです。
同じく「二度目のゴング」は『死人の鏡』の元ネタみたいですし、そして味アリキャラ、ミス・レモンも出てくる「あなたの庭はどんな庭? 」は、どうやら『もの言えぬ証人』の元ネタみたいです(これはちょっと曖昧)。
とはいえ、これらはこれらで独自の話としてちゃんと楽しめるので問題なしです。
あと、短いですが「ミス・マープルの思い出話」では、マープルさんの安定の安楽椅子探偵っぷりと、控えめな自慢(ポアロのようなあからさまな自慢ではないww)がナイスでした。
どの話もアッサリしてお茶漬けのように、サラサラっと読めちゃうので、暑くて体力のない時の読書にピッタリかも?と思った次第です。
Posted by ブクログ
ポアロ、マープル、パーカーパインの短編集。クリスティの中でも、色々な探偵が出てくる短編集は珍しい気がする。
「二度目のゴング」が「死人の鏡」とほぼ同じ。比べてみると、どのように良くなっているかよく分かる。
Posted by ブクログ
ポアロにミス・マープル、パーカー・パイン、花束みたいな短編集。
ポアロものは「バグダッドの大櫃の謎」「あなたの庭はどんな庭?」「黄色いアイリス」「船上の怪事件」「二度目のゴング」の5つ。パーカー・パインが「レガッタ・デーの事件」「ポリェンサ海岸の事件」の2つ。ミス・マープルは「ミス・マープルの思い出話」、そして幻想小説「仄暗い鏡の中に」が収録されている。
「仄暗い鏡の中に」鏡の中でシルヴィアが婚約者に殺されそうになっていたのを見たので、あの日、私はシルヴィアに彼と別れるように言った。そしてシルヴィアと結婚した私は、彼女の首を——。謎解きなどない幻想小説。なんてことはない話だが、こういうものも書くのだな、と楽しんだ。
「ミス・マープルの思い出話」ロッキングチェアを揺らしながら語っていそうな語り口調の一編。いわゆるイメージ通りのミス・マープル。
「ポリェンサ海岸の事件」息子の婚約相手が気に入らない母にどうにかしてほしいと頼まれたパーカー・パイン氏。ところが息子は新しく登場した女性に夢中になり始めて——。ちょっとした手助けで、双方の願いを叶えるパーカー・パイン氏の鮮やかな手腕が見所。
「黄色いアイリス」奇妙な電話に呼び出されたポアロは、4年前に死んだ妻のために大実業家が開いたパーティーに同席することとなる。ポアロの活躍と、機転の効くポーリーンの活躍で殺人は事前に防がれ、事件は鮮やかに解決する。少々のロマンティックな要素もあり、きゅっと詰まった作品。
Posted by ブクログ
ミステリ。短編集。
ポアロ、ミス・マープル、パーカー・パインと、クリスティ作品の主要な探偵役が揃っているのが魅力。
読みやすさも相変わらず。
やっぱりポアロが好き!
Posted by ブクログ
ミステリーの女王:アガサ・クリスティーさんの短編集。
ポアロものの表題作の他、全部で9作の短編が納められていました。
パタリロ愛読者なので、けっこう「これが元ネタだな!」って思えるお話がでてきたよ。
ただ、外国の人の名前が覚えられなくて、短編なのに登場人物がごちゃごちゃなのはミステリーを読むには痛いなぁ…。
Posted by ブクログ
・レガッタ・デーの事件
知人のボートでレガッタ観戦に出掛けたセレブ一行。
余興で始めたダイヤ隠しだが、全員の目の前で本当に無くなってしまった。
そこに登場した類型的推理の名探偵パーカー・パイン氏。雲隠れしたダイヤの行方は?
