国内小説作品一覧
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4.0八穂島は東、天壺国において薬の技術を守る場所、鳳山。そこでは、薬草への鋭い感覚を有する小さく短命な種族「雛子」が、生涯を薬道に捧げて生きていた。 雛子の中でも優れた能力を持つイトナは、薬師を助ける特別な存在である「匙子」……それも、鳳山の主である斎宮にして王族の娘・未央の匙子に任命される。未央の悲願は「一を癒し、一を殺す」と言われる伝説の秘薬「天の雫」を復活させ、その権威をもって、東方の国々の混乱を鎮めること。イトナは未央の考えに賛同し、力を尽くすことを約束した。 隣国の日向国も巻き込んで、熾烈になる戦。それを先導していると思われる日向国王子・安曇や、彼と対立する異母兄弟・六連の存在。イトナは天の雫を巡って、大きな歴史の流れに巻き込まれ、やがて国の深部へと踏み込んでいく。
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-「ただのラブ・ソング」と 「アナザー・ラブ・ソング」。 月明かりのハイウェイを、巡業用バスが走っている。 運転しているのはアマンダ。女性として、妻として、母として完璧であり、 カントリー・ミュージシャンの夫は、あらためて惚れ直している。 結果、20年前のヒットに並ぶ傑作「アナザー・ラブ・ソング」が生まれた。 だがしかし、巡業やカントリーを取り巻く様々な人々がすべて幸福なわけではない。 だからこそ、アマンダの充実した人生は輝いている。 私立探偵アーロン・マッケルウェイ・シリーズの中では 事件らしい事件の起こらない地味な一編ながら、読後に深い余韻を残す作品である。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。76年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-危険に満ちた町アムステルダム。駐在の準備で訪れた異国で倉部に襲いかかる恐怖の事件や怪しい人物の群れ。 欧州支社設立の準備でアムステルダムを訪れた倉部。同行の営業部長の目の前でカバンをぬすまれた。契約書類、パスポート、航空券、財布、全てを失った。一人残された倉部はさらに一ヶ月の滞在を余儀なくされ、アパート暮らしを始める。孤立無援の中、それまで業務を委託していた日本人が経営する会社の金銭疑惑。競合他社をめぐる印刷会社との熾烈な駆引き。そんな中で唯一の光明とも言えるベーカリーの少女との出会い。日本に残してきた幼い子供達の寝顔を想いながら倉部の異国での戦いは続く。 【著者】 三田村元 東京生まれ。上智大学英文学科卒業。貿易会社勤務を経て、国際広告の会社に勤務して英文編集、企画部門を担当。その間、オランダに5年、シンガポールに1年半駐在。『キャンパスの怪人』を自費出版。『一人でいいの?』を文芸社(文庫本)より出版。現在、国際展示会業務に従事。
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3.6みんな生きている。例えばチンパンジーに後穴の純潔を奪われたとしても(「GangBang The Chimpanzee」)、前人未到、脳大陸発見の遊びに夢中になっても(「あむんぜん」)、ウンゲロの末、透明になっても(「千々石ミゲルと殺し屋バイブ」)、捜査方法が異端でも(「報恩捜査官夕鶴」)、推しがどぷゅリンでも(「ヲタポリス」)、どっこいみんな生きている。“くだらなさ”を積み重ねた先に待ち受ける強烈なインパクト。この物語は絶望か? 希望か? 平山夢明ワールド全開の短編集。電子特別版として「1995とN.Y.とシスターとブルース」(小説すばる2015年5月号掲載)も収録!
