前回も思ったけど、著者の「別名義」って何なんやろう・・・。読んでみたい・・・。
このシリーズは、食べ物ももちろん登場するしおいしそうやし、とにかく私が好きな
「食べ物にまつわる人と過去を読み解く連作短編集」。
文句なし!
食べ物がおいしそうというよりは、
人間の一生って何て短いんやろう
と、しみ
...続きを読むじみ思う・・・。
月一族に関わった人たちの人生を客観的に語られるので、私が好きではない伝聞調での説明のみのうえに、
「〇〇になる」
「〇〇になる」
の、羅列で、物足りないはずやのになあ。
実際、日暮旅人シリーズや綾崎隼氏の小説はこういった「〇〇になる」の文章が羅列するのに
「もうちょっと表現の方法はないのか・・・」
と、集中をそがれるのに、このシリーズは先を知りたくてぐいぐい読んじゃう・・・。
前作は、年を取らない月一族の切なさを中心に書かれていたけれど、今回はそんな月一族に恋をした人間の、老いるという恐怖が書かれていて、
「どっちも、怖いなー」
と、思った。
だってー・・・。フレンチトーストの章の愛実ちゃんはハッピーエンドやったけれど、晴顕も愛実ちゃんも、ふつうの人間やったもんね・・・。
ちゅうか、愛実ちゃん・・・。
手切れ金をもらって、養育費も保証してくれるんやったら、何も文句ないけど・・・、と、本気で思ってしまってすいません。
ほんますいません。
むしろそれが最高の選択ちゃうかすら思ってましたすいません。
でもそんな目先の自分の都合のことばかり考えなかったら、こんなにもすべてがうまく収まる結論に至れるのね。
きっと、晴香ちゃんにとっても、波子にとっても、そのほうが幸せやったよね。
結局晴香ちゃんにデレデレになってる波子さんが目に浮かぶわ。それはそれで、幸せー。
ほんで、若葉ちゃんにもひとつの結末があった。
大切な人の幸せを素直に喜べるのは、自分自身も幸せやからやねんね・・・。
ちゅうことは、やっぱり、大切なのは自分自身の幸せなんかもなあ。
他人を蹴落としたり騙したりして得た幸せではなくて、自分にあった、「何もない日常」が続く幸せというのは、確かに、あるかも・・・。
実際、月一族にも、月一族に関わった人たちにも、「何もない日常」を手に入れることが難しくなるんやもんね・・・。
毎日、しんどい。
もっともっと余裕をもって過ごせればいいのにと思う。でも、この生活は永遠には続ないんだわ。それは、ちょっとだけなら私も実感している。
常に受け入れるのは難しいけれど、身の丈を知ってすごしていきたいな。
あれもこれも望むから、あれもこれもと思いすぎて余裕がなくなるんやものね。
ひとつずつ、ひとつずつ。
けれど時間は無限にあるわけではないから、大切なものを見落とさないように、しっかりと、ゆっくりと。
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■玄孫
孫の孫。曽孫の子。やしゃご。
■本枯れ節
生のカツオが鰹節になるまでには、
生切り=解体、切り分け
↓
煮熟(しゃじゅく)=煮る
↓
焙乾(ばいかん)=いぶす
↓
修繕・整形
↓
日乾(にっかん)=天日干し
カビ付け
などいくつもの工程を経て作られますが
(上記以外にも細かな作業工程がたくさんあります)
燻す工程までのものを「荒節」
その後カビ付け(熟成)したものを「枯れ節」
(2017.04.01)