小説 - KADOKAWA作品一覧
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4.1元ムード歌謡の歌手で、今は函館のスナックのママ野原ゆかりは、本州をめざし津軽海峡をフェリーで渡っていた。ある事情で抱えた借金返済のため、昔のつてを頼ってコンサートツアーと称したドサ回りの旅に出たのである。船内で偶然知り合った同じ名前の森川縁は、12歳なのになぜかゆかりの唄に興味を持ちついて来てしまう。彼女が母親と喧嘩して家出してきたことを知ったゆかりは、親に連絡させ最終目的の東京まで連れて行くことになる。しかし、彼女のコンサートは、行く先々でトラブルに遭いことごとく中止になってしまう。落ち込むゆかりを支える縁。2人のユカリは55歳の歳の差を超えて強いきずなで結ばれていく。そしてついに最後の会場、東京に到着する。ゆかりは、ここだけは絶対に唄い上げるつもりだった。そこにはゆかりの悲しい過去が刻まれていたのだ。 笑って笑って、そして……ラスト一行に思わず! エディット・ピアフの『愛の讃歌』に乗って描かれる人生の切なさ、すばらしさ。山本作品で一番泣ける作品です!
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4.5マネー、外交、政治……このままでは日本は再び敗れる! 戦時中フィリピンで生死を彷徨い捕虜となった評論家・山本七平。戦後三十年、かつての敗因と同じ行動パターンが社会の隅々まで覆っていることを危惧した筆者が、戦争体験を踏まえ冷徹な眼差しで書き綴った日本人への処方箋。北朝鮮の核保有など、国際的緊張の中に放り込まれた日本が生き残るために知らなければならないこと。執筆三十年後にして初めて書籍化された、日本人論の決定版。
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-私は、過去を変える。 それがたとえ――許されないことだとしても。 付き合っていた少年・新から、突然別れを告げられた少女・旭。 思い出を引きずったまま高校生になったある日、新が病死したという知らせを受ける。 彼がつけていた日記帳を受け取った旭は、その日記に書かれた驚くべき【秘密】を知ってしまう。 「何度でも――何度でも、新に、大好きだよって伝えたい」 旭はそう願うが、それはとても不幸せで、幸せな【初恋のやり直し】のはじまりだった――。 カクヨムWeb小説コンテスト受賞の大ヒット作品が、遂に文庫化。号泣必至のラブストーリー。
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3.9「この猫が怖くてたまらない」――ポー新訳2冊連続刊行!(2巻は22年3月発売) おとなしい動物愛好家の「私」は、酒に溺れすっかり人が変わり、可愛がっていた黒猫を虐め殺してしまう。やがて妻も手にかけ、遺体を地下室に隠すが…。戦慄の復讐譚「黒猫」他「アッシャー家の崩壊」「ウィリアム・ウィルソン」「赤き死の仮面」といった傑作ゴシックホラーや代表的詩「大鴉」など14編を収録。英米文学研究の第一人者である訳者による解説やポー人物伝、年譜も掲載。 あらゆる文学を進化させた、世紀の天才ポーの怪異の世界を堪能できる新訳・傑作選! ●傑作ゴシックホラー+詩 赤き死の仮面 The Masque of the Red Death (1842) ウィリアム・ウィルソン William Wilson (1839) 落とし穴と振り子 The Pit and the Pendulum (1842) 大鴉(詩)The Raven (1845) 黒猫 The Black Cat (1843) メエルシュトレエムに呑まれて A Descent into the Maelstrom (1841) ユーラリー(詩) Eulalie (1845) モレラ Morella (1835) アモンティリャードの酒樽 The Cask of Amontillado (1846) アッシャー家の崩壊 The Fall of the House of Usher (1839) 早すぎた埋葬 The Premature Burial (1844) ヘレンへ(詩) To Helen (1831) リジーア Ligeia (1838) 跳び蛙 Hop-Frog (1849) 作品解題 数奇なるポーの生涯 ポー年譜 訳者あとがき
