永遠年軽

永遠年軽

1,507円 (税込)

7pt

3.3

十七歳の私たちは、「はるか遠くにある未来」を夢みていた――

私=林由起子には、林美怜と林圭一という同じ「林」の苗字を持つ友人がいた。やがて圭一は美怜と付き合うようになり、三人の関係に変化が訪れる……。国籍や性別を超えた三人の友情、その積み重ねた時間を描いた表題作をはじめ、「日本語文学」を拡張する傑作作品集。

完全に普通のひとなんか、この世に一人もいないよ。誰もが皆、それぞれ、ちょっとずつ、普通じゃないんだ。(「永遠年軽」)

おじいちゃんはね、二十歳までは、日本人だったんだよ。(「誇り」)

父が、おりこうさん、と言ってくれるから、ガイジン、とか、タイワン、とはやしたてられても耐えられた。(「おりこうさん」)

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永遠年軽 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年04月02日

    国籍の違いと言語の違い
    日本で育った台湾人、祖父は20才まで日本人だった
    流暢に日本語を話したというフレーズに戦争の過酷な歴史を思う
    台湾は2回日本に裏切られた、一度目は天皇陛下に
    二度目は田中角栄に
    そうか、歴史は見方でこんなに違うんだ

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    Posted by ブクログ 2023年01月07日

    美怜と圭一と由紀子。三人は十七歳の時に知り合った。皆苗字が林だ。それで下の名前で呼び合うことになった。美怜だけは、「ハヤシ」ではなく、「リン」だった。父親が台湾人で、22歳になるまでに中華民国か日本か国籍を選択しなければならないと話していた。日本人でもなく台湾人でもない自分が宙ぶらりんで悲しいとも。...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年04月30日

    台湾と中国と日本、3つの国の間で迷い、葛藤する主人公。
    今、中国と台湾の間は微妙だ。
    入管法についても様々な議論がある。
    今日的な問題をバックにしながら、自分は一体何者なのか、と問い続ける主人公達。
    国と国の間で悩むことのない者には中々理解できない難しいテーマだった。

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    Posted by ブクログ 2023年02月25日

    最後の「おりこうさん」はすこぶる面白かった。
    他の二篇は、文体が気になってあまり入り込めず。
    作者独自の文体だと思えばいいのか、ネイティブでないせいなのか、いわゆる「手練れの書き手」ではないせいなのか、そこのところが今ひとつわからないのだが。

    最後の「おりこうさん」は、その文体さえも、冴えがあった...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年12月30日

    短編集3篇
    台湾人であることと日本人であることの自分の在り方についての思いが生き方に関わってくる。日本人には想像もできない境地だが、祖国に寄せる思いに共感した。

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    Posted by ブクログ 2022年12月30日

    台湾をルーツにもつ女性の日常の心の葛藤を描いている。アイデンティティの確立時期の不安定な時期とも重なる心情が胸に響いた。日本人として、日本、台湾、中国の関係性を学び直しそれぞれの視点から見つめ直したいと感じた。

    0

永遠年軽 の詳細情報

  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    講談社
  • ページ数
    144ページ
  • 電子版発売日
    2022年10月05日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    1MB

閲覧環境

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