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Posted by ブクログ
新聞の書評を読んで、読んでみたいと思った本。
初めての作家さんだったが、想像していた以上に心に響いた。
登場人物の一人である朝子の年齢が自分と近いためか、彼女の置かれた状況や考えること(年老いていく両親の変化を諦観しながらも、やりようのない憤りを感じているところなど)、共感せずにはいられなかった。
また、院内カフェでバイトする鳴かず飛ばずの作家、相田亮子の働きぶりが素人くさいのだが、その目線は客観的でありながら、ちょっと意固地なところもあって好ましい。バイトのバリスタ、村上君もかなりいい味だしている。
来院の理由、滞在時間の長短に関係なく、病院という所は本当に精神的エネルギーを奪う…私の場合。
院内カフェは、街中にあるあのチェーン店のカフェと何ら変わることなく看板を掲げている。
不穏の中の平穏。
闇に浮かぶ光。
と言ったら大袈裟かもしれないが、私もその存在に救われたことがある。
病院の会計を終えてそこへ立ち寄ると、自分はフツーの世界に戻ってきたのだ、という安堵感が押し寄せるのだ。
2019.11.27
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて
病院内のカフェってどうなんだろう?
特殊なのかな?
と思ったらチェーン店のカフェだということで。
そういや、最近見たことあるな。
マクドとかあったりするものね。
院内というか隣接の建物だけど…
それでも院内カフェを訪れる人は一般の人というより、
病院に関係ある人が大多数で。
カフェ店員としての目線
夫に付き添う主婦の目線
病気を発症した夫の目線
勤務する医師の目線
様々な人達が入れ替わり立ち替わりして。
全てに共感できなくても、あぁ、なんとなく
分かるかも。
それで、いいのかもしれない。
最後のイブのプレゼントはゲジタントだと思う。
だって、彼もクリスマスにコーヒーを奢ってもらったもの。
人からもらった親切はまた次の人へ
こういうのって大事よね。
Posted by ブクログ
院内カフェに一歩入れば、彼らは「患者」でなく、私たちにとって「客」なのだ…。
土日バイトの主婦、相田亮子は若いスタッフ村上君と接客に勤しむ。
亮子が(売れない)作家と知った彼は、仕事の合間にネタ話を披露。そんな穏やかな空気を一変させる事件が起こる。
カフェに常連客は付きもの。
黄緑のヤッケを着たウルメは日曜の夕方になるとやってくる。今日も「本日のコーヒーS」を注文した。白衣姿で体毛の濃いゲジデントもカプチーノMで長居をするので、本当の医師なのかどうか疑わしい。
クスッと笑える癒し系小説だろうと油断していたようだ。カフェで妻の朝子が、入院中の夫にソイラテをぶちまけるその瞬間まで…
人はそれぞれ悩みや不安を抱えて生きている。親の介護でストレスを溜めこむ朝子の言葉に身がつまされる思いがした。
「親孝行という、愛情と義務感が入り交じった言葉を支えに、これからも続けていくしかない」
両親を看取り、自分の人生を始めようとした矢先、今度は夫の孝昭が病気で入院することになった。
非常時ほど、その人間の本質が出る。
パートナーとの価値観のずれを感じた朝子が、虚しさからソイラテをぶちまけた思いはよくわかる。夫に初めて書いた朝子の手紙文に思わずウルっとなった。
私も病院のカフェのような立ち位置に自分を置くことができるだろうかと考えてしまった。
不妊で悩む亮子もどこかで気持ちに折り合いをつけようとしている。
逃げ場を作って病と闘わなければいけない小さな子もいる。
「この世は理不尽なことだらけ。病だけでなく、罪もないのに犠牲になる子供はあとをたたない」
孝昭は、やっと逃げずに病気と向き合う決心ができたようだ。妻のおかげで!!
クリスマスイブに起きた最高に「いい話」に心がほっこり温かくなるラストがとても良かった。
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