小説・文芸 - 集英社作品一覧

  • 億単位の男
    4.0
    発想はすべて億単位。戦後の焦土から、高度成長を経て、バブル経済がはじけた今日。その50年を全力で走ってきた男・坪内寿夫。伝説の再建王と呼ばれた四国の大将のケタ外れで情熱的な人生! 痛快人物立志伝。
  • 尾崎翠『第七官界彷徨』を読む(文芸漫談コレクション)
    -
    「作家としての来歴もよくわからないし、実質的な作家活動の期間も短い。ただその間にセンスあふれる作品を残し、後年まで影響を与えつづけている」(奥泉)。今回は、初期モダニズム小説の傑作、尾崎翠の『第七官界彷徨』を読む。芥川賞作家と希代の仕掛人が捨て身でおくる“漫談スタイル”の超文学実践講座。本電子書籍は、文芸誌「すばる」2016年4月号に掲載された作品の電子版シングルカットです。
  • 幼な子の聖戦
    3.8
    東京で挫折、信じかけた新興宗教にも失望した史郎は、故郷に戻り村議となり、人妻との逢瀬を楽しんでいた。幼なじみの仁吾が村長選に立候補すると、改革の理想を語る彼への応援を約束。が、県議から人妻の件で決定的な弱みを握られ、仁吾落選のための不正工作に加担。心を引き裂かれた史郎の、破壊的衝動を描く「幼な子の聖戦」(第162回芥川賞候補作)。ビルの窓拭きを専門にする会社に転職した小春は、仲間同士で命を預けて仕事をする緊張感にのめり込んでいる。ある日、ビル内の盗難事件が原因で責任者を下ろされてしまった権田にひそかに憧れていた小春は、思い切って彼を焼き鳥に誘うが……「天空の絵描きたち」。話題の2編を収録。
  • 推される技術 ~ 累計3億円集めた男のクラウドファンディング冒険記 ~
    3.0
    現代のビジネスシーンで必要不可欠な「推される技術」の本質は、「予算」「ムード」「ドラマ」「メリット」「ロマン」「客観視」の6要素にあった! 【内容紹介】 ゲーム開発でウン千万円の負債を追った著者がひょんなことからクラウドファンディングに出会いこれを使い倒し、ついには国内最高額(当時)となる1億3000万円を調達するまでを赤裸々に綴ったクラウドファンディング冒険記。 これまでにクラウドファンディングで累計3億円以上を調達した著者が語る唯一無二の実体験と目標金額調達のための「成功メソッド」とは?クラウドファンディング入門者向けの教科書としてだけでなく、現代のビジネスシーンで必要不可欠な「推される技術」のノウハウも満載。2018年に、当時の国内クラウドファンディング最高調達額(1億3230万2525円)を記録した美少女ゲーム「MUSICUS!」プロジェクトの内幕も明かされる。 【著者プロフィール】 Bamboo(バンブー) 結成30周年を迎えるロックバンドmilktubのボーカルとして、数々のTVアニメの主題歌などを担当。また、ゲームレーベルOVERDRIVEのプロデューサーとして、バンドや自らの体験をテーマにした「MUSICUS!」「キラ☆キラ」「グリーングリーン」など数々の作品を世に送り出した。近年はクラウドファンディングのキュレーターとして主にゲーム、音楽、声優などのカテゴリーのプロジェクトを担当している。
  • 尾崎紅葉『金色夜叉』を読む(文芸漫談コレクション)
    -
    「超ポップ!…鮮血! 凶器! 殺傷! 死体!」(いとう)。今回は、読んだことはなくても、国民全体が貫一とお宮のことだけは知っている、尾崎紅葉の『金色夜叉』を読む。芥川賞作家と希代の仕掛人が捨て身でおくる“漫談スタイル”の超文学実践講座。本電子書籍は、文芸誌「すばる」2014年11月号に掲載された作品の電子版シングルカットです。
  • おしまいのデート
    3.7
    中学三年生の彗子は両親の離婚後、月に一度、父の代わりに祖父と会っていた。公園でソフトクリームを食べ、海の見える岬まで軽トラを走らせるのがお決まりのコース。そんな一風変わったデートを楽しむ二人だったが、母の再婚を機に会うことをやめることになり……。表題作のほか、元不良と教師、バツイチOLと大学生、園児と保育士など、暖かくも切ない5つのデートを瑞々しく描いた短編集。
  • オシムの言葉
    4.3
    【ミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞作】「リスクを冒して攻める。その方がいい人生だと思いませんか?」「君たちはプロだ。休むのは引退してからで十分だ」サッカー界のみならず、日本全土に影響を及ぼした言葉の数々。弱小チームを再生し、日本代表を率いた名将が、秀抜な語録と激動の半生から日本人に伝えるメッセージ。(解説/岡崎満義)
  • お釈迦さま以外はみんなバカ(インターナショナル新書)
    3.5
    震災の時も酒のことしか頭にない落語家/ラブホスタッフによる文章指南/大阪おばちゃん語で憲法を表現すると/名作を2秒で読めるか?/偶然57577になった文章……。稀代の読書家である作家だからこそ見つけられた、思わず唸る表現や、クスッと笑えることばの数々。書いた本人さえも気付いていない、秘められた意味まで深掘りしていく。本書を開けば、新しい発見があること間違いなし!
  • おじさんはなぜ時代小説が好きか
    4.2
    時代小説とは何か? 司馬遼太郎、藤沢周平ら多くの作家が活躍し、名作が書かれた昭和。作品が舞台とする江戸時代。高度経済成長期の「会社」生活に一喜一憂した昭和のサラリーマン達が自らを仮託した下級武士達と、経済成長なきユートピアとしての「藩」。それぞれの時代と社会を詳細に読み解き、日本人にとって時代小説が持つ意味をわかりやすく語る。おじさんも歴女も目からウロコが落ちる必読書。
  • 推す力 人生をかけたアイドル論
    4.0
    なぜ私たちは「推す」のか? 秘蔵エピソード満載のアイドル人生論! 篠山紀信さん(写真家)推薦! アイドルを論じ続けて40年超。 「推す」という生き方を貫き、時代とそのアイコンを見つめてきた稀代の評論家が〈アイドル×ニッポン〉の半世紀を描き出す。 彼女たちはどこからやってきたのか? あのブームは何だったのか? 推しの未来はどうなるのか? 芸能界のキーパーソン、とっておきのディープな会話、いま初めて明かされる真相――そのエピソードのどれもが悶絶級の懐かしさと新鮮な発見に満ちている。 戦後日本を彩った光と闇の文化史とともに、“虚構”の正体が浮かびあがるアイドル批評の決定版! 【目次】 まえがき――「推す力」を生きて 序章  それは南沙織から始まった 第一章 1970年代のアイドル体験  note 天皇陛下のアイドル論 第二章 山口百恵から松田聖子へ――1980年の女王位継承 第三章 小泉今日子と中森明菜――1982年組の二つの星  note 後藤久美子と宮沢りえ 第四章 〈チャイドル〉ブーム始末記 第五章 さらば、沖縄の光  note 加護亜依は勝新太郎である 第六章 『時をかける少女』の40年 第七章 竹内結子の肖像  note アイドルの未来 第八章 2010年代のアイドル復活 第九章 あいみょんと「下降する時代」  note 平手友梨奈とは何だったのか? 終章  アイドルを「推す」ということ
  • オズの世界
    3.9
