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Posted by ブクログ
現代医療の主流とされているとも言われる西洋医学と対置される東洋医学。本書はその東洋医学たる漢方に主眼を置いた物語です。
主人公みのりの視点に立ち、淡々と描写されていく少し癖のある文体に、最初は戸惑うかもしれません。
しかし、1頁、1頁とめくるたびに、まるで漢方が徐々に身体のバランスを調えてくれているかのように、身体に馴染み染み渡っていくような感覚を受けることでしょう。
物語自体にそれ程の起伏はありませんが、それこそ本書の主眼とするところの漢方の性質をよく表しているように感じました。
分量もそれほどなく、漢方についての基本的知識も身に付けられるので一読をおすすめしたい作品です。
Posted by ブクログ
どこか茫洋としているような…つかみどころのないような独特の空気感に触れる。
東洋医学で言う病が、西洋医学でのそれより境界が曖昧でぼんやりしているところに起因するのか。輪郭が不明瞭というか、霧みたいな感じ。
「青テント」のメンバーも一時離脱したり復帰したり絶えず変容していて、そのためにバランスも変わっていく様子が描かれていたけれど、人間関係に変化はつきもの。それはもちろん人体の暗喩だから、そう考えると人体って強そうに見えて意外と脆いのかもなーと思ってみたり。
ちょっとしたことでバランスが崩れてしまう。
そういった好不調や病気も含めて「自分」なんだよ、と。
ぼんやりしているように見えて実は鋭いところを突いている。
なかなか奥深いなと感じた。
Posted by ブクログ
悩める30代を東洋医学が救ってくれる物語。
葛根湯なら分かるけど、という私のような素人でも充分楽しめる内容で、東洋医学入門としても良い作品だと思いました。
体調不良で救急搬送ののち、大学病院の診察では異常無しと言われてしまい途方に暮れる主人公。
藁をもすがる思いで、東洋医学の診察を受けてみると驚きの展開が待っていました。
東洋医学の基本は脈。
そこから大体の不調を読み取り、異常な箇所を探っていきます。
そして弱いところをケアしながら、身体全体をバランス良く整えていきます。
時間はかかかるのだけど、だんだんと良くなるにつれて、心の不調も整ってくるみたいでした。
ドラッグストアに行くと、路線図みたいなツボのポスターがありました。
(ツボって物凄く数が多いのです✴✴)
(数えるのは諦めました✴✴)
漢方専門の薬剤師さんがいらっしゃたので、ちょっとお聞きすると、ドライヤーで温めるだけでも効果があるのだとか。
少しずつケアできるようになって、寒暖差などの変化にびっくりしない体質を目指したいですね。
(毎朝カッターシャツの袖の長さを逡巡して1日が始まります)
ちなみに薬剤師さんのオススメのツボは『合谷』でした。
Posted by ブクログ
漢方の事に少し興味があり、なにかないかなぁ っと思っていたときに目に入ったので読んでみた。
小説だけれど、なんとなく漢方の事が理解出来た。
なかなか面白い一冊。
特に最後の数行がこの小説を締めてくれる。
川波みのり、31歳、脚本家、独身。
救急車で運ばれるが西洋医学では正常と判断。
症状は治まらず漢方医のもとへ。
漢方治療で徐々に良くなるが、病名はなし。
これはあなただけの病気です。
うーむ、難しい。
でも、徐々に分ってきたような。
陰陽道に基づく東洋医学。
それは五角形の元素の循環だけでなく、五臓や七情も表されている。
第28回すばる文学賞受賞作品。
メモ
陰陽道 陰陽五行説、木火金土水、肺脾腎心肝腎、喜怒憂思悲恐驚
140p 黄帝内経
142p 変化を怖れない自分になりたい。
143p 自然と同様、人の体は絶えず変化し、また循環しているという考え方ですね。
156p 東京都薬用植物園
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