中央公論新社作品一覧

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  • 水底のスピカ
    4.4
    1巻990円 (税込)
    容姿端麗で頭脳明晰な転校生・汐谷美令は、白麗高校中から注目を集めるが、些細な事からクラスで孤立してしまう。 最初の友達で孤高を演じる松島和奈、美令が孤立する原因を作った城之内更紗。 それぞれに秘密を抱えながらも、深く関わっていゆく三人の濃密な一年の軌跡を描く。 アンジェリーナ1/3との対談を収録。〈解説〉中江有里
  • 加耶/任那―古代朝鮮に倭の拠点はあったか
    3.9
    加耶/任那は3~6世紀に存在した朝鮮半島南部の小国群を指す。『日本書紀』は任那と記し、「任那日本府」の記述などから長く倭の拠点と認識されてきた。だが戦後、強く疑義が呈される。歴史教科書の記述は修正が続き、呼称も韓国における加耶へと変わる。他方で近年、半島南部で倭独自の前方後円墳の発掘が相次ぎ、倭人勢力説が台頭する。本書は、古代東アジア史の大きな争点である同地域の実態を実証研究から明らかにする。 <目次> まえがき 序 章 加耶/任那研究の歩み 1日中韓史料のなかの古代東アジア 2通説までの道程――150年に及ぶ研究の軌跡 3広開土王碑と百済三書――史料批判による精緻化 第1章 檀君神話から金官・大加耶へ 1「古朝鮮」の虚実――檀君、箕子・衛氏朝鮮時代 2三韓時代へ――朝鮮四郡と馬韓・辰韓・弁韓 3いにしえの辰国―― 三韓以前の半島南部 4二大国の建国神話と任那の登場 第2章 弁韓からの発展――4世紀の動向 1盟主・金官の台頭と揺らぎ 2神功皇后「加羅七国平定」――『日本書紀』の真偽 3百済と倭の通交はいつからか 4広開土王碑のなかの倭、任那加羅、安羅 第3章 大加耶の成長と倭臣――5世紀~6世紀初頭 1高句麗対百済・倭――5世紀前半の動向 2倭の五王による「任那・加羅」都督諸軍事申請 3大加耶の中国への遣使――「輔国将軍本国王」の冊封 4加耶・馬韓の倭臣たち――ヤマト王権と異なる倭系集団 第4章 百済・新羅による蚕食と抵抗―― 6世紀 1「任那四県の割譲」――減衰する加耶諸国 2新羅の侵攻、㖨己呑・金官・卓淳の併合 3任那復興会議――百済の招集と加耶諸国の思惑 4加耶の消滅 ――「任那日本府」とは何だったか 第5章 滅亡後―― 倭の揺れる「任那」認識 1なぜ倭は百済・新羅に「調」を要求し続けたか 2伝承と面影―― 新羅と日本のなかで 終 章 加耶とは何か―― 国民国家を超えて あとがき 主要参考文献 加耶/任那 関連年表
  • 観光消滅 観光立国の実像と虚像
    3.7
    東京、京都、ニセコ……訪日観光客の増加によるオーバーツーリズムの弊害が日本各地で問題となっている今、日本政府が目指した「観光立国」とは一体何だったのか、検証すべき時期に来ている。人口減による人手不足や公共交通の減便といった問題をはじめ、物価の高騰、メディアの過剰報道など、観光を取り巻く環境は楽観を許さない。観光学の第一人者が豊富な事例をもとに、改めて観光の意義と、ありうべき日本の観光の未来を問い直す。
  • 明治の技術官僚 近代日本をつくった長州五傑
    4.0
    電子版は本文中の写真の一部をカラー写真に差し替えて掲載。 幕末、先進技術を習得すべくイギリスに留学した若き長州藩士たちがいた。伊藤博文、井上馨、山尾庸三、井上勝、遠藤謹助の五人である。 出発点を同じくしながら、やがて有力政治家となった伊藤・井上馨と、官僚人生を全うした他の三人。 その運命を分けたものは何だったのか。 高度な専門知識により工業・鉄道・造幣の分野で活躍した山尾・井上勝・遠藤の足跡を軸に、近代国家形成期に技術官僚が果たした役割を明らかにする。
  • 世界史の叡智 悪役・名脇役篇 辣腕、無私、洞察力の51人に学ぶ
    -
    近代中国で悪名高い政治家といえば、まず汪兆銘の名前が挙がる。 だが今日「売国奴」と断罪されるこの指導者は、祖国を戦火から守るべく対日和平を模索した、筋金入りの愛国者でもあった。 本書では史学の成果を生かしつつ、古今東西の事例を検証。 時代の波に翻弄された悪役たちの横顔を紹介し、隠れた名脇役たちの活躍にも光を当てる。 古代ペルシャの大王からイタリア映画全盛期の巨匠まで、バラエティに富んだ五一人の列伝。
  • 世界史の叡智 勇気、寛容、先見性の51人に学ぶ
    3.0
    古代ローマには、人はいかに考え、ふるまうべきかを示す規範が存在した。 この「父祖の遺風」に沿って我が子を教育することは、ローマの人々、とりわけ貴族階層の父親にとって何より重要だった。 古代史家である著者は、父祖の遺風を重んじたローマ人にならい、歴史をひもといて古今東西の事例を渉猟。 古代エジプトのファラオから戦後日本の国民的スターまで、現代の日本人が知っておきたい五一人の生涯と事績を紹介する。
  • 剣士 伊庭八郎の生涯
    4.0
    中公新書『ある幕臣の戊辰戦争』を改題し、電子書籍として配信するものです。 名門・伊庭道場の嫡男に生まれた八郎は、卓越した剣の腕を買われ、将軍家茂の親衛隊に加わる。だが戦乱は間近に迫っていた。 八郎は新設された遊撃隊に属し、鳥羽・伏見の戦いを皮切りに各地を転戦。東下する新政府軍を迎え撃った箱根の戦闘では左手首を失う不運に見舞われる。のち蝦夷地で旧幕府軍に合流し、死の間際まで抗戦を続けた。 天才剣士を戦いへ駆り立てた思いとは何だったのか。 二十六年の短くも鮮烈な生涯を描く。
  • 隅田川暮色
    4.0
    呉服問屋生まれの冴子は、内縁の夫の実家が営む組紐づくりに魅せられ手伝う日々。職人として技量は認められるものの、肩身は狭い。そんなある日、八百年前の厳島組紐復元計画に誘われる。手仕事の歓び、前妻の影、幼なじみとの再会……。隅田川端に暮らす人びとの心の襞を哀歓込めて描く、日本文学大賞受賞作。〈解説〉堀川理万子
  • 西郷従道―維新革命を追求した最強の「弟」
    4.3
    幕末期、兄隆盛・大久保利通のもと尊攘派志士として活躍した従道。20代半ばで欧州視察後、台湾出兵では派遣軍トップとして制圧。西南戦争では、国家建設を優先し陸軍卿代理として、叛乱軍指導者の兄と敵対。隆盛自刃後、謹慎する。天皇に請われ復職後は海相を長期間務め、日清戦争時には陸海相兼務など軍事的指導者、さらに元老として政府中枢を担った。最晩年まで首相待望論があったが、「賊将の弟」と固辞し続けた志士の生涯。
  • 美食の歓び
    3.0
    ある時は料理の起源を、ある時はユゴー、バルザックなど食通の逸話を、又はカレーム、サヴァランの想い出話を…。料理芸術に纏わる奇観と変哲のエッセイ。 今と昔の女性美食家 立体派料理 コニャック讃歌 隠れた偉人 パリの食通クラブ 大衆とスープ カニバリズム じゃがいものスフレの奇蹟 誇り高きマレンゴ風若鶏 牡蠣 百年前のレストラン 辛辣な料理批評家グリモ・ド・ラ・レニエール  ブリヤ・サヴァラン  フォア・グラとトリュフについて  音楽と美食術  パルマンテイエの伝説  精進料理  殺人的爆発料理 ルイ。フイリツプとご馳走 料理建築家アントナン・カレーム 演劇と美食術 食通の決聞 食通バルザック 主顕節 昔の観光客と美食家 フォークと皿 最初の「食味旅行家」
  • 天平の三姉妹 聖武皇女の矜持と悲劇
    3.0
    聖武天皇には三人の娘がいた。 生涯不婚を定められ、孝謙天皇(重祚して称徳天皇)となって権力を振るった阿倍内親王。 光仁天皇の皇后でありながら、夫を呪詛したとして大逆罪に処された井上内親王。 恵美押勝の乱に加わった夫を失った後、息子たちの謀反に連坐、流罪とされて没年すら伝わらない不破内親王。 凄惨な宮廷闘争の背景にあったのは何か―。 皇位継承の安定のために人生を翻弄された、三人の皇女の物語。
  • 後藤又兵衛 大坂の陣で散った戦国武将
    -