    配属先はローカル遊園地!? ディズニーランドで働く夢に破れ、二度と遊園地には行かないと心に決めた久瑠美。失意のうちにホテルへの入社を決めた彼女が命じられたのは、グループ傘下にあたる九州の遊園地での勤務だった。理想と現実のギャップに不満だらけの久瑠美、しかしそこでは更なる試練が待ち受けていた――。遊園地の知られざる裏側と不慣れな地で奮闘する新米社員を描くお仕事小説。
  • みらい文庫版 おそ松さん ~番外編~
    4.5
    大人気アニメ『おそ松さん』の、番外編・スピンオフストーリー! 伝説の6つ子の、だいぶおバカな『日常』と、かなりおバカな『非日常』がたっぷりつまった、オリジナルストーリー。あの『おそ松さん』が、まだ誰も読んだことのないニューエピソードで登場!! クソ松ことカラ松が、“カラ松ガールズ”たち(未確認)のために、ついに本気を出す日がきた!!(「カラ松 オブ ドリームス」) 6つ子のヒマ企画「セルフおみくじ」遊びから、思わぬポンコツ展開に! 最凶のおみくじは、誰の手に!?(「おみくじ」) 伝説(?)の“なごみ探偵おそ松”が、不可解すぎる事件に……一応、挑む!(「なごみのおそ松」)など、おそ松さん製作委員会監修の、“公式”番外編!! ※ふろくのシールはつきません。
  • 織田作之助『夫婦善哉』『六白金星』を読む(文芸漫談コレクション)
    -
    文学者で、キムタクみたいに四文字で略してもらえるのって、オダサク以外にいますか? でも織田作は当時からそう呼ばれていたんですよね。今回は「評価低すぎる、織田作すごい!」(いとう)と言わしめた織田作之助の『夫婦善哉』『六白金星』二作品を読む。芥川賞作家と希代の仕掛人が捨て身でおくる“漫談スタイル”の超文学実践講座。本電子書籍は、文芸誌「すばる」2015年10月号に掲載された作品の電子版シングルカットです。
  • おだやかな部屋
    -
    男との愛に生きながら、確かな世俗の絆を求めようともしない孤独な女の心は、日常の些細な出来事も部屋から見下す街のながめも、謎めいたものに変えてしまう。ひとり居の女心のゆらめきに微かな性の芳香を漂わせながら、一組の男と女の微妙な愛のかたちを描いて生の不思議な深淵にせまる力作長編。
  • 落合博満論
    3.3
    2011年、圧倒的な実績を残しながらプロ野球界を去った落合博満。噂された球団との確執や過度の拝金主義といったイメージとは裏腹に今もなお、シーズンオフには落合待望論がまことしやかに語られる。孤高の天才打者にして名監督、その魅力の淵源は何処にあるのか? 2019年シーズン中には、球界を代表するスラッガー山川穂高が落合に教えを乞うた。山川の姿によって再び火がついた作家は、さらに、さらにという思いで落合の諸相を訪ね歩く。対談、俳句、エッセイ……至高の野球人を味わい尽くす一冊。
  • 堕ちた英雄 「独裁者」ムガベの37年
    3.8
    事実上のクーデターによる辞任から、わずか2年で急逝した前ジンバブエ大統領、ムガベ。マンデラになれなかった男の実相に迫る。人種差別闘争の闘士から、腐敗した権力者に、そして最後は41歳差の妻の暴走をとめられず体制転覆、異国の地でひっそりと息を引き取った。世界史上、独裁政権は枚挙に暇がないが、これほど絵に描いたような軌跡を辿った「独裁者」は類例を見ないだろう。超長期政権、容赦ない粛清、ハイパーインフレ。名だたる独裁者のなかでもジンバブエの元大統領、ムガベの特異性は際立つ。英雄はなぜ、独裁者となったのか。盤石の体制はなぜ、唐突な終焉を迎えたのか。徹底取材でその世界史的意味を探った、最強の独裁者を追うノンフィクション。
  • 墜ちていく僕たち
    3.6
    ある日突然、男が女に、女が男に変わったら……? 神出鬼没の摩訶不思議なインスタント・ラーメンが巻き起こすミステリアスな5つの物語。生まれてからずっと男でいつづけるのも、女で一生終わるのも、人間ってけっこう楽じゃない。性に悩めるあなたも、悩んだことなんて全然ないあなたも、さあ、そんな綱渡りのような固定観念を捨てて、性差の呪縛ものりこえて、新しい自由な世界へようこそ。
  • おチビがうちにやってきた! 未来が見える!? 2才のちなつはトクベツな子
    続巻入荷
    -
    ある日とつぜん、2才のちなつを育てることになった、小6の実咲。ちなつには、とある事情とヒミツの特殊能力があることを知り、「この子を守りたい!」と思う。けれど、ちなつの能力を悪用しようとする大人があらわれ…遊園地で連れ去り事件が起きてしまう!! 実咲は、幼なじみの颯太と一緒に助け出そうとするけれど…!? ドタバタ・ハートフルコメディ第1弾!!
  • しのびよる月(御茶ノ水警察シリーズ)
    3.6
    1~6巻594~715円 (税込)
    御茶ノ水署・生活安全課保安二係は斉木斉と梢田威だけの小世帯だった。小学校の同級生が御茶ノ水署で再会する。がき大将だった梢田が斉木をいじめた過去があった。それがいまでは斉木警部補と梢田平刑事。復讐に燃える斉木は、ことごとく梢田の出世を妨害し、日常業務に文句をつける。口論しながら推理も続け、神田お茶の水界隈の難事件迷事件を解決していく。ユーモア・ポリス・ストーリー。
  • 夫というもの
    3.5
    【渡辺淳一文学賞創設記念電子化!】なぜ会話がない、帰ってこない、浮気するのか。結婚したとたん、家庭の中で、外で、迷走する「夫」たち。結婚という枠組みの中で、変容してゆく男たちの実態にせまり、妻の知らない夫たちの本音を解き明かす。さらに、定年後の夫婦のあり方、老いをどう生きるか、高齢社会化が急速にすすむ中、新しい男と女の姿、夫婦のかたちを模索する。
  • 夫の火遊び
    3.5
    『桜ハウス』と名づけた家でハウスシェアをしていた女たち。蝶子36歳・遠望子31歳・綾音26歳・真咲21歳。あれから十数年の月日が経ち……。今明かされる真咲の離婚の真相。婚約破棄を繰り返していた綾音が、選んだ男。遠望子のもとを訪れた女の目的は? そして、蝶子に新しい男が!? 一生懸命に生きるからこそ、どこかコミカルになってしまう30~40代の女たち4人を小気味よく描く傑作連作集。
  • オテル モル
    4.0
    「悪夢は悪魔」の合言葉のもと運営される会員制地下ホテルで働きはじめた希里。「最高の眠りと最良の夢」を提供すべく「誘眠顔」である彼女の奮闘が続く。リハビリ施設に入院中の双子の妹に代わり、小学生の姪と、かつて恋人であった義理の弟とともに暮らす希里が働き始めたのをきっかけに、彼ら三人にも変化がみえてきたころ、妹の沙衣の退院が決まる。直後、事件は起きてしまう――。
  • お父さんのバックドロップ
    3.9
    下田くんのお父さんは有名な悪役プロレスラーの牛之助。頭は金髪、顔は赤白の隈取り、リングでみどり色の霧を吹く。そんな父親が下田くんはイヤでたまらない。今度は黒人の空手家「クマ殺しのカーマン」と対戦することになったのだ。父を思う小学生の胸の内をユーモラスに描く表題作。ロックンローラー、落語家、究極のペットを探す動物園園長と魚河岸の大将。子供より子供っぽいヘンテコお父さんたちの物語。
  • 義弟
    3.0
