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【第157回芥川龍之介賞候補作】“四歳の私は、世界には二つのことばがあると思っていた。ひとつは、おうちの中だけで喋ることば。もうひとつが、おうちの外でも通じることば。”台湾人の母と日本人の父の間に生まれ、幼いころから日本で育った琴子は、高校卒業後、中国語(普通語)を勉強するため留学を決意する。そして上海の語学学校で、同じく台湾×日本のハーフである嘉玲、両親ともに中国人で日本で生まれ育った舜哉と出会う。「母語」とはなにか、「国境」とはなにか、三人はそれぞれ悩みながら友情を深めていくが――。日本、台湾、中国、複数の国の間で、自らのことばを模索する若者たちの姿を鮮やかに描き出す青春小説。
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Posted by ブクログ
日本人の父と台湾人の母を持つ主人公が、母の言葉である「中国語」を学びに上海に留学。
日本人に見えるけれど中国語を話せる、とか、母が台湾人ならもっと上手く中国語が話せるのではないかとか、帰化した中国人の両親を持つ子どもの母語は日本語が、とか…ナニジンでナニゴが喋れるかという絶妙なややこしさを軽やかに描き出して見せているなと思った。
日本人の母と台湾人の父を持ち、日本語を話すように育てられたリーリーや、正確な?中国語を「普通語」として教えようとしている上海の漢語学校教師、関西弁と中国語を話すシュンヤ。
シュンヤが「言語と個人の関係は、もっと自由なはず」と言う、これがテーマかな。
Posted by ブクログ
日本語の中に、台湾語、中国語(北京語、上海語)が混じり、ピンインがあり、カタカナ表記がある。最初は面食らうのだが、あれ?こんな経験をどこかでしたぞ?と思いだす。学生時代、中華街の広東料理屋でアルバイトをしていた時だ。雇用主は華僑、厨房は香港人、お運びの日本人。毎日、複数の中華系の言葉と日本語で、まくしたてられた。まだ注文は手書きの頃だったので、繁体字で書き取りし、だんだん面倒になってきて簡体字の存在を知り、愕然としたのを覚えている。人間関係もいろいろあったが、学生で人生経験が浅かったこともあり、当時のことは非常によく覚えている。
日本はいろんなルーツを持つ人たちの吹き溜りという意味で極東である。しかしながら、政治や歴史の、その時々の都合によって事実が広く知られることは少ない。このような文学に出会えて、四半世紀抱えていたつかえが取れた。
Posted by ブクログ
もう少し掘り下げて欲しかったけど~3歳で台湾から日本に来た琴子は母の言葉を習いたくて上海への短期留学を決める。父は台湾の民俗研究者で日本人だ。上海へ行くと、台湾出身は出自を否定され、発音は矯正される羽目になる。同じ思いを抱えるのは、父親が台湾人の玲玲と両親が台湾出身で日本に帰化した龍舜哉だ。自分は偽日本人なのか、台湾語でも使われているアイノコというのがピンとくる。舜哉との関係はこの留学期間だけだけど、日本にいるボーイフレンドの彗は物足りない。帰国の日が近づいて二十歳の誕生日を迎える~ルーツがあちこちにある台湾に中国語を習いに来る学生達を世話するために台湾に渡る・という落ちは弱いなぁ
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