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「奇妙な仕事」「飼育」「セヴンティーン」「「雨の木(レイン・ツリー)」を聴く女たち」など,デビュー作から中期の連作を経て後期まで,全二三篇を収録.作家自選のベスト版であると同時に,本書刊行にあたり全収録作品に加筆修訂をほどこした最終定本.性・政治・祈り・赦し・救済など,大江文学の主題が燦めく,ノーベル賞作家大江健三郎のエッセンス.
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Posted by ブクログ
初期 「奇妙な仕事」5 「死者の奢り」5 「他人の足」5 「飼育」5 「人間の羊」5 「不意の唖」4 「セヴンティーン」 「空の怪物アグイー」3 中期 「頭のいい「雨の木」」3 「「雨の木」を聴く女たち」3 「さかさまに立つ「雨の木」」3 「無垢の歌、経験の歌」3 「怒りの大気に冷たい嬰児が立ち...続きを読むあがって」5 バタイユ? 「落ちる、落ちる、叫びながら」4 「新しい人よ眼ざめよ」4 「静かな生活」3 「案内人ストーカー」3 「河馬に噛まれる」3 「「河馬の勇士」と愛らしいラベオ」4 後期 「「涙を流す人」の楡」3 「ベラックヮの十年」3 「マルゴ公妃のかくしつきスカート」3 「火をめぐらす鳥」3 「生きることの習慣ハビット・オブ・ビーイング あとがきとして」4
初めての大江健三郎でした。 短篇集にしては分厚いし、初期短篇はかなり暗い。 自伝的小説。 暗喩の表現、散文詩的文章が心地よい。 ご子息との会話が和やかですが、他にも大変なことはいくらでもあっただろう著者は、ご子息を大変大切に想っているのが手に取るように伝わり少し優しい気持ちになりました。 実は二度挫...続きを読む折した本書、理由は初期短篇が暗すぎるから。 それは著者が経験のもとに書かれているのだが、あとがきの話のほうが生々しく強烈な印象を受けた。 苦手意識があったけれど、読後感は最高に良いです。
厚さに尻込みせずに読んだ方がいい。 初期から中期の暗く鬱々とした作品群、中期から後期にかけての抽象画のような美しい、同時に深い思索がある作品群。 時代を色濃く写した作品群を読み進める面白さもある。
大江健三郎という小説家がどのような経緯で現在に至っているかがわかる貴重な一冊。初期の名作『空の怪物アグイー』や中期の名作『レインツリー』シリーズ、『静かな生活』上げていくときりがない。 満足感でいっぱいです。 11月8日追記 まさか『王様のブランチ』で紹介されるなんて思いもしなかった。大江さんが...続きを読む言われるように一冊の本が救いになる瞬間がある。そうした本が持てる読者はやはり幸福なことなのだと思う。
短編集といえど、800ページ以上あり、全て読み終わるのに4ヶ月半ほどかかった。 本書は初期、中期、後期で分かれて読むことができたが、初期は面白く読める作品が多かったが、中期から後期にかけては私小説風に描かれる小説が増え、個人的にはそのあたりから面白さが減退した。 初期短編は全部面白かった。といっ...続きを読むても暗めの話が多かった。特に「死者の奢り」は大学でそれにまつわる論文をまとめ、発表する機会があり、思い出深い。 中期短編は私小説が強めで、あまり面白くなかったが、「静かな生活」と「河馬に噛まれる」はよかった。 後期短編も印象深いものはあまりなかったが、「マルゴ公妃のかくしつきスカート」はかなりよかった。 全体として、大江健三郎はエロ(性)とグロ(死)がテーマとしてあり、いずれか片方に寄ったテーマが作品に出るというより、その二つのどちらもが溶け込んだ作品が多く、いろいろ読んで大江健三郎のそうした作風が分かった気がする。 本書は大学での(授業での)読書会で使用し、そこで初めて積極的に院生の方々と関わって、仲間内に入れてもらい、いろいろと勉強になって思い出深い一冊になった。 自分一人で読んだだけでは学べなかったこと、考えなかったこと、そして本を読むということを、院生の方々との読書会を通じて教わった。カッコいい先輩方が実践しているような読書を目指してこれからも本を読もうと思う。
2014年春に大江健三郎さんがあとがきに書いた書稿に尽きると思います。 芸術は人間の全体に根を下ろしている習慣である。長い時をかけて、経験を通して、それを養わなければならない。そうすると自分が知らない大きさの困難に出会った際に、この習慣が助けになる。私は若い年で始めてしまった。 小説家として生きる...続きを読むことに本質的な困難を感じ続けてきました。そしてそれを自分の書いたものを書き直す習慣によって乗り越えることができたと今になって考えます。そしてそれは小説を書くことのみについてではなく、もっと広く深く自分が生きることの習慣となったのでした。
