中公新書作品一覧
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3.5電子版は本文中の写真を多数カラー写真に差し替えて掲載。 都市の発展により多くの野生鳥が姿を消したが、一方では環境に適応することによって、積極的に都市に進出する鳥群が観察される。 その頂点に君臨するのがカラス軍団であり、いま都市にあってはカラスとヒトの知恵比べが、熾烈に進行中なのである。 本書は都市鳥研究会にあって長年、野鳥を観察研究してきた著者が、その成果を克明に報告するとともに、カラスに対する人間の愛憎半ばする感情をさまざまな文献に探る、カラス百科である。 ■□■目次■□■ 序章 野鳥にとって都市とは何か 第1章 銀座のカラスはカァーと鳴く 第2章 ヒートアイランドの夜 第3章 カラスを追跡する 第4章 都会派カラスの子育て法 第5章 街中のスカベンジャー 第6章 カラスの知恵袋 第7章 カラスの遊戯 第8章 カラスと人の交友 第9章 カラスと人の知恵比べ 第10章 カラスの博物学
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3.8多くの生物がそこに住み、互いに助け合って生きるサンゴの森。 エビ、ウニ、ナマコなど、さまざまな種類の生物が密接な協力関係のもとに暮らしている。 しかし多様性と共生がキー・ワードであったサンゴ礁が、危機に瀕している。 地球温暖化によって海水温が上昇し、共生を保てなくなったサンゴが死滅しつつあるのだ。 本書は、生物たちの絶妙な関係を紹介し、海を守るサンゴ礁のこれからを考える「自然の教室」である。 ■□■目次■□■ 第I部 教えて! サンゴ礁 1 サンゴに関するQ&A 2 サンゴ礁に関するQ&A) 第II部 もっと! サンゴ礁 1 褐虫藻との共生 2 褐虫藻をもつさまざまな生物 3 サンゴの進化 4 サンゴを棲家とする動物たち 5 魚たちの共生 6 危機のサンゴ礁 7 サンゴ礁の保全
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3.0漱石の生きた半世紀(1867-1916)は、X線、電子が発見され、量子論が誕生し、特殊相対性理論が発表されるなど、古典物理学から現代物理学へと移行する激動の時代であった。 理科が得意で、自らも建築家志望であった漱石は、寺田寅彦と科学談義を楽しみ、作品にも最新の話題が登場している。 本書は文学者漱石の旺盛な好奇心に従って、熱、光、量子、時間と空間について物理学発展のあとを辿り、乖離する文科と理科の交流を目指す。 ■□■目次■□■ 序章 漱石と物理学―文科と理科の交流 1章 古典物理学の完成―激動の嵐の前 2章 新しい自然観の台頭―19世紀から20世紀への転換 3章 量子仮説の提唱―人間からの離脱 4章 量子力学の誕生―極微の世界に向けて 5章 相対性理論の誕生―時空概念の変革 終章 再び漱石と物理学―文学の中の“自然法則”
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4.0かつて「軍神」と呼ばれる存在があった。彼らは軍国主義的思潮の権化として意図的に生み出されたわけではない。日露戦争における廣瀬武夫少佐の例をみればわかる通り、戦争によって強まった日本人の一体感の中から、期せずして生み出されたのである。だが、昭和に入ると、日本人が共感できる軍神像は変化し、それは特攻作戦を精神的に支えるものとなる。本書は、軍神を鏡として戦前の日本社会の意識を照射する試みである。
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3.7※電子版は本文中の写真の一部をカラー写真に差し替えて掲載。 唯一の超大国として、最も進んだ科学技術を誇るアメリカ。だが、キリスト教の倫理観に縛られ、二億挺を超す銃が野放しにされるなど、「性」と「暴力」の問題については、前近代的な顔を持つ。それはなぜか――。この国の特異な成り立ちから繙き、現在、国家・世論を二分する、妊娠中絶、同性愛、異人種間結婚、銃規制、幼児虐待、環境差別、核の行使などの問題から、混迷を深めるいまのアメリカを浮き彫りにする。