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3.8仕事で大きな失敗をし、故郷の岐阜に戻ってきた元印刷会社勤務の青年・光。就職活動をしながら、兄の営む喫茶店で時間を潰す毎日だ。ある日、光は妻の誕生日に自費出版の詩集をもう一度贈りたいという男性客と出会う。思い出の詩集を復活させるため、光は倒産した印刷所を訪れ、一文字一文字を手作業で拾う、昔ながらの活版印刷を始めるが――。和菓子屋を救う伝統技法を使った手紙、世界に一冊だけの写真集。光の作る印刷物が、人の心を繋ぐ三つの物語。
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4.0高橋洋子の初期の作品集。デビュー作の「雨が好き」は中央公論新人賞受賞作。 列車の中で知り合った若い舞台女優と歳の離れた作家とのひと夏の恋愛を描く。知り合ってすぐに男は、鎌倉の家に来ないかと誘う。そこには四匹の猫がいるだけだという。秋になって別れた後、主人公の女優は、車の中で降る雨を見ながら「雨が好き」といった男を思い出し、逢いたいと思う。 「通りゃんせ」は芥川候補作になり注目された。 映画監督と若いカメラマン助手との間で揺れる女優を描く。強引で傲慢な映画監督と正反対の控え目なカメラマン助手に心は動いてゆく。 一本の映画の撮影の終了とともに監督との関係は終わり、同時にカメラマン助手との関係もばれてしまう。彼女は生まれ育った場所をおとずれ、自分を見つめなおそうとする。
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4.0出版不況にあえぐ大手出版社『仙葉書房』。そこに勤める中堅文芸編集者・真壁のもとに、一通の手紙が舞い込んだ。それは、新人時代からいがみ合いながら共に成長してきた担当作家・樫木重昂からの『遅れてきた遺言』。「真壁、俺の本を親父に届けてくれ――」。 樫木の父親は生粋のドイツ人。日本文学は読むことができないため、作品を翻訳する必要があった。真壁は『遺言』を胸に、超マイナー言語である日本語で書かれた『名作』を、世界に羽ばたかせる決意をする。出版業界と翻訳業界の狭間で東奔西走する文芸編集者の苦悩、その行く末は……!?
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-カメラとビー玉 何も起こらない小説、と言ってみたくなる。 それはもちろん嘘で、ここには女と男が登場し、 女は仕事をこなし、男は女を送りおどける役目を果たしている。 それは非合法に抵触しているものの、そのことによる翳りも屈託も、そして危機もない。 すべては淡々と過ぎて行き、彼女と彼はどちらかといえば陽気である。 世間にはカメラやビー玉で妙な遊びをする男もいるが、それも驚くようなことではまったくない。 むしろ関心は雨が降るか降らないか、そちらのほうだ。 降りだした雨には、演歌がよく似合う。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-倭加宮(わかみや)マキは、祖父の代理として参列した葬儀で、14年ぶりに氷碕(ひさき)リョウに再会した。彼と一緒に、後見人となった橘(たちばな)の弁護士事務所を探りに行った帰り道、黒ずくめの何者かに襲われてしまう。二人の窮地を救った橘は、自分もマキと同じ〈狗番(きつねばん)〉で、リョウを〈狗(きつね)〉として〈目醒め〉させてはならないと告げた。〈狗〉とは? そして〈目醒め〉とは――?