読み終わるのに長い時間がかかりました。この本を手に取ったきっかけは『個人的な体験』や『万延元年のフットボール』という代表作を読んでみたいという思いがあったのですが、初期のものから(そして短編ならば)読めば、それらの作品に入りやすくなるのかもしれない?という風に勝手に感じたからです。 構成としては初...続きを読む期、中期、後期と分かれていて初期と中期がほとんどを占めていた。初期はデビュー作を始め芥川賞の『飼育』などが収録。どれもなんか緊張感のあるねっとりしたような暗い話が多かった。ところが中期作品になるとそういった緊張感みたいなものはなく、ドキュメント風?自伝小説?みたいになっていた。有名な作品や詩を引用する場面も多く難解な部分もあった。 イーヨー(息子さんがモデル)との会話にはほっこりさせられたり、中期は初期にない暖かさもあるように感じた。 私と書かれる人物はおそらく大江氏自身なんだろうけど、怒っている場面ではねちっこい感じで長々と描写しているのが面白くもあった。
作者の50年以上の仕事を跳梁する短編集であり、まとまった感想を言葉にするのは難しいが、作者はひとつひとつの作品においてちいさな秩序やコスモとでもいうべき何かを作り表現しているように感じた。(外界に挑戦するというのではなく、自分の内面に折り合いをつけるためのものとして) 冬の乾いた朝のような清潔感や...続きを読む温かみのある雰囲気、思慮深さを感じさせる文体が心地よかった。 作者はそのことへの非難すらテキストに織り込んでみせるが、後期の作品には周囲の人間のプライベートに深く踏み込んだような内容が多く(もちろん、それは当事者間の問題以上のなにかにはなりえないし、どこまでが作為なのか読者には知ることはできないが)どう読んでよいか戸惑ってしまった。
大江健三郎という作家は、自らの作品を改稿する癖で知られているが、2014年に出版された本書は、1957年のデビュー当時から60年代までの初期作品、80年代の中期作品、90年代前半の後期作品という3つの時代の短編を、自らの改稿に基づき編集し直された自作短編アンソロジーである。 長きに渡って活躍してい...続きを読むる作家であるが故に、決して執筆ペースが早い作家ではないものの、トータルでの作品数もそれなりに多くなる。それなりに彼の作品を読んでいる自身であっても未読(特に短編は)のものが多いため、改めて大江健三郎という作家の面白さを実感することができた。比較的初期作品は昔に読んでいたが、生々しいグロテスクさを詩的な言語というオブラートで微妙に包み込んだかのような世界観はやはり読んでいて感嘆させられる。端的にいって、とても面白い。 また、自身の息子、大江光との家族との関係性をテーマにした中期の連作短編『新しい人よ眼ざめよ』は未読の作品であり、静かな感動があった。 大江健三郎の作品は、集中して読み進める必要があるので、また時間ができたタイミングでゆっくり読み進めたい。
もうお腹いっぱい。 大江健三郎さんの短編が23編収録されています。 文庫で840ページだから、まるでレンガみたいな厚さ。 デビュー作「奇妙な仕事」から「空の怪物アグイー」まで初期短篇8編は愉しむことができました。 緊密な文体で独特の緊張感が漂っていて、読む方も気が抜けません。 芥川賞受賞作の「飼育」...続きを読むも好きですが、私は「セブンティーン」に結構な衝撃を受けました。 正視に耐えないグロテスクな心情と鬱屈を抱え、学校に居場所のない17歳の「おれ」が、右翼の大物に認められたことで急速に右傾化していく様子を描いた作品です。 これは今、「ネトウヨ」と呼ばれる人たちにも重なるのではないかと思いました。 右翼的な勇ましい言動をすることで不甲斐ない自分を慰撫する傾向が「ネトウヨ」と呼ばれる人たちに強いのは、各方面の識者から指摘されているところです。 「セブンティーン」は1961年の作品。 先見の明があると云えるのではないでしょうか。 中期以降の「『雨の木』を聴く女たち」などの短編は、すみません、頭の悪い私にはちょっとついていけませんでした。 アカデミック臭もかなりして、「これはどういう意味なのか」「もしかしたら、こんなふうに解釈すべきなのでは」などとあれこれ考えて、遅々として読書が進まないということも何度かありました。 でも、池澤夏樹さんも云っていましたが、読んでいてこれだけ大変なのですから、書く方はもっと大変に違いありません。 池澤さんといえば、大江さんの「家族ゲーム」に強い影響を受けたそう。 この機会に本作も読んでみたいとぞ思ふ。 なんかレビューになってないですね。
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