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高橋洋子の初期の作品集。デビュー作の「雨が好き」は中央公論新人賞受賞作。
列車の中で知り合った若い舞台女優と歳の離れた作家とのひと夏の恋愛を描く。知り合ってすぐに男は、鎌倉の家に来ないかと誘う。そこには四匹の猫がいるだけだという。秋になって別れた後、主人公の女優は、車の中で降る雨を見ながら「雨が好き」といった男を思い出し、逢いたいと思う。
「通りゃんせ」は芥川候補作になり注目された。 映画監督と若いカメラマン助手との間で揺れる女優を描く。強引で傲慢な映画監督と正反対の控え目なカメラマン助手に心は動いてゆく。
一本の映画の撮影の終了とともに監督との関係は終わり、同時にカメラマン助手との関係もばれてしまう。彼女は生まれ育った場所をおとずれ、自分を見つめなおそうとする。
Posted by ブクログ 2015年04月06日
「それにしてもどうして皆、ああして横文字の詩人ばかり好むのだろう。難解な言葉ばかり飛び出し、それらは天井のあたりをフアフアと舞うだけ。そして彼らが満足そうにページを閉じる頃、行くあてのない言葉はストンと冷たい床に落ちてゆく。」「その人自身の言葉の方がはるかに残るのに。」
内容よりも雰囲気を楽しむお...続きを読む
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