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4.0南アフリカのボツワナに暮らす狩猟採集民、セントラル・カラハリ・ブッシュマン。丹念な会話分析と出来事を根底から把握する身体配列を手がかりに、その独特なセンスを浮かびあがらせる。権力と強制と傲慢を徹底して嫌い、みずからの生きる世界と粘りづよく交渉を重ねる彼らの社会は、私たちにもう一つ別の生の形がありうることを示している。直接経験に根ざした「等身大の思想」の実践を呼びかける、フィールドワークの結晶。
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3.3日本人は天災や戦争によって非業の死を遂げた者をどのように弔ってきたのか。『古事記』『日本書紀』を起点に仏教説話集『日本霊異記』の世界に分け入り、念仏結社を作った源信、女人救済を説いた蓮如らによる弔いの作法を歴史的に辿る。さらに死者の霊を呼び寄せる巫女の口寄せ、ムカサリ絵馬や花嫁・花婿人形の奉納など現在も続く風習を紹介し、遺影のあり方をも考察。古代から東日本大震災後まで連なる鎮魂の形を探る。
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4.2戦前の地図では、皇居はほとんど空白地として描かれてきた。戦後の地図にも、不可解な地形が表示されている。わずかに残された地図と空中写真を手がかりに、皇居の建物・地形の変遷を追う。さらに、二三区内にたくさんあった飛行場、開通しなかった新幹線の痕跡、東京駅の場所にかつて存在した刑務所、テニス・コートや学校に生まれ変わった射撃場など、東京に残る近代化の名残を新旧の地図とカラー写真で訪ねる好評第二弾。
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4.0バレエはルネサンス期イタリアで誕生し、今なお進化を続けるダンスの一種だ。当初、王侯貴族が自ら踊り楽しんだが、舞台芸術へと転換。観客も貴族からブルジョワジー、市民へと拡大する。十九世紀の西欧とロシアで成熟し、世界へ広がった。ダ・ヴィンチ制作の舞台装置、ルイ十四世が舞った「太陽」役、チャイコフスキーの三大バレエ、シャネルやピカソが参加したバレエ・リュス、そして日本へ――六百年の歴史を通観する。
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3.8長く人類はまずいものを繰り返し食べてきた。「美味しいものをお腹いっぱい食べたい」という欲求が強いのも無理はない。美味、珍味の探求は世界の人々の日常行為となっており、たべものへの関心は高まり続けている。本書は、食材、調理法、食事のしきたり、さらに各地各時代の食文化などを広く紹介するものである。味覚の満足、心躍る会食、そして健康増進のために、たべものについての正確な知識は欠かせない。図版多数。
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4.0コロンブスの新世界到達を契機として、ヨーロッパ人は南米へと進出した。黄金郷という見果てぬ夢を追い、己の全財産、全人生をかけて、彼らは探険を決行。その黄金にかける情熱は、やがて南米北部におけるスペインとイギリスの覇権争いにつながっていく。緑の秘境として知られるギアナ高地。そこは黄金の争奪戦が繰り広げられ、探険を侵略の道具とする「探険帝国主義」の舞台だった。黄金と領土争奪の五百年のドラマを追う。
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3.9※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 古代バビロニアで粘土板に二次方程式の解法が刻まれてから四千年、多くの人々の情熱と天才、努力と葛藤によって、人類は壮大な数学の世界を見出した。通約不可能性、円周率、微積分、非ユークリッド幾何、集合論-それぞれの発見やパラダイムシフトは、数学史全体の中でどのような意味を持ち、どのような発展をもたらしたのか。歴史の大きなうねりを一望しつつ、和算の成果や19世紀以降の展開についても充実させた数学史決定版。
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3.7文明開化、関東大震災、空襲、高度成長…建設と破壊が何度も繰り返された東京だが、思わぬところに過去の記憶が残っている。日比谷公園の岩に刻まれた「不」の記号、神田三崎町に残る六叉路、明大前駅の陸橋下の謎のスペース、一列に並ぶ住宅など、興味深い構造物、地形を紹介し、その来歴を解説する。カラーで掲載した新旧の地図を見比べ、現地を歩いて発見すれば、土地の記憶が語りかけてくるだろう。
