中村妙子のレビュー一覧

  • 暗い抱擁

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    ネタバレ

    探偵ものでないので、なぜだろうと思いながら読み終わって、
    解説を読んでわかりました。「アガサクリスティ」の作品でないことを。

    「メアリ・ウェストマコット」の第4作とのこと。
    The Rose and the yaw tree.
    というのが原作名とのこと。
    内容からすると、こちらの方がピンと来ます。

    作り、心理描写は、アガサクリスティものだという理解で読んでいて、違和感はありませんでした。

    死に対する態度、人間に対する態度など、アガサクリスティの本質的なところがより強調されているような気もしました。

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    2011年08月14日
  • バグダッドの秘密

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    ネタバレ

    アガサクリスティの楽しみ方は
    1 イギリス文化に馴染む。紅茶、朝食、昼食、夕食など。
      鉄道の利用、新聞の読み方、新聞への広告の出し方など。

    2 中近東、南アフリカ、オーストラリア、アメリカなど旧植民地の文化に馴染む。
      アガサクリスティ自体が行ったことがある地方の描写は、すごく立体的。

    3 犯人探し

    4 女性のものの見方と男性のものの見方の違い

    5 考古学、遺跡発掘作業など。

    6 音楽、オペラなどの芸術活動。

    7 作家、小説、詩、マザーグースなど。

    3以外は、アガサクリスティの経験に基づく内容なので、とても勉強になります。

    本書は、1,2,4,5,7

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    2011年08月14日
  • 娘は娘

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    ネタバレ

    アガサクリスティの3つの面がみごとに3人の女性として描かれているように思われる。

    まず、未亡人の母親。
    再婚をめぐる心の葛藤。
    死別ではない、アガサクリスティからは、一番遠い性格のように見受けられる。

    未亡人の母親の娘。
    わがままだけど、反面大人びた考えの持ち主。
    最後は、幸せを選択できるところは、一番アガサクリスティに似ているかもしれない。

    未亡人の母親の友人。
    著名人で、仕事上はアガサクリスティに一番近い役回り。
    考え方、発言も、公式のアガサクリスティの言いたいことを代弁している。

    それでも、未亡人の母親の性格の中に、ひょっとしたらアガサクリスティらしさが

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    2011年08月14日
  • 愛の重さ

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    愛を一手に独占する赤ん坊の妹に対して、死んじゃわないかと思った姉。
    それでも、火事のときに、夢中で助け出そうとした人間性。

    人間の性格はなかなか直せないが、
    愛されることによって変わるかもしれないという望みは残った。

    愛するときの重さと、愛されるときの重さの、性格が違うことが分った。
    どちらか一方では、手抜かりなのだということを感じた。

    ps.
    解説において、ハンセン病に対する時代的な認識の限界について断りがある。

    原作を書き換えると、時代的な認識の限界が分からなくなるので必ずしも書き換えは必要はないが、最低限、解説では言及がある。

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    2011年08月14日
  • アクナーテン

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    解説にもあるが、アガサクリスティのエジプト好きの成果だと思う。
    他の作品ほど、人の間の心理の妙については、表現されていないようだが、
    アガサクリスティの人間に対する考え方は表現しているだろう。

    エジプト史は詳しくないので、どこまでが史実で、どこからが創作かは分からない。
    王政、宗教、戦争などに対する一つの考え方を表現している。

    戯曲なので、戯曲が嫌いな人には読みづらいかもしれない。

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    2011年08月14日
  • ブラック・コーヒー〔小説版〕

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    ネタバレ

    小説版ってどういう意味かわからずに購入してしまいました。
    ブラックコーヒーは、最初は戯曲としてかかれたということを知りました。
    表紙に著者の名前を掲載しないのは、ひどいと思いました。

    本の中には、チャールズオズボーン小説化と書かれているので、
    表紙にも掲示すべきだと思います。

    そんな不満を持って読んでいたので、表現の細かいところに気が回らず、
    読み終わったあとも、内容がピンと来ていません。

    戯曲版を先に読んでから、本書を読み直してみます。

    ps.
    2010年、イオンシネマに持って行って、紛失してしまいました。拾われた方はお届けいただけると幸いです。

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    2011年08月14日
  • 愛の旋律

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    ちょいと前に読み終わっていたけれど、その衝撃はいまだ冷めやらず。
    天才とは恐ろしいものだ。
    才能はその人自身だけでなく、周りも食い尽くさずにはいられない。
    なにもかも全てが才能の奴隷や生贄になってしまう。
    しかし、そんな物語を戦慄する思いで読みつつ、どうしようもなく惹きつけられた結果、ボリュームがあるのにもかかわらず一晩で読んでしまった。
    自分がこういうストーリーにこんなにも魅了されるとは思わなかった。

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    2011年04月18日
  • アクナーテン

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    小説ではなく戯曲です。
    アメンヘテプ三世との共同統治から
    軍人ホルエムヘブとの出会い、ネフェルティティとの愛、
    新しい都の建築、宗教改革、国の衰退、
    神官たちの悪巧みと画策と王の死、そして
    ツタンカーメンが王位につくだろうというところまでを
    ドラマチックに描いている。
    アクエンアテンの死については諸説あるけれど
    クリスティー説を信じたくなるくらい面白かったです。

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    2010年10月12日
  • 暗い抱擁

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    アガサ・クリスティの一連のミステリーとは赴きを異にしているが
    鋭い人間観察に基づく記述はとても読み応えがあり、結末の展開はさすがアガサ・クリスティ!!