    電子版は本文中の写真の一部をカラー写真に差し替えて掲載。 戦国時代、黒田官兵衛・長政の二代に仕え、武勇を謳われた後藤又兵衛。 豊臣秀吉の九州攻めや朝鮮出兵、関ヶ原合戦で活躍するも、長政に疎まれて主家を去った。 長い牢人生活を経て、秀吉の遺児秀頼の招きに応じ、一六一四年、大坂城に入城する。 徳川方に比して劣勢明らかな豊臣陣営に加わったのはなぜか。 大坂の陣でいかに奮戦し、壮絶な討死を遂げたか。 後年、歌舞伎や講談などで快男児として描かれた武将の実像に迫る。
  • 旅の流儀
    3.2
    旅立ちにはしばしば憂鬱さが付きまとう。遭遇するトラブルを思うと尻込みしたくなる。だが、どんなに辛い旅であれ、得られる収穫は計り知れない。ひとつの出会いがかけがえのない人生の財産にもなる。 若き日の海外放浪以来、数え切れない旅を経験してきた著者が、独自のノウハウやためになる失敗談を惜しげもなく披露。 「自分の鞄は自分で持つ」「旅先で本を読む」「なんでもない風景」ほか39章で綴る、大人の旅への招待。
  • やさしい猫
    4.5
    家族三人で暮らしたい、 ただそれだけの望みを叶えるのが こんなに難しいなんて シングルマザーの保育士ミユキさんが心ひかれたのは、八歳年下の自動車整備士クマさん。娘のマヤも面倒見のいいクマさんに懐いて、すったもんだはありつつも、穏やかな日々が続くはずだったのに……。 出会って、好きになって、ずっと一緒にいたいと願う。 そんな小さな幸せが突然奪われたのは、 クマさんがスリランカ出身の外国人だったから。 〈ハラハラしてます〉〈ラストがよかった〉〈知らないって恐ろしい〉 読売新聞連載中から反響続々 中島京子の長編小説最新刊
  • 没落官僚 国家公務員志願者がゼロになる日
    4.0
    「ブラック霞が関」「忖度」「官邸官僚」「経産省内閣」といった新語が象徴するように、片や政治を動かすスーパーエリート、片や「下請け」仕事にあくせくする「ロボット官僚」という二極化が進む。地道にマジメに働く「ふつうの官僚」が没落しているのだ。90年代以降、行政システムはさまざまに改革され、政治主導が推進されてきたが、成功だったと言えるのか? 著者は元労働省キャリアで、公務員制度改革に関わってきた行政学者。実体験をおりまぜながら、「政官関係」「天下り」「東大生の公務員離れ」等の論点から“嵐”の改革30年間を総括する。 第一章 霞が関を焦土に変えた行政改革 第二章 危機対応できない警察国家 第三章 天下りが先細る先にある「政商」問題 第四章 内閣人事局と官邸官僚が霞が関を破壊した 第五章 政治家の下請けになったとぼやくエリート官僚 第六章 若手や女性の前途を阻む、哀しき「拘牢省」 終 章 問われない、政治家の能力
  • かたき討ち 復讐の作法
    3.8
    みずから腹を割き、遺書で相手に切腹を迫る「さし腹」。仇敵の死刑執行人を願い出る「太刀取」。女たちの討入り「うわなり打」。男色の愛と絆の証「衆道敵討」……。著者は豊富な史料に基づいて、忘れられた多彩な復習の習俗を照らし出す。近世の人々はどのように怨みを晴らし、幕府は復讐の情をいかに管理し手なずけようとしたか。うつろう武士道、演劇化する「かたき討ち」。日本の復讐の歴史がよみがえる。
  • 法王の牙 病院サスペンス集
    3.0
    黒岩重吾生誕100年企画。「病院」「医療」を背景にした作品は、直木賞受賞作『背徳のメス』(長篇ミステリ)に代表される、黒岩重吾の初期作品の真骨頂。著者自身の戦争体験、戦後の小児麻痺による闘病を色濃く投影し、社会の底辺から、病院に巣くう権力構造、愛憎、欲望、人間の業を描き出す。ミステリ寄りの作品であっても、人間を描くところに妙味があり、また、関西舞台の作品にも味わいがある。以下6篇を収録。「病葉の踊り」「深夜の競走」「法王の牙」「さ迷える魂」「造花の値段」「最後の踊り」
  • 中華文人食物語
    3.0
    東坡肉に宋代の詩人・蘇東坡の名前が冠されているのはなぜ? 中華料理の複雑な味わい、山海珍味の調理法には、歴史を彩る文人、皇帝、民衆たちのエピソードが秘められている。食と酒を愛する著者が、中国・日本の各所で口にしてきた美味佳肴とともに中華料理の奥深さを語るエッセイ。文庫化に際し「酒虫と消麺虫」他を増補。〈解説〉平松洋子
  • 崖っぷち「自己啓発修行」突撃記 ビジネス書、ぜんぶ私が試します!
    3.7
    世を賑わすビジネス書、自己啓発法。書評やレビューは星の数ほどあるが、愚直に本に書いてあるとおりのノウハウを試したら、どうなるか? 本当に「夢を叶えて」「年収10倍」は「誰でも実現可能」なのか? 体験派ルポライターとして知られる著者だが、ベストセラー『ついていったらこうなった』の一発屋では終われないという危機感から、速読・整理法・発想法・会話術・プレゼン術などの体験取材を敢行。壮絶な挑戦の末につかんだ“成功法則”とは?
  • ペリー来航 日本・琉球をゆるがした412日間
    4.3
    電子版は本文中の写真の一部をカラー写真に差し替えて掲載。 1853年5月、アメリカの東インド艦隊が那覇沖に、7月には浦賀沖に現れ、琉球王国と日本は開国と動乱の時代を迎える。「黒船」見物、琉球調査隊による発砲事件、乗組員の無断上陸、電信機実験など、そのとき多くの人びとが初めて西洋人と西洋文明に遭遇した。翌年の条約締結までの間、何が起こっていたのか。条約交渉過程を追いつつ、黒船絵巻や瓦版、日記などを博捜し、庶民が経験した事件としてのペリー来航を描く。
  • ササッサ谷の怪 コナン・ドイル奇譚集
    3.0
    シャーロック・ホームズはここから始まった? 幻のデビュー作「ササッサ谷の怪」から、最後の小説となった「最後の手段」まで。探偵小説のみに留まらない希代のストーリーテラー、ドイルの魅力を再発見する名短篇全十四編を収録。〈解説〉北原尚彦
  • 蓼喰ふ虫
    3.0
    互いに愛人がいながら離婚にふみきれない中年夫婦の、一見おだやかな日常を古典への愛をとりまぜて描いた傑作。小出楢重の挿絵八十余点を完全収載。 〈解説〉千葉俊二〈註解〉明里千章 愛することは出来ない までも慰(なぐさ)み物には しなかつたつもりだ
  • 忘れられた哲学者 土田杏村と文化への問い
    4.0
    西田幾多郎門下の哲学者、近代の可能性を追求した文明批評家、日本画家・土田麦僊の弟、自由大学運動の主導者……、土田杏村(一八九一~一九三四)。「文化とは何か」を問い、大正から昭和初期にかけて旺盛な著作活動を展開したにもかかわらず、戦後、人々の記憶から消えた。この〈忘れられた哲学者〉に光を当て、現象学と華厳思想に定位する「象徴主義」の哲学を読み解き、独自の「文化主義」の意義を問いなおす。
  • 友情を疑う 親しさという牢獄
    4.2
    友人とは何か、友情とは何か――このような問に私たちはどのような答を与えることができるだろうか。たとえば、友人が悪事に手を染めた時、私たちはどのように行動すべきなのか。本書は、アリストテレス以来、二千年以上にわたって、哲学者たちの頭を悩ませてきた友情の問題が、「公共性」をめぐる問題の一部であることを示し、現代において友情のあり方が社会に看過し難い影響を与えていることを指摘する。
  • イワシはどこへ消えたのか 魚の危機とレジーム・シフト
    3.2
    イワシが獲れなくなった。全国水揚げ量はピーク時の一六〇分の一となり、すでに私たちにとって身近な魚とは言えなくなりつつある。一方で、サンマは豊漁が続いている。なぜこのようなことが起こるのか。本書は、九〇年代以降、定説となった「レジーム・シフト」による魚種交替という考え方をわかりやすく説明し、水産行政や地元産業への影響を通して、人類の共有財産である水産資源をどう守っていくかを考える。
  • 中学数学再入門 できる、やさしい、役に立つ
    3.5
    算数は好きだったのに、中学の数学になると、とたんに苦手になる人は多いでしょう。マイナスの数や、文字式の移項といった箇所でつまずきがちです。「負の数に負の数をかけるとなぜ正の数になるのか」「因数分解の公式はなぜ成り立つのか」「証明が苦手だが、どうすればできるようになるか」など、丸暗記でなく、「なぜそうなるか」をていねいに説明し、間違えやすいポイントを解説します。「苦手」が「好き」に変わる21章。