    人気弁護士の彩と義理の弟の克己は、本当の肉親以上に信頼し合っていた。ある夜、彩と不倫関係にあった男性が彼女の職場で突然死する。スキャンダルを恐れた彩に助けを求められた克己は事故死に偽装するが、夫の死を不審に思う妻が彩の事務所に相談しにやってくる。彩は克己の反対を押し切り、彼女の依頼を引き受けるが…。心の闇を抉り出す衝撃作。
  • おとぎのかけら 新釈西洋童話集
    3.6
    母親から育児放棄されかけている幼い兄と妹は、花火大会の夜にデパートでわざと迷子になる。公園で出会った女に連れて行かれたマンションで待っていたのは、甘いケーキと、そして……(迷子のきまり ヘンゼルとグレーテル)。「白雪姫」「シンデレラ」「みにくいアヒルの子」など誰もが知る西洋童話をモチーフに泉鏡花文学賞受賞作家が紡いだ、美しくも恐ろしい7編を収録した短編集。
  • 男あそび
    4.0
    ひどく謎めいた女に成熟した順子には、自分が必要とする時に男を呼び寄せ、意のままに操ることができる奇妙な力があった。順子はそれを〈浮気の超能力〉と呼んで、思うまま人生を愉しんでいたが、ふと、どこか虚しい気持ちに陥るようになって……。表題作「男あそび」他7編を収録。軽妙に描く大人の女と男の物語。
  • 男と女の理不尽な愉しみ
    3.7
    「ゲス不倫」叩きから、「熟年離婚」まで……。世の中は、かくも男女の問題に満ち溢れている。甘美で魅力的なはずの関係はなぜ、今や絶望的なまでに我々を追い詰めているのか? 男女の機微を知り尽くした作家とタレントが、出会いから恋愛の作法、不倫の在り方、看取りの瞬間まで、男と女を巡るあらゆる問題を徹底討論。しなやかでありながら、したたかでもある男女の「愉しみ方」を提言する。古典的男女観ともフェミニズムとも異なる視点の2人が、とかく男女に世知辛い日本社会を喝破する!【目次】まえがき/第一章 結婚したい女たち/第二章 男と女の利害関係/第三章 女は「損」なのか?/第四章 人はなぜ不倫を許さないのか/第五章 女はどう育つのか/第六章 死ぬことと、生きること/あとがき
  • 男の結び目
    -
    ご存知、愛子せんせとお聖さんがユーモアとペーソスを交えて語り合う人生の哀楽、男女の仲、男のあれやこれや。演題は“男の背中・女のお尻”“可愛げのある男・ない男”“夫婦ゲンカのコツ”“一物自慢”……話はとどまるを知らずますますソーレツに! 酒の肴にさせていただいた男性諸氏よ、ご海容あれ。
  • 男は敵、女はもっと敵
    3.6
    映画好きが高じてフリーの宣伝マンをする藍子36歳。仕事は順調だが、W不倫の果てにフッた男が仕事場に現れ復縁をせまり……(『敵の女』)。22歳の真紀はデザイン会社で働く。今は仕事よりも来月入籍するバツイチのカレが大事。だが、その元妻と仕事をすることになり!?(『Aクラスの女』)。など、恋と仕事にまっすぐ生きる女たちをリアルに描いた連作短編集。
  • 男はみんなプロレスラー
    -
    プロレスは極彩色のガラスの破片をちりばめたミラー・ボール。光の当たり方、見る角度によって驚くほどさまざまな変化を見せる。相手の腕をハンマーに決める。ロープに振る。反動でもどってくる。さあ、次の技は──その瞬間、最低三つぐらいのドラマは思い浮かべるはず。そう、まさに人生そのものなのです。プロレスを哲学にしてしまう男・ムラマツの一発必殺の凄味ただよう一冊。
  • おとしばなし集
    -
    江戸戯作の深い造詣にささえられた、石川淳の軽妙な話体による“おとしばなし”と、世界名作のパロディ。おとしばなし堯舜・李白・和唐内・清盛・業平ほか。小公子・蜜蜂の冒険・乞食王子・家なき子ほか。小説の約束事に拘束されない、自由で楽しい小説集。
  • 音無橋、たもと屋の純情 旅立つ人への天津飯
    4.0
    東京都北区・音無橋のそばの定食屋。生死不問でご来店お待ちします――会社になじめず仕事もできず、鬱屈した毎日を送る凛々が野良猫と雨宿りをした「たもと屋」。そこは心残りのある死者が立ち寄る定食屋だった。身も心も疲れ果て死者と勘違いされた凛々は、勧められるまま食事を注文する。懐かしい味に心もお腹も満たされた死者たちはやがて旅立つ。凛々もまた、仏頂面でも面倒見のいい店主の青年のごはんを常連客と食べるうちに、元気を取り戻していく。逝く時も、生きる時も、寂しい人はお越しください……。定食屋を舞台におりなす、ちょっと不思議なごはん物語。
  • オトナの保健室 セックスと格闘する女たち
    3.9
    セックスレス、不倫、セクハラ、そして世界的なうねりを見せる#MeToo運動。誰しも何らか抱える性に関する問題が、識者のコメント、対談、インタビュー、一般読者投稿から赤裸々に語られる。新規取材の村山由佳さんと酒井順子さんの対談の他、上野千鶴子さん、宋美玄さん、こだまさん、はあちゅうさん、伊藤詩織さん、紗倉まなさんなど各界著名人が登場。朝日新聞夕刊連載中の人気記事、待望の書籍化。 【目次】はじめに/第1章 セックス/第2章 不倫/第3章 女の性意識/第4章 セクハラ/第5章 「したい人」「したくない人」~日本の女のセックス事情、百年前から現代まで 特別対談 酒井順子氏(エッセイスト)×村山由佳氏(作家)/おわりに
  • 大人は泣かないと思っていた
    4.1
    時田翼32歳、農協勤務。九州の田舎町で、大酒呑みの父と二人で暮らしている。趣味は休日の菓子作りだが、父は「男のくせに」といつも不機嫌だ。そんな翼の日常が、真夜中の庭に現れた“ゆず泥棒”との出会いで動き出し……(「大人は泣かないと思っていた」)。恋愛や結婚、家族の「あるべき形」に傷つけられてきた大人たちが、もう一度、自分の足で歩き出す──色とりどりの涙が織りなす連作短編集。
  • 乙女椿と横濱オペラ
    4.3
    まだ古き世の名残が尾を引く開明の時代、明治45年。横濱。女学生の紅の父親が持つ長屋には、いつの頃からか、ひょろりと痩せた京訛りの青年絵師が住みついていた。紅が幼い頃から長屋に暮らす時川草介というその青年は、幼い頃に神隠しにあったことがあり、そのせいか怪異を見ることができるという。あるとき、紅の許嫁だった好青年・一谷誠一郎が行方不明となり、草介に助力を求めたが……?
  • 踊りませんか、榊高ノブといっしょに
    -
    原稿用紙十四枚の短篇「関誠」しか書いたことがないのに作家志望をきどっていた、わたし。二〇〇七年春、そんなわたしは大学院にあがった ―― 榊高ノブという一人の文学フリークとの出会いを機に、故・中上健次氏が創設した熊野大学にも参加し、短篇への講評も初めて受ける……文学とはいったい何なのか? 文学に憧れ、文学にたじろぎ、文学に嗤い、文学に振り回され続ける〝 二人 〟のドタバタ珍道中。(青木淳悟氏直筆のイメージイラストを付録として収録。)
  • 鬼恋語リ
    4.5
    泥沼化した鬼と人間の争いに終止符を打つため、戦の最前線を担った椿ノ郷の郷長の妹・冬霞は、兄を討った鬼の頭領・緋天へ嫁ぐことに。兄は以前、「自分の首を取る者がいたら、それは親友だ」と語っていた。その死になにか秘密があると感じた冬霞は、自分がしあわせになるためにも真相を探るべく奔走する。少しずつ真相へ近づく中、冬霞は緋天の心にふれ――?
