【感想・ネタバレ】卯ノ花さんちのおいしい食卓 お弁当はみんなでいっしょにのレビュー

あらすじ

卯ノ花家に住まわせてもらうことになった若葉を、同じ施設で育った愛実が訪ねてきた。生まれたばかりの赤ちゃんを抱いて「今、すごくしあわせ」という愛実だが、その顔は沈んでいた。そして、彼女は赤ちゃんを置いたままいなくなってしまい…!? 一途な愛、叶わなかった恋、はかない結婚生活――。ちょっと不思議で、せつなくてあったかい。いろんな家族の物語。

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Posted by ブクログ

前回も思ったけど、著者の「別名義」って何なんやろう・・・。読んでみたい・・・。

このシリーズは、食べ物ももちろん登場するしおいしそうやし、とにかく私が好きな
「食べ物にまつわる人と過去を読み解く連作短編集」。

文句なし!
食べ物がおいしそうというよりは、
人間の一生って何て短いんやろう
と、しみじみ思う・・・。

月一族に関わった人たちの人生を客観的に語られるので、私が好きではない伝聞調での説明のみのうえに、
「〇〇になる」
「〇〇になる」
の、羅列で、物足りないはずやのになあ。

実際、日暮旅人シリーズや綾崎隼氏の小説はこういった「〇〇になる」の文章が羅列するのに
「もうちょっと表現の方法はないのか・・・」
と、集中をそがれるのに、このシリーズは先を知りたくてぐいぐい読んじゃう・・・。

前作は、年を取らない月一族の切なさを中心に書かれていたけれど、今回はそんな月一族に恋をした人間の、老いるという恐怖が書かれていて、
「どっちも、怖いなー」
と、思った。

だってー・・・。フレンチトーストの章の愛実ちゃんはハッピーエンドやったけれど、晴顕も愛実ちゃんも、ふつうの人間やったもんね・・・。

ちゅうか、愛実ちゃん・・・。

手切れ金をもらって、養育費も保証してくれるんやったら、何も文句ないけど・・・、と、本気で思ってしまってすいません。
ほんますいません。
むしろそれが最高の選択ちゃうかすら思ってましたすいません。

でもそんな目先の自分の都合のことばかり考えなかったら、こんなにもすべてがうまく収まる結論に至れるのね。
きっと、晴香ちゃんにとっても、波子にとっても、そのほうが幸せやったよね。
結局晴香ちゃんにデレデレになってる波子さんが目に浮かぶわ。それはそれで、幸せー。

ほんで、若葉ちゃんにもひとつの結末があった。
大切な人の幸せを素直に喜べるのは、自分自身も幸せやからやねんね・・・。
ちゅうことは、やっぱり、大切なのは自分自身の幸せなんかもなあ。

他人を蹴落としたり騙したりして得た幸せではなくて、自分にあった、「何もない日常」が続く幸せというのは、確かに、あるかも・・・。
実際、月一族にも、月一族に関わった人たちにも、「何もない日常」を手に入れることが難しくなるんやもんね・・・。

毎日、しんどい。
もっともっと余裕をもって過ごせればいいのにと思う。でも、この生活は永遠には続ないんだわ。それは、ちょっとだけなら私も実感している。

常に受け入れるのは難しいけれど、身の丈を知ってすごしていきたいな。
あれもこれも望むから、あれもこれもと思いすぎて余裕がなくなるんやものね。
ひとつずつ、ひとつずつ。
けれど時間は無限にあるわけではないから、大切なものを見落とさないように、しっかりと、ゆっくりと。


■■■■


■玄孫

孫の孫。曽孫の子。やしゃご。


■本枯れ節

生のカツオが鰹節になるまでには、

生切り=解体、切り分け

煮熟(しゃじゅく)=煮る

焙乾(ばいかん)=いぶす

修繕・整形

日乾(にっかん)=天日干し
カビ付け
などいくつもの工程を経て作られますが
(上記以外にも細かな作業工程がたくさんあります)

燻す工程までのものを「荒節」

その後カビ付け(熟成)したものを「枯れ節」


(2017.04.01)

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2017年08月06日

Posted by ブクログ

フレンチトースト、味噌汁
マロングラッセ、花見弁当。

置いて行かれた友人の赤ちゃん。
それに関して何があったかというと…な話。
納得するまで話をせねば、何があったのか
何が起こったのか分かりませんから。

味噌汁の話は、何だかもう楽しいような綺麗なような
でも悲しい話、でした。
最後の記憶操作は、連れてきた二人のため。
けれど主賓の彼女のため?
それよりも悲しいのは、3話目でしたけれど。
どれほど愛していようとも、中身が変わらなかろうとも
外見が変わっていくのは、とても辛い事。
まして女性の方となると…。

一転して、の楽しい花見。
けれどその場所にいたのは…という状態。
覚悟しても大変なのに、準備なくこの状態というのは
かなり辛いものがあります。
それでも選択して、答えを持ち帰れて
しかもその答えは、泣かなくても大丈夫なもの。
よかった、と言えます。

0
2018年07月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【収録作品】一、フレンチトーストの章/二、味噌汁の章/三、マロングラッセの章/四、秋のお花見弁当の章 
 赤ちゃんを連れ、途方に暮れている若葉の施設仲間・愛実の話。朱璃の青年時代の話。卯ノ花邸の持ち主だった頼子の話。そして若葉を捨てた母親を見つけた話。
 不老長寿の哀しみが描かれている。 

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2016年10月15日

Posted by ブクログ

待ち時間に読んでいました。今回は、ありがちな話ばかりと言ってしまうと身もふたもないんですが、ほぼそればかりでした。

幸せな家庭を夢見たはずなのに、妊娠出産してから恋人から連絡が取れなくなり、若葉の元へ訪れた友人の話等々。

時間待ちに読むにはいい本なんだとは思います。悪意の塊の人物がいるわけではなく、物語は予定調和のハッピーエンドで終わりを告げる。

可もなく不可もなくという感じでしょうか。嫌な気分になりたくない、純粋に優しい物語を望んでいる人にはお勧めします。

0
2016年04月23日

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