  • 戦後フランス思想 サルトル、カミュからバタイユまで
    3.0
    第二次世界大戦後、ナチ・ドイツから解放されたフランスの思想界には、時代を牽引する書き手が台頭した。サルトルを筆頭にカミュやボーヴォワール、メルロ=ポンティ、バタイユらが次々と作品を世に問い、論戦も繰り広げた。本書は、哲学と文学を架橋して展開された彼らの創作活動に着目。実存主義が世を席巻し、知識人や芸術家の政治的社会参加(アンガジュマン)が唱えられた時代の知的潮流は、何をもたらしたのか。その内実を描き出す。
  • 大野伴睦回想録
    4.0
    第一章 生いたちの記   幼年学校に落第・上京   アルバイト・明大入学   イザリになって小説家志願 第二章 青春日記   焼打ち事件で監獄行き   政友会の院外団入り   アジ演説でまたも投獄   監獄数え歌   演説会荒らし   「伴ちゃん、えらくなったわネ」   世界一周旅行へ   禁酒国で大酒宴   蔣介石氏夫妻のこと 第三章 陣笠時代   公認返上、クソ喰らえ!   翼賛選挙で落選   原敬首相と私 第四章 恩讐の政界   鳩山先生との出会い   ほととぎす、九天高く   吉田首相と私   広川和尚の謀略   吉田さんと喧嘩   吉田退陣劇の内幕   ワンマンの横顔   大臣づくり秘話   池田蔵相の誕生   昭電事件の真相   総裁公選敗戦の記 第五章 戦後傑物伝   政敵三木武吉と握手して   新聞記者と鬼ごっこ   三木さんの思い出   緒方竹虎の風格   西尾末広君との勝負 第六章 忘れ得ぬ人々   快男児・小林徳一郎   「御三家」の思い出   女傑・松本フミ 第七章 私の素顔   待合政治論   仏像物語   虎と私   母のおもかげ   頼みごと   新聞にもの申す   議会政治論   私の句碑
  • コラーゲンの話 健康と美をまもる高分子
    4.0
    電子版は本文中の写真をすべてカラー写真に差し替えて掲載。 細胞と細胞の橋渡しを担うコラーゲンは、骨格や筋肉をつくり、からだを支える重要なタンパク質である。また、皮膚の弾力を保つ働きは、健康と美を測る大きな指標ともなっている。コラーゲンはどのようにつくられ、どう働くのか?コラーゲン繊維の向きと並び方を明らかにした著者が、からだの仕組み、タンパク質の働きの視点からこれらの疑問に答える。さらに、合成高分子の機能、新しい皮膚移植法の提案など、新展開も紹介。
  • 現代日本の地政学 13のリスクと地経学の時代
    4.0
    国家の行動を地理環境と結びつけて考える「地政学」が復活している。米国主導の秩序と日米同盟に守られていた日本だが、中国の軍拡による脅威は深刻だ。さらに経済力で地政学的利益の実現を目指す中国の手法は「地経学」時代の到来を示す。北朝鮮の核やロシアの動向のほか、エネルギー、サイバー戦争、気候変動など地球規模のリスクの影響も大きい。トランプ米政権のもと、日本がとるべき戦略を俊英13人が描く。
  • ムツゴロウ麻雀物語
    -
    ムツゴロウさん一周忌。動物との交流もギャンブルも命がけ。「勝負師」としての横顔に迫るエッセイ。〈巻末エッセイ〉末井昭
  • 悩める時の百冊百話 人生を救うあのセリフ、この思索
    3.8
    『嫌われる勇気』の著者は、就職難、介護、離別などさまざまな苦難を乗り越えてきた。氏を支え、救った古今東西の本と珠玉の言葉を一挙に紹介。マルクス・アウレリウス、三木清、アドラーなどNHK「100分de名著」で著者が解説した哲人のほか、伊坂幸太郎の小説や韓国文学、絵本『にじいろのさかな』、大島弓子のマンガなどバラエティ豊かで意外な選書。いずれにも通底するメッセージ=「生きる勇気」をすべての「青年」と「元・青年」に贈る。 •はじめに――生きる意味を求めて •第一章 人とのつながり •第二章 与えるということ •第三章 誰でも愛せる •第四章 ゆっくり遊んで生きる •第五章 人生は合理的でない •第六章 人生を自分で選ぶ •第七章 人生は苦である •第八章 死を忘れるな •第九章 いのちの満ちた世界で生きる •第十章 世界を変える 第十一章 人生をどう生きるか
  • もしもあなたが猫だったら? 「思考実験」が判断力をみがく
    3.5
    もしもあなたが猫だったら? もしもテレポーテーションされてしまったら? もしもブラックホールに落ちてしまったら? 現実にとらわれず、科学的推論だけを根拠に思考を羽ばたかせれば、今までとは違う世界が見えてくる。そんな「思考実験」=脳内シミュレーションは、刺激的なゲームであると同時に、科学的思考法を身につける絶好のトレーニングだ。「もしも」の世界に遊びながら、思考実験のプロセスを味わおう。
  • 在日の耐えられない軽さ
    4.0
    父は一九二〇年代に来日した、日本語小説を書いた最初の朝鮮人で、のちに皇道思想家。戦後は心の病に冒され、六〇年にひとり帰国した――。父や母の歴史と子供たちの人生との間にはどのようにつながりがあるのか。本書は、ひとつの「在日」家族の誕生から終焉まで、そして、そのひとりひとりの生き方を、戦前から現在にいたる日本と韓国の関係と重ね合わせて描くことによって、新たな認識と洞察を読者にもたらす。
  • 足利義満 公武に君臨した室町将軍
    4.2
    電子版は本文中の写真の一部をカラー写真に差し替えて掲載。 公家社会と深く交わるなかで王朝文化に精通し、明国の皇帝には日本国王の称号を授与され、死後、朝廷から太上天皇の尊号を宣下される――。三代将軍足利義満の治世はしばしば「皇位簒奪」「屈辱外交」という悪評とともに語られる。だが、強大な権力、多様な事績に彩られた生涯の全貌は、いまだ明らかにはなっていない。本書では、新史料にも光を当て、公武に君臨した唯一無二の将軍の足跡をたどる。
  • 開業医の正体 患者、看護師、お金のすべて
    3.9
    クリニックはどうやってどう作るの? お金をどう工面しているの? 収入は? どんな生活をしているの? 患者と患者家族に思うことは? 上から目線の大学病院にイライラするときとは? 看護師さんに何を求めているの? 診察しながら何を考えているの? ワケあって開業医になりましたが、開業医って大変です。開業医のリアルと本音を包み隠さず明かします。開業医の正体がわかれば、良い医者を見つける手掛かりになるはずです。
  • 世界のロシア人ジョーク集
    4.0
    「困った隣人」を笑い飛ばせ! 恐怖政治、ウォッカ好き、文化・スポーツ大国……。 風刺と笑いで、マトリョーシカの中身に迫る! ●ジョーク1:SOS 三人のロシア人が乗ったクルマが、土砂崩れに遭ってしまった。 一人が警察に電話した。 「土砂崩れに遭ってしまいました。助けてください」 「わかりました。24時間以内に助けにいきます」 もう一人は軍に電話した。 「土砂崩れに遭ってしまいました。助けてください」 「わかりました。12時間以内に助けにいきます」 もう一人は秘密警察に電話した。 「ウクライナ戦争に反対する!」 5分後、秘密警察が到着した。 ●ジョーク2:天国 プーチンが国民への演説の場でこう語った。 「戦争など恐れることはない。なぜなら、愛国的ロシア人は皆、死んだら絶対に天国へ行けるのだから!」 その演説を聞いた天国側は、NATOへの加盟を申請した。 シリーズ累計100万部突破のジョーク集、今回のネタは「ロシア人」。もともとロシアは、アネクドートと呼ばれるジョーク文化を持つ「ジョーク大国」であり、ソ連時代、共産党による民衆への抑圧が激しくなるにつれ、陰に隠れて恐怖政治を笑うアネクドートが発展したという歴史がある。恐怖政治、酒好き、文化・スポーツ大国、そして現代のウクライナ侵攻……。歴史と民族性を学びながら、そのお国柄を、今こそ笑い飛ばそう! 【目次】 はじめに 第1章 笑いによる攻撃 ウクライナ情勢 その1 第2章 笑いによる攻撃 ウクライナ情勢 その2 第3章 プーチンとは何者なのか? 第4章 ソ連という壮大なるジョーク 第5章 民族性&社会 酔っ払いか芸術家か? 第6章 国際関係 隠れた親日国? おわり
