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別ればなし TOKYO2020.
マスクを下ろして、 キスをする。 コロナ禍、猛スピードで変わる世界。 最新恋愛小説。 さようなら2020年。 過去最大に炎上している地獄のようなリプライ欄。キリはスマホを伏せて、 サイとのキスをまた思い返す。 Chapter6.Pandemic. 女って、なんなんだ。すぐに愛が欲しいと叫び出す究極のエゴイスト。 女の「好き」ってなんなんだ。その一瞬は本気なんだよ。そこが一番怖ぇんだ。 Chapter8.Break! 芸能人のセックススキャンダルなんて、人々の暇つぶしの話題としてのみ消費され、 光の速さで過去になる。でも、人は意外と忘れはしない。 死ぬまでそいつらは、ボクの恋の生き証人になってくれる。 Chapter11. Revenge Porn. 時よ、止まれ――。 Chapter13. To Be Continued. -
君はるか 古関裕而と金子の恋
2020年度、連続テレビ小説『エール』で、主人公のモデルとなった国民的作曲家、古関裕而と妻・金子(きんこ)。ふたりは文通のみで恋愛し、ひとたび会った時には、たちまち結婚に至るという、希有な純愛で結ばれた。当初は、オペラ歌手を目指していた金子の、裕而へのさりげないファンレターで始まった文通は、やがて熱烈なラブレターへと変わっていく。手紙による恋愛、結婚という純愛物語は、現代ではもはやおとぎ話。ふたりの愛の往復書簡は、逆に新鮮に心に響くに違いない。なおこの作品は、長男である正裕氏が、父と母が残したラブレターを整理し、丹念に読み解き、10年の月日をかけて、ふたりの熱情と名曲誕生秘話を綴った、珠玉の恋愛小説。身内によって書かれた唯一無二の物語である。「写真で綴る古関裕而・金子略年表」付き。 -
運命の人を見つけた、ら
最高すぎるハッピーエンド! 中学生のときに「ストーカー」というあだ名をつけられてからというもの、恋なんてしないと決意して生きてきた。しかし勤務先の看護師に失恋し、やけ酒を飲んだ勢いで申し込んだ婚活パーティーで、“運命の人”に出会ってしまった。でも、聞けたのは、名前だけ。その翌日、故障したCTスキャナーの暴走に巻き込まれ、僕は中学二年生に戻っていた……。僕は、生き直すことにした。勉強に励み、進学校にすすみ、医学部に合格した。生まれて初めての彼女もできた。しかし、9.11で人生は暗転する。うなるほどの大金を手にし、欲望のかぎりを尽くした男が、時代も空間も跳躍するほどに、ほしかったものとは? 気鋭の脚本家が描く、最高すぎるハッピーエンド! -
水辺のブッダ
ベストセラー『あん』著者新時代の感動長篇。 多摩川の河川敷で、仲間のホームレスたちと共に生活する望太。一度は死を選びながらも、彼らに救われ、やるせない思いを抱えながら生きている。 そこからさほど遠くない街で、女子高生の絵里は、世の中に対する怒りとむなしさを抱えて暮らしていた。家族の中での疎外感に耐えられなくなったころ、ある男と出会い、事件に巻き込まれてしまう。 そしてふたりの過去が次第に明かされてゆく・・・。 誰の人生にも、冷酷な人間の心の闇に触れて絶望するときがあれば、人と出会い、深く語り通じ合い、光に満ちた美しい瞬間もある。 世の中の片隅で懸命に生きる人々の傍らに立つドリアン助川が描く、ふたりの“生きる”物語。 河瀬直美監督、樹木希林・永瀬正敏主演で映画化もされ、世界12言語で翻訳出版され国内外でベストセラーとなっている『あん』の著者の、新時代最初の感動長篇!(2019年5月発表作品) -
ふたたび蝉の声
いろいろあるけど、前に進もうと思う。 五十歳を目前に控えた進は、役者という職業を細々と続けながら、東京で暮らしている。最近ようやく順調に仕事が入るようになったが、娘と妻のいる家庭内では、どうにも居心地の悪さを感じるようになった。 ときどき、ふと漠然とした不安を感じることがある。これから自分たちはどうなっていくのか……。 故郷で一緒に育った姉、友人。老いていく父と母、そして今の家族、妻と娘。 進の人生に関わる様々な人がいる。そして、それぞれがひとりひとりの人生を生きている。でも、どこかで重なり、繋がり、そしてお互いの人生に何かのきっかけを与え続けていく――。 “人生は、長いようであっという間” 翻弄され、迷いながらも家族や人生と向き合い、懸命に生きる人々を描いた群像小説。 【著者より】 小説『ふたたび蝉の声』は54年間生きてきた自分の人生観、家族や友人等、いろいろな想いを込めて書いた群像劇です。知り合いの誰かと誰かを足して創った人物もいれば、まったくの想像で創った人物もいたり……。楽しみながら、噛み締めながら書きました。是非、ご一読ください。 内村光良 -