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-寅さんを導入として日本を語る 小説による日本論と言っていいかもしれない。片岡義男の小説で「日本」が問題になる時、そこには必ず「日本語」の問題がある。今回はなんと、素材は「寅さん」、つまり、映画『男はつらいよ』だ。寅さんの映画を、金髪の外国人女性、今は女性だが大工として男でもある人、その人の連れ合いの女性、そしてその連れ合いの兄である小説家の4人で見て、その感想を延々と楽しく語らいながらいつしかそれが前後の日本批判になっている、という構えの作品だ。自由な「寅さん」のように、ここでは「性」もまた自由になる。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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3.6大好きな人を笑顔にするのは、手作りおやつ。 「シュークリームは天使だ」「苺は誘惑のプリンセスだ」 おいしそうなものを見ると、思わず語ってしまう変な「くせ」を持つ高校二年生の桐原陽平は、調理部唯一の男子部員。顔も体も四角く、全体的にごつい上に無口なため、はじめは完全に浮いていた。部活で食べ物を目の前に語りだし、部員全員を引かせたが、優しく声をかけてくれたのが希歩だった。今では仲良しカップルとなった二人の出会いだ。 陽平の入部のきっかけは、家でのごはんづくりに役立てるため。小学生の頃に母と死別し、父と八つ年下の弟・朋樹と三人で暮らす陽平は、父と交替でごはんを作っているのだ。ときどき希歩が家に遊びに来て、朋樹と三人で料理をする。朋樹が「大きくなったら希歩ちゃんに告るから」と宣言したため、兄弟は恋のライバルでもあった。 母親の記憶がない朋樹のために、料理の苦手な母がつくったごはんを再現する「お母さんの日」の揚げパン。風邪をひいた希歩のために、陽平がつくる「すりおろしタマネギのスープ」……。温かくておいしいおやつとごはんが家族と恋人をやさしく包む、ハートウォーミング青春小説。
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-レインメーカー・アイランドの奇跡に 立ち会う幸福。 雨の日のほうが多く、 通称“レインメーカー・アイランド”と呼ばれるポリネシアの島。 広い場所が好きで、ただ旅をする目的だけで来た青年・西本は 偶然、その島で皆既日食が見られるかもしれないことを聞く。 島に渡った彼以外の観光客は、ほとんどがそれ目当てなのだ。 しかし、あまりにも雨が多いため、 見られる確率は3%もないだろうとメディアは告げる。 にもかかわらず、「雨の伝説」に支えられて奇跡は起きた。 島と、雨と、日食と、当地に生きるシンプルで強い人々の 濃密な描写の数々が堪能できる美しい一編。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。76年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-父親であることを知らなくても、父親は父親 再会がある。二つの再会だ。 最初に男同士の再会があり、そこである疑問が浮かび そのことの確認も含め、2度目は男と女の再会がある。 そこで明らかになったこと。 それは子供の存在であり、そのことを自分が知らせてもらえなかったことであり、 さらにジェンダーもからみ、ニューヨークと日本の差もあり、 そして何より、彼女の生き方のことがある。 ケンカや怒号や訴訟があってもおかしくない場面だろう。 しかし片岡義男の小説でそれはありえない。 代わりにそこにあるのは…… そう。雨のなかの日時計だ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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3.0さらば愛しき車たちよ シムカ1000、アロファ・ロメオ ジュリエッタ・スパイダー、ボルボ122S、BMW2000CS…… 9人の女性たちを彩る9台の車…… 時は流れ、ぼくは進む。究極の恋愛小説 「ビートルズが東京へやってきてた1966年。フランスの大衆車シムカを思いがけず手に入れたぼくは、その代償のようにひとりの女ともだちを失った」(第1話「たそがれ色のシムカ」)、「シトローエンの2CVを転がしていたとある春先。雪の中で後輪を空転させている車がいた。中には灰色のコートを着た女と少女。二人の行き先は思いがけない場所だった」(第5話「翼よ! あれがパリの灯だ」)……。 華やかなマスコミ業界にいながらも地道な「ぼく」の人生は、偏愛するクラシック・カーと、強く自由に生きる女性たちとの出会いとともにあった——。9つの青春・恋愛短編集。
