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Posted by ブクログ
NHKの時代ドラマの枠で『明治開化 新十郎探偵帖』が放送されると知った時、なかなかな衝撃を受けました。えっ? 明治って時代劇枠なの…⁈ 『御坊日々』も明治に入って二十年余り過ぎた頃を描いています。
自分が不在の時に亡くなった師僧の死因をめぐり、兄弟子の僧を許せない冬伯(とうはく)は、相場師として身を立て、寺を再興する。檀家は既に去り、自分と弟子の二人だけで寺を守る中、事情を抱えた者がひとりふたりと、寺に助けを求めにやってくる。その困り事を共に解決していく道の先に、冬伯が見つけたものとは…。
物語は私の想像の範囲を超えて広がっていきました。立場によって、同じ景色を見ても見え方が違うことは分かります。物語の当時は、今よりもっとはっきりと違っていたのでしょう。でも、現代にも通じる“弁え”のようなものが感じられます。どの立場の人にもそれぞれに弁えるべき物事があると思います。改めて、私自身の姿勢も見直したいです。
Posted by ブクログ
【概要】明治維新から20年、一度廃寺になり再建された東春寺に様々なできごとが。
【内容】>傾きかけた料理屋〈八仙花〉を立て直してほしいと、東春寺にやってきた女将が無茶振り。>母親が息子にお前は本当に私の子なのかと問う。悩んだ息子昌太郎が相談に来た。ダイナミックな展開。>辰馬ら貧民街の者たちがお宝を出せと寺に押し入ってきた。>二人の元武士がお宝を出せと襲ってきた。>師の宗伯が死んだ原因知ろうとした檀家たちの浅知恵がなんと成功して外務大臣を呼び出した。>明治という世はどんな世か。
【感想】めんどくさい部分をすっ飛ばして大雑把にさらさら描かれる明治という世。>スカイエマさんの表紙カバー絵が凛々しい。
■東春寺についての簡単な単語集
【敦久】東春寺のお隣である玉比女神社の宮司。元は僧で廃仏毀釈の折神職となった。僧だったときの名は春栄で宗伯の弟子だったこともある。なぜか冬伯は元兄弟子の敦久を嫌っているらしい。
【外務大臣】この時代の外務大臣は井上馨さんあたりか?
【玄泉】冬伯の弟子。師と違い慎重派で真面目。頭の回転は速く、所作は美しいデキのよい弟子。
【時代】明治に入って20年。同じ著者の『明治妖・モダン』と同時期。生活・風俗・街並みはどんどん変わっている。《江戸は、本当に遠くなったんだな》p.257。《冬伯様、明治だと、前向きになるんですか?》p.261
【昌太郎】ある事件の後西洋小間物を売る店を開いた。
【宗伯】東春寺の先代住職。突然亡くなったので東春寺は一時廃寺となった。
【辰馬】ある事件の後冬伯に懐く。相場師になろうとしたが役者の才能があったことがわかる。
【東春寺】一度廃寺となったが冬伯が再建した。とは言うものの檀家はすでになく貧しいので、冬伯の相場士としての稼ぎでもっている。
【西方】元警官。貧民街に沈んでいたが脱出。語りが上手い。
【八仙花】料理屋。ある事件の後東春寺と交流ができた。
【冬伯】東春寺住職。僧侶にして相場師。相場師としては堅実と言われているがやっぱりヤマ師っぽいところはある。《まあ、何とかなるか》p.268
Posted by ブクログ
初出2020〜21年「週刊朝日」
廃仏毀釈、徳川埋蔵金、欧化政策、の三題噺的なストーリー展開だが、4分の3くらいまではかなり退屈。
浅草の東春寺は、廃仏毀釈で弱体化させられたうえに、寺町を潰して3番目の公園をつくる騒動に巻き込まれ、住職が死んで廃寺となったが、弟子の冬伯が相場師になって寺を再興していた。
舞台は明治20年、経営が悪化した料理屋からの相談を受けたり、貧民窟の頭たちが徳川埋蔵金を目当てに乗り込んでくる、という事態は伏線。外務大臣(きっと井上馨)がまた埋蔵金を使って東京の都市改造を計画していると聞いて、かつての師の死の経緯を知るため、料理屋での怪談芝居を使って大臣に迫り、真相を聞かされ、仕返しをしかける。
ちなみに、明治政府が使った徳川埋蔵金とは、備荒用の囲い米と、江戸の町方の七分金積立だというのは、確かにそうだろうと思う。今までそういう話はあまり聞かなかったが、それだけだと、小説としての面白さが足りない。
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