前世は兎
「狂っているのはどっちだ」と兎が突き付けてくる。我々の取り繕った世界を、皮を、作者は次々と引っ剥がす。人間の暗部を見せてくれる。――こだまさん(作家)絶賛!!(『夫のちんぽが入らない』『ここは、おしまいの地』)/▼七年余り雌兎だった記憶を持ち、雄との交尾に開け暮れた一生を送った女。現世でも常に交尾を欲し、数々の奇行に走る。そして前世でつがいだった男と再会するが、その先で遭遇した恐ろしい出来事とは――(前世は兎)。▼36歳、教員で休職中の独身女が日々「ヌッセン総合カタログ」を詳細に書き写す訳は、「スティレス」を解消する為だった。同僚が次々と部屋を訪れ、職場復帰を促すのだが――(宗教)。▼破滅を迎えた世界で、国のマラソン競技に選抜された姉。労働力として認められないものへの唯一の栄誉だが、自殺や逃亡は許されない。選手村への出発を翌日に向かえた夜、姉がとった行動とは……(ランナー)。ほか、全七話。現実感覚を揺さぶる怪作集! -
こころ傷んでたえがたき日に
ベストセラー『友がみな我よりえらく見える日は』の感動が10倍になって帰ってくる。泣いて、ホッコリ。笑ってしんみり。短いけれど大きく深く魂をゆさぶる珠玉の22編。 日本唯一のコラム・ノンフィクション作家・上原隆による最新の精華! 妻が他の男の子供を産み、だが、その子を育てる決心をしたのに結局は妻に出て行かれた男の慟哭「ああ、なんてみじめな」。京都で朝日新聞を60年間ずっと配達し続ける男の話「新聞配達60年」。あの世界的日本人文豪のデビュー前をよく知る男の思い出「彼と彼女と私」。女性とつき合ったことのない男性書店員が同じ店の仲間と始めた悲しい交際の顛末「未練」。腸内がただれて食事ができない10万人に1人の難病・クローン病を患う青年の克服「僕のお守り」。新聞の「仲畑流万能川柳」に毎日投稿し月に5、6回は掲載される常連の人生と日常「恋し川さんの川柳」。なにもかも失い横浜の街角に立つサンドイッチマンが見せた見栄とは?「街のサンドイッチマン」。突然、姿を消したある文芸評論家の女をめぐる謎を解く「文芸評論家・松原新一を偲ぶ」。20年前、留学の2日前に直前に殺された「柴又・上智大生殺人事件」の被害者・小林順子さんの両親が語る「娘は21のまま」ほか、感動の全22編。 -
愛を乞う皿
鬼才と呼ばれ、怪物と恐れられた北大路魯山人。そのミステリアスで壮絶な一生とは。小説・魯山人 稀代の芸術家が生涯に残した仕事は多岐に亘る。会員制の「美食倶楽部」で食通たちを虜にし、天下の名料亭「星岡茶寮」を立ち上げ、三十万点もの陶芸作品を生み出した。一方天才ゆえの傲慢さ横柄さは周囲の友人、恩人、家族を傷つけ遠ざけ、病床に寄り添うのは平野雅章ただ一人。鬼才と呼ばれ怪物と恐れられた北大路魯山人とは一体どんな人物か。平野は縁の深い人物を訪ね歩き、その実像に迫ろうとする。料理人の松浦沖太と武山一太、若かりし魯山人に影響を与えた細野燕台、盟友・中村竹四郎、陶芸家・荒川豊蔵、三番目の妻中島きよとその娘和子。明らかになる知られざる顔とは。 -
越し人 芥川龍之介 最後の恋人
文豪と美貌の「文学夫人」の秘められた恋。 芥川龍之介が死去したのは昭和2年(1927)7月24日。死後90年の節目にあたる2017年7月に、芥川の「最後の恋人」とひそかに語られている歌人、片山廣子を主人公とした小説を刊行いたします。14歳年上の上流夫人で、アイルランド文学翻訳者としても名を知られていた廣子と芥川の軽井沢での出会い、そして情熱的な手紙のやりとり。廣子の娘と堀辰雄の成就しなかったロマンスをサイドストーリーに、誇り高く情熱を胸に秘めた「幻視者」廣子の人生を、女性作家の視点で活写する渾身の書き下ろし長編です。 芥川が「才知の上にも格闘できる女に遭遇した」(「或阿呆の一生」)と書き、菊池寛が「最もすぐれた日本女性」とその才能を絶賛した廣子は、芥川の死後世間との関わりを絶ってひっそりと生きますが、最晩年にエッセイ集と歌集を刊行して高い評価を受け、79歳で亡くなります。女性のみごとな生き方のひとつの例として、片山廣子の人生は私たちに一筋の光を当ててくれます。 -
若葉の宿
京都の町家旅館で祖父母に育てられた、若い女性の揺れる心情を描く「小説すばる新人賞」受賞第1作。京都の小さな町家旅館・山吹屋に生まれた夏目若葉は、父を知らず、母も幼い頃に失踪したため、祖父母に育てられた。旧来のスタイルを守り続ける山吹屋は、グローバル化の波が押し寄せるなかで、年老いた祖父母の手で細々と経営が続けられていた。旅館を継ぐ決心がつかないまま20歳を過ぎた若葉は、祖父の伝手により、老舗の大旅館で新米の仲居として修業を始める。一方、中学からの親友・紗良は、芸妓を志す。失敗を繰り返しながらも仕事を覚えていく若葉は、先輩からの厳しい叱責に戸惑い続ける日々を送っていた。そんなある日、山吹屋に買収の話が持ちかけられる。さらに、若葉が勤める大旅館にも激震が……。 -