  • イスラエルとパレスチナ 和平への接点をさぐる
    3.7
    イスラエル占領地ヨルダン川西岸とガザ地区で始まった大衆蜂起(インティファーダ)は、PLOに画期的な方針変更を打ち出させる状況をつくり、イスラエルには一部ながら、PLOとの対話を求める公然たる声を生み出した。 さらに、ユダヤ対アラブの構図から、当事者間の問題解決へと変わりつつある。イスラエルとパレスチナ双方で現地調査にあたった著者は、両民族の長い受難の歴史の終わりを願い、和平への接点の可能性をさぐる。
  • 中東和平の行方 続・イスラエルとパレスチナ
    -
    湾岸戦争終結後に開かれたマドリード和平会議、ノルウェー秘密交渉を通じて、パレスチナ問題、アラブ・イスラエル紛争をめぐる状況がこの数年の間に大きく変化した。 イスラエル・PLOの暫定自治合意にもとづくガザ、エリコでの先行自治、イスラエル・ヨルダンの平和条約調印と事態は進行しているが、こうした動きは本当に中東に平和をもたらすのか。 『イスラエルとパレスチナ』につづいて、中東での新展開を詳細に報告する。
  • 寺田寅彦 漱石、レイリー卿と和魂洋才の物理学
    3.8
    文理に異才を発揮した寺田寅彦には、二人の“師”がいた。夏目漱石とイギリスのノーベル賞科学者レイリー卿である。「空はなぜ青いか」の謎を解いたレイリー卿は、私邸の実験室で研究に耽る「道楽科学者」であった。寅彦もまた、随筆や俳句を発表し、音楽や絵画を愉しむ一方で、「尺八の音響学」「椿の落下運動」など、意表をつくテーマの研究にあけくれた。寺田物理学の真髄に迫り、その和魂洋才の精神をさぐる。
  • ナチスと映画 ヒトラーとナチスはどう描かれてきたか
    3.7
    電子版は本文中の写真の一部をカラー写真に差し替えて掲載。 第二次世界大戦で数千万もの人々を死に追いやったヒトラーとナチス。彼らは新興メディアだった映画をプロパガンダの最大の武器として活用した。一方で戦後、世界の映画産業は、わかりやすい「悪」の象徴として、ヒトラーとナチスを描き続ける。だが、時代とともに彼らの「評価」は変わっていく。本書は、第Ⅰ部でナチ時代の映画を、第Ⅱ部で戦後映画での彼らのイメージの変遷を描き、「悪」の変容と、歴史と「記憶」の関係を探る。
  • 幸せな家族 そしてその頃はやった唄
    3.4
    「これからつぶやくひとふしは とても悲しい物語……」 保険会社のコマーシャル・キャンペーン《幸せな家族》のモデルに選ばれた中道家。しかし撮影はなかなか進まず、やがて不気味な唄の歌詞にあわせたかのように、次々と家族が死んでゆく―― 刊行以来、全国各地の少年少女に衝撃を与えてきた伝説のジュヴナイル・ミステリ長篇、奇跡の復刊。 〈解説〉松井和翠
  • 黒田官兵衛 「天下を狙った軍師」の実像
    3.9
    時代の趨勢を読み、織田陣営についた黒田官兵衛は、瞬く間に頭角を現した。秀吉の右腕として中国経略、九州遠征、小田原合戦など各地を転戦。官兵衛の働きなくして秀吉による全国統一もなかった。「稀代の軍師」とも呼ばれる武将の活躍の実態はいかなるものだったのか。関ヶ原合戦に際して天下を目指したとする説の真偽は――。茶の湯や連歌に優れ、キリスト教信仰を貫くなど、名将の知られざる側面にも光を当てる意欲的評伝。
  • 楼蘭王国 ロプ・ノール湖畔の四千年
    5.0
    前二世紀から五十年余り、楼蘭王国は歴史上にその姿を現した。だが、四千年前のものとされるミイラ「楼蘭の美女」が発見されたように、ロプ・ノール周辺には太古から独自の文化が花開いていた。前七七年に鄯善と名を改めた後も、「オアシスの道」に点在する諸都市を支配下に置き、繁栄を誇った。辺境の地を舞台に展開した東西文明の交流はどれほど活発なものだったのか。楼蘭の歴史をたどると、人類の壮大な営みが見えてくる。
  • 本阿弥行状記
    3.5
    江戸初期、書、陶芸、茶の湯など多方面で活躍した数寄者・本阿弥光悦とは――。光甫の「行状記」を筆記した孫娘が語る、光悦と家業の刀の鑑定、そして一族の風流で清貧な生活と美の世界。著者の代表作『清貧の思想』の先駆けとなった長篇小説。 〈解説〉川村 湊 【目次】 巻一 鷹ヶ峰返上のこと 巻二 妙秀がこと 巻三 光悦がこと 巻四 刀の目利きのこと 巻五 紹益殿の訪れのこと 〈解説〉川村 湊
  • 掌の読書会 桜庭一樹と読む 倉橋由美子
    3.7
    一九六〇年代に登場し、熱い支持と批判を浴びつつ孤高の文学世界を創造した倉橋由美子。その多彩な短篇群から、桜庭一樹が厳選し紹介する。「パルタイ」他初期作品、「移転」他文庫初収録の後期幻想作品、人気を博した「残酷童話」シリーズ、エッセイまでを網羅した新たなベストセレクション。〈対談〉桜庭一樹・王谷 晶〈解説〉小平麻衣子
  • 長篠合戦 鉄砲戦の虚像と実像
    3.8
    電子版は本文中の写真をすべてカラー写真に差し替えて掲載。 一五七五年、織田信長・徳川家康の連合軍と、武田勝頼率いる軍勢が激突した長篠合戦。足軽鉄砲隊の一斉射撃という信長の新戦法により、武田の誇る騎馬隊が潰滅した、画期的な戦いとして知られる。小説や映像で繰り返し描かれるこの鮮烈なイメージは、どのように形作られてきたのか。伝来する合戦図屏風ほか、様々な関連史料を検証し、虚飾に彩られた決戦の実像に迫る。最新研究をふまえて提示する、長篠合戦論の総決算。
  • 一九四五年夏 最後の日ソ戦
    -
    一九四五年八月十五日、ポツダム宣言を受諾し武装解除を進める日日本軍にソ連軍が襲い掛かった。千島・樺太への進攻が新たに開始されたのだ! 本書は日ソ双方の戦争史料を徹底収集し、最後の日ソ戦に至る経緯と孤軍奮闘した守備隊の知られざる戦いを活写。戦闘の全貌を明らかにし、北方領土問題の根幹に迫る。〈解説〉庄司潤一郎・花田智之
  • 女の旅―幕末維新から明治期の11人
    3.4
    江戸期以前、女性が一人で旅することは難しかった。身の危険、歩きという制約、何より、男に付き従う姿こそ美徳とされたからだろう。だが、明治維新による文明開化以降、女性たちの旅は少しずつ広まっていく。本書は、日記、手記、聞き書きなどの記録から、全国漂泊、京都への出奔、遊説、米国留学、富士山越冬、蒙古行などの足取りを再現。男尊女卑の風潮が強いなか、時代に立ち向かった女性たちの人生を描く。
  • 古代遊牧帝国
    -
    六世紀の中葉モンゴル高原に出現した突厥国家も、また八世紀に台頭したウイグル国家もともに遊牧トルコ民族の一族であった。中央アジアから中国北方、南シベリアを支配した突厥の、農耕民族中国人との協調と葛藤の歴史をシルクロードの交易とともに追い、その間に活躍したソグド商人たちの、困難をものともせず物資を運び商いをする姿をも描き出す。東から西へと移動していったトルコ民族の壮大で華麗な生活を再現する。
  • 江戸城―本丸御殿と幕府政治
    4.3
    松之廊下にはどのような役割があったのか? 老中の登城から退出までを追ってみると?「奥」の側用人が「表」の老中より権力をふるえたしくみとは? 大名統制において殿中儀礼が持った意味とは? 大奥女中にはどのような仕事があったのか? 江戸城における政務は、本丸御殿の構造と密接に関係している。部屋の配置とその役割を詳しく紹介し、「表」「奥」「大奥」それぞれで展開した幕府政治のしくみを読み解く
  • 宮部みゆきが「本よみうり堂」でおすすめした本 2015-2019
    3.9
    人気作家の好奇心を刺激した書籍の数々、ミステリー、海外ノンフィクションから、社会時評、歴史、恐竜まで――。『読売新聞』日曜日掲載、読書面の大人気書評エッセイが、待望の書籍化。読書委員就任からの5年間で紹介した128冊を、著者初の新書で一挙公開!
