棕櫚を燃やす

棕櫚を燃やす

1,430円 (税込)

7pt

父のからだに、なにかが棲んでいる――。姉妹と父に残された時間は一年。その日々は静かで温かく、そして危うい。第38回太宰治賞受賞作と書き下ろし作品を収録。

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棕櫚を燃やす のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    きれいで、柔らかくて、けれど心の芯をぐっと掴んでぐらぐら揺らされるような、そういう文章が連綿と続いていて、最初から最後まで泣きながら読んでしまった。表現が終始詩的で美しかった。

    0
    2025年11月05日

    Posted by ブクログ

    久しぶりの感覚
    スーッと落ちていくような感覚
    虚無ではなく悲哀でもなく

    喪失を受け入れる
    青い事実がゆっくり仄かに
    心に溶けていくような
    そんな感覚

    0
    2024年10月26日

    Posted by ブクログ

    日々の暮らしの中で、ふと「ん?」とか「そうそう」とか思いながらも、特に心に留め置くでもなく通り過ぎている感情や感覚を丁寧にことばに紡いでいて、作品の内容と私の体験はリンクしないのだけど、その感じ、私、知ってる、と思えるという意味で、私の物語でもあった。透明感のある文体は消え入りそうに淡くてやさしくて

    0
    2024年09月20日

    Posted by ブクログ

    知らない単語、とくに形容詞、副詞、がたくさん出てきて、調べながら読んだ。

    こんなふうに日常を言葉で表現できたら、同じ日常でも違って感じられるだろうと思う。
    この著者の方と一緒に生活してみたい。

    ここ最近のベストワン。

    0
    2023年05月19日

    Posted by ブクログ

    表題作は
    余命1年の父への思いが感じられる
    日常の心象風景が印象的な物語

    姉妹は1年をあまさず
    暮らすことを決めた

    静謐な日常生活の描写の中でも
    時間は経過し
    父の病状の進行とともに
    変わりゆく生活を3人で豊かに濃密に過ごしていこうとする

    大切な人を見送っていく立場と
    見送られる立場
    双方のど

    0
    2025年12月01日

    Posted by ブクログ

    イライラむずむずする焦燥や異空間にいるような孤独感、自分は存在しないような浮遊感とか、よくあの感情を表現したなぁ、という感動。マインドフルネスをしているような、その時の呼吸だけに集中するような、研ぎ澄まされた感覚で音や温度や質感や空気感をとらえてる感じ。過ぎていく時間と、逆行する切望の静かな摩擦が丁

    0
    2024年06月23日

    Posted by ブクログ

    ほとんど筋というものがない。淡々と過ぎゆく父と娘二人の日々と会話が繰り返されるだけ。そんななかで時折3人それぞれの世界観をじわっと感じさせる。穏やかに。
    まるで詩のような春野のひとりごとが続いていく。柔らかに。
    フランスの作曲家の室内楽を連想した。ドビュッシーかな。
    ただ耳を任せていて心地よい。

    0
    2024年03月20日

    Posted by ブクログ

    表題作は、闇に息吹く、鮎の匂い、地平線の場所、雪の音 の四部構成になっていたが、春野と澄香が父と暮らす何気ない日常の話が淡々と続く.あまさず暮らそう という目標のようなフレーズが気になった.むるむるという字句も頻出する.亡くなった母を しろい手 で表現しているのも深い意味を見たような感じだ.後半の「

    0
    2023年12月13日

    Posted by ブクログ

    決して方言や訛りがあるわけでもないのに、なんとも読みにくいセリフが多かったのですが、それは日常会話で喋る言葉をそのまんま綴られていたので、読みにくいのは当たり前だと思い、むしろ、よりリアルな会話が伝わってきました。

    「思ったことをそのまま言える相手」と言うことはよく聞きましたが、
    「目にしたものを

    0
    2023年10月13日

    Posted by ブクログ

    ひとつひとつの言葉を飲み込みながら、読みました、ヒリヒリしながら。
    「棕櫚を燃やす」も「らくだの掌」もです。

    0
    2023年09月16日

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