ツタよ、ツタ
千紗子という新たな名前を持つこと。心の裡を言葉にすること。自分を解放するために得た術が彼女の人生を大きく変えた――。明治の終わりの沖縄で、士族の家に生まれたツタ。父親の事業の失敗によって、暮らしは貧しくなるが、女学校の友人・キヨ子の家で音楽や文学に触れるうち、「書くこと」に目覚める。やがて自分の裡にあるものを言葉にすることで、窮屈な世界から自分を解き放てると知ったツタは、「作家として立つ」と誓う。結婚や出産、思いがけない恋愛と哀しい別れを経て、ツタは昭和七年に婦人雑誌に投稿した作品でデビューする機会を得た。ところが、待ち受けていたのは、思いもよらない抗議だった……。「幻の女流作家」となったツタの数奇な運命。一作ごとに新しい扉を開く、『ピエタ』の著者の会心作! -
蠕動で渉れ、汚泥の川を
“湊かなえ氏激賞!! 「17歳の失敗は、人生の失敗じゃないのだ」と貫多は私に教えてくれた──湊かなえ”。貫多、セヴンティーン! 人生はまだ、始まったばかり。初めての洋食屋でのアルバイトと、波瀾万丈の日々。家を追われ、猛女に怒鳴られ、途方に暮れる。待望の最新長篇<私小説>! 「確かに自分は<青春の落伍者>にはなりつつあるが、しかしながら、まだ<人生の落伍者>には至っていないのだ」。白衣を着てコック帽をかぶった北町貫多は、はじめての飲食店でのアルバイトにひそかな期待を抱いていた。日払いから月払いへ、そしてまっとうな生活へと己を変えて、ついでに恋人も……。労働、肉欲、そして文学への思い。善だの悪だのを超越した貫多17歳の“生きるため”の行状記! -
バーゼン・マターシュ―雨上がり―
ダグルア星の裕福な家庭に生まれ育ったウンジェールは、治療を重ねるうちに主治医のジャヴァードイルハムに恋心を覚え始めていた。しかし、ジャヴァードイルハムは“マスター”と呼ばれるウンジェール一族の所有者に背くことができない。ウンジェールは泣く泣くマスターが決めた婚約者と結婚することに。しかし星を挙げての結婚パレードの最中、目の前にジャヴァードイルハムが現れる。さらに、マスターが差し向けた追っ手の影が迫り……。ウンジェールとジャヴァードイルハムは二体のロボットの応援のもと、地球を目指してダグルア星を飛び出した!ロボットに追われる二人は、無事に地球にたどり着くことができるのか!? -
開花の人―福原有信の資生堂物語
徳川の世が揺らぎはじめた元治元年(1864年)、一人の青年が蘭方医学の私塾で学ぶため、安房国(現在の千葉県)から江戸にやってきた。その青年こそが後の資生堂を創業する福原有信(ふくはらありのぶ)だ。 有信は、窮乏する福原家を再興するという使命を帯びて、勉学に励む。当初は医師を目指していたが、ある時、1冊の本と出合う。その本はワートルの『薬性論』。この本が有信の後の人生を大きく変えていくのであった。 有信の真摯に学ぶ姿に、多くの人が感化され、そして有信を支えていく。そして当時の日本ではまだ受け入れられなかった「医薬分業」に取り組み、明治5年(1872年)西洋薬舗会社「資生堂」を創業する。これが2012年に創業140周年を迎えた、あの化粧品会社「資生堂」として羽ばたいてゆくのである。 本書は数々の苦難を乗り越え、自らの意思を貫いた薬師であり実業家である福原有信の人生を描く著者渾身の評伝小説である。 -
シャアル ─ 戦争という名の悪魔 ─
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 戦争の正体を、あなたは知っているか 人類史上、大義の名のもとに起こされた戦争の数々。 そこには、歴史の影で暗躍する""悪魔""の存在があった。 愛国心、正義、祈り……「善意」を操り、戦争へと扇動する悪魔の軛(くびき)を断ち切れるのか―― 第二次世界大戦下の日本。一人の軍人が、戦争を操る悪魔の存在に気づく。 しかし姿の見えない敵に為す術なく、日本は敗北へと向かう。 時は流れ、現代。戦火の中を生き延びた青年の前に現れた、正体不明の少女。 「民衆の涙を込めよ」——その言葉の真意とは。そして悪魔と人類、戦いの果てに待つものとは。 -
すべてが円くなるように
貝は海からの贈り物。 真珠には、 不思議な魔力が潜んでいる。 祖母と孫、母と娘、女友達――。 真珠がつなぐ人生と夢を描く、 極上の短編集。 展覧会を一目見ることができたら、フェルメールに捧げる物語を書くときめ、作家の私はアムステルダムに向かった。(「フェルメールとの約束」) パリで設計事務所を営む祖母に憧れ、建築の勉強をしている杏樹。祖母からシャルロット・ペリアンの写真を見せられ、衝撃を受ける。(「あの日のエール」) リタ、碧海、芦花はハーバードの同級生。メトロポリタン美術館の学芸員であるリタの企画展のため久しぶりに鳥羽で集まることに。(「海からの贈り物」) ほか -