  • 鬼に喰われた女 今昔千年物語
    4.0
    時は平安。京に上った東国の長者が妻と荒れ果てた邸宅に宿を取った。数日たった夕方、男が縁にいると妻の叫び声が聞こえる。驚いた男が部屋に飛び込むと、暗闇から伸びた太い二本の腕が妻をつかんで奥の間に引きずりこむところだった。妻は鬼につかまっていたのだ……(「鬼に喰われた女」)。表題作ほか今昔物語からインスピレーションをえて人間に巣食う「闇」と「エロス」を大胆に描いた短編集。
  • 鬼の棲む家
    3.5
    新婚まもない華子は、古びた借家で夫の亮介を電動工具で殺害した! 華子は弁護士に「あの家には鬼がいたの」と語り、事件の背景には壮絶なDVがあったことを示唆する。それを知った華子の父は、夫こそ加害者で、娘は被害者だと訴え、罪の軽減に奔走する。だが、やがて父親は「鬼」の真の正体を知り愕然となる! 家族から殺人者を出した一家の崩壊する心理を描く、戦慄の新感覚ミステリー!
  • 鬼平梅安 江戸暮らし
    3.8
    自分の屋敷で、庭に咲いた桜をながめながら静かに酒を酌む、それが長谷川平蔵のような武家の花見ですよ。ワーッと上野や飛鳥山へ繰り出して大騒ぎするのは、もっぱら下町の長屋の連中~「鬼平の花見」より。――握り鮨の起源、昔の船宿、大石内蔵助の好物の牛肉、お女郎に教わった朝飯、鯉料理など。時代小説の人気キャラクター達が生きる江戸の風物や食文化が鮮やかに蘇る。食通作家の粋なエッセイ集。
  • おにんぎょうさまがた
    4.0
    それは、私が小学校二年生のある日のこと。同じ学童に通う香奈枝ちゃんが、お姫さまみたいな人形を持ってきた。金色の巻き毛に、青いガラス目。丸みを帯びた桜色の頬に、控えめな微笑み――えもいわれぬ美しさを持つ彼女の名前は『ミーナ』。そんな彼女との出会いが、すべての不幸の始まりだった…。五体の人形にまつわる、美しくも哀しいノスタルジック・ホラー。【目次】ミーナちゃんは許さない/サマーはなおらないで/あくじき少女/エセルが映したから/さよならクローディア
  • お縫い子テルミー
    3.8
    依頼主の家に住み込み、服を仕立てる「流しのお縫い子」として生きる、テルミーこと照美。生まれ育った島をあとにして歌舞伎町を目指したのは十五歳のとき。彼女はそこで、女装の歌手・シナイちゃんに恋をする――。叶わぬ恋とともに生きる、自由な魂を描いた第129回芥川龍之介賞候補の表題作。アルバイトをして「ひと夏の経験」を買う小学五年生、小松君のとぼけた夏休みをつづる『ABARE・DAICO』収録。
  • オネスティ
    3.8
    「どんな秘密も作らない。恋愛も結婚もしないけれど、心はいつも一番近いところにある。ほかの人を好きになっても、結婚しても、ずっと好きでいるけれど、赤ちゃんをつくるようなことはしない」カイとミノリは、幼き日に交わした約束を大切に守りながら成長していく。そんな二人の関係は大人になってもずっと続いていき――。人をどれくらい誠実に愛することができるのかを問う純愛的長編小説。
  • おはなし・ねこあつめ
    4.3
    ほっこり和んでいやされる、8つのおはなし♪ 大人気アプリのねこさんたちの、「オリジナルストーリー」です。●神社に住むやんちゃなとびみけさんが、ある日迷子になって?(とびみけさん、迷子になる)●超ビビリのしろさばさんにある日起こったとんでもない事件とは!?(しろさばさん、閉じ込められる)●毎日お屋敷でたいくつしていた「はいしろ」さんがついに冒険の旅に出る!!(はいしろさん、冒険にでる)●宿命のライバルとーびーさんとあかさびさんの前に現れた、最強のかくれんぼ名人とは!?(とーびーさんとあかさびさんの、かくれんぼ大好き)ほか。【もくじ】1 とびみけさん、迷子になる/2 しろさばさん、閉じ込められる/3 しろねこさんとくろねこさん/4 はいしろさん、冒険にでる/5 とーびーさんとあかさびさんの、かくれんぼ大好き/6 ちゃはちさんとぷりんすさん/7 ちゃとらさんの身代わり大作戦!/8 気まぐれくりーむさん
  • おはなしの日
    3.0
    なぜ私は母に疎まれるのだろうか。どうすれば愛されるのだろう――。親からの虐待を受けて、傷つく少女。その痛みと孤独を共有できたのは同じ境遇にある少年だけだった……。ひとりで生きるには幼すぎたあの頃。大人の理不尽な暴力に悲しみをつのらせ、未来は果てしなく遠かった。〈家庭〉という最も危険な場所で生きる少女たちの世界を静謐な文体で描き、心を深く衝く作品集。
  • おばさん未満
    3.7
    若いのか、若くないのか。シミなのか、クスミなのか。あちらとこちらの間で揺れる、微妙なお年頃が40代。恋にファッションに、いつまで現役であり続ければいいのかと、悩んだことはありませんか。まだおばさんではないけれど、もう若者ともいえない……と悶々とする女性たちに、「痛くない」歳のとり方を明るく提案。中年になりきれないあなたへ、うなずきと驚きが詰まった一冊です。
  • オフマイク
    3.6
    継続捜査を担当する捜査一課特命捜査係の黒田は、二課の同期・多岐川から20年前の大学生自殺について聞かされる。その死が、大物政治家の贈収賄と関わっているかもしれないというのだ。聞き込みをするうちに、黒田はこの事件を「ニュースイレブン」の報道記者・布施も追っていることを知る。その布施の情報で、黒田は事件のカギとなる人物はITで財を成し、政界のフィクサーとして名を流す藤巻だと目算する。時を同じくして人気キャスターが突然失踪。接点の見えない自殺と失踪の背後にはテレビ業界や警察組織さえも迂闊に手を出せない、大きな闇が……。記者と刑事の異色コンビが活躍する大人気「スクープ」シリーズ第5弾!
  • お坊さんとお茶を 孤月寺茶寮はじめての客
    3.7
    日々の憂さを忘れて、まずは一服。お人好しで要領の悪い三久は、勤め先をリストラされ路頭に迷ってしまう。行き倒れた先は、猫まみれの貧乏寺・孤月寺だった。クールな美形僧侶・空円と、謎の水商売風男・覚悟の二人が営むこの寺で、三久は僧侶見習いとして居候することに。慣れない清貧生活(?)に四苦八苦していた三久だが、突然、近所で起きた強盗傷害事件で犯人扱いされてしまって…!?
  • オムライスはお好き?
