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社会人生活に疲れていた雄也に、突然中学校時代の同級生から電話がかかってきた。話の流れで、文化祭で中途半端になっていたプライベート映画を完成させ、上映しようということになるが……。
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Posted by ブクログ
15歳、中学3年のぼく江澤雄也、翔、真琴と、同級生の森山さんの4人は、中学の放送部の仲間だった。学校のいろんな時間に、生徒からのリクエストに答えてしゃべり、曲をかけるという活動をしていた。ある日、リクエストと間違えて、授業で書いた未来の自分への手紙が持ち込まれ、間違えて放送してしまう。放送部の男子3...続きを読む人が「おわびに文化祭で、女子に告白するシーンを録画して上映する」という話になり『初恋シネマ』の撮影を開始するが…。 甘酸っぱいというか、甘々の青春ラブコメである。10年後25歳の江澤雄也たちが、15歳の『初恋シネマ』とそれにまつわる事件について回想しつつ、その痕跡を探す、しかし、という物語だ。 また、ミシェル・ポルナレフから、ブルーノ・マーズまで、R&Bを中心に往年のヒット曲が次々に出てくるところも魅力だろう。 文章は全体にふわふわしており、ライトノベル的に一人称がト書きで一人語りをするため、どこからが会話なのか、どこからがそうでないのかがわかりにくい。早々に改装という形を取っているため、その感情が15歳の自分か25歳の自分かがわかりにくいというところがやや厳しい。ただ、こういう柔らかいスタイルのほうが受け入れやすい人というのも少なくはないのだろう。 大きなストーリーは、悪く言えば1980年代のアニメ映画のような、わかりやすいうねりをともなう、日常を描いた作品である。そう、アニメっぽいのだ。実写でやるとわざとらしいような、プラスチックっぽいテカテカした、親しみやすいが本質には触れられないというようなストーリーで、現実味という部分はあまり感じられない。そのあたりもこれくらい現実感がない方がいいという人もいるのだろうなあ。個人的にはもうすこし街であったり、新幹線に飛び乗って行く先の描写もあってよかったのではないかと思う。 また、人の死でカタルシスを表現するのも、ちょっと安易かなあ。高校生くらいだと刺さると思うので、子供用の棚に差しておくかな。
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西田俊也
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