柏原宏紀の作品一覧
「柏原宏紀」の「明治の技術官僚 近代日本をつくった長州五傑」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「柏原宏紀」の「明治の技術官僚 近代日本をつくった長州五傑」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
「はしがき」の一行目から2017年12月に改修された東京駅前広場に戻って来た井上勝像についてか始まる本書は、長州五傑の中でも特に“明治の技術官僚”となった井上勝、山尾庸三、そして遠藤謹助にスポットを当てながらも、共に密航し帰国後政治家となっていった伊藤博文と井上馨との分岐点も含めた日本の官僚と政治家の分化を年代と共に追っている。明治初期の目まぐるしく変わる官職名などに翻弄されるが、それもまた幕末から明治・近代化への過渡期の姿であろうと思う。
鉄道という特定のジャンルや、特定人物に特化してであればそこそこ情報が手に入りやすい昨今にあり、筆者が日本の急速な近代化に関しての興味からの長州五傑が皆所属
Posted by ブクログ
新書の中ではかなり専門性が高く、予備知識がかなり必要とされる本だろう。伊藤博文、井上馨、山尾庸三、井上勝、遠藤謹助という幕末から明治にかけて活躍した技術官僚の生き様を追う作品。
まず本書でフォーカスされるのは伊藤・井上馨と他3人の違いである。前者2名が技術官僚に留まらずその能力を政治家に昇華させた原因としては何があるのか?また後者3人は技術官僚として政治とどのように関わっていったのかを詳細に分析している。技術官僚と政治の関わりについては、現代においても次官などのトップに技術系が就くことが少ない理由も示唆されており興味深い。
また政治家になれなかった3人も決して自らの立場に安穏としていたわけでは
Posted by ブクログ
幕末期に英国に密航、のちに新政府のなかで活躍するいわゆる「長州五傑」(伊藤博文、井上馨、山尾庸三、井上勝、遠藤謹助)を通じてみた維新期の官僚・政治家論。とくに官僚類型として「事務官僚」「技術官僚」を措定して、後者の技術官僚という枠組みで長州五傑を論じているのは、タイトル通りである。
海外の先進知識を身に付けて帰国した彼らは「技術官僚」としてキャリアをスタートさせるが、それぞれまったく別の道を歩んだ。とくに政治家的資質を早くから発揮し、法制官僚・政治家へと転身していくのが伊藤。その点、井上は同じく政治家を指向しながらも最終的には首相にはなれなかった。
かたや工部省を中心に活躍した山尾。鉄道の
Posted by ブクログ
幕末に長州から英国に留学した長州五傑(伊藤博文、井上馨、山尾庸三、井上勝、遠藤謹助)の生涯について、明治の技術革新に焦点を当てて述べている。調査が詳細で、どちらかといえば政治家の方向に向かった伊藤博文や井上馨とその他の対比が面白い。参考になった。
「「公儀」とは、朝廷と幕府が一体となって統治された国内政治体制のこと」p22
「(井上勝と山尾)帰朝時期が送れたことは政治的にはマイナスであったが、専門性という観点では極めて大きな意味を持ったのである。長州藩と新政府で、その貴重な専門性を取り合う形となり、結局新政府が彼らを獲得し、政府内で重用されていくこととなる。まさに専門性が彼らの地位を押し上げた