    -
    窓際族とさげすまれ、女房、子供にいびられる中年男は卵料理に生きがいを見いだした。シブチンでええ格好しいの妻、親爺を煙たがる子供らに囲まれて、孤独で寡黙なお父さんの胸の中の呟きが、おかしくて哀しい表題作。やっと建てたマイホームを女房一族に占領され、挙句の果てに転勤命令。愛家家の悲哀を描く「かたつむり」他、男権弱化の世の中で夕暮れを迎えた男女の甘くも苦い極めつきの7編。
  • 汚名
    -
    関東電工のエリート折原章一は、元上司から新会社設立への参加を求められた。身体障害者救済のためのコンピューターソフト会社だという。折原は芹沢涼子を知るが、涼子は脳性マヒで車椅子生活をしている息子をコンピューター技術者にしたいという。そんな時、産業用ロボットが人を殺してしまった。ショッキングな事件を背景に、身体障害者の本当の自立の意味を問いかけるミステリー長編小説。
  • 思い、思われ、ふり、ふられ まんがノベライズ特別編 ~由奈の初恋と理央のひみつ~
    -
    人見知りで恋に夢みがちな由奈は、ある日、絵本にでてくる初恋の王子様にそっくりな少年に出会う――。近所に住んでいるのかなと思っていたら、なんと同じマンションに引っ越してきた! しかも由奈とは性格が正反対だけど仲よしの朱里の義弟で……!? さらに、由奈の幼なじみの和臣をふくめた同じマンションに住む男女4人。それぞれの恋を描いた大人気コミックスを夢みがちな由奈とモテ男子・理央の視点で描いた、ノベライズ特別編。
  • 思い出とひきかえに、君を
    4.0
    高1のひまりは、片想い中の陸斗に告白することに。けれど、事故にあった陸斗は、約束の時間にあらわれなかった。その日、ひまりは不思議なお店に迷いこむ。「思い出とひきかえに願いを1つ叶えてくれる」という。陸斗を助けるため、彼との思い出を売るひまり。しかし、2人にとって大事な出来事の記憶まで失い、陸斗とすれちがい…!? せつなくて泣ける恋物語。
  • 思い出のとき修理します
    4.1
    1~4巻506~660円 (税込)
    仕事にも恋にも疲れ、都会を離れた美容師の明里。引っ越し先の、子供の頃に少しだけ過ごした思い出の商店街で奇妙なプレートを飾った店を見つける。実は時計店だったそこを営む青年と知り合い、商店街で起こるちょっぴり不思議な事件に巻き込まれるうち、彼に惹かれてゆくが、明里は、ある秘密を抱えていて……。どこか懐かしい商店街が舞台の、心を癒やす連作短編集。
  • 思い出は満たされないまま
    3.5
    東京・多摩地区在住のフリーター・甲田には認知症の母がいる。母の介護を口実に仕事を辞めたのに団地の自治会役員を押し付けられてしまう。住民の自分勝手なクレームに翻弄される毎日。遂に近くに住み着いたホームレスの男性を追い出せと言われ……(「団地の孤児」)。マンモス団地に住み暮らす人々の日常と街の様相を描いた7つの連作短編集。この一冊には理屈を超えて、感情を揺さぶるパワーがある。
  • 柿のへた 御薬園同心 水上草介
    3.9
    水上草介は、薬草栽培や生薬の精製に携わる小石川御薬園同心。人並み外れた草花の知識を持つものの、のんびり屋の性格と、吹けば飛ぶような外見からか、御薬園の者たちには「水草さま」と呼ばれ親しまれている。御薬園を預かる芥川家のお転婆娘・千歳にたじたじとなりながらも、草介は、人々や植物をめぐる揉め事を穏やかに収めていく。若者の成長をみずみずしく描く、全9編の連作時代小説。
  • 出世払い おやこ相談屋雑記帳
    3.5
    1~2巻616~660円 (税込)
    招き猫が招く手、右左の違いとは?(「猫は招く」)。気の合う相談客と盛り上がって帰宅した信吾が犯した大失敗(「山に帰る」)。いつも声を掛けてくる老婆のある変化の理由(「サトの話」)など、盛りだくさんの全5話を収録。大病からの生還を機に動物と話せる力を持った信吾と妻の波乃が営む相談屋と将棋会所のにぎやかな日常を舞台にした、笑いあり涙ありの人情物語。「めおと相談屋」の看板が「おやこ相談屋」に掛け替えられて、お馴染み青春時代小説の新シリーズ開幕!
  • おやつカフェでひとやすみ しあわせの座敷わらし
    3.0
    鎌倉にほど近い、丘の上の住宅街に、歳の離れた三兄弟が営む古民家カフェがひっそりと建っていた。「そのカフェで座敷わらしを見ると、幸せになれる」。そんな噂につられて、帆南(ほなみ)は店を訪れた。祖父母の借金を返すために意に染まない結婚を決めたものの、将来は不安でいっぱいで…。そんな帆南の前に現れたのは!? 迷った心を癒してくれる、ほっこりあやかし物語。
  • 親を送る
    4.3
    親を送った人、これから送る人、皆に届けたい半年間の物語。79才と84才の両親を相次いで亡くした著者が描く、看取りの苦しさ、悲しみ、そして本当の意味で親を送るまで――。取材困難な場所に踏み込み話題になった『さいごの色街 飛田』『葬送の仕事師たち』の著者が書き綴った、セルフ・ドキュメント。愛する人を失った人の胸に響く、《いい年の大人の、親との別れ》。『佐賀のがばいばあちゃん』シリーズ・島田洋七さん推薦! 「別れたくなくても、その日は絶対来る」。
  • 親を送る その日は必ずやってくる
    4.0
    親との別れは突然やってくる。79歳の母が火傷を負い、病院に運ばれた。数日の入院で済むはずだったが、容態が急変。意識不明に陥り、生命維持装置をいつ外すかの決断を迫られる事態に。さらに追い討ちをかけるように、認知症気味の84歳の父まで…。両親を相次いで亡くしたノンフィクション作家が描く、看取りの苦しさ、悲しみ。親を送った人、これから送る人、皆に届けたい半年間のドキュメント。
  • おらんだ左近
    5.0
    息詰まる時代を照らす快活なヒーロー左近、見参!――幌馬車を駈って街道を爆走。おらんだ左近を自称する破天荒な浪人者が長崎から江戸を目指す。対馬で剣の奥義を習得し、長崎で医術を修めた左近。行く先々で起こる奇怪な事件を、彼を慕う元夜盗の素走り佐平次、天涯孤独な少年春太らと共に解決していく。どんな時も前向き、腕はあるが殺生を嫌う心優しきヒーローを描く痛快活劇。閉塞感ある今の時代にこそ顧みられるべき、柴田錬三郎、円熟期の名作が新版で登場!!
  • 檻

    4.0
    やくざな世界から足を洗って、今は小さなスーパーを経営している滝野和也。そのスーパーの買収工作をめぐるいざこざから、滝野の野生の血が再び噴き出す。結局は“檻”の中にとどまれず、修羅場に戻ってゆく男の滅びの美学を、鮮烈な叙情で謳いあげた北方ハードボイルドの最高傑作!
  • おりひめ寮からごきげんよう ドキドキの新生活! となりの男子寮とは交流禁止!?
    -
    毎日が修学旅行! ことりのワクワク寮ぐらし!! わたし大原ことり。中1だよ。桜ノ宮学園の女子寮“おりひめ寮”で暮らすことになったの! 寮にはイベントがいっぱい、すぐそばには男子寮の“ひこぼし寮”もあるんだって。ワクワクとドキドキがとまらないよ! な・の・に! 「女子寮には女王さま(クイーン)がいる」なんてナゾめいた話を聞いたり、再会した幼なじみから「うらぎり者」なんて言われたり!? お・ま・け・に! 超男嫌いな女子の先輩もいて、寮の男女はバチバチに対立!? “おりひめ”と“ひこぼし”の間には、“天の川”より深~いミゾがあるみたいで……。わたしの新生活、どうなっちゃうのぉ?? 女子寮が舞台のキュートな物語!