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4.0東京のやくざ組織・東鞘会に所属する兼高昭吾は、弟分の室岡と沖縄に飛び、ターゲットの喜納修三を殺害した。その夜、一人になった兼高は激しく嘔吐する。実は兼高は警視庁組対部に所属する潜入捜査官だったのだ。後継者問題をめぐり、東鞘会では血で血を洗う抗争が続いており、喜納殺害はその一環だった。兼高の最終任務は東鞘会会長である十朱の殺害。十朱は警視庁を揺るがす、ある“秘密”を握っていた。ボディガード役に抜擢された兼高は、身分が明かされた瞬間に死が迫る中、十朱への接近を図るが……。 電子書籍版限定、書き下ろし短編を収録! ※本書は2017年9月1日に配信を開始した単行本「地獄の犬たち【電子書籍限定!書き下ろし短編収録】」をレーベル変更した作品です。 (内容に変更はありませんのでご注意ください)
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-裕福な家庭に生まれ、最愛の父のもと公女のように育てられたセーラ。7歳でロンドンの寄宿学校にあずけられると、持ち前の知性とやさしさでたちまち人気者に。ところが、11歳の誕生日に父の死と破産の知らせが届くと、セーラの境遇は一変。酷薄な校長は、セーラを屋根裏部屋に追いやり、食事や衣類も満足に与えず下働きとしてこき使う。だがセーラは、過酷ないじめに耐えながらも、心だけは「公女のように」と振る舞う。そんなセーラに、ある日魔法のようなできごとが起こり……! 『秘密の花園』『小公子』とともに、いまなお世界中で読みつがれるバーネットの最高傑作を、読みやすい新訳で!
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5.0ニューヨークの下町で母親と暮らす少年セドリックは、金色の巻き毛に愛くるしい顔立ち、そして誰とでもすぐに友だちになれる天真爛漫な男の子。ある日、イギリスの貴族である祖父の跡取りとして迎えられることになり、母とともに海を渡る。だが、冷酷な祖父ドリンコート伯爵は、アメリカ人の母親を憎み、ふたりを引きはなそうとしていた。それでも、人を疑うことを知らないセドリックは、祖父を慕い、よい伯爵になろうと無心に努力する。その姿が周囲の人々の心をつかみ、いつしか老伯爵の心も打ち解けていくが……突然、衝撃の事件が巻き起こり、運命の歯車が動きだす――!
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3.9わたしは「恋愛小説家」と肩書きにあるのを見て、今のような小説をかくのをやめようと思った。 恋愛というものにそんなに興味がなかったことに気づいたのだ。これからなにを書こうか。 環境を変えるため、三年住んだ東京を離れ、中学時代に住んでいた区の隣り、かわうそ堀に引っ越した。 そして、考えた末に怪談を書くことにした。そう決めたものの、 わたしは幽霊は見えないし、怪奇現象に遭遇したこともない。 取材が必要だ、と思い立ち、たまみに連絡をとった。 中学時代の同級生・たまみは、人魂を見たことがあるらしいし、怖い体験をよく話していた。 たまみに再会してから、わたしの日常が少しずつ、歪みはじめる。 行方不明になった読みかけの本、暗闇から見つめる蜘蛛、 こっちに向かってきているはずなのにいっこうに近くならない真っ黒な人影、留守番電話に残された声……。 そして、たまみの紹介で幽霊が出るとの噂がある、戦前から続く茶舗を訪れる。 年季の入った店内で、熊に似た四代目店主に話を聞くと、 絶対に開けてはいけないという茶筒、手形や顔が浮かぶ古い地図があるという。 そして、わたしはある記憶を徐々に思い出し……。 わたしの日常は、いつからこんなふうになっていたのだろう。 別の世界の隙間に入り込んでしまったような。 柴崎友香が、「誰かが不在の場所」を見つめつつ、怖いものを詰め込んだ怪談作品。
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3.8とある弁護士事務所に勤める花織は、先生に寄せられる依頼を盗み聞きしては、“おしゃべりする猫”のスコティと噂話に花を咲かせていた。ある日、愛らしく気高くちょっと生意気なスコティが、推理合戦を仕掛けてくる。「もしいま先生が殺されて、金庫の中身が盗まれたら、犯人は誰だと思う?」。金庫に入っているのは、5カラットのダイヤ、資産家の遺言書、失踪人の詫び状、12通の不渡り手形。怪しい依頼人たちを容疑者に、あれこれと妄想を膨らますふたり(1人と1匹)だったが、なぜか事件が本当に起きてしまい―。現実の事件と、謎解きに興じる“しゃべる猫”の真実は?ミステリ界注目の気鋭による、猫愛あふれる本格推理。 解説 我孫子武丸 帯推薦文 有栖川有栖