  • 新編 不参加ぐらし
    5.0
    竹藪の庵にひきこもり、都会に姿を現さず、一歩退いて人の世を眺める。来る者拒まず去る者追わず、集うは多士済々、談論風発、鯨飲酩酊、二日酔い……。“竹林の隠者”とよばれた作家が飄々と綴る身の処し方。「怠け者の記」「丘の上にひきこもり……」「何もせんぞ」などユーモラスで含蓄のある随筆を収める、文庫オリジナル作品集。〈編・解説〉荻原魚雷
  • 日本恋愛思想史 記紀万葉から現代まで
    3.5
    日本人はどのような恋愛をしてきたのか――。記紀万葉の時代から公家文化、武家文化、町人文化の時代を経て、近代の恋愛結婚至上主義、戦後の純潔教育、性の解放へ。恋愛研究の第一人者である作家・比較文学者が、古今東西の文献を博捜し、古典的名作から戦後の通俗小説、映像作品まで目配りしつつ圧倒的なスケールで描く、比較恋愛思想史の決定版。『〈男の恋〉の文学史』以来一五年におよぶ研究の集大成。
  • 七つの街道
    4.0
    篠山街道、久慈街道、甲斐わかひこ路、近江路など古き時代の面影を残す旧街道。「旅に出たいために旅行記を書くことにした」著者は、昭和三十一年、街道めぐりに着手した。史実や文献を辿りつつ歩き、その今昔を風趣豊かに描き出した紀行文集。    〈巻末エッセイ〉三浦哲郎「久慈街道同行記」  【目次】 篠山街道[京都・兵庫]/久慈街道[青森・岩手] 甲斐わかひこ路[山梨]/備前街道[岡山] 天城山麓を巡る道[静岡]/近江路[滋賀] 「奥の細道」の杖の跡[宮城・岩手・山形] 単行本あとがき/新潮文庫版あとがき
  • フランス文学講義 言葉とイメージをめぐる12章
    4.0
    近代小説は19世紀以来、「(かけがえのない)個人」に焦点を当てて発達してきた。物語の主人公が、神や王から、ありふれた個人に替わる時、イメージこそが物語の書き手と読み手をつなぐために必須のものとなったのだ。本書では、文学とイメージのかかわりを意識的に追求してきたフランス近代文学を素材に、私たちが物語を通して「見ている」ものは何か、そして書かれているものは何かを考えていく。
  • 農のある人生 ベランダ農園から定年帰農まで
    3.5
    土を踏みしめ、風を頬に感じる。穫りたてのトウモロコシの甘み、キュウリのトゲの痛さを知る。人間が生きていくための最も根源的な営み、脳と体をフル回転させる高度な仕事、それが農業である。だが日本の農業の担い手は減る一方だ。いまこそ農のある暮らしを始めよう。手軽なベランダ農園や市民農園から、クラインガルテン、週末農民。さらに農を極めたい人のために半農半X、定年帰農という可能性へいざなう。
  • 古事記誕生 「日本像」の源流を探る
    3.0
    今からちょうど千三百年前、『古事記』が誕生した。令の制定や平城京遷都など、古代日本の急速な近代化が進められるなかで、なぜこのような「時代に遅れた書」が作られたのか。縄文・弥生時代に遡る神話が、国家成立期にまで生き残ったのはなぜか。「記序」贋作説を検証しながら分析する。さらに、アメノイワヤト神話を例に、歌垣、酔っぱらい体質、銅鏡と鉄鏡の違いなど、多様な視点から新旧の層に区分けして解読する。
  • 廉太郎ノオト
    4.0
    廉太郎の頭のなかには、いつも鳴り響いている音があった―― 最愛の姉の死、厳格な父との対立、東京音楽学校での厳しい競争、孤高の天才少女との出会い、旋律を奏でることをためらう右手の秘密。 若き音楽家・瀧廉太郎は、恩師や友人に支えられながら、数々の試練を乗り越え、作曲家としての才能を開花させていく。そして、新しい時代の音楽を夢みてドイツ・ライプツィヒへと旅立つが……。「西洋音楽不毛の地」に種を植えるべく短い命を燃やした一人の天才の軌跡を描き出す。 時代小説家最注目の俊英が、ついに新境地・明治へ! 第66回青少年読書感想文全国コンクール課題図書(高等学校の部)
  • 地図バカ 地図好きの地図好きによる地図好きのための本
    4.0
    「東が上」の京都市街地図/鳥瞰図絵師・吉田初三郎/アイヌ語地名の宝庫/職人技のトーマス・クック時刻表/非常事態の地図……著者は小学校の先生が授業に持参してきてくれた国土地理院の一枚の地形図に魅せられて以降、半世紀をかけて古今東西の地図や時刻表、旅行ガイドブックなどを集めてきた。その“お宝”から約100図版を厳選。ある時は超絶技巧に感嘆し、またある時はコレクターの熱意に共感する。身近な学校「地図帳」やグーグルマップを深読みするなど、「等高線が読めない」入門者も知って楽しい、めくるめく世界。 はじめに――地図はみんなのもの 1章 余はいかにして「地図バカ」となりしか 2章 地図を愛した先人たち 3章 お宝地図コレクション 4章 西へ東へ、いざ机上旅行 5章 地名・駅名・バス停名あれこれ 6章 地図に刻まれた栄枯盛衰 7章 天災と人災 おわりに――紙の地図がなくなったら
  • モンシロチョウ キャベツ畑の動物行動学
    5.0
    モンシロチョウはどうやって結婚相手を見つけるのか? アオムシ嫌いの青年が、なぜか研究を始めることになった。乏しい予算で実験機器を自作し失敗をくり返すなかで、チョウが競争相手に競り勝ち、子孫を残すしくみを次々と解明してゆく……。動物行動学に画期的な影響をもたらした著者が、チョウの生態をやさしく解説する。また思い通りに行かない実験や国際学会でのハプニングなど、研究者の素顔をユーモラスに語る。
  • 小児がん チーム医療とトータル・ケア
    4.5
    小児がんは医学の進歩によって七〇~八〇パーセントの症例で治癒が見込めるようになった。しかし、三歳以上の子どもの死亡原因のなかでは、事故に次ぐ第二位の座をいまだに占めている。小児がんは大人のがんとどこが違うのか。どういった種類があるのか。そして、小児がんになった子どもに対して、まわりの大人はどのようにサポートすべきだろうか。症例コラムを交え、緩和ケアや家族への対応についても考察する。
  • バイオポリティクス 人体を管理するとはどういうことか
    3.6
    人の命はいつはじまるのか--この問いがアメリカで大統領選挙の争点となり、ヨーロッパで法制化が急がれる原因となっているのはなぜか。臓器移植や人体商品の売買が南北問題を激化させ、韓国で起きた科学史上稀に見るスキャンダルも、そうした動きの一例として位置づけられる。今や生命倫理は政治問題となったのだ。生命めぐる急速な技術革新と人類の共通感情との間にあるギャップを埋めるために必要な視座を提示する。
  • 言霊とは何か 古代日本人の信仰を読み解く
    3.3
    古代日本人は、ことばには不思議な霊威が宿ると信じ、それを「言霊」と呼んだ。この素朴な信仰の実像を求めて、『古事記』『日本書紀』『風土記』の神話や伝説、『万葉集』の歌など文献を丹念に渉猟。「言霊」が、どのような状況でいかなる威力を発揮するものだったのか、実例を挙げて具体的に検証していく。近世の国学者による理念的な言霊観が生み出した従来のイメージを覆し、古代日本人の信仰を描き出す。
  • 労働政治 戦後政治のなかの労働組合
    3.8
    労働政治とは、労働者の利益が政治の世界で実現されるプロセスを意味する。日本の労働組合は、利益実現に際して経済合理性を有する路線を取ることで、戦後の成長と安定に大きく貢献し、一九八九年には連合の結成によって悲願の「統一と団結」を実現した。しかしその後、その存在感は薄くなり、連合自体にも行政改革・構造改革への積極性が見えない。歴史を溯り、労働者と政治の関係を利益団体政治の視角から検証する。
  • 信長の天下所司代 筆頭吏僚村井貞勝
    3.6
    元亀四年に足利義昭を追放した後、信長は「天下所司代」を置き、京都支配を行った。本能寺の変までの九年間、一貫してその任にあったのは村井貞勝である。彼は信長の絶大な信頼を得て、市政から朝廷・公家との折衝までを一手に担い、ルイス=フロイスからは「尊敬すべき異教徒」と呼ばれた。武功とは無縁の吏僚でありながら有能を認められて「天下」=京都を仕切り、織田政権の要となった村井貞勝の活躍に光を当てる。
  • 天皇家の恋愛 明治天皇から眞子内親王まで
    3.3