  • オリンピア ナチスの森で
    4.2
    1936年8月、ナチス政権下のベルリンで第11回オリンピックが開催された。ヒトラーが開会を宣言し、ナチスがその威信を賭けて演出した。その大会を撮影し、記録映画の傑作『オリンピア』二部作を生み出した天才レニ・リーフェンシュタール。著者は彼女にインタビューを試みる…。運命の大会に参加した日本選手団をはじめとする多くのアスリートたちの人生をたどる長編ノンフィクションの傑作。
  • オリンピックと商業主義
    3.7
    オリンピックをテレビで観戦していると、他のスポーツイベントとは「風景」が違うことに気づく。それは「会場に広告看板がない」からだ。クーベルタンが理想を掲げて創始した近代オリンピックの「格式」は、そのような形で今も守られている。だが舞台裏では、莫大な放映権料やスポンサー料がIOCの懐を潤し、競技自体にまで影響を及ぼすという実態がある。一方で、その資金のおかげで税金の投入が回避され、途上国の選手が参加できるという現実もある。果たして、オリンピックが「商業主義」を実践するのは是なのか非なのか。本書は、五輪礼賛でも金権批判でもないスタンスで、この問題を深く掘り下げる。【目次】序章 三つのロンドンオリンピック/第一章 「商業主義」の起源と歴史/第二章 「商業主義」の弊害とは何か/第三章 五輪マネーは、どのように分配されるのか/おわりに―オリンピックは誰のためにあるのか
  • オレゴン夢十夜
    -
    「私」は日本人の女に絶望する。そして女を女たらしめている男にも絶望する。いたたまれず、憑かれたように飛行機に飛び乗り、はるかオレゴンの深い森に降り立つ。さあ、ここからなにが始まるか? 少女以来見続けてきた夢の実現か。あるいは、愛によって生きる人間らしい生き方の確認だろうか――。奔放に飛翔し、漂う自由な精神を力強く描く長編。
  • 俺たちはどう生きるか
    3.5
    いまだに毎日迷いながら生きている……。「需要がなくなれば芸人なんて終わり」とわかっちゃいるのに、「あのジジイ、やるな」とまだ世間から言われたい……。「若者に教訓めいたことを何か言ってやりたい」と思うけれど、「そんな立派な人生を送ってきたか?!」と躊躇する。古希・70歳。世間ではもういい大人。歳をとればもっと楽な人生になると思っていたのに……。そんな自問自答の日々を赤裸々に綴った「人生のこれまでとこれから」。自筆原稿収録。
  • おれたちの青空
    3.8
    1~4巻495~528円 (税込)
    父が横領罪で捕まって一家離散、陽介が札幌の養護施設“魴ぼう舎(ほうぼうしゃ)”に移って二年が経つ。中学三年の陽介と施設の仲間たちは高校進学を前に、将来を見据えてそれぞれの選択を下すことになり――(「おれたちの青空」)。表題作のほか、魴ぼう舎を運営する恵子おばさんの若かりし日を描いた「あたしのいい人」、陽介の相方でスポーツ万能の卓也目線で語られる「小石のように」の二作品を収録。話題の青春小説。
  • おれのおばさん
    3.8
    ある日突然、父の逮捕を知らされた陽介。父が横領した金を返済するため、陽介は都内の名門中学を退学し、母の姉が運営する札幌の児童養護施設、魴ぼう舎(ほうぼうしゃ)に入ることになる。急激な暮しの変化に当惑しながらも、パワフルなおばさんと個性豊かな仲間に囲まれて、陽介は“生きる”ことの本質を学んでゆく。ときに繊細で、たくましい少年たちの成長を描いた青春小説。第26回坪田譲治文学賞受賞作。 【ナツイチ2013対象作品】
  • オレの東大物語 1966――1972
    4.0
    「東大は、クソだ」。長年のタフな論争を闘い抜いてきた文芸評論家の原点は東大闘争、しかしながら大多数の同時代人とは異なり、医学部を中心に華々しく展開したメインストリームに較べれば幾分「地味」な文学部闘争にあった……。6年間の学生生活で著者がきたした変調、払拭し得なかった違和感とは。周りを囲む様々な知性との交錯を重ねながら、やがて導かれた独自の結論としての、「内在」から「関係」への転轍。かつて自身が幕末の尊王攘夷に用いた概念が、ラストでは加藤自身に照射される。2019年5月に急逝した日本を代表する文芸評論家が、まったく新しい文体で「パンドラの箱」に挑み、骨太な思想の淵源を初めて明かした、唯一無二の青春記。
  • 俺のロック・ステディ
    4.7
    ブルースロック、グラムロック、アメリカンロック、ジャズロック、ブリティッシュロック、ハードロック、プログレッシブロック、日本のロック――。1960~70年代の黄金期を俯瞰する、本格的なガイドブック的側面に加え、エッジの効いた文章に乗せながら「ロックとは何か?」という根本的な命題を探求した、萬月流ロック論。本書で、著者が導き出した解とは? 初心者必読、そして自称「通」のあなたも、それぞれのロック体験史の空白を埋めてくれる一冊! 【目次】まえがき/第1章 はじめにリズムありき/第2章 ブルースロック(1)/第3章 ブルースロック(2)/第4章 ブルースロック(3)/第5章 グラムロック(1)/第6章 グラムロック(2)/第7章 アメリカンロック(1)/第8章 アメリカンロック(2)/第9章 アメリカンロック(3)/第10章 ジャズロック(1)/第11章 ジャズロック(2)/第12章 ブリティッシュロック(1)/第13章 ブリティッシュロック(2)/第14章 ブリティッシュロック(3)/第15章 ハードロック(1)/第16章 ハードロック(2)/第17章 プログレッシブロック(1)/第18章 プログレッシブロック(2)/第19章 日本のロック/第20章 総括だ!/あとがきに代えて
  • 終わらぬ「民族浄化」セルビア・モンテネグロ
    3.9
    1999年のNATO軍の空爆により、コソボ紛争は公式には「終結」したことになっている。しかし現地では、セルビア系の民間人が3000人規模で行方不明になるなど、空爆前とは違った形で「民族浄化」が続き、住民たちは想像を絶する人権侵害の危機にさらされている。また、空爆による劣化ウラン弾の被害は甚大で、すべての回収には100年を要するという。本書は、空爆終了後6年間にわたって現地に通い続けた唯一のジャーナリストが、九・一一やイラク戦争の開始以降ほとんど報道が途絶えてしまったセルビア・モンテネグロの現状を告発した、渾身のルポルタージュである。【目次】まえがき/旧ユーゴスラビア全図/第一章 大コソボ主義(2001年~2002年)/一 消えた1300人――セルビア人拉致被害者たち/二 真っ先に見た事務局長/三 コソボへ/四 マケドニア潜入行/第二章 混迷の中で(2002年)/一 劣化ウランとユーゴスラビアの核/二 10月革命の裏側/第三章 セルビア・モンテネグロの誕生(2003年)/一 新憲章発布とモンテネグロ/二 新憲章発布とコソボ/三 誰がジンジッチを殺したのか/四 ボスニア・ヘルツェゴビナ/五 少年が殺された/終章 語り部(2004年10月)/柴宜弘教授との対話――あとがきに代えて/ユーゴスラビアとセルビア・モンテネグロに関する年表
  • 終りの旅
    -
    「恋が旅に似ているように、人生も旅に似ている」。雪の根室へ、夏の津和野へ、マルセイユへ、トレドへ……。愛し、苦しみながら、なお未知なるものを求めてつづく旅。人生は死への孤独な旅であるとみる著者が、単なる旅情をこえた〈旅〉のなかで綴る人生の洞察と人間へのいとしさ。
  • 温泉妖精
    3.0
    美しい母親と姉のもとで育ち、容姿コンプレックスを抱えて美容整形を繰り返す27歳の絵里。大きな二重、高い鼻、脱色した髪と青いカラーコンタクトで、外国人のふりをして田舎の温泉宿に泊まるのが趣味の彼女は、ある日、向かった旅館で、「影」と呼ばれる嫌味ったらしい中年男性客と出会い――。不思議なエネルギーに満ちた第39回すばる文学賞受賞作。
  • 女

    2.0
    “女”は可愛く、愛らしい。が時として底意地が悪く、また嫉妬深い――。かつて妻子ある教師と心中未遂事件を起こした東尋坊にいま、亡母の墓参りに夫と訪れた。何も知らない夫のひたむきな労りに心やすまるが、この安らぎもいつ崩れるか知れない。男と女の脆い結びつきを描く「蟹の爪」ほか、短篇五篇を収録。
  • 女がそんなことで喜ぶと思うなよ ~愚男愚女愛憎世間今昔絵巻
    3.5
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「少なくとも、それまで若く瑞々しいという理由で私たちを蝶よ花よと可愛がっていた年上の男たちが今さら手のひらを返したように『20代の女の子ってそんなに面白くないんだよね、飽きるし。女は30歳過ぎてからの方が実は魅力的だよ?』なんて言ってきても鼻で笑うしかない。『アラサー女がそんなことで喜ぶと思うなよ』と。」(本文より抜粋)メディアで引っ張りだこの文筆家・鈴木涼美が鋭くあぶり出す現代男女世相絵巻。恋愛、結婚、不倫、ハラスメント、フェミニズム、メンヘラ……今時の男と女を取り巻くあれこれがめくるめく涼美節にのってグイグイ刺さります! 全編、『アラサーちゃん』でおなじみの峰なゆかのイラスト付き!