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3.7おじさんはひどい。でも、おじさんだってつらい!? 男性は「そうなんだよ」と共感、女性は「こんな人に困ってる!」と思わず頷く物語。 ●人事からセクハラを注意された課長。だが、どの部下が訴えたかわからない。次の日から部下の対応に四苦八苦するのだが……。(「スコール」) ●女性の後輩に出世競争で敗れ、役員になれなかった男は、果たして次の生きがいを見つけられるのか。(「時雨雲」) ●浮気で離婚された男が、十年ぶりに娘と再会した「気まずい場所」とは。(「涙雨」) ●四十代で派遣社員。ストレス解消にネット上で女子高生「さなたん」として活動する男が陥った大ピンチ。(「天気雨」) ●定年退職後、街に出て公共マナーを注意することが生きがいとなった男の孤独。(「翠雨」) 報われない「おじさん」たちの心情を時にコミカルに、時に切なく描き出す、連作短編集。
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-立ち止まる時間がほとんどないような彼女が、ふと立ち止まるその時に 作家がそのような語彙を用いているわけではまったくないが、 これは近年の言葉で言えば「シングルマザー」の物語だ。 彼女には4歳になる息子がいて、翻訳の仕事をしている。 幼稚園に連れて行くこと、料理を作ること、絵本を読み聞かせること、 それら子供のために割く時間のほかにも 姉や姉の子、姉の夫、仕事相手との関係があり、 用事があったりなかったり、誘惑の電話も頻繁にかかってくる。 それらの細かい時間がいくつもいくつもミルフィーユのように重なって この魅力的な女性のポルトレは描かれる。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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4.3父親を病でうしない、母親との確執を抱えた女子中学生の雨音(あまね)は不登校になり、山岳写真家の伯父・道夫のもとに身を寄せた。道夫はバーニーズ・マウンテン・ドッグのワルテルとともに自前のログハウスに住んでいた。ログハウスの近くには大きな別荘があり、雨音はそこの持ち主の長男で高校生の正樹と知り合う。正樹は再婚した父親と若い母親に対して、複雑な感情を抱えていた。雨音と正樹は道夫の影響で登山の魅力を知るようになり、道夫の愛犬ワルテルと自然との触れ合いが、二人の心を少しずつ癒していく。家族の問題を抱えた中学生と高校生が、道夫とワルテルと過ごすなかで自らの生きる方向性を見出していく、心に響く長編小説。
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-やってきて、去っていくアメリカの青 金髪。そして美しい青い瞳。アメリカからジャズ・ピアニストの女性がやってくる。右も左もわからない彼女を迎えに行き、なにかと世話するのは、彼女と同じエージェントに所属する男。彼もまた同じくジャズ・ピアニストだ。アメリカと日本、二つの国で共有されている古い歌、それらの演奏を通じて彼らは親密になり、彼女の日本滞在は心地良いものとなる。しかしながら彼女には、実は壮絶な過去があった。親密になれたからこそ語られたその過去と、ある預かり物を残して、彼女は次なるアジアの国へと旅立って行く。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-明治の黎明期にイギリス女性と恋に落ちた日本人留学生の行く末は! それは神の存在を探るアメージング グレースでもあった。 十数年ぶりに帰国した愛は、男爵だった曽祖父が造った北海道の農場を訪れる。そこで見つけたものは、一つの金庫の中にジェーンというスコットランド娘からの100通を超す恋文であった。そして曽祖父・龍の華麗な愛と男爵芋の秘密が百年を越してよみがえってくる。 【目次】 農場 会社 絶望 結婚 友人 家族 恩寵 男爵芋 修道院 唐人お吉 あとがき 【著者】 茶屋二郎:1945(昭和20)年、金沢市生まれ。慶応大学卒業後、小学館入社。その後バンダイに転じ、28歳で取締役、35歳で社長に就いた。社団法人デジタルメディア協会理事長などを歴任。現在、一般財団法人 日本おもちゃ図書館財団 代表理事。著書に「若き血に燃ゆる」(リベラルタイム出版社)、「1868年 終わりの始まり」( 講談社)、「遠く永い夢」(日新報道)、「父の背中」(時鐘舎)、「蓋棺」(ボイジャー)など。
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5.0あやかしシッター奮闘中! 売れない漫画家の藤崎葵は、ある日突然、連載打ち切りの憂き目にあってしまう。今後の家賃の支払いに不安を抱えていた葵だったが、駅で困っていた少女を助けたところ少女の知り合いの厚意で格安物件へ引っ越せることに。ところがそこは、人間社会にまぎれて生きるあやかしたちが暮らすアパートだった!引越し早々、隣室の鬼の青年・要が泣き止まない赤ん坊の猛(鬼の子)に手を焼いているところを救った葵は、子供が大好きな点と面倒見のよさを買われ、あやかし住人たちの子供の面倒を見るシッターのバイトを始める。しかし、巷では幼い子供の誘拐事件が連続していて……!?