国際ビジネスマン
理想か、現実か。人生を左右する仕事選び、 あなたの決断は? 夢や理想を追う「天職」か、能力や適性に合う「適職」か。挫折からの再起に挑んだ一人の男が、最終的に選んだ“答え”とは─。グローバルな舞台を目指した商社マンの半生を描いた成功物語(サクセスストーリー)。 国際ビジネスマンを夢見て挑戦と挫折を繰り返してきた、赤沢崇36歳。横浜の貿易商社で働く彼のもとに、突然、念願のニューヨーク本社への転勤の話が舞い込む。夢見てきたグローバルな舞台は、赤沢にとって適職なのか、それとも天職なのか─。 現代を生きるすべてのビジネスパーソンに贈る、希望と再生の人生ドラマ -
朧月
もう恋なんてするはずはないと思っていた――あの日、出逢うまでは。 一度はすれ違い、遠ざかった二人。再会の先に待つのは、後悔か希望か。 静けさの中に胸を打つ、大人のための恋の物語。 東京から地方都市へ単身赴任した50代の会社員・斎藤拓也は、新天地での仕事と生活に適応しようとする中、同僚の西澤レイ子と出会う。知的で誠実、気品を感じさせる彼女に対し、拓也は既婚者でありながら強く惹かれていく。互いに家庭がありながらも、仕事やランチ、何気ない会話を通して距離が縮まり、やがて淡い恋心が芽生える。禁断ともいえる感情と、それを昇華させようとする姿が丁寧に描かれる中年男女の情愛の物語。 -
本読むふたり
待ち合わせの目印は、『ノルウェイの森』だった。 村上春樹、島本理生、森見登美彦、中田永一。 ふたりの間には、いつだって本があった。それなのに……。 2010年代のカルチャーを閉じ込めた、ピュアな恋愛小説。 大学の課題で読んだ村上春樹の短編小説をきっかけに、読書の面白さに気づいたタツヤ。調べるうちに出会ったのが、Twitterの読書アカウントだった。自由で楽しそうに本の感想をつぶやく彼らの中で、タツヤはフミカというアカウントの投稿に心惹かれる。初デートの渋谷。明け方の神保町。抱きしめ合った御茶ノ水――。 わたしたち、出会うはずじゃなかったんだよ。 -
地上に輝く星たち
焦る必要はない、ただ目の前の自分を全力で生きればいい 「中学に行っても、ずっとこの関係性が続くと思っていた」 変化する友情と、大人の階段を上ることへの期待と不安。 感受性豊かな思春期を過ごす青年たちの葛藤を、繊細に描いた青春小説。 みんなの人気者・晃、真面目で勉強が得意な健斗、気が利き調和的な悟。 異なる性格を持つ仲良し三人組は、幼馴染でいつも一緒に行動していた。 しかし、入塾や中学進学を機に、彼らの間には少しずつ距離が生まれてしまう。 それぞれが劣等感や嫉妬、自己への存在意義に対する疑問を抱きながらも、 彼らは心の成長を通じて、友情の大切さを再発見していく――。 -
我的愛人
守るべき未来のために、僕らは立ち上がる。 「正義のために苦しむ人が生じるなら、私はそんな正義を欲しません。」 戦禍に直面しながらも平和を願い、ひたむきに生きる若者たちの物語。 青年・三郎は、学生生活を謳歌する中で出会った弥生という女性に心惹かれながらも、明確な思いを伝えられぬまま卒業を迎え、県庁職員として充実した日々を過ごしていた。 そんなささやかな日常とは裏腹に、隣国との国境紛争は激化の一途をたどっていた。 一年越しの再会を果たした三郎と弥生。二人の元にも、戦争の影が徐々に忍び寄る。 なぜ人々は争うのか。戦争の先には、どんな結末が待っているのか。 彼らはそれぞれの決意を胸に、平和を取り戻すべく動き始めるのだった――。 -
80歳、私らしいシンプルライフ
東京から安曇野に移住して16年。元『装苑』編集長、初のエッセイ 第2の人生を自分らしく楽しむ、シンプルで心地よい暮らしとおしゃれの工夫 60代で長野県安曇野市に移住し、第2の人生をスタートさせた元『装苑』編集長、德田民子さん。移住のきっかけは、夫婦で訪れたドライブで眼前に広がる美しい北アルプスの風景だった。たくさんのものを手放し、暮らしをリセットする中で気づいたのは“シンプルって、心地いい”ということ。 移住から16年。四季のはっきりした安曇野での暮らしやおしゃれの工夫、毎日をごきげんに過ごす秘訣など、80歳を迎えた德田さんの心豊かな日々をご紹介します。 第1章 安曇野で始めたセカンドライフ 第2章 シンプルで心地よい暮らしのマイルール 第3章 おしゃれこそ元気の素 第4章 四季を楽しむ家しごと 第5章 毎日をごきげんに過ごしたい -
僕の悲しみで君は跳んでくれ