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3.0富士山をはじめとする日本の高山には、厳しい自然のなかで可憐に花ひらく植物たちが生きている。また、アンデスやヒマラヤ、南米の砂漠、北極圏や南極大陸などの過酷な環境にも、個性的な植物が数多く存在する。百年も長生きする草、高さ百メートルを超える巨木、多機能な葉を持つ植物など、地球の長い歴史のなかで厳しい環境に適応して生きつづけてきた植物のふしぎな生態に迫る。
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4.5敗戦直後、連合国軍によって巣鴨プリズンと名づけられた巣鴨拘置所に、数多くの人々が「戦争犯罪人」として収容された。ここの初代戦犯教誨師となった花山信勝は、彼らと接し、三四名の死刑囚の最期を看とった。東条英機、広田弘毅、そして若いBC級戦犯たちを見送る懊悩の日々の中、彼はこの過酷な任務をいかにとらえ、戦争犯罪をどううけとめて教導活動にあたったのか。回想をもとに心の軌跡を辿り、太平洋戦争について考える。
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4.0東京は、幕末史のテーマパークだ。道端や空き地にも、ときには堂々と、ときにはひっそりと過去のドラマが息づいている。桜田門、坂下門など頻発するテロの現場、新選組のふるさと、彰義隊の落武者にまつわる怪談……。本書はペリー来航から西南戦争までの四半世紀に繰り広げられた有名無名のさまざまな事件の跡をたどる、「足で読む幕末通史」である。巻末に幕末維新関係者千名の詳細な墓地所在地リストを付す。
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3.7※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 アフリカといえば、広大なサバンナをさまざまな動物たちが闊歩する動物王国との印象が強い。だがアフリカの魅力はそれだけにとどまらない。雄大な滝、厳しい砂漠、近代的なビルが林立する都市など、その表情は驚くほど多様であり、またそこに生きる動物や人々もまた多様である。アフリカに魅せられ、三〇年にわたって撮り続けている写真家とともに、アフリカの「いま」を訪ねる。
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3.8蘆溝橋事件を引金に日中の戦いは軍部主導のかたちで、ついには泥沼の太平洋戦争に突入していった。しかし、すべての日本人が武力行使の拡大を望み、戦火を座視していたわけではなかった。戦争はあくまで和平工作の最終手段として考え、たえず平和的解決、そのための交渉の努力が模索されていた事実もあった。もし平和的、自主的解決が実現していたなら――歴史におけるイフのタブー視域から、日中の動き、戦争の経過を見据える。
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4.0第二次世界大戦以降、アメリカが主導してきたグローバル化が挫折しつつある。自由民主主義と市場経済の社会モデルが綻びを見せ、権威主義の中国やロシアが秩序変更を狙う。世界はこれからどうなるのか――。本書は古代ローマ帝国から現代のアメリカ一極優位までを俯瞰し、「一つの世界」への統合と、分解のダイナミクスを捉える。さらにグローバル化後の「四つの世界秩序」の可能性と、日本の未来を考察する。 ■ 目 次 ■ はじめに 第1章 統合の条件1 グローバル化の波動 2 構造 3 権力 4 制度 5 文化と規範 第2章 広域的秩序の興亡 1 前近代のグローバル化 2 ローマ帝国と中世ヨーロッパ 3 ユーラシア大陸の統合と分解 4 西洋の興隆と自滅 第3章 アメリカ主導のグローバル化 1 戦勝国としてのアメリカ 2 戦後経済の制度化 3 勝利の逆説 4 露呈した「リベラリズム」の限界 第4章 四つの世界秩序 1 一つの世界再グローバル化 2 三つの世界新しい冷戦 3 多数の世界再近代化する世界 4 無数の世界中世は再来するのか 第5章 ポスト・グローバル化と日本 1 大国でも小国でもない日本 2 仲間を増やし、敵を減らす 3 「自立」を迫られる日本 4 「日本」の生き残りとは何なのか おわりに 主要参考文献