・バクダッドの大櫃の謎
犯人は友人を殺し大櫃に隠した。その櫃の前で犯人は被害者の妻とダンスを踊っていた。
スキャンダラスな事件の解明に乗り出したポワロは、芸術的完全犯罪に興奮する。
全ての原因は、若く美しい女性の子供らしい天真爛漫さだったのか。
・あなたの庭はどんな庭
ある富裕な老女がポワロに内偵を依頼して5日後に急死した。
遺産の多くは老女の付き添いの若い外国人女性に残され、一部は老女の姪夫婦に残された。
訪れた家の庭で、ポワロは一箇所だけ不揃いな花壇が気になった。
・ポリェンサ海岸の事件
バカンスのため汽船でパルマを訪れたパーカー・パイン氏。
ホテルで出会った中年女性から息子の恋愛相談を持ち掛けられ渋々承諾する。
息子の彼女に嫉妬する母親の前に、美女に鼻下伸ばす息子、振られた彼女、魅惑の美女を
次々と登場させ、巧みな筋書きで、全てを丸く収めたパーカー・パイン氏の演出家振りが光る。
・黄色いアイリス
友人達との食事中に急死したアイリス。
他殺を疑う夫は、四年後、同じレストラン、同じ料理、同じ音楽、そして同じメンバーを集めた。
偶然居合わせたポワロの前で、果たして今度はアイリスの妹が急死してしまう。
大胆不敵な犯人をポワロは追い詰めることが出来るのか。
・ミス・マープルの思い出話
ヒステリックな夫人が密室で殺され、内扉で繋がった隣部屋に居た夫が裁判にかけられた。
他に入室したのは、夫妻に全く関係のないホテルのメイドだけ。
“人の思い込み”を鍵に、自宅に居ながらマープルが、人の話だけで事件を解決。
・仄暗い鏡の中に
鏡に写った見知らぬ男女。男が女を絞め殺していた。しかし振り返るとそこには何もなかった。
幻覚を見た男は、その後、鏡の女性に出会い、紆余曲折を経て、二人は結婚する。
やがて男はあらぬ嫉妬を抱き、ついに妻の首に手をかけた。
その時、鏡の中にかつての光景を見て愕然とする。江戸川乱歩を彷彿とさせる幻想小説。
・船上の怪事件
高慢ちきな金持ち中年妻と献身的な中年夫。彼に密かな想いを寄せる幼馴染の中年女性。
そして妻が密室で殺された。夫には完全なアリバイがあった。
完全すぎる自制に疑問を感じたポワロが“人の思い込み”の裏をかき、真相究明に乗り出す。
・二度目のゴング
大変な癇癪持ちで厳格な一家の支配者がいた。彼は年寄りだが大変な資産家だった。
時間にも厳格な主は、晩餐前に二度のゴングを鳴らし遅れた者は追放された。
だがその日のゴングは遅れて鳴ったばかりか、晩餐の時刻に主はついに現れなかった。
主は銃で頭を撃ち抜いて死んでいた。
密かに内部横領の調査を依頼され館に居たポワロが真相究明に乗り出した。
Posted by ブクログ
たぶん二度目。
ポリェンサ海岸の事件
が面白かった。
宮部みゆきの「地下街の雨」に似たお話の流れだった。
あと、
仄暗い鏡の中に
ちょっとひやっとした。
夏向き?
Posted by ブクログ
短編はちょっと物足りない気がしてしまう。パーカーパインのポリェンサ海岸の事件が結構面白いなぁと感じました。
ポアロだとちょっと 物足りないなぁと感じてしまう。確か船上の怪事件はテレビドラマでやったなぁとか思いながら読んでいた。
Posted by ブクログ
クリスティ作品の名探偵たちが短編ならではの個性を見せてくれる作品です。じっくり長編も良いけど、短編は登場人物の個性が濃縮されているのでこれはこれで別の楽しみ方がありますね。
クリスティの原文がもちろん良いのでしょうが、訳者の言葉の選び方も上手いなぁと。ポアロ然り、マープル然り、その登場人物がいかにも言いそうな言い回しに、思わず笑顔になれます。
私がこの短編集の中で一番印象に残ったのは最後の作品です。綺麗に整えられた庭と家が頭の中にずっと残っています。