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    2009年11月04日
  • 娘は娘

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    ノン・ミステリーシリーズ。
    母と娘という、一種異様な独特の関係を描いた作品。
    憎むのも、煩わしく思うのも、心配するのも、反発するのも、愛しているからなんだと強く思いました。
    読んでいる間、苦しめられ、振り回され、のたうちまわり、ラストは涙が止まりませんでした。

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    2010年03月07日
  • アクナーテン

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    ネタバレ

    父王の死に伴いエジプトのファラオとして即位したアクナーテン。神官たちの専横、生活に苦しむ民を救い理想の国家、世界をつくるために新たな都を作り新たな神を信仰する。神官たちとの対立。すべての戦争を否定するアクナーテン。離れていく民の心。自らの親友と考えていた軍人であるホルエムヘブとの決別。理想を追い求めるアクナーテンと現実を見るホルエムヘブとの溝。王位後継候補のツタンカーメンとの考え方の違い。宮廷で進む妃ネフェルティティの姉ネゼムートの陰謀。

     2009年10月23日購入

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    2012年08月10日
  • 愛の重さ

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    私の好きなミス・マープルやポアロは登場しないが、クリスティー特有の軽快な進め方で、とても面白かった。

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    2009年10月04日
  • 娘は娘

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    メアリ・ウェストマコット名義のクリスティの作品は、読み返すほどに味が出てきます。読むたびに新たな発見があり、そこから自分の考え方が分かってくるというか。最初に読んだころから随分違う印象を持つようになりました。母と娘、愛しているからこそどんな犠牲も払う。それを決めたのは自分なのに、相手を恨めしく思ってしまう瞬間があるのです。その気持ちが段々胸に溜まっていって、自分でも訳のわからないモヤモヤになって・・・。ミステリの女王は人間観察の女王でもありますね。イーディスやデーム・ローラの台詞を読んでいると、目の前にクリスティがいたら心の奥底まで見抜かれそうな気がしてきます。

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    2009年10月04日
  • 春にして君を離れ

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    ヒトコワでおすすめするならこの本かも
    自分が善良だと思っている人間の、悪意がない行動が一番タチが悪い

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    2026年07月19日
  • 春にして君を離れ

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    ネタバレ

    ロドニーがエイヴラルに結婚の誓約のことを説いたところで、「自分はこれが出来ていなかったから離婚したんだろうなぁ」としみじみ思った。

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    2026年07月17日
  • 春にして君を離れ

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    アガサクリスティはミステリーしか読んだことがなかったため新鮮だった今作。

    前半はジョーンのプライドの高さ、子供達からどう思われているか気がつかない鈍感さにばかり目がいったけれど、後半の、急激に自分の過去の過ちを振り返り始めるのは見ていてもとても心苦しい。

    それとともに後半印象が変わるのは、ロドニーだ。
    前半は、旦那さんあるあるだなあ、子供にとって良い父親なんだろうなあ、とか呑気に考えていたけれど、後半を見ているとそうも言えなくなる。
    完全なモラハラとも違うような気がするけれど、なんだかモラハラ臭を感じる。
    決定的なことを言うわけではないけれど、だからこそ胸に秘めてずっと相手に核心的なことを

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    2026年07月11日
  • 春にして君を離れ

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    可哀想というか想像力のない不幸な人だなと思った。夫が度々「プア(かわいそう)」て言ってるのもこわてかんじ。けどこんなに長い間そのことに気付かないならある意味幸せなのかも?
    周りは言っても通じないなて諦めたんだなと思ったら背筋が伸びるというか自分も気をつけないとていう。

    旅の途中で急に回想に入るので、話がするする抜け落ちてしまう感覚があったから何回か読み返したりしたけど後半はおもしろかった。

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    2026年07月08日
  • 春にして君を離れ

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    アガサクリスティーのミステリーではない作品。

    平凡なイギリス人主婦がバグダッドに住む娘を見舞った帰りに列車が止まり、数日かかって帰るまでの話。道中で昔の友人に会ったり、昔のあの出来事はどういうことだったのかしら?など思い出したりしながら、途上の宿泊場所で次の列車を待ちます。

    やることがなくて、孤独な時についつい昔のことを思い出して、恥ずかしくなったり後悔することは皆心当たりがあるではないでしょうか。(特に風邪で寝込んでいる時とか…)

    真実を知ってしまうことと知らされないこと、どっちが幸せなのか。

    主人公の性格が自分勝手で好きじゃなく、前半は退屈に思いましたが、最後の最後で、はあっ…とな

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    2026年07月03日
  • 春にして君を離れ

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    砂漠を彷徨う傲慢で独善的なジョーン・スカダモア夫人を眺め続ける体験。

    自己正当化が続く。クルクル回る万華鏡……クルクルクルクル…

    これスカダモア夫人が決して無能ではないところが怖い。単純に家族を尊重できない独りよがりな母親というわけでもない。(結果としてそうなのだが)

    正当化を繰り返すが、彼女は彼女の正義に基づいて判断をしている。

    良き妻、良き母像を忠実に守っている。そして自分自身をも忠実に守っている。

    彼女は目の前の生活における「正解」を選び続けてきたのだろう。けれど、その正解を選ぶ自分自身を疑うことはできなかった。1944年の小説でありながら、「目の前の最適解に集中すること」と「

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    2026年06月30日
  • 春にして君を離れ

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    誰の中にでもある程度存在しそうな、主人公の独りよがりな性格があぶり出されていて痛烈な小説。そして、旅の途中で主人公はそれに気づくのに、家に帰るとまた見て見ぬ振りをして自分の頭の中の幸せな世界に居続けようとする。この辛辣さはなかなか心苦しいが、人間の心情や人間関係が非常に良く描写されていて見事だった。

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    2026年06月29日