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Posted by ブクログ
とにかく勉強になります。
小説として満足させてくれる上で、勉強もさせてくれるのがこの本のポイント。
私にとって外国の方は道ですれ違うだけの存在。なかなか問題に向き合うきっかけが作れない。
何年か前にスリランカの女性が収容中に亡くなった件や、"クルド人"や"難民"などのワードがニュースで出るたびに、そろそろ自分も知識をつけなければいけないのでは?と思っていた。が、恥ずかしいことに、何も調べられていなかったのが現状。
この小説は登場人物の描写が細かく、みな生き生きとしているので、描かれている出来事が自分のすぐ目の前で起こっているように感じることができる。自分が当事者であるかのような錯覚によって、もっともっと知りたいと思うようになり、説明的な部分もすんなり頭に入ってくれる。もちろん、感情移入もしやすいので、ストーリーとしても満足できるのです。
Posted by ブクログ
なんて尊い家族! なんて優しく温かい物語! でも、なんて酷いこの国の差別と偏見! 本書を読みながら、ずーっとそんなことを考えてました。
震災ボランティアで出会い惹かれ合った2人、スマトラ出身のクマさん(24歳)とシングルマザーのミユキさん(32歳)、そしてミユキさんのひとり娘・マヤ(8歳)。物語は、一貫してマヤから"きみ"へ語りかける形式で綴られていきます。
諸々の困難を乗り越え3人は家族となるも、クマさんの在留資格が切れ、不法残留で東京入国管理局に収容されてしまいます。そこからクマさん返還のため、ミユキさんとマヤの闘いが始まります。
入管制度がこれほど重く理不尽な制度だったかと思い知らされました。しかし本書は、法的政治的な訴えの論調ではなく、リアルな家族小説として読みやすい点が実に優れています。マヤの存在と語り口が絶妙でお見事です。この優しい語り口が、非人道的な制度をより浮き彫りにしている気がします。
本作の刊行とほぼ同時期(2021年)、スリランカ国籍のウィシュマさんが名古屋の入管施設で亡くなる事件がありました。何となく思い出しましたが、その段階では他人事で済ませていた自分を恥じ、改めてこの物語の現実とのつながりを実感しました。
人権が尊重されない現実社会に一石を投じる"やさしい"物語として、とても価値ある一冊でした。
マヤが語りかける"きみ"は、これから生まれる未来を担う存在であり、読み手の私たちでしょう。マヤの語りがきっと未来に光をもたらす傑作でした。
Posted by ブクログ
名古屋のオーバーステイで収容されて亡くなった女性の話が全てだと思うホント人間じゃない腐った生き物達だから亡くなった。クマさん何度も倒れたのに無難な放置するのも同じ 上原の前に対応した審理官も裁判の名前を言わせた検事も あーいうのが出世するから組織は変わらないし、本気で外国人を統制してるならクルド人が問題になっている筈がない、と前置き長いけど中島京子さんよくぞよくぞ描いてくれたって、現実の体験があるからここまで真実を伝えられる。ほぼ裁判についてだけど、こんなんナンボあってもいい、カナダと比べる場面あったけど日本って遅れてるのが治らない、なんで?失われた30年 嫌な世の中を仕方ない当たり前の世の中と思う、高い税金払ってもキックバックする国会議員ってなんなんだ。
Posted by ブクログ
中学校で外国籍の生徒に日本語指導をしています。日本語が専門ではないので、なかなか大変です。子ども達は自分の意思とは関係なく親の都合で連れてこられた子、学校では日本語を使いますが、家では日本語以外の母語を使っています。
夏の研修で、日本の入国管理について学びました。その話を学校司書さんにしたら、この本を貸してくれました。
以前名古屋の収容施設で亡くなられたウィシュマさんが牛久観音の前で撮った写真を見たことがあります。なぜ牛久?と思いましたが、入管と関連性があったのかもしれないですね。研修では、入管審査は審査する人で変わると言われ、いい人に会うかどうかは運ともいわれ?が飛びましたが、この小説の中にも裁量という言葉が使われ納得しましたが、それでいいのかなぁと疑問も。
これが、技能実習生や日系外国人を受け入れる日本の実態。
労働人口が減るという数値的なものばかり主張していて、来る外国人には冷たい、こんなのが日本だと思うと、そのうち誰も日本に来なくなるんではと思ってしまいます。
日本ってそんなにいい国なのかなと。いい国だと思って来た人の期待を裏切ってるかもしれないなどと考えてしまいます。
課題が大きいし、多すぎる。
日本語を話す外国人、それもアカデミックレベルが理解できる外国籍の人って尊敬しかありません。
Posted by ブクログ
お父さんが亡くなってから、母のミユキさんと2人で暮らしてきたマヤ。
保育士として働いていたミユキさんは、東北の被災地で炊き出しを手伝うことになり、そこでスリランカ人のクマさん(クマラさん)と出会います。
娘思いのシングルマザーミユキさんと、真面目で真っ直ぐな青年クマさんは、ミユキさんの母にもようやく許しをもらい、やっとの思いで結婚するのですが、婚姻届を出したあと、在留資格の手続きに東京入国管理局に行ったクマさんは、警察に捕まって収容されてしまいます。
私たちの住む日本という国が、外国人にこんなにも厳しいなんて知らなかった。
日本人同士なら法に触れないのに、外国籍の人と日本人との結婚は何かと問題にされるとか、外国人が日本語を読めないのをいいことに、無理やりサインさせて不当に解雇したりとか、理不尽な現状を知って驚きます。
ミユキさん、クマさん、マヤちゃんの三人は、優秀な弁護士の先生と出会って裁判することを決意します。
三人で幸せに暮らすための、長い長い戦いが始まるのです。
この小さな家族の物語は、”きみ"に向けて、娘のマヤの目線でやさしく語られていきます。
国籍なんて関係なく、この世に生まれてきた一人一人の命がとても尊いものだということを忘れないでいたい。
少しでも多くの人にこの本を読んでもらえたらよいなと思います。
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