  • 女三人のシベリア鉄道
    3.7
    与謝野晶子、宮本百合子、林芙美子。明治末から昭和初めの動乱期に、シベリア鉄道で大陸を横断した逞しい女性作家たちの足跡を辿り、著者もウラジオストクから鉄道で旅に出た。愛と理想に生きた三人に思いを馳せながら、パリを目指す。車中での食事、乗客とのふれあい、歴史の爪跡が残る街…世界で最も長い鉄道旅をめぐるエピソードの数々。三人と著者の旅が、時を超えて交錯する評伝紀行。
  • 女たち
    -
    六十路をむかえてなお恋の炎を燃やす女将。キャバレーのボーイに熱をあげるハイティーンの歌手。大学図書館の勤めをやめて不倫の愛に生きる女…など。奔放な情熱のおもむくままに生きる「女たち」のさまざまな愛と性にひそむ微妙な心の翳りと官能のうごめきを、多彩な人生模様に描く連作小説。
  • 女たちのジハード
    4.1
    【第117回直木賞受賞作】中堅保険会社に勤める5人のOL。条件のよい結婚に策略を巡らす美人のリサ。家事能力ゼロで結婚に失敗する紀子。有能なOLでありながら会社を辞めざるをえなくなったみどり。自分の城を持つことに邁進するいきおくれの康子。そして得意の英語で自立をめざす紗織。男性優位社会の中で、踏まれても虐げられても逞しく人生を切り開いていこうとする女たち。それぞれの選択と闘いを描く痛快長編。
  • 女たちは泥棒
    -
    フランス料理店“リトリート”のオーナーは、堂島といういぶし銀のようなシブーイ男。本業は貴金属商で、都内にいくつも店を持ち、業界ではかなりの大物だった。その彼のもとに、若くてハンサムな谷本修一が、時折ふらりと現れるが、いつも心憎いほどイイ女が寄り添っていた。……なにやらいわくありそうな彼等こそ盗みのプロフェッショナル。それもケタ外れの泥棒たちだった。彼等の華麗な冒険を描く痛快ピカレスクロマン。
  • 女と味噌汁
    4.0
    東京は新宿に近い花柳界・弁天池。主人公の芸者てまりは底ぬけに明るいお人好し。そのうえ男まさりのしっかり者で、だれの世話にもならず、自分で汗を流して働ける商売をと、芸者稼業のかたわら、ライトバンを改造して味噌汁屋を始めた。花柳界でけなげに生きるてまりとそれをとりまく下積みの人々との心のふれ合い。それは人情の機微を写すに得意な著者独自の世界でもある。
  • 女の足音
    -
    前家元夫人の姑、明日香流に君臨する夫、舞踊の世界に身を置いて、裏方と忍従をしいられる木綿子。寂寥の日々にふとしのびよる若いパイロット小松雅志のおもかげに、木綿子の心はみだれる。人妻ゆえに、真実の愛を知っても、はぐくむすべなく身を灼く木綿子。因襲の世界にすむ女の愛の苦悩を流麗にくりひろげる平岩文学の傑作。
  • 女の海
    -
    夫と子供を捨てて竜平との恋に走った弓子。母の出奔後グレて事故死した息子や母の知人に夢中になる娘。この子供らにとって私は何であったのか? 愛の歓びにひたりながら、弓子の心の奥底に罪の意識がゆらめく。ひとりの女のラブ・アフェアが子供や愛人の運命に投げかける陰影を通して女の愛といのちの哀しみをくりひろげる。
  • 女の学校
    3.0
    道理が引っ込めば無理が通る。流れに竿さす者、これまた皆無――理不尽、無邪気、無節操が横行するこの世を慨嘆した愛子学長が、叱咤、教導する好エッセイ集。なお、対女性問題に援用する際、反面教師ともなり得るため、本学は女子専門校にあらず、共学なり。多数の男生徒の受講も歓迎す。
  • 女のコだもん!! からだと心のハッピー★ノート
    -
    新学期。「また一緒のクラスだね!」「うん! 今年は調理実習始まるの、楽しみー♪」「もう、はなちゃんったら、いつも食べることばっかり」「……だって(笑)」。そんな5年生になったばかりの、はな&えみちゃん。からだも心もおとなになりたい!と思う2人が、「生理のこと」「初ブラのこと」「からだのなやみ」から「恋する気持ち」まで、みんなと一緒に知っていくよっ!【もくじ】登場人物紹介/まんが「おとなへの準備、始まる!?」/1章 ちゃんと知りたい、生理のこと/2章 からだも心もおとなになる/まんが「おとなへの一歩!」/からだのカレンダー/ドクターからのアドバイス
  • 女ノマド、一人砂漠に生きる
    3.6
    夫や子どもたちと離れ、たったひとりでラクダを連れてエジプトの砂漠で暮らす女遊牧民サイーダ。著者は、彼女と遊牧生活をともにするなかで、これまで自身で思い描いていた、素朴で自由な“ノマド”像とのギャップに困惑しながらも、彼女のたくましい生命力に惹かれていく。結婚するまでお互いの顔をほとんど見ないという「恋愛」事情や一夫多妻のリアルな内実など、急速に変容するイスラムの社会にあっても、日本とはまったく異なる価値観で力強く生きる一族の女たちを鮮やかに描いた渾身のノンフィクション!【目次】第1部 女ひとりの砂漠/第1章 もうばあさんだから男はいらない/第2章 男がいないと、どうなるか/第3章 祈りがもたらす心の安らぎ/第4章 雨で人も物も流される/第5章 お客さま扱いの頃をすぎて/第2部 うつりかわり/第6章 収入の安定とひきかえに失ったもの/第7章 記憶の彼方の砂漠/第8章 砂漠の民vs町の民/第9章 愛は結婚後/第3部 男と女/第10章 白いハンカチと赤い口紅/第11章 結婚は人生の楽しみの半分/第12章 妻はふたり/第13章 嫉妬と中傷/エピローグ これから
  • 女フリーランス・バツイチ・子なし 42歳からのシングル移住
    3.4
    バツイチ、子なし、ひとり暮らしの中年女性が人生後半戦を見つめ直し、生まれ育ち40数年暮らした東京を離れ鹿児島県霧島へ。戸建て物件探し、引越し、リフォーム、ご近所付き合い、畑仕事、仕事先の東京との往復……オンタイムで綴る移住ルポ。 以下、目次一部。 親も旦那も子どももいない、自由すぎる私の移住先/世田谷ではなく鹿児島で、サザエさんの家探し/仕事、生活費、災害対策……移住の前に考えなければならないこと/男はいなくても家がある。43歳のバースデー/働けど働けど、女フリーランスの不安は増すばかり/温泉、食べ物、住まい…都会人が知らない贅沢/移住の前に、本当はやっておかなければならなかったこと/山の中腹でぽつり。40女の孤独との向き合い方……etc.