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4.6経済成長の起爆剤として期待されるイノベーション。 将来への新しい希望であると同時に、「創造的破壊」と言われるように、人々のスキルや生活の基盤を壊す側面もある。 本書は「人」の観点から検討し、創造の促進は元より、破壊の打撃を軽減する方策を考察する。 創造する人、破壊される人の特徴とは? 抵抗と格差を縮小する教育投資、ミドル・シニア層のリスキリングとは? 希望と幸せのための二つのリスク・シェアとは? ■目 次■ はじめに 第1章 イノベーションとは何か 1 「創造的破壊」としてのイノベーション 2 不確実性がつきもの 3 創造の恩恵と破壊のダメージには時間差がある 第2章 創造する人の特徴 1 創造性は才能なのか、環境なのか 2 動機づけ次第で創造性が変わる 3 誰がイノベーションを生み出すのか 4 「創造的破壊」の張本人は誰か 第3章 破壊される人は誰か 1 誰が破壊されやすいのか 2 どのような人が破壊されてきたのか 3 破壊されるインパクト 第4章 新しいモノゴトへの抵抗 1 抵抗を生むイノベーション 2 政府はどちら側につくのか 3 抵抗がなくなる条件 第5章 アメリカ型をマネするな 1 世界をリードするイノベーション大国 2 広がる格差と増える絶望死 3 どこかに正解がある? 第6章 自己責任化する社会 1 リスクの取り方、分散の仕方 2 個人が引き受ける破壊リスク 3 広がる自己責任と、狭まる「他者への責任」 第7章 創造と破壊のためのリスク・シェア 1 政府の再分配 2 リスク・シェアのさまざまな可能性 3 イノベーションを方向づける おわりに 謝辞 参考文献 註記
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3.72014年刊行の『地方消滅』と、そこで示した896の「消滅可能性都市」リストは、衝撃をもたらした。 それから10年を経て、東京の出生率は0・99になるなど、なお少子化は加速する。 このままだと2100年に人口は6300万人、高齢者が4割の国になりかねない。 本書は、全国1729自治体を9つに分類。 「ブラックホール型自治体」の特性なども分析し、持続可能な社会へ向かうための戦略とビジョンを打ち出す。 目次 序章 「消滅可能性都市896」の衝撃 Ⅰ部 消滅自治体 最新データ篇 第1章 地方自治体「持続可能性」分析レポート 地域特性に応じた人口減少対策が必要 (三村明夫+人口戦略会議) 第2章 全国1729自治体リストから見えた地域の特性 自治体の「人口減少要因」が明らかに (人口戦略会議) 第3章 人口減を止められなかった10年 外国人・寄合・デジタルは救いとなるか (宇野重規×増田寛也) Ⅱ部 2100年への提言篇 第4章 緊急提言「人口ビジョン2100」 安定的で、成長力のある「8000万人国家」へ (人口戦略会議) 第5章 人口減少、どう読み解くか ・少子化・人口減の深刻さはなぜ共有されないか――1990年代の不良債権問題との類似性 (白川方明) ・正社員とパートの賃金格差解消こそ最重要課題――約4割の未婚女性が子どもを持たないと予想 (永瀬伸子) ・東京出生率0・99の衝撃 基本から知る低出生の現実 (小池司朗) 第6章 今が未来を選択できるラストチャンス (三村明夫×増田寛也) 全国1729自治体の9分類
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4.0第二次世界大戦の悲劇を繰り返さない――戦争の抑止を追求してきた戦後日本。しかし先の戦争での日本の過ちは、終戦交渉をめぐる失敗にもあった。戦争はいかに収拾すべきなのか。二度の世界大戦から朝鮮戦争とベトナム戦争、さらに湾岸戦争やイラク戦争まで、二〇世紀以降の主要な戦争の終結過程を精緻に分析。「根本的解決と妥協的和平のジレンマ」を切り口に、真に平和を回復するための「出口戦略」を考える。
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