真ん中の子どもたち

真ん中の子どもたち

1,430円 (税込)

7pt

【第157回芥川龍之介賞候補作】“四歳の私は、世界には二つのことばがあると思っていた。ひとつは、おうちの中だけで喋ることば。もうひとつが、おうちの外でも通じることば。”台湾人の母と日本人の父の間に生まれ、幼いころから日本で育った琴子は、高校卒業後、中国語(普通語)を勉強するため留学を決意する。そして上海の語学学校で、同じく台湾×日本のハーフである嘉玲、両親ともに中国人で日本で生まれ育った舜哉と出会う。「母語」とはなにか、「国境」とはなにか、三人はそれぞれ悩みながら友情を深めていくが――。日本、台湾、中国、複数の国の間で、自らのことばを模索する若者たちの姿を鮮やかに描き出す青春小説。

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真ん中の子どもたち のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    日本人の父と台湾人の母を持つ主人公が、母の言葉である「中国語」を学びに上海に留学。
    日本人に見えるけれど中国語を話せる、とか、母が台湾人ならもっと上手く中国語が話せるのではないかとか、帰化した中国人の両親を持つ子どもの母語は日本語が、とか…ナニジンでナニゴが喋れるかという絶妙なややこしさを軽やかに描

    0
    2020年10月04日

    Posted by ブクログ

    アイデンティティと言語の問題、について考える。
    日本人の父と台湾人の母をもつ琴子、台湾人の父と日本人の母をもつ嘉玲、日本に帰化した中国人の両親をもつ舜哉。日本で暮らし、中国語を学ぶために上海の語学学校に短期留学する3人の一ヶ月。
    アイデンティティにも思考言語にも葛藤をおぼえず生きてきたので、こういう

    0
    2022年06月02日

    Posted by ブクログ

    日本語の中に、台湾語、中国語(北京語、上海語)が混じり、ピンインがあり、カタカナ表記がある。最初は面食らうのだが、あれ?こんな経験をどこかでしたぞ?と思いだす。学生時代、中華街の広東料理屋でアルバイトをしていた時だ。雇用主は華僑、厨房は香港人、お運びの日本人。毎日、複数の中華系の言葉と日本語で、まく

    0
    2020年06月01日

    Posted by ブクログ

    作者の温さんと重なった。
    本当に繊細で、他者の言葉に振り回されてしまい苦しむ少女が、たくましく成長したラストにはにこにこを通り越してにやにやしてしまった。
    真ん中の子どもたちが今後もっともっと元気に生きられる風通しのよい世界になりますように。
    そんな世界はきっとすべての人々を笑顔にすることになるでし

    0
    2017年09月21日

    Posted by ブクログ

    興味深くというより興味本位で読んだ感じなので、難しいテーマなのに文章がライトで読みやすかった。真ん中ってそういう意味か。他人から、それは正しくない、あなたは純粋じゃない、って否定されるのは悲しいね。

    0
    2017年09月03日

    Posted by ブクログ

    台湾と日本のハーフの子どもたちが上海で中国語を学んだ学生生活で中国語の発音やアイデンティティーの問題を抱えて成長していく姿を描いた話し。

    0
    2024年07月23日

    Posted by ブクログ

    複数の国の親を持つ子どもたち(といっても主人公が20歳頃の話が中心だが)が、留学先で同じような境遇の仲間と出会い、自分のアイデンティティに対峙する物語。「真ん中の子どもたち」というタイトルは「子どもが真ん中」という意味合いかと思って読み始めたが、そうではなかった。「国境のこっち・あっち」ではなく、自

    0
    2023年01月21日

    Posted by ブクログ

    もう少し掘り下げて欲しかったけど~3歳で台湾から日本に来た琴子は母の言葉を習いたくて上海への短期留学を決める。父は台湾の民俗研究者で日本人だ。上海へ行くと、台湾出身は出自を否定され、発音は矯正される羽目になる。同じ思いを抱えるのは、父親が台湾人の玲玲と両親が台湾出身で日本に帰化した龍舜哉だ。自分は偽

    0
    2019年09月26日

    Posted by ブクログ

    作者じしんの分身と思われる主人公の天原琴子、ミーミーは、日本人の父と台湾人の母をもつ日本育ち。
    幼いころから親しんできた、しかし日本語に囲まれて育つうちにいつか遠のいてしまった母の言葉を習得したい。そう思って留学した先の中国・上海で、彼女は、ここで教え込まれる「正しい中国語」がじぶんの求める「母の言

    0
    2018年06月16日

    Posted by ブクログ

    日本人の父と台湾人の母を持ち、3歳までは台湾で過ごしていた琴子。日本では日本語を使っていたが、母の母語への興味があり、19歳の時に上海に中国語を学びに行く。上海で、「台湾人なんていない、中国人だ」「君の中国語は訛っている。台湾の訛りだ」「母親が中国人なのに中国語が下手だね」みたいな言葉を耳にし、自分

    0
    2018年05月12日

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