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Posted by ブクログ
医療の制度と経済を考える上で、基本となる高水準の新書
本書の特筆すべき点は、本書が今なお全国民向けの医療保険制度を持ち得ないアメリカ国民に向けにアメリカの医療制度とは異なる経過を辿り、日本の風土の中で構築された日本の医療保険制度を、アメリカ人の政治学者であり日本を対象に研究生活を行ってきたキャンベルと、日本人であり日本の医師資格を持ち医療政策、医療経済を研究してきた池上の共同の研究成果の日本語版である点にある。
前述の基本的な性格を持つ本書は、日本人同士であれば既知として省略されるであろう部分、政策形成過程における日本的決着の曖昧さを含む部分等に対しても論理的な論述の努力がされている。
手際良く明治期の医療政策形成当初における江戸時代に遡る医療資源の配置をも振り返り、戦後長く医療政策に影響力を及ぼした日本医師会武見太郎と厚生省他の当事者の動きとその結果、出色の厚生省官僚吉村等にも光を当てる。
著者らは、日本の医療政策の特徴を「バランス感覚」と特徴付ける。そしてあえて声高には明言していないが、「負担は少なく、最高の医療を」なるのスローガンの不実を、軽くイナス。
1996年の著作であるが、今日も読み継がれ、基本書として引用・紹介されるに価値を持つ。
Posted by ブクログ
市場の失敗の例
公共財(フリーライドの誘惑)、費用逓減産業(ガス、電気など)、不完全競争(企業が価格支配力を持つ)、外部性(騒音、混雑、公害など)、情報の非対称性と不確実性、分配の問題(公平性と効率性のトレードオフ)、価値財(日本の公的医療保障など)。
市場は生産市場、労働市場、資本市場に分けられる。
医療は市場の失敗と政府の失敗が存在する。
良いものが高いわけではない=価格による調整機能がない。参入の制限。
医師による誘発需要=過剰診療など不要な需要が作られる可能性。
医療では日本の給付水準が高いとは言えない。ヨーロッパの窓口負担は低い。イギリスはホスピスなど末期医療は無料が当然、ドイツは長期入院は無料。
混合医療の禁止=解禁すると医療費がかさむ、不正な請求が行われる恐れ。
準市場=独占的な公共部門にかわって協商的主体が供給を行う仕組み。
市場と公共政策=競争促進、市場介入、市場制限(発送電の分離など)
市場を創る=介護保険によって介護業界が成立した。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
よい病院とわるい病院を見分けるにはどうすればよいだろう。
レストランや車なら、高い値段のものが質もよいと考えればほぼ間違いはない。
しかし医療では名医でも新米の医者でも値段は一緒であり、経済法則は働いていないように思える。
では、なぜ医療の値段は同じなのか。
本書は、医療が持つこのような特徴を、「情報の非対称性」「市場の失敗」等の視点から経済学的に分析し、今後の医療制度改革の方向性を提示する。
[ 目次 ]
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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