18歳の時に “あいつ”が放った光を、もう一度見たい。「その一瞬」のために始まった青春の延長戦は、あまりにも――。 読んだら、誰かを“応援”したくなる! 全ての人の感動スイッチを押す、胸アツ青春小説。 私たちは今、壮平君が歌った未来にいる――。 札幌で高校時代を過ごした仲間たちには、共通した「忘れられない瞬間」がある。学校祭の中庭のステージで見た、瀬川壮平の姿だ。 当時の仲間たちが同窓会と称して集まっていたある日、母校の中庭が無くなるというニュースが。 もう一度、あの場所で壮平を見たい! しかし、東京でプロの活動を始めた壮平のステージは果たして実現するのか? 10代を共に過ごした仲間と、もう一度青春することはできるのか? 掴めそうで手放してしまった「欲しかった未来」に、もう一度手を伸ばしてもいいのか? 大人になってなんとなく流されていく日々に、「あのとき感じた希望の感触」が蘇る! ~~31文字の制限中で「その瞬間」を短歌というドラマにしてきた著者が、ついに挑んだ、渾身の長編小説。 -
今日も明日も負け犬。
いつだって、人生の負け組だった。 それでも、 今日、食べた朝ご飯。 今日、歩いた道。 今日、聞いた音楽。 今日、話した友達。 奇跡は少しずつ転がっている。 「病気を抱えながら生きてきた私の過去をいつか映画にしたい。小田、映画の原作になる本を書いてよ」。 この西山の言葉から全ては始まった。 新型コロナによる3ヶ月の休校期間を使って、私は西山の16年間の人生を書き上げた。 「今日も明日も負け犬。」というタイトルをつけて、ネットで100冊自費出版した。 高校生たちによる自主製作映画は西山により監督され、eiga worldcup 2021最優秀作品賞を受賞した。 「小田、本書いてよ」の一言で始まったこの物語は、商業出版という形で新たなスタートを切ろうとしている。 ――小田実里 起立性調節障害という病を抱え、学校に行けなくなった中学生の実話に基づく感動の物語。 16歳で書いた鮮烈なデビュー作。 -
なぜあなたの痛みはがんばっても消えないのか? 現役はりきゅう師が教える「痛み」のメカニズム
「痛くない」をあきらめない 頑固な肩こり・しんどい腰痛・辛い痺れ…… どうがんばっても緩和しないその痛み、あなたが悪いわけではありません。 ただ、痛みの原因を知らないだけ。 「どうして痛くなるのか」を知れば、「どうすれば痛くならないか」が見えてきます。 患者さまの痛みに向き合い続ける現役はりきゅう師が、今まで誰も教えてくれなかった痛みの原因と対策を、誰よりもわかりやすく解説します。 自宅でできるセルフケア&ストレッチも収録! ■目次■ 第1章 痛みの原因を考える・「なぜ痛くなるのか」を知ってほしい 第2章 姿勢について 第3章 ケガの予防・日常の中に潜む危険 第4章 痛くなる部位別、痛みの原因と対処 第5章 鍼・灸ってなんだろう 第6章 鍼灸院に行く際に知っておいてほしい基礎知識 第7章 東洋医学と西洋医学 第8章 おうちでできるセルフ鍼(はり)・お灸&ストレッチ -
天使のように僕は死んだ
人生、そんなに甘くないわよ! 善人にも悪人にも、まさかの大どんでん返しが待っている。 愛すべきキャラクターたちから目が離せない、愉快痛快な短編集。 「GTRはゴー・トゥー・リボーンのこと。元の世界に生まれ変わるってことなんだ」 天国で何不自由なく暮らしているトオルのもとに舞い込んできた、人生やり直しのチャンス。 死に別れた最愛の妻に指輪を手渡すべく、GTRを賭けた「禁断のクイズ大会」に参加することに―― トオルは無事に元の世界へ戻ることができるのか。そして、最後に明かされる衝撃の事実とは。 表題作「GTR(天使のように僕は死んだ)」ほか、ユーモアたっぷりな全4編を収録。 -
感染症を題材とした小説の世界 新型コロナウイルス感染症を中心として
人類最大の危機! パンデミックから身を守るすべはあるのか―― 『復活の日』『首都感染』『火定』など、感染症を題材とした小説の面白さを紹介しながら、現実世界の感染症対策も論じる一冊 〈感染症を題材にした小説の効用〉 ・感染症の脅威を伝え、危機意識や拡大防止の意識を高める。 ・政府や地方公共団体の感染対策の不備を知り、適切な対策を求めるきっかけになる。 ・感染症パンデミックの中で発生する人間の心理的弱さを知る。 ・感染症と闘う医療従事者への感謝や尊敬を醸成する。 ・感染症と闘う中で生まれる人間相互の助け合いの素晴らしさを知る。 ・エンターテインメント性豊かな作品に触れることができる。 -
哀瞳のレムリア 太平洋を巡る神々の光波と久遠の時を刻む魂たちからの伝言