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-憧れだった美大に通うことになる白川実乃里。しかし実際に大学生活を送るうち、理想とはかけ離れた現実を知り、彼女は落胆する。教師からの厳しい指摘、友人の才能への劣等感――次第に自分の夢に対して迷いが生じてくる……。そんなある日、彼女は大学近くにある池で、不思議な青年と出会う。学内で「妖怪画家」と噂される彼の名は、一色真澄。その本業は、人間との共存が難しくなったアヤカシたちの悩みを解決することだというのだが――!?
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3.7札幌の私立高校に通う宍戸琴音は、ある日学校の帰りに怪しいタクシーで「とこよ」のボロい温泉宿につれていかれる。そこには優しく儚げな龍神ハクと、強面で高圧的な龍神クズがいた。病弱な親友ハクの嫁になって助けるように、とクズに命じられた琴音は、とりあえず宿の仕事を手伝うことに。ところがこの二人、仲が良すぎて、琴音はすっかり壁の花…? イレギュラー契約結婚ストーリー!
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3.5ブラックなアパレル企業から逃げ出したOL、萩原優奈。父親の薦めにより再就職した先は……なんと「顔が見えない」のをいいことに、現代の妖怪たちが働く不思議な『電話受付センター』だった! 雪女や天狗、カッパやらがヘッドセットを装着して電話応対する会社……そんなおかしな光景が広がる「九十九コールセンター」だが、センター長の妖狐(ちょっと格好いい)・稲野さん曰く、肩身の狭い妖怪たちのために父が立ち上げた会社なのだという。次期社長として期待される優奈は、問題児だらけの会社を救うべく立ち上がる――!?(……え? ……ホントに?)
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3.0ギャラリー画楽多堂を営む斉藤楽真。見るものすべてを虜にする絵を描く彼は、実は人に仇なすあやかしを絵に封じる転生絵師だった。楽真は、あやかし狩りの頭目・上総と共に、警視庁の依頼で自分の寿命を対価にあやかしを競り落とすと噂されるオークションを捜査することに。いったい誰が、何の目的でこのオークションを開いたのか。だが黒幕の姿は見えず、やがて周囲で次々とあやかし絡みの事件が起こり始め……。飼い主の孤独を募らせるために、飼い主に寄り添う犬神。死者との再会を叶える神社。望んだ人生を歩む人と人生を交換できるアプリ。捜査を進める楽真と上総に、見えざる敵が忍び寄る!! 人の闇に入り込むあやかしの狙いとは!?
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3.8元書店員の紗月が働き始めたのは、妖怪が集まる古書店!? その上、ドSツンデレな店主・影野には、何やら秘密があるようで……? 甘くて不思議な恋愛小説。 【あらすじ】恋破れ、故郷の新潟に帰った紗月。元書店員の彼女は小さな古書店で働き始める。ところが、そこは妖怪が集う「あやかし古書店」だった!? 無愛想でドSな店主・影野と共に絵本や小説で妖怪たちの悩みを解決するうちに、紗月は影野の優しさに惹かれていく。ある日、彼の書斎から、紗月の名前が記された古い絵本が出てきて……? 二人の過去に秘められた運命とは? 一途な想いに涙がこぼれる、甘くて不思議な恋愛小説。