  • 女を磨く大人の恋愛ゼミナール
    3.0
    「また会いたい」と思わせる女になるには? 信頼できるパートナーと出会うには? 幸せな妊娠・出産のタイミングとは? リアルな考察や自身の経験をふまえ、楽しく、時に厳しく語りかける。「好奇心はどんな美容液より肌に効く」「恋の最終地点を結婚と決めない」などなど、将来への不安や迷いを抱えがちなアラサー世代に向けた、女磨き指南書。人気モデル平子理沙とのスペシャル対談つき。
  • おんぶにだっこ
    4.2
    二歳になっても「あんた、いつまで飲む気だね」と言われながらも乳離れしようとせず、ニシキヘビに興奮し家にあったマムシ酒のヘビにうっとり。星が欲しくてしょうがなかった四歳は、その後あの「たまちゃん」と小学一年生の時に運命的に出会う──。人一倍ナイーブで、なぜかいつも悩んでいた幼年期。「まる子」以前のピュアな気持ちを初めて書き綴った、さくらももこの原点となる自伝エッセイ。
  • 隠密絵師事件帖
    4.0
    安政6(1859)年。明治まであと9年の混乱期。絵師で用心棒の誠之進が暮らすのは陸海運の要衝、品川宿。一筋縄ではいかぬ者どもが跋扈する町。誠之進も隠密という裏の顔を持っている。彼に下された任務は、藩主の肖像を描いた男を追い、お家を狙う敵の正体を探ること。緊迫の剣戟、当代随一の絵師・暁斎との邂逅、人気娼妓・汀との艶めくやり取り。全方位から楽しめる、瞠目の時代小説シリーズが開幕!
  • 陰陽師暗殺
    4.0
    金閣寺北方の総合病院・第7病棟に、キツネ憑きの発作を起こす老女が入院してきた。それは陰陽師・安倍晴明の伝説に基づく芝居なのか、それとも本物の心霊現象か。一方、一条戻橋の下で現代の陰陽師土御門泰山が殺害! 額には五芒星の形に輝く五本の蝋燭。さらに殺人の連鎖は止まらない。いったい誰が、何のために? ついに親友まで事件に巻き込まれ、英光大学の村野杏美は、魔界都市・京都へ!
  • OL10年やりました
    3.5
    地方都市の平凡なサラリーマン家庭に育ち、地元の銀行に就職して、OL生活をスタートさせた彼女。素敵な恋の出会いに胸をときめかせたが、お局様のいびりに泣かされ、スケベ上司のセクハラに口惜しい思いをした。でもダテに10年もOLをやっていたわけじゃない。自信に満ちた生き方が共感を呼ぶ。直木賞作家の原点ともいえるエッセイ。
  • OL捜査網
    4.0
    営業部長の妻が自宅で首を折られ殺害された。続いて総務部長の娘が自殺を遂げ、さらに宣伝部副部長が浴槽から溺死体で発見された。関係者がみなヨコハマ自動車の社員か家族で、殺人現場が密室風であることから、社内に戦慄が走った。入社2年目の美帆たちは、OL探偵団を結成し、事件の謎に迫っていく。やがて嫉妬や憎悪にまみれた社内の人間関係が……。OLたちが、連続殺人に挑む会社ミステリー。
  • OL放浪記
    4.0
    役者、エッセイストだけでなくDJ、演出、脚本などさまざまな分野で活躍する著者の青春時代の職業遍歴。高校時代のアルバイトから始まってなんとその数48! 自らのアホな体験だけでなく、周囲の大人たちのアホさ加減もしっかり観察。ツッコミ鋭く人間模様をつづる爆笑エッセイ。
  • オーガニック革命
    3.9
    “話題”のクリエイターが説く新しい価値観! オーガニックとは、単なる健康食ブームではない。20世紀的資本主義からの脱却を希求する「運動」だ。金融危機に揺れるロンドンで出会った、新しい価値観への啓示を語る。【目次】はじめに/第1章 21世紀のオーガニック・ロンドン/第2章 オーガニックへ至る道――イギリス“金融帝国”の狂騒と凋落/第3章 オーガニック・ライフ実践編/おわりに/参考文献・資料
  • オートフィクション
    3.8
    22歳の女性作家・リンが新たに執筆を依頼されたのは自伝的創作=オートフィクションだった―。なにものによっても埋めることのできない、深い孤独を抱えた彼女が語り始めた「オートフィクション」は抹殺したはずの過去を描き出す。切り取られたいくつかの季節と記憶。通り過ぎる男たち。虚実が錯綜し破綻した世界の中で、彼女が見いだしたものとは。著者渾身の傑作長編。
  • 【電子特別版】オーパ!
    4.1
    【オリジナル写真満載!】何かの事情があって野外へ出られない人、海外へいけない人、鳥獣虫魚の話の好きな人、人間や議論に絶望した人、雨の日の釣師……すべて書斎にいるときの私に似た人たちのために。──開高健は本書巻頭にそう書いた。南米の大河アマゾンの釣魚・冒険・文明論ノンフィクション。稀代の文章家の猛烈な表現力で記されたこの伝説の旅は、その驚き(オーパ!)の豊かさ、深さ、面白さで、また、その文明論の射程で、いまだ他の追随を許さない。追うのは巨大魚ピラルクー、肉食魚ピラニア、黄金のドラド、名魚トクナレ……。旅程はアマゾン河口の街・ベレン、冒険の基地・サンタレン、大湿原の入口・クイヤバ、砂漠の人工都市・ブラジリア……。その美、その食、その壮大。心躍る紀行文学の古典がオリジナル写真満載の電子特別版で登場。
  • オー・マイ・ガアッ!
    3.9
    物語の舞台はアメリカン・ドリームの都・ラスベガス。友人に裏切られすべてを失ったお気楽中年男・大前剛、キャリアウーマンから娼婦に「転職」した梶野理沙、そしてベトナム戦争の英雄なのに落ちぶれたジョン・キングスレイ。人生くすぶりまくりのそんな三人が一台のスロットマシンで史上最高の大当たり5400万ドルを叩き出した! 笑って泣いて夢を見る、エンタテインメント大傑作。
  • オーラの発表会
    3.8
    「人を好きになる気持ちが分からないんです」海松子(みるこ)、大学一年生。他人に興味を抱いたり、気持ちを推しはかったりするのが苦手。趣味は凧揚げ。特技はまわりの人に脳内で(ちょっと失礼な)あだ名をつけること。友達は「まね師」の萌音(もね)、ひとりだけ。なのに、幼馴染の同い年男子と、男前の社会人から、気づけばアプローチを受けていて……。「あんまり群れないから一匹狼系なんだと思ってた」「片井さんておもしろいね」「もし良かったらまた会ってください」「しばらくは彼氏作らないでいて」「順調にやらかしてるね」――「で、あんたはさ、高校卒業と大学入学の間に、いったい何があったの?」。綿矢りさデビュー20周年! 他人の気持ちを読めない女子の、不器用で愛おしい恋愛未満小説。
  • 解

    3.8
    バブル経済絶頂期、大学生の大江波流と鷹西仁は、政治家と小説家になる夢を語り合う親友同士。代議士の息子の大江は、大蔵省へ入省。鷹西は、社会勉強と文章修業のため新聞記者になった。目標実現のためにキャリアを積む二人だったが、大江の父親が急逝したことで忌まわしい殺人事件が……。めまぐるしく転変する彼らの人生を辿りながら、“平成”という時代を抉り出す骨太の長編社会派ミステリー。
  • 秘密への跳躍 怪異名所巡り5
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    弱小「すずめバス」のバスガイド・町田藍は、霊感が強く幽霊と話せるという特技がある。これを売りにした「幽霊ツアー」は、常連の女子高生・真由美をはじめ、変わり者のお客たちに大人気。夜な夜な赤子を抱いた女教師の霊が出るという高校の池を訪ねた一行。そこで真由美が奇妙な霧に包まれ妊娠してしまい!? (「生まれなかった子の子守歌」)など6編を収録した、大人気シリーズ第5弾!

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