    明治天皇まで多妾が容認された天皇家は、一夫一婦制、子どもを家庭で養育する近代家族へと大きく変わった。これは、恋愛結婚で家庭をつくった戦後の明仁皇太子・美智子妃からとされる。だが、実はそれ以前、大正・昭和の皇后をはじめ多くの皇族たちが、近代家族をめざし、その時代なりの恋をしていた。本書は、明治以降、上皇夫妻や眞子内親王まで、皇室の150年に及ぶ歴史を、さまざまな恋愛を切り口に描き出す。
  • 司馬遼太郎の時代 歴史と大衆教養主義
    4.2
    『竜馬がゆく』『坂の上の雲』など、売上げが累計1億冊を超える大ベストセラー作家司馬遼太郎(1923~96)。日本史を主たるテーマに、人物を個性豊かに、現代への教訓を込めて記した作品は、多くの読者を獲得。「司馬史観」と呼ばれる歴史の見方は論争ともなった。本書は、司馬の生涯を辿り、作品を紹介しつつ、その歴史小説の本質、多くの人を魅了した理由を20世紀の時代とともに描く。国民作家の入門書でもある。
  • 肺の生活習慣病(COPD) 咳、痰、息切れを疑う
    -
    咳が出れば風邪のせい、息切れが起これば年のせい――と、私たちは軽く考えがちだ。しかしその陰に肺の重大な疾患COPDが隠れているかもしれない。症状が喘息など他の疾患と似ているため医師でも気がつかないことが多く、潜在的患者数は糖尿病を上回る数百万人といわれる。正しい治療を受けなければ治癒は遅れ、医療費はかさみ、患者・家族の生活の質の低下は免れない。COPDとどう向き合えばいいのか。診断と治療、予防法を紹介する。
  • 女学校と女学生 教養・たしなみ・モダン文化
    3.9
    旧制高等女学校の生徒たちは、戦前期の女性教養層を代表する存在だった。同世代の女性の大多数とはいえない人数であったにもかかわらず、明治・大正・昭和史の一面を象徴するものだったことは疑いない。本書は、彼女たちの学校教育、家庭環境、対人関係の実態を検証する試みである。五〇年弱しか存在しなかったにもかかわらず、消滅後も、卒業生たちの思想と行動をコントロールし続けた特異な文化の再発見。
  • トランク 林芙美子大陸小説集
    4.0
    シベリア鉄道での亡命旅行「トランク」、満洲で芸者をしていた女性の一人語り「幕切れ」。旅を愛した林芙美子は、自身の訪れた国々を積極的に小説に描いた。庶民目線を貫いたその筆は、戦前の日本人が海の向こうの〈大陸〉に抱いた希望と憧れ、そして敗戦で負った傷跡を克明に写し取っている。絶筆となった「漣波」ほか欧州、ロシア、満洲を描いた小説七篇と、川端康成が単行本『漣波』に寄せた「あとがき」を収録。〈解説〉今川英子
  • ジェンダー格差 実証経済学は何を語るか
    4.2
    歴史・文化・社会的に形成される男女の差異=ジェンダー。その差別には近年批判が強く集まる。本書は、実証経済学の成果から就業、教育、歴史、結婚、出産など様々な事柄を取り上げ、格差による影響、解消後の可能性について、国際的視点から描く。議員の女性枠導入=クォータ制が、質の低下より無能な男性議員排除に繫がる、女性への規範が弱い国ほど高学歴女性が出産するなどエビデンスを提示。旧来の慣習や制度を問う。
  • 月経のはなし 歴史・行動・メカニズム
    3.9
    毎月一回、女性に訪れる月経。この生理現象が彼女たちの体・心・行動に与える影響は大きい。だが、男性は実際の様子をほとんど知らず、女性もその深い実態を理解しないまま、毎日を過ごしている。本書は、苦痛のやわらげ方や病気との関連といった基礎知識から、魔女狩りをはじめとするタブーの歴史、犯罪や自殺との関連といった文化面までを取り上げる。産婦人科学の第一人者がやさしく語る、この身近な“神秘”の世界。
  • 〈鬼子〉たちの肖像 中国人が描いた日本人
    4.0
    古来、中国人は日本人をさまざまにイメージし、歴史書に記録し、絵画に描いてきた。そのなかには、荒唐無稽なものもあるが、驚くほど現実に近く詳細なものもある。本書では、かつて日本人が「倭」と呼ばれていた時代の歴史書や地理書から、明の時代に人々が使っていた日用の辞書、日清戦争前後に発行された絵入り新聞、現代の映画に至るまで、中国人による日本人=〈鬼子〉イメージの変遷をたどる。
  • 勝海舟と幕末外交 イギリス・ロシアの脅威に抗して
    3.7
    幕末、日本近海ではイギリスとロシアが激突していた。クリミア戦争ではカムチャツカ半島も戦場になり、アロー戦争では清国と英仏の講和に介入したロシアが広大な領土を清国から得た。「日本の味方はどの国か」を巡って幕府内では親英・親米・親露の各派が対立。そして、ついにロシアは日本に触手を伸ばし、対馬を占領、軍事基地を築きはじめる。植民地化の危機が迫るなか、独自の知見と人脈を持つ勝海舟が動く。
  • 続・東北―異境と原境のあいだ
    -
    「遅れた東北」観は、どのように生まれ、どう変転を遂げたのか。本書は、史料を博捜して、大正から戦後にかけての、「後進性」脱却と国際化を指向した議論や政策を分析し、文学作品や学術書に描かれた東北像を検証する。戦時体制に組み込まれ、いつしか「異境」から「原境」へとイメージを移行する東北。戦後歴史学の「地域モデル論」が捉えきれなかった東北史のダイナミクスを照射し、日本史像のラディカルな転換をめざす。
  • お伊勢参り 江戸庶民の旅と信心
    3.8
    千三百年以上の歴史をもつ「お伊勢さん」には、今なお全国から参詣客がやってくる。一般庶民の参詣が根付いた江戸時代、路銀いらずのおもてなし文化から、およそ六十年周期で発生した数百万規模の「おかげまいり」まで、日本中の庶民がいかにお伊勢参りに熱狂したかを、様々な史料が浮かび上がらせる。著者自身が、二十五年間にわたって実践したお伊勢参りの記録も収載した。街道の文化を再現する一冊。
  • ラバウル戦線異状なし 現地司令長官の回想
    4.0
    ガダルカナル撤退後、最前線基地の防備と航空戦の継続という使命を負った草鹿は、補給が途絶えても破損機を修理して航空戦を展開、食料と生活必需品、さらには火薬や魚雷までを自力で生産する。また敬愛する山本長官の戦死、陸軍との友好関係が描かれる。巧みな人材登用によって終戦までを自給自足で戦い抜いたサバイバル戦記。 以下目次 1 まえがき(戦況のあらまし) 2 明朗豁達一意邁進 3 陸海軍の協同戦線 4 火山研究所と科学者の良心 5 嗚呼山本元帥 6 南東方面艦隊の歌 7 武功抜群 8 漂流記 9 気象観測 10 民政部の人々 11 洞窟生活(陣地構築) 12 施設作業の苦労 13 いかもの食い 14 現地自活 15 兵器類の製造 16 教育訓練の問題 17 医務衛生のはなし 18 珍客待てども来らず 19 輸送潜水艦の労苦 20 鼠輸送、蟻輸送 21 ラバウル海軍航空隊 22 終戦の憾み
  • 動乱の蔭に 川島芳子自伝
    -
    清朝の王女として生まれ、日本で教育を受け、祖国再興を画して上海にわたる。ジャンヌ・ダルクに憧れた少女時代や初恋の思い出を交えながら男装に至った経緯を語る。活動中にテロに遭遇、様々な危機を乗り越えながら使命に目覚めていく。巻末に熱河作戦従軍直後「婦人公論」に発表した手記を収録。伝説の「男装の麗人」による半生記を初文庫化。
  • 幸福な離婚 家庭裁判所の調停現場から
    4.0
    現在の日本では、結婚した夫婦の約3組に1組が離婚する。また、毎年結婚するカップルの約4組に1組が、夫婦のいずれかが再婚である。結婚と離婚は切り離せない時代となった。そこで、離婚となった場合、家族メンバーの幸福が最大限満たされるよう、図っていく必要がある。 著者は長年、少年非行をメインに研究してきた。重大な少年犯罪は機能不全に陥った家族との関係が切り離せない。その一環として、家族問題に関心を持ち、みずから10年以上にわたり家庭裁判所の家事調停委員を務めてきた。これまでに、離婚を中心として200件以上の家事事件の調停を担当。家事事件の最前線において、当事者に寄り添いながら解決を図ってきた。 本書では、著者の家事調停委員としての経験をもとに、現場での具体的なケース(29例)を引きながら、幸福な離婚に至る可能性を探ってゆく。離婚への備え、必要な知識が得られるようケースを選択し、子どもを含む家族メンバ著者のーの幸福を最大化する解を提示する。離婚について考え、備えるための最良の手引き。
  • 大学職員のリアル 18歳人口激減で「人気職」はどうなる?