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4.3拝啓 あの頃のあなたは 今の奇跡を信じていましたか? ツンデレ妖狐とドン底元OLの甘く切ない恋物語! 「あやかし恋古書店」著者の最新刊! 【あらすじ】 その手紙が二人を繋いだ――失業と失恋でお先真っ暗の元OL・碧梨(みどり)は、亡き祖母からの謎の手紙に導かれ、新潟の寂れた神社を訪れる。そこで出逢ったのは、口の悪い美形の妖狐・琥珀(こはく)。弱みを握られた碧梨が、同居の傍ら手伝うことになったのは、妖怪と人を結ぶ不思議な手紙の「代筆」だった。手紙が解き明かす、秘められた因縁とは? 二人の同居生活の行方は? 手紙の起こす奇跡に涙する、甘くて切ない恋物語! 【文庫書き下ろし】 優しい想いのこもった手紙に涙が出ました。 自分の本当の気持ちを相手に伝えることの大切さを気が付かせてくれる1冊です。 (蔦屋書店ひたちなか店 小林様) この物語を読み終わった後、大切な人に手紙を書きたくなりました。人と人の心をあやかしたちに教えてもらったような気がしてあたたかい気持ちになりました。 (紀伊國屋書店 梅田本店 中川様) なんとなく、うつむきがちな碧梨がだんだん積極的になっていく所がこちらも嬉しかったです。そのきっかけになる手紙を琥珀がこそこそやっているのを想像するとニヤニヤします。ツンデレ狐はやっぱり最高ですね。もちろんポンちゃんも癒しです。そしてこのSNSの世の中手書きの手紙というのが、「心」を感じて温かくなります。 (紀伊國屋書店 広島店 藤井様) 自分の気持ちを伝えるのが苦手な碧梨が、代書の仕事や祖母との思い出を通じて成長し、琥珀に相対するまで、悶々と楽しく読ませてもらいました。 (知遊堂 上越国府店 野池様) 著者について ●蒼井紬希(あおい・つむぎ) 2011年に別名義でデビュー。著書および担当シナリオは多数。 蒼井紬希名義で発行された「あやかし恋古書店~僕はきみに何度でもめぐり逢う~」が続々重版(6刷)。現在も様々なジャンルで精力的に活動中。 ホームページ:君に捧げる言の花 http://tsumugi.mimoza.jp/
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-何度生まれ変わっても、あなたに会いたい 猫と猫、人と人、人と猫がつながり、連綿と紡がれていく物語。ツンデレ猫神見習い×意中の人の自覚ナシな新米店長 鎌倉古民家カフェの新米店長・香帆が経営に頭を悩ませていると、突然同居する白猫の「公爵」が語りかけてきた。曰く、自分は猫神見習いで多くの猫を幸せにする必要がある。故に猫相談を始め、集客に一役買う、と。半信半疑の香帆の前に現れたのは、公爵から依頼を受けたという美青年・青藍。青藍≠公爵設定に付き合いつつも、香帆は大いに助けられるが、公爵の助力の裏には香帆との長い輪廻転生の縁があって…? 新井テル子・装画
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-友人の後ろについた黒い“もや”、過去世の夢を見る大学教授…… それより気になるのは、大事にしている式神にその思いが伝わっていないこと⁉ 大学一年生の宗近靫正の影には、主従の契りを交わしたあやかしのサクヤが潜んでいる。父方の田舎にある山の桜の木に寄り添うように暮らしていたサクヤと幼い頃に出会って以来、靫正はサクヤとともに在ることを望んだ。友達のようになりたいのに、いつまで経ってもサクヤが自分を“坊ちゃん”扱いするのが靫正は気に食わない。そんなある日、靫正は会員不足に悩む昔噺研究会に勧誘されるが--。 対等でいたいのに主として扱われることにたいそうご不満な主と、主と対等でなんかいられるわけがないと主の望みを拒否しつづける従者のあやかしが遭遇する、不思議な輪廻の物語。
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-教師になる夢に破れた創士が辿り着いた街のビルの中の託児ルーム『さくらねこ』。 そこは一風変わった先生と元気な子どもたちが集う託児所だった。 疲れ知らずの先生たちと子どもたちに翻弄されながら、少しずつ成長していく創士。 働くにつれ創士自身が知らなかった過去が明らかに――? 第3回「お仕事小説コン」入選作を書籍化! ※この作品は2019年4月刊行の電子書籍「キッズスペースさくらねこ~やっと決まった就職先は人外ばかりでした~」を改題し、加筆・修正したものです。
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