未来を護るために散った魂たちが、時空を超えて今つながる かつて地球に存在していた、太古の文明「レムリア」。 その系譜は太平洋の波に抱かれ、朽ちることなく現代まで生き続けてきた。 平和への想いを語り継ぎ、深い過去世の世界へといざなう愛と調和の物語。 子供の頃から太平洋を旅してきた亜美は、最近ある夢を見る。 それに導かれるようにパラオを訪ねた亜美を待っていたのは、両親が残したメッセージだった。 父からの手紙や戦時下を生きた兵士たちの足跡、残された糸を手繰り寄せるうちに、 亜美は隠されていた歴史の真実に触れ、自分自身の前世を辿ることになる――。 -
Dear ママ
私はようやく、ママのことを話せる自分になった―― 見ないようにしてきた傷の数々 自分を大切にする、その本当の意味 無理に許そうとしない 吉川ひなの、再生の告白 子供時代に負った心の傷、母との複雑な関係を経て、自身が3人の母親になるまで 過去との向き合い方。 自分を大切にする、その本当の意味とは? 無理に相手を許そうとしなくていい。 ――吉川ひなの、初の告白 渾身の書き下ろし 目次 第1章 ママとわたし 告白 許すの許さないのどっちなの 愛してたの愛してなかったのどっちなの インナーチャイルド すっごい泣いた夜 宗教二世 第2章 母親になったわたし 子育て 流産 心配より信頼 水中出産 3人育児 第3章 わたしのままを受け入れる 許し 自分を大切にするということ 一人で眠れるようになりました わたしの役目 -
わたしにも、スターが殺せる
《エンタメは必要じゃないかな?》《誰か補償してくれるの?》 コロナ禍、不用意な発言をしたスターをSNSで追い詰めるこたつライター。 “殺される”のは、誰なのか? “自分”も加担していないと言えるのか? 時代の気分を大きく左右したコロナ禍の大衆の心理を生々しく炙り出す、 息もつかせぬサスペンス! コロナ禍、SNSで不用意な発言をした2.5次元俳優・翔馬。これまで【M】と名乗り彼を「上げる」記事を書いていた平凡なこたつライター・真生は、その発言を捉えて彼を「叩く」方へ転じる。彼のファンは大反発し、【M】を炎上させる。しかし程なく流れが変わり、コロナウイルスに危機感を抱く世間が、一斉に翔馬を叩き始め、スターは“殺された”。高揚感が抑えられない真生だったが、以前から【M】の正体が真生だと知る何者かに、自宅マンションを晒されたり、脅迫のような郵便物が届けられていた。半同棲の恋人・春希と共に嫌がらせの犯人を突き止めようとする真生だったが、浮かび上がったのは意外な人物だった……! -
鴨川カレイドスコープ ~京都の医大病院を舞台にした10人の物語~
医学生、看護学生、医師、看護師、技術者、研究者…… 150年の歴史をもつ医科大学とその附属病院を舞台に 医療人としての多彩な選択肢(ルビ:キャリア)を描く オムニバスストーリー。 ---------------------------------------------------------- 京都・鴨川のほとりには四季折々の景色を舞台に、医療の未来を切り拓く医学生や看護学生、 研究者や医療従事者たちが織りなす数々の物語があります。 患者や熟練の看護師に叱られながらも使命感をもって実習を重ね、 やがて患者に頼られ心の拠り所となっていく看護学生。 新生児を救う現場で、生まれたばかりの命が伝えようとしているサインを汲み取りながら 成長を見守るNICU(新生児集中治療室)の専属理学療法士。 最先端の医療技術やロボット支援手術のノウハウを取得する一方で、 一児の母としての顔をもち娘の励ましの言葉によって自分を奮い立たせている外科医。 そして、地域住民が安心して暮らせる医療体制の構築に励む外科医の病院長など、 ここには患者に寄り添う優しさとさまざまな困難を乗り越える強さを併せ持った者たちが、 明日の医療を考え担う数々の風景があります。 本書では、大学病院で学び、附属病院で働いているさまざまな医療人たちにフォーカスし、 それぞれの志や思いを胸によりよき医療を志す者たちの挑戦の姿をエピソード形式で描いています。 これから医療を学ぶ人に限らず、医療従事者が将来のキャリアを考えるうえでも 多くのヒントが散りばめられている一冊です。 -
悪魔のウイルス
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 新型コロナウイルスの騒ぎから数十年後、中国の欧米諸国への劣等感という現実から生まれた超軍事兵器であるユダウイルス(人種別に効果が異なる新型インフルエンザ、自然発生のウイルスには考えられないほどの早さで遺伝子が変化する軍事用人工ウイルス)が政府系武漢研究所から盗まれた。自然発生ではない最先端テクノロジーが開発した人工ウイルスは容赦なく世界に壊滅的被害を与える。絶望した中国から飛んでくる核兵器、街を徘徊する感染ゾンビ達、混乱する世界、日本に船で押し寄せる数万人の中国・南北朝鮮の感染難民。この最先端テクノロジーが生み出した悪魔に日本政府はすべての力を振り絞って戦う。日本はどう生き残るのか? -