    4.6
    大学職員は「年収一千万円以上で仕事も楽勝」と噂の人気職だが、はたして真相は? 大企業と似たような仕事内容がある一方、オーナー一族のワンマン経営で、ブラック職場の例もある。国公私立でもまた事情は千差万別。私立大学の元職員である二人の著者が、学生や外部からは見えにくい組織のピンキリな舞台裏を明かしつつ、18歳人口が激減する業界の将来不安、職員が抱えがちなキャリアの悩み、教員との微妙な関係性、そして高度専門職としてのモデルや熱い想いを伝える。それでも大学職員になりたい人、続けていきたい人、辞めようかどうか迷っている職員のための必読書。 まえがき――ネット上の噂は本当か? 1章 仕事はピンキリ、大学職員の虚々実々 2章 この先「食いっぱぐれない」仕事か?――18歳人口減少の激流の中で 3章 「大学業界らしさ」の良さ、悩ましさ 4章 それでも大学職員になりたい人へ 5章 すごい職員はどこがすごいのか? 【参考資料】大学職員のお仕事カタログ あとがき――大学を動かすキーパーソンへ
  • 此一戦 日本海海戦記
    -
    皇国の興廃、此の一戦にあり。バルチック艦隊を撃滅した大海戦に水雷艇艇長として従軍した水野は、後に東郷ターンといわれた敵前大回頭、艦内水兵の会話、秋山真之が敵艦に乗り込み降伏を迫る場面など戦闘の実像を臨場感をもって描く。両艦隊比較表、戦闘航跡図、艦艇図版を掲載。櫻井忠温『肉弾』に並ぶ日露戦ルポルージュの白眉。 海軍中将加藤友三郎閣下序文 海軍中将伊知地彦次郎閣下序文 海軍大佐小笠原長生閣下序文 自 序 水野広徳筆蹟 一 万里の遠征(その一) 二 万里の遠征(その二) 三 万里の遠征(その三) 四 待つあるをたのめ 五 竜爪虎牙 六 戦雲いよいよ急 七 竜虎相対す 八 竜争虎闘 九 勝敗既に決す 十 スラブ魂 十一 日本魂(その一) 十二 日本魂(その二) 十三 風浪の敵 十四 快隼疲鷲を突く 十五 いくさ話し 十六 死栄生辱 十七 韓盧蹇兎を搏つ 十八 戦果戦績 十九 勝因いかん 二十 戦後の覚悟  附  録   日本海々戦日本公報(東郷聯合艦隊司令長官報告)   日本海々戦露国公報   露帝とロ提督との電報往復並にネボカトフ少将の電奏   日本海海戦感状 著者のことば    解説   文字通り「此一戦」伊藤正徳 水野広徳年譜
  • 広島風土記
    4.0
    慣れ親しんだ鞆ノ津の釣場、尾道で訪ねた志賀直哉の仮寓、ひとり耳にした平和の鐘の音、「黒い雨」執筆の頃、母親のこと――。広島生まれの著者が綴った、郷里とその周辺にまつわる随筆十七篇、小説「因ノ島」「かきつばた」、半生記などを収める。豊かな海山や在所の人々へのあたたかな眼差しがにじむ文庫オリジナル作品集。〈解説〉小山田浩子 目次  Ⅰ 広島風土記/志賀直哉と尾道/尾道の釣・鞆ノ津の釣/因島半歳記/鞆ノ津/鞆は生き慣れた釣り場/消えたオチョロ船/大三島/大三島の樟の木/備前牛窓/ふるさとの音/備後の一部のこと/故郷の思い出/備南の史蹟  * 因ノ島(小説)  Ⅱ 疎開日記/疎開余話/在所言葉  * かきつばた(小説) 『黒い雨』執筆前後(談)  Ⅲ おふくろ/半生記(抄録)
  • 知的機動力の本質 アメリカ海兵隊の組織論的研究
    4.2
    最強の軍事組織アメリカ海兵隊の核心を解明し、日本的経営の創造の方位を示す。 旧日本軍の敗因を分析した共同研究『失敗の本質』、ロングセラー『アメリカ海兵隊』の姉妹篇にして組織論研究の決定版。 著者からのメッセージ―― 「アメリカ海兵隊が体現している『知的機動力』こそが21世紀の『知識社会』でイノベーションによって知識と価値を創造し続ける組織に必須の能力だ、と私は信じている。日本企業は、日本的組織の強みと弱みを自覚しながら、最強の軍事組織であるアメリカ海兵隊に学んで、21世紀の日本的経営を創り出してほしい」。
  • スターリン 「非道の独裁者」の実像
    4.1
    「非道の独裁者」――日本人の多くが抱くスターリンのイメージだろう。一九二〇年代末にソ連の指導的地位を固めて以降、農業集団化や大粛清により大量の死者を出し、晩年は猜疑心から側近を次々逮捕させた。だが、それでも彼を評価するロシア人が今なお多いのはなぜか。ソ連崩壊後の新史料をもとに、グルジアに生まれ、革命家として頭角を現し、最高指導者としてヒトラーやアメリカと渡りあった生涯をたどる。
  • 武士道の名著 日本人の精神史
    3.5
    武士道とは何か。武士はいかに生き、死すべきなのか――。戦乱の世が生み出した軍学書『甲陽軍鑑』『五輪書』から、泰平の時代の倫理書『山鹿語類』『葉隠』へ。そして、幕末維新期の吉田松陰、西郷隆盛へと連なるサムライの思想水脈を経て、武士道を世界に知らしめた新渡戸稲造まで。日本人必読の名著12冊で知る、高潔にして強靭な武士の倫理と美学。章末には、各書から選りすぐった人生指南の「名言」を付す。 【目次】 《総論》 武士道、その精神と系譜 《著作解説》 1 小幡景憲『甲陽軍鑑』江戸時代初期 軍学第一の書 2 柳生宗矩『兵法家伝書』寛永九年(1632) 柳生新陰流の奥義 3 宮本武蔵『五輪書』寛永二十年(1643) 必勝の思想 4 山鹿素行『山鹿語類』寛文五年(1665) 武士の職分とは何か 5 堀部武庸『堀部武庸筆記』元禄十五年(1702) 武士の一分を貫く 6 山本常朝『葉隠』宝永七年~享保元年(1710~16) 「死狂い」の美学 7 新井白石『折りたく柴の記』享保元年(1716) 古武士の風格 8 恩田木工『日暮硯』宝暦十一年(1761) 為政者の理想の姿 9 佐藤一斎『言志四録』文政七年~嘉永六年(1824~53) 朱子学と陽明学の合体 10 吉田松陰『留魂録』安政六年(1859) 至誠にして動かざる者なし 11 西郷隆盛『西郷南洲遺訓』明治二十三年(1890) 義に生きる 12 新渡戸稲造『武士道』明治三十三年(1900) 理想の日本人論
  • 海軍こぼれ話
    4.0
    自ら海軍に進んだ著者が、提督三部作や『軍艦長門の生涯』には書けなかった海軍を、実体験や取材メモをもとに綴ったエッセイ五〇篇。海軍軍人のスマートさだけではない蛮勇・武勇伝・失敗談や、軍隊の悲惨さ愚かさから潜水艦のトイレ事情まで、人間味たっぷりに描く〝わがネイビー賛歌〟。単行本未収録の講演録「日本海軍の伝統と気風」を増補。 「ネイビーはスマートネスを以てモットーとする」陸軍とちがい敵性国語廃止などと野暮なことは言わなかったけれど……(「青春の旅立ち」) 制服の海軍士官は雨の日でも傘をさすことを許されていない。外出中にわか雨にあったらどうするか? 中尉はこう教わった。「ゆっくり濡れてこい」(「なぜ負けた」) 「お前は何故海軍を志願したか」「はいッ、陸軍がきらいだからであります」試験官の中佐がニヤッとした。(「人のいやがる軍隊に」) 【目次より】こぼれ話の始まる話/青春の旅立ち/なぜ負けた/カールビンソン/仰ぐ誉れの軍艦旗/サセコイ/へんな英語/ヘル談哀話/まあうれしい/艦長自ら操艦しつつあり/人殺し/軍人勅諭/よく学びよく遊び/町人服/大蔵省は海軍省/泥水すすり草をかみ/気ヲツケラレマス/人のいやがる軍隊に/六ツかしござる/ドナウ河の水深/靴磨き海軍/見て地獄/次元が低い/逆ごよみ/ミッドウェー/われらが知性/乱数表/腐れ士官の捨てどころ/坊さんパイロット/海軍馬鹿/ネルソンと東郷/親英派と親独派/罐焚き/侯爵の植木屋/文壇海軍見立て/航空母艦の幽霊/公用特急券/少将の墓/海軍士官とフランス語/狸の親ごころ/ロイヤル・サルート/オモチャの造船所/海軍糞尿譚/満艦飾/遺骨還送/女たちの大東亜戦争/ラッタルはかけあし/考課表/日付変更線/こぼれ話の終る話/講演録「日本海軍の伝統と気風」
  • 掌の読書会 柚木麻子と読む 林芙美子
    4.5
    私はこの「ふてぶてしさ」に何度も元気づけられてきた――筋金入りの「おフミさん」ファンを自認する作家・柚木麻子が、数多く残された短編から12編をセレクト。フレッシュなガイドともに、林芙美子が描く女たちの魅力を紹介する。〈解説〉今川英子
  • 格上の日本語力 言いたいことが一度で伝わる論理力
    5.0
    「言いたいことを上手く伝えられない」「相手に誤解されてしまう」……そんな悩みを抱えるあなたも日本語の構造や特徴さえ押さえれば、話の筋はクリアに、「頭がよく」見えるようになる! 「文章を短く区切って、大事なことから」「事実と非事実を分ける」「『論理的相槌』を打つ」等々の齋藤式メソッドを身につければ、真意が十分に伝わり、人間関係や仕事がスムーズになる。『言いたいことが一度で伝わる論理的日本語』を増補した決定版。 ○漢字は一語で意味を表せる便利な言葉。漢字熟語を上手に使うことで、複雑な内容を要領よくシンプルに、しかも効果的に伝えることができる。 ○漢文や英語などの外国語は大変論理的な構造をもっている。そこで、やさしい英語の構文を例にとり、論理的な話し方に有効なポイントをあげて、日本語に応用できるようにする。 ○数学の考え方は、あいまいさを排除して、物事の起点と終着点、プロセスを明快にするために有効。また、条件や関係性を図やグラフで示せば、言葉を尽くして説明するよりも一目瞭然。
  • 物語 チベットの歴史 天空の仏教国の1400年
    4.2
    古代に軍事国家だったチベットはインド仏教を受容、12世紀には仏教界が世俗に君臨する社会となった。17世紀に成立したダライ・ラマ政権はモンゴル人や満洲人の帰依を受け、チベットは聖地として繁栄する。だが1950年、人民解放軍のラサ侵攻により独立を失い、ダライ・ラマ14世はインドに亡命した。チベットはこれからどうなるのか? 1400年の歴史を辿り、世界で尊敬の念を集めるチベット仏教と文化の未来を考える。
  • 入門 人間の安全保障 増補版 恐怖と欠乏からの自由を求めて
    4.0
    一九九四年、国連開発計画によって「人間の安全保障」が提唱された。国家ではなく、一人ひとりの人間を対象とするこの概念は、頻発する紛争や暴力、世界を覆う貧困や飢餓からの自由を目指し、国際社会のキーワードとなった。本書では人道支援、地雷禁止条約策定交渉などの活動を続けてきた著者が、国際政治学の知見をふまえ、エッセンスを解説。増補版では新章を加え、全面的にデータを刷新した。SDGsなど最新動向にも対応。
  • 俳句とあそぶ法
    5.0
    俳句は遊びだ! 人生の杖となる遊びだ!――俳人・夏井いつき推薦!! 「ちょっと俳句をかじっただけの素人」と自称する著者が、愛好家の多くが陥る類型的発想という「わな」に気づき、それを誘発する「俳句そのものに内在する何か」に迫る。名作とされる先人の句に果敢に異を唱え、専門俳人たちの常識も容赦なく断罪。一方、作り手となった初心者に対しては、「俳句は遊びである。遊びだからこそ厳格なルールに従うべきである」と掲げ、世にはびこるセオリーを覆し、皮肉やユーモアを交えて江國流俳句の楽しみ方を実践的に説いてゆく。  曰く――、 『俳句は自然を詠むもの、俳句は写生だ』  藤・牡丹・菖蒲・芍薬のどれが先に咲きますか? これ分からない植物音痴の人は多い。俳句は自然を詠むもの。写生こそ俳句とは言うが、自然が詠み難ければ人事句から始めると入り易い。例えば雛祭、白酒、受験、卒業……。 『5・7・5がルール』  字余り、字足らずの破調は原則として避けるべし。破調はホントにやむを得ない時に限る。破調にも限界がある。「分け入れば水音(山頭火)」「咳をしても一人(放哉)」こんなのは俳句じゃない。 『ふりがなは、極力さける』  ルビは必要最小限度にとどめるべきである。ルビなしでは正しく読んでもらえない字句で、漢字を用いない限り意味が汲み取れなかったり、誤解を招いたりする場合だけ、よんどころなくルビを付ける。娘(こ)、亡父(ちち)、女(ひと)などは、絶対に使わないこと。 『自分なりの句風の確立』  名句を、世間の評価にとらわれずに、好きな句、嫌いな句に分ける作業をする。そのうちに、自分の句風の確立に役立つ。  昭和の俳句ブームを牽引した画期的な俳句指南の書、待望の復刊!
