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動物のサイズが違うと機敏さが違い、寿命が違い、総じて時間の流れる速さが違ってくる。行動圏も生息密度も、サイズと一定の関係がある。ところが一生の間に心臓が打つ総数や体重あたりの総エネルギー使用量は、サイズによらず同じなのである。本書はサイズからの発想によって動物のデザインを発見し、その動物のよって立つ論理を人間に理解可能なものにする新しい生物学入門書であり、かつ人類の将来に貴重なヒントを提供する。
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Posted by ブクログ
動物のエネルギー消費量や行動範囲などのさまざまなデータと体重を両対数グラフで比較するとほぼ例外なく綺麗な関係性が導かれるという面白い原理を紹介してくれる本。 大きい哺乳類と小さい哺乳類の利点と欠点、進化の先にいる動物と手前にいる動物の利点と欠点、それぞれの特徴が強みと弱みの両面を持っているからこそ、...続きを読む今の地球上でどちらも淘汰されずに生物の多様性が保たれている。 動物学の師匠の本のユーモアにリスペクトを捧げ、その師匠に実際に会って「サイズの研究をする人間は背丈もサイズがでかいと思った」と書くように、この本にもその師匠のユーモアが継承されている。「島に隔離されるとサイズの大きい動物は小さくなりサイズの小さい動物は大きくなるという島の規則が人間にも当てまりそう」など、事実以外の感想の部分も面白い。 体重との比較の話題の次は、微生物の体の機能とサイズの関係。微生物のサイズによって消化器、呼吸器といった機能が複雑化していく理由が、物理化学的な境界によって分かれているというはなし。 その次は植物についての論。全く違うように思える植物と動物の細胞の違いと構造の違いを、木造の建物とレンガ積みの建物で同じ土俵の上で比較できるというのは納得だった。 最後は昆虫とサンゴやウニのような動物の特殊な体の構造について。どの動物も「外敵や外乱から身を守るために、何かを犠牲にしつつ武器を苦心して獲得している優秀な設計者である」というような見方に変わった。
「時間は均等ではなく、生き物のサイズに応じた心拍で異なる」という視点を知った時は強烈なインパクトだった。 「なぜ車輪生物はいないのか」など身近な疑問から始まり、生き物の身体がどれも合理的に進化してきたことを知ると、生命の戦略的な進化が垣間見れて面白い。
体のサイズや形態から、その生き物の時間、あり方を考えると、サイズ対比ではどんな生き物にも概ね同じ法則が当てはまるというのは、とても興味深いこと。進化はやはり奥が深い。この法則に基づいてヒトやその技術を相対化すると、自然の道から外れてるなぁ、と思う。
様々な動物についてサイズをベースに進化、エネルギー消費量、食事量、生息密度、行動圏などを考察し、走る、飛ぶ、泳ぐという行動とサイズの関係、さらには動物の各器官とサイズの関係、細胞とサイズの関係などなど広範囲に渡って興味深い論考が満載の好著だ.説明の図表のほとんどが両対数グラフであるのが特徴だと感じた...続きを読む.あまり見かけない図表だが、非常に便利なものだと理解している.植物への展開もあり、さらには棘皮(きょくひ)動物まで考察しており、著者の類まれなる好奇心の一端に触れることが出来たと喜んでいるところだ.