姥捨て山戦争
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 民主主義は失敗した。老人の数の力を頼りに権力を握った老人政治家は私利私欲に目がくらみ公益より、私益を選んだ。年金は九十歳支給となり、日本全体は不満の渦に包まれる。暴動発生! その後、革命が起こり、若者と中年による軍事独裁政権が発足。敬老の日が廃止され、若者の日が制定、政府は現役世代の負担を減らす為に超強権的処置の現代的姥捨て山政策を行う。金の為に老人を追う若者と逃げつつ若者に抵抗する老人。老人への負担に苦しむ日本の近未来小説。勝つのは老人、若者のどちらか? -
私はサラリーマンになるより、死刑囚になりたかった
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 現代の組織の中で、臆病な駒で労働力を提供し、自由を諦めた動物にしかすぎない事を誇りにするサラリーマンに疑問を持った、金持ちのイケメン芸能人を激しく憎む三十代男性ニート(無職)の物語。大学卒業してから十数年たって友人が社会に適合し、夢を捨て、妻子も持ち、諦めた無力な駒になる中で駒になる事に最後まで抵抗し、真のイキガイを求め続けた彼の選択とは? 現代の日本型資本主義社会に虐げられた者が社会の矛盾点を容赦なくえぐり抜く。 -
僕は令和で棋士になる
正徳元年11月9日。次期名人を争う渦中にいた天才少年棋士・伊藤印達は、日本橋駿河町の呉服屋に仕立てが終わった小袖と羽織を引き取にいく途中だった。 「悪いことは言わねぇ、巾着を置いてさっさと失せな」 腰に太刀を帯びた男たちに取り囲まれた印達は生い茂るススキのなかに飛び込んだ―。 眼を開けるとそこは令和2年の東京。あらゆるものが江戸とは違う世界だった。 15歳で肺結核のため夭逝した実在の将棋指し・伊藤印達が、死の1年前に羽生善治、藤井聡太が生きる現代にタイムスリップしたら・・・。 『時空棋士』で将棋ペンクラブ大賞優秀賞を受賞した新井政彦による、新しいタイムスリップ将棋小説! -
どこか或る家 高橋たか子自選エッセイ集
すべて素顔の私。私らしい文章40篇を厳選――小説の中に表われる作家の分身……。自身そのように小説を書いてきたけれど、それは、<私>という人間そのものでは、決してない。おさない頃の京都の記憶、日々の生活を楽しんだ鎌倉、親しい友との旅、出会い、そしてパリでの霊的体験……。書きつづってきた文章の中から、40篇を選び出してみた、ほんとうの<私>をわかっていただくために。 ◎高橋たか子「今、人生の最終段階にいる私は、私という者が大体どういう者であったかを、すくなくとも、すでに書いたエッセイをざっと並べる形において、わかっていただきたい、と思う。大体、と書いたが、全体は神のみぞ知る。<「著者から読者へ」より> -
対談・文学と人生
独自の創作理論を打ち立てた、二大巨人による実践的文学論。文学の<現在>はここから始まる――独自の文学世界を打ち立てた二大巨人=小島信夫&森敦による長篇対談。昭和20年代半ばからの知己である二人が、これまでの交遊を振り返りつつ、創作理論の<現在>を縦横に語り合う。悲劇と喜劇、内部と外部、小説におけるモデル問題、夢と幻想、演劇論など、多岐にわたるテーマを通して、二人の文学の根柢に迫る、スリリングでアットホームな試み。幻の未刊長篇対談、待望の文庫化。 ◎小島信夫「この対話は色々の問題をもってきて、互いに論じるというようなものとは大分ちがう。問題も材料も互い自身である。これは息苦しいものであるし、空を切ることもあるので、ときどき散歩をすることもある。ときには、自分自身をダマす必要もある。(略)今月、悲劇、喜劇という言葉が出現して、私は刺戟をうけた。まどろみかけた目がひらいた思いがした。(略)今回のような談話の中での文脈の中でおどり出たのだから、これは生きた言葉である。生きた言葉であるだけに、今後何度も俎上にのぼり、たのしまなければならない。」<「第四回・追記」より> -
プレカリアートの憂鬱
めくるめくプレカリアートの世界へようこそ! 活動家・雨宮処凛が、17人の「プレカリアート」な人々を徹底取材。彼らに希望は?? 社会は変わるか? 生きること、働くことの根源を問う、渾身のルポルタージュ! ――俺たちの魂の叫びを聞いてくれ! これは、明日の見えない「プレカリアート」たちの自由と生存のための闘争史だ。月収10万円のフリーター、ロスジェネ世代のニート、「派遣切り」におびえる非正規雇用者、「債務奴隷」さながらの新聞奨学生、高学歴ワーキングプア、「ネットカフェ難民」の日雇い派遣……「雇用崩壊社会」の現実に迫る懇親のルポルタージュ!! -