  • 入門 環境経済学 新版 脱炭素時代の課題と最適解
    5.0
    私たちは製品やサービスを消費して豊かな生活を享受する一方で、気候変動や廃棄物汚染、生態系破壊など多くの環境問題に直面している。経済活動と環境保全は相反する関係にあるが、バランスのよい最適解はどこにあるのか? 本書は経済学の基礎理論を押さえ、それを環境問題に応用して望ましい政策を検討する。旧版にカーボンプライシングなど最新テーマを大幅加筆して、豊かな環境を引き継ぐための制度設計を提示する。
  • 完本 麿赤兒自伝 憂き世 戯れて候ふ
    4.0
    その芸術表現を高く評価される、世界的舞踏家・麿赤兒。唐十郎の状況劇団に参加し、喧嘩に明け暮れたアングラ時代から、土方巽に師事し、舞踏集団「大駱駝艦」を立ち上げ、国内外に「舞踏」を知らしめた現在までをユーモアを交え熱く綴る半生記。巻末に大森立嗣(映画監督)、大森南朋(俳優)、二人の息子との鼎談を収録。
  • 正倉院のしごと 宝物を守り伝える舞台裏
    3.3
    奈良時代、光明皇后が聖武天皇遺愛の品々を東大寺大仏に献納したことに始まる正倉院宝物。落雷や台風、源平合戦や戦国時代の兵火、織田信長やGHQなど時の権力者による開扉要求といった、数多くの危機を乗り越えてきた。古墳など土中から出土したのではなく、人々の手で保管されてきた伝世品は世界的にも珍しい。千三百年にわたり宝物を守り伝えてきた正倉院の営みを、保存・修理・調査・模造・公開に分けて紹介する。
  • 入門 開発経済学 グローバルな貧困削減と途上国が起こすイノベーション
    3.0
    世界は今なお悲惨さに満ちている。飢餓、感染症、紛争にとどまらず、教育、児童労働、女性の社会参加、環境危機等、課題は山積みだ。途上国への支援は、私たちにとって重要な使命である。一方、途上国自身にも、新たな技術革新の動きが生じている。当事者は今、何を求め、それはどうすれば達成できるか? 効果的な支援とは何か? 開発経済学の理論と最新の動向を紹介し、国際協力のあり方や、今こそ必要な理念について提言する。
  • シニア右翼 日本の中高年はなぜ右傾化するのか
    4.1
    久しぶりに実家に帰ると、穏健だった親が急に政治に目覚め、YouTubeで右傾的番組の視聴者になり、保守系論壇誌の定期購読者になっていた――。こんな事例があなたの隣りで起きているかもしれない。中にはネット上でのヘイトが昂じて逮捕・裁判の事例が頻発している。そのほとんどが50歳以上の「シニア右翼」なのである。若者を導くべきシニア像は今は昔だ。これは決して一過性の社会現象ではなく、戦前・戦後史が生みだした「鬼っ子」と呼ぶべきものであることが、歴史に通暁した著者の手により明らかにされる。 そして、導火線に一気に火を付けたのは、ネット動画という一撃である。シニア層はネットへの接触歴がこれまで未熟だったことから、リテラシーがきわめて低く、デマや陰謀論に騙されやすい。そんな実態を近年のネット技術史から読み解く。 かつて右翼と「同じ釜の飯を食っていた」鬼才の著者だからこそ、内側から見た右翼の実像をまじえながら論じる。
  • 孫子―「兵法の真髄」を読む
    5.0
    二千年以上にわたり読み継がれてきた兵法と戦略の名著『孫子』。この古典を整理し、最も重要な注釈を付したのが三国志の英雄・曹操だ。本書は最初に、孫武と孫臏のどちらが著者かという成立の謎に挑む。そして曹操の解釈を踏まえて、合理性・先進性・実践性・普遍性という四つの特徴から読み解く。『孫子』が見抜いた、戦争や組織の本質は今の時代にどう生かせるか。巻末に『孫子』全十三篇の現代語訳を収録。
  • 朝のあかり 石垣りんエッセイ集
    4.4
    自分の住むところには自分で表札を出すにかぎる――。銀行の事務員として働き、生家の家計を支えながら続けた詩作。五十歳のとき手に入れた川辺の1DKとひとりの時間。「表札」「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」などの作品で知られる詩人の凜とした生き方が浮かび上がる、文庫オリジナルエッセイ集。〈解説〉梯久美子 【目次】 Ⅰ はたらく 宿借り/けちん坊/朝のあかり/雨と言葉/目下工事中/よい顔と幸福/日記/晴着/事務服/事務員として働きつづけて/おそば/領分のない人たち/食扶持のこと/着る人・つくる人/巣立った日の装い/試験管に入れて/夜の海/こしかた・ゆくすえ Ⅱ ひとりで暮らす 呑川のほとり/シジミ/春の日に/電車の音/器量/花嫁/通じない/女の手仕事/つき合いの芽/彼岸/コイン・ランドリー/ぜいたくの重み/水はもどらないから/愛車/庭/籠の鳥/貼紙/山姥/梅が咲きました/雪谷/私のテレビ利用法/かたち Ⅲ 詩を書く/立場のある詩/花よ、空を突け/持続と詩/生活の中の詩/仕事/お酒かかえて/福田正夫/銀行員の詩集/詩を書くことと、生きること Ⅳ 齢を重ねる 終着駅/四月の合計/二月のおみくじ/椅子/私はなぜ結婚しないか/せつなさ/インスタントラーメン/火を止めるまで/しつけ糸/鳥/おばあさん/ 空港で/八月/港区で/花の店/隣人/風景/思い出が着ている/悲しみと同量の喜び/ウリコの目 ムツの目/乙女たち/夜の太鼓
  • 人事ガチャの秘密 配属・異動・昇進のからくり
    3.8
    意欲をくじく配属・異動、木に竹を接ぐような組織改編……「現場をわかっていない」「もっとうまくやれよ」と不平不満を募らせる若手・中堅社員の皆さんは少なくないでしょう。「配属ガチャ」「上司ガチャ」が流行語になるゆえんです。しかし、一見運任せで決まるように見える人事という名のブラックボックスに対して実態調査のメスを入れた結果、人事異動やその後の昇進についての各種のパターンをデータが浮かび上がらせました。たとえばよく聞く「10年間で3部署経験させる」企業は3分の1程度。また7~8割を占める「ミドルパフォーマー」が人事の盲点になっていること等々。会社側は何を企図して(あるいは企図せず)人事を行っているのでしょうか? 「人事異動=ザ・人事」の秘密に迫ることで、皆さんのキャリアを考えるための羅針盤を提供します。もちろん管理職や人事担当者の皆さんにとっても見逃せない一冊です。

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