生物のサイズに着目して、種の違いを貫く法則を見出し、そのデザインや生き方に迫っていく本。サイズと時間の関係が生き物への相対的な視点をもたらしてくれます。 楽しそうにどんどん拡がっていく筆者の発想にワクワクし、対数を用いたアロメトリーには感動さえしました。付録の計算も面白いです。各章読み応えがあり...続きを読むましたが、第11章「細胞のサイズと生物の建築法」が特に好きです。
サイズと、それに伴った動物それぞれの時間感覚の話も当然面白いが、後半にかけて語られるサイズに関連した動物デザインの話(研究考察含む)も面白かった。 何気なく見てきた昆虫や棘皮動物の構造に自然な理由が考察できるなんて、とても面白い。 個人的にはあとがきも秀逸であったと思う。サイズと、動物を考えてきた筆...続きを読む者だからこそのメッセージ性があり、歌詞のように心に響いた。大切なのは等身大でいること、なのかもしれない。
ところどころ数式が頭に入ってこなかったが、普段考えることのない生物の不思議や体の構造の奇跡について考えることができた。 個々の生物に目を向ける中で、少し大げさだけど、世界には人間だけが生きている訳ではなく、いかなる生命も尊いと思えた。
生物は、その大きさにより、体感時間が変わる。 時間は体重の1/4乗に比例する。体重が増えると時間は長くなる。寿命を心臓の鼓動時間で割ると、哺乳類ではどの動物でも、一生の間に心臓は20億回打つという計算になる。寿命を呼吸する時間で割れば、一生の間に約5億回。これも哺乳類なら、体のサイズによらず、ほぼ同...続きを読むじ値。 物理的時間で測れば、ゾウはネズミより、ずっと長生きである。ネズミは数年しか生きないが、ゾウは100年近い寿命をもつ。しかし、もし心臓の拍動を時計として考えるならば、ゾウもネズミもまったく同じ長さだけ生きて死ぬことになる。 子供の頃の一年が充実して長く感じたが、大人になるにつれて、あっという間だ。経験が増えるにつれ、目新しさがなくなっていくからだと思っていたが、それだけが理由ではなさそうだ。 この他にも、生物に関する様々な原理が明かされる。例えば、体温が一定である大きな利点として、化学反応の速度が高温だと速くなるため、鳥類や哺乳類では、体温を高く保つことで速い運動を可能にするなど。あるいは「島の規則」。島国という環境では、エリートのサイズは小さくなり、ずばぬけた巨人と呼び得る人物は出てきにくい。逆に小さい方、つまり庶民のスケールは大きくなり、知的レベルはきわめて高い。「島の規則」は人間にもあてはまりそうだと。大陸に住んでいれば、とてつもないことを考えたり、常識はずれのことをやることも可能だろう。まわりから白い目で見られたら、よそに逃げていけばいいのだから。島ではそうはいかない。出る釘は、ほんのちょっと出ても、打たれてしまう。だから大陸ではとんでもない思想が生まれ、また、それらに負けない強靭な大思想が育っていく。 昔からタイトルのみ見知っていて、気になりながら読んでいなかった本だったが、期待した通りの面白さだった。
この地球に住んでいる生物は、ただそこに生きている存在としてしか認識していなかったけど、色んな戦略を立てながら生きていたんだなあ、と 昆虫がなぜ小さいか、昆虫が大きくなるとどうなるか、体が大きいとは、は結構面白かった ただ、時間に関係する所は難しくてよく分からなかった 心拍数が関係するってのは分か...続きを読むったけど、それだけじゃないらしい、、、 とにかく体の大きさで体感する時間が違うってなんか不思議な感覚
1992年初版発行でかなり古いんだけど、新鮮に面白かった。 たぶん有名な本すぎて、どこかで紹介を聞いたことがあるんだとおもう。「サイズが違うと生体時間が違う」という話は私も知っていた。でもそれが実際にどういうことなのかは本書を読んで初めてわかった。 体重と代謝が比例すること、体重と生体サイクルが一定...続きを読むの比例をみせること、そこから各々の生体時間の比較ができること。サイズの比較の話だけじゃなくて哺乳類の骨の強度の話、昆虫の外骨格の話、14章の棘皮動物のデザインの話まで新しく知ることばかりで面白かった。具体的な数字は失礼ながら結構読み飛ばしたけど、それでも生物学の入門書としていいとおもう。 同じ視点の、もっと最新の本が読みたい。 ⚫︎内容 動物のサイズが違うと機敏さが違い、寿命が違い、総じて時間の流れる速さが違ってくる。行動圏も生息密度も、サイズと一定の関係がある。ところが一生の間に心臓が打つ総数や体重あたりの総エネルギー使用量は、サイズによらず同じなのである。本書はサイズからの発想によって動物のデザインを発見し、その動物のよって立つ論理を人間に理解可能なものにする新しい生物学入門書であり、かつ人類の将来に貴重なヒントを提供する。 (中央公論新社HPより引用)
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