常識的文学論
歴史小説、推理小説は「文学」に値するのか? ――大衆文化の隆盛とともに、文学の世界においても、大衆小説や中間小説が文壇の主流へと登場しつつあった1960年代初頭。こうした流れを、純文学にとってかわるものとして擁護する批評家の言も含め、歴史小説や推理小説の実体を根底的に批判した、ポレミックな文学論。<『蒼き狼』論争>となった井上靖への批判、深沢七郎の『風流夢譚』批判、松本清張批判など、スリリングな文芸時評16篇。 「昨年中から大衆文学、中間小説の文壇主流進出を認容する論調があった。現象自体は現代の大衆文化進展の一環であり、別に不思議もないが、われわれの伝統や世界文学史に基いた文学の理念をこわしてまでこれを擁護しようとする批評家が一部にあった。(略)私はそれらに対して、文学の原理を争うのではなく、諸君の礼拝している淫祠邪教の実体はこれなのだ、と摘発する方法によった。」(「序」より) -
飆風
作家になることは悪人になることだ。生きることで他人を傷つけ、小説を書くことで自らをも痛めつけてゆく。すさまじい作家が、己の精神を追い込み、崩壊していく様を曝した、最後の私小説――「靴と下駄とスリッパが空中を飛んでいるんだ。ほら、そこに。」「くうちゃん、何言ってるの。何も飛んでいないじゃない。」「いや。飛んでいるんだ。階段も廊下も流れているし。」「変ねェ。何も流れていないじゃない。いつもの通りじゃない。」「ああ、俺は気が狂った。アロエの毒を呑まされた。」「誰に。」「誰だか分からない。俺の頭の中を風が吹いていくんだ。」「風?」(本文より) -
鳴滝日記・道 岡部伊都子随筆集
「美の巡礼者」岡部伊都子の京を巡る随想集。いとはん育ちの著者は、婚約者を戦争に送った慚愧を胸に戦後を生き、暮しの細部に宿る美、哀歓を美しい言葉で綴った。土地の精霊との交感から生まれた清々しい初期随筆集! ――ふしぎなめざめにうながされて……、凍てつく土中から虫たちが這い出すように、女ひとり、戦後をつよく生きる想いを綴る「四季採譜」。大阪のこいさん育ちの著者が生涯の地・京に移り住み、暮らしの中から紡ぎ出す美しい言葉で古都の魅力を語り尽す「鳴滝日記」。古の道、ふるさとの道、露地の道を行き交う人の運命を哀切に描く「道」など4篇。豊かな感性と強靭な志の1冊。 -
黙阿弥
黙阿弥の真の姿と心の奥の風景を描く曾孫からの鎮魂の評伝。 ――坪内逍遙に“明治の近松、我国のシェークスピア”と称された河竹黙阿弥。その78年の生涯を、秘蔵の原稿や手記をもとに、曾孫にあたる著者が心をこめて描いた評伝。幕末から明治への激動の時代を生きた黙阿弥の作者魂と、江戸作者の矜持。それは現代にも通じるひとつの「生」の記録でもある。 ※本書の初出は、「別冊文藝春秋」(1991年夏~1992年秋)に「孤影の人」という題で発表され、単行本は、文藝春秋より1993年2月に『黙阿弥』と改題され刊行しました。底本は、文春文庫『黙阿弥』(1996年)を使用し、著者により若干の訂正をいたしました。 -
書林逍遙
かくも深遠なる本の世界。太宰治・江戸川乱歩・柴田錬三郎・宇野千代・岡本綺堂・川口松太郎・三島由紀夫・舟橋聖一・幸田文・芥川龍之介・川端康成・夏目漱石・柴田翔・吉行淳之介・伊集院静・吉村昭・山田風太郎・小沼丹・向田邦子・近松秋江・武田泰淳……急逝が惜しまれる、稀代の読書家・久世光彦がこよなく愛した文学のかたち、そして初版本との出逢い! 〇書は<時代>を映し、かつての数々の<恥>を呼び覚ます。特に若い日に読んだ書は厄介だ。1冊1冊に恥が纏い付いている書の記憶は、突然蘇って、いまもこの身を苛んで離れない。「右大臣実朝」の顰みに倣うなら、《歳月トハ、怯懦ノ姿デアロウカ》――。<本文より> -
私の長崎地図
生まれ育った町を振り返りながら書き綴った「私の長崎地図」を中心に、筆者の長崎へ対する思いが溢れる小説、随筆を編纂した作品集。――生まれ故郷・長崎。しかし、そこは再訪するのに四半世紀の時を必要とした地でもあった。強い郷愁と訪れることへの不安が、町の色や海の香に彩られた過去から、現在に至る心の風景を紡ぎ出す。長崎を舞台にした「私の長崎地図」「歴訪」「色のない画」などの小説や随筆を精選したこの作品集は、『私の東京地図』と対をなす著者の魂の彷徨である。※本書は『佐多稲子全集』(講談社・昭和52年11月~昭和54年6月刊)、『小さい山と椿の花』(講談社・昭和62年10月刊)、『思うどち』(講談社・平成元年6月刊)を底本としました。
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