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たった一度の生を、 丁寧に悔いなく生きるには―― スピード至上主義の始原をニュートンに遡り、 善く生きるヒントを『正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)』に探る。 現代社会を生物学の視点から縦横無尽に斬る、 『ゾウの時間 ネズミの時間』著者が贈る待望のエッセイ集!
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Posted by ブクログ
動物は一生の間に心臓が15億回打つ。人間の場合15億回は40歳程度。 若いときは、自分の遺伝子をできるだけ多く残すために、動物と同じ価値観で貪欲に生きます。老いの時間は、そのようのな遺伝子の束縛から解放された時間です。だから、単なる動物ではない、人間として誇れる時間を生きたいものです。
この本の著者の方が書いた本「長生きは地球を滅ぼす」というのを社会人になってすぐの頃に読んで衝撃を受けました、その方が書かれた別の本をネットで手に入れて読み始めましたが、読みかけになっているのを発見しました。 今年7月末までに家にある読みかけの本を全て整理する目標を立てているのでリサイクルに回そうと...続きを読む思いましたが、パラパラめくっているうちに全部読んでしまいました。 以下は気になったポイントです。 ・ピタゴラスは「万物は数である」と主張した、存在の本質を「数」だとしたのである、彼は宇宙までも含めて万物を数に還元してしまった、このような過激な思想が生まれる土地柄(ギリシアの植民地、イオニア)だったからこそ、貨幣も生まれ出た。ニュートンは絶対時間、絶対空間という古典物理学的な自然観を確立した、時間という、何ものにもよらずに一定の速度で進んでいく万物共通の流れの中で「金」という数字が変化していく、その変化の仕方・要因を考えるのが経済学。絶対時間と微分というニュートンの概念・技法抜きでは、近代経済学は成り立たない。貨幣万能主義と数字万能主義は同じ発想に基づく(p52) ・物差しが一つなら、豊かさは量の多さでしか計れない、だからこそバブルになった、資源の枯渇が深刻になっている時に、量の豊かさをこれ以上求めることは控えて、発想を変えるべき(p95) ・数式の良い点は、曖昧さがなく、誰にでも同じメッセージを伝えられる、言葉で書かれると、そうはいかない。さらに数式の優れた点を挙げると、式の変数を変えるだけで、こんな結果になるだろうと予測ができること、変数は特定のものを直接指すわけではないので、広くさまざまな場面で応用が効く(p100) ・オウム真理教の事件の際、理科系の学生が多く信者になっているのは不思議だという議論があったが、これは不思議でもなんでもない。見えるものを信じるな、見えないものを信じよと言われて、何の疑問も持たずに素直に理科系にいく子供だったからこそ、容易におのような信仰に入っていったのであろう(p109) ・私たちの中で、時間が刻々と経っていることを一番体験できるのは「心臓の鼓動」1回の鼓動が約1秒(p137) ・体重が大きくなればなるほど、時間が長くなる、ただし正比例ではなく、体重が10倍になると時間が2倍くらいになる(=動物の時間は体重の1/4乗に比例する)(p138)時間は全て体重の四分の一条に比例するので、時間を2つ組み合わせて割り算すると、体重によらない一定値になる、肺の動きの時間と心臓の動きの時間で割ると「4」という答えが出る。つまり、肺が一呼吸する間に、心臓は4回打つ、これは象もネズミも同じ。すると、一生の時間は「心臓時計、約15億回分」一生に心臓がうつ回数はほぼ同じ(p141) ・象とハツカネズミは体重が「10万倍」違う、体重の4分の一乗に比例すると「象の方が時間が18倍、ゆっくり」になる。18倍のスローモーションを見ると、画面はほとんど止まって見える、18倍の早送りで見たら、あっという間に変化が起きる。つまり、象とネズミとでは、世界が全く違って見える(p142) ・時間は体重の四分の一乗に比例して長くなっていくのに対して、エネルギー消費量は体重の4分の1乗に反比例して減っていく、つまり、時間とエネルギー消費量は、ちょうど反比例の関係になる。両者をかけると体重の項が消えるので一定値となる。したがって、心臓が1回ドキンと打った時間に、ゾウもネズミも同じ量のエネルギーを使う、同じ2J(ジュール)を、ネズミは0.1秒で使うが、象は3秒かかる、どちらも心臓時計1拍分が使うエネルギー量は同じ。一生で使うエネルギー量も、体重あたりにすると30億ジュールで同じ、一生に食べる量も同じになる(p166) ・人間は15億回心臓を打つと「40歳ほど」今の寿命の半分、人間の老化は皆40台から現れる、そして老いた動物は自然界にはいないのが原則である、50歳以上の老いの時間は、本来存在しないものであり、医療技術などにより人為的に作られてもの、言ってみれば「おまけの人生」である(p109)子供は体重あたりにすると、ものすごくたくさんエネルギーを使う(やることが多い)が、その消費量は20歳位で急激に下がってくる「エネルギーを使うものほど時間の進む速度が大きい」という事実から考えると、子供の時間は速い、大人はゆっくりで、老人はもっとゆっくり、時間の速度は一生の間にも変わっていく(p170) ・老いの時間とは、エネルギーをあまり使わないから、時計の1時間の間にあまりしないで「スカーん」経過する、子供はその1時間でエネルギーをたくさん使って様々なことをやるから、後で振り返ってみると、ぎっしり詰まっていて子供は時間を長く感じる。老人はスカーんとしていて、何にも残らず短く感じてしまう、このように解釈すれば、実際の速度と、後から振り返った時の感覚の違いが理解できる、時間はその中にいるときと、後から振り返るときとでは、感覚が逆転すると筆者は思っている、つまらない会議はその時は長く感じるが、後から思い起こすと内容がないと短く感じる、充実していると時は早く経過するが、後から思うと充実していて長かったと思う(p171) ・現代人はエネルギーを使って時間を作り出している、1)便利な機械を動かして物事を早く済ませ、余暇を得る、もしくはより多く働いて生産性をあげて儲ける、2)衣食住と医療にエネルギーを注ぎ込むことで寿命を伸ばす(p197) 2025年7月14日読破 2025年7月14日作成
著者曰く「老眼、白髪、閉経。老いの兆候はみな40代から現れる。そして老いた動物は自然界にはいない。ちょっとでも衰えると、たちまち食われてしまうから。50歳以降の老いの時間は本来存在しないもので、医療技術などにより人為的につくられたもの。だからこれはおまけの人生」と。そんな風にも言えるかもしれません...続きを読むが、なんだかネガティブで夢のない考え方だと思いました。(^-^) 「ゾウの時間 ネズミの時間」は大変興味深い本でした。その著者、本川達雄氏「おまけの人生」、2005.6発行。海鼠(なまこ)の如く、生きものに学ぶ、道元の時間の3部構成です。生物に関すること、生物学に関すること、そして著者の人生観が語られています。
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本川達雄
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