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3.6桜宮市の終末医療を担っていた碧翠院桜宮病院の炎上事件から1年後。東城大学の落第医学生・天馬大吉は課題で「日本の死因究明制度」を調べることに。同級生の冷泉と取材を重ねるうち、制度の矛盾に気づき始める。同じ頃、桜宮一族の生き残りが活動を始めていた。東城大への復讐を果たすために――。天馬は東城大の危機を救えるか。シリーズ史上最大の因縁がいま、解き明かされる。メディカル・エンタテインメント、驚愕の到達点! ★豪華電子版特典付き! 【電子書籍・共通あとがき】 【著作解説】電子版あとがき『輝天炎上』 付録1【海堂尊・全著作リスト】 付録2【作品相関図】 付録3【桜宮年表】 付録4【「桜宮サーガ」年代順リスト】 付録5【「桜宮サーガ」構造】 付録6【「海堂ラボ」登場人物リスト】 付録7【関連小文索引】
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3.4長い“眠り”から目覚め、未来医学探究センターに独りきりで暮らす少年・佐々木アツシ。彼は正体を隠し騒がしい学園生活を送る一方、深夜には秘密の業務を行っていた。それは、センターで眠る“女神”を見守ること。だがやがて過酷な運命が次々とアツシを襲い、ある重大な決断を迫られる。懊悩の末、彼が選んだ“未来”とは――? 先端医療の歪みに挑む少年の成長を瑞々しく描き、生き方に迷うすべての人に勇気を与える、青春ミステリ長編! ★豪華電子版特典付き! 【電子書籍・共通あとがき】 【著作解説】電子版あとがき『アクアマリンの神殿』 付録1【海堂尊・全著作リスト】 付録2【作品相関図】 付録3【桜宮年表】 付録4【「桜宮サーガ」年代順リスト】 付録5【「桜宮サーガ」構造】 付録6【「海堂ラボ」登場人物リスト】 付録7【関連小文索引】
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3.0「ナバリ・イズミ神話大系」とも呼ぶべき独自の、魅力的な宇宙観。その新たな切り口から噴出する、新たな謎〈ミステリー〉と恐怖〈ホラー〉に戦慄せよ。 ――綾辻行人 僕の姉は「取り替えられた」魔物なのか? 「マガイ」のおぞましい真実とは 「山に棲む『紛(まがい)』という魔性の獣が里の子供を攫って喰らい、己の子とすりかえる」「『紛』の子は見かけは人間だが、長ずるに従って徐々に獣の本性を表し、里に災いをもたらす」 現代社会では迷信扱いされる民話だが、鞍臥の人たちは今でも、心のどこかで信じている。なぜなら、あたしがその「マガイの子」だからだ――。 いまは東京で美大生をしている坂見風哩は、8年前に「お山」で従兄が惨殺された現場に立ち会っていた。従兄の死体は獣に食われたようだったが、風哩には事件時の記憶がない。腫物のように扱われる田舎を出たものの、不穏な出来事が周りで続いている。セクハラ教授とのトラブルで訪れた風変わりなスクールカウンセラーとの話で、夢に見る「マガイ」のことをついしゃべってしまい……。 一方、まだ鞍臥に住んでいる高校生の弟・怜治は、8年前に姉を助けてくれた円藤老人が、砂原という謎の研究者と最近共にいるのが気になっている。砂原ら「聖泉協会」の人間は「お山」の「磨崖仏」を調べているというのだが……。
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3.7新聞社の支局長として20年ぶりに地元に戻ってきた記者の福良孝嗣は、着任早々、殺人事件を取材することになる。被害者は前市長の息子・野本で後頭部を2発、銃で撃たれるという残酷な手口で殺されていた。一方、高校の陸上部で福良とリレーのメンバーを組んでいた県警捜査一課の芹沢拓も同じ事件を追っていた。捜査が難航するなか、今度は市職員OBの諸岡が同じ手口で殺される。やがて福良と芹沢の同級生だった小関早紀の父親が、20年前に市長の特命で地元大学の移転引き止め役を務め、その後自殺していたことがわかる。早紀は地元を逃げるように去り、行方不明になっていた……。
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