作品一覧

  • 嫉妬論~民主社会に渦巻く情念を解剖する~
    4.0
    嫉妬感情にまつわる物語には事欠かない。古典から現代劇まで、あるいは子どものおとぎ話から落語まで、この感情は人間のおろかさと不合理を演出し、物語に一筋縄ではいかない深みを与えることで、登場人物にとっても思わぬ方向へと彼らを誘う。それにしても、私たちはなぜこうも嫉妬に狂うのだろう。この情念は嫉妬の相手のみならず、嫉妬者自身をも破滅させるというのに――。(「プロローグ」より)政治思想の観点から考察。
  • 現代民主主義 指導者論から熟議、ポピュリズムまで
    3.7
    1巻946円 (税込)
    二〇世紀以降、思想・理論ともにさらなる多様化が進む民主主義。本書は、政治学をはじめ、ウェーバー、シュミット、シュンペーター、アーレント、デリダ、ムフなどの思想から、その大きな潮流と意義を捉える。指導者や選挙による競争、市民参加、熟議/闘技、ポピュリズムといった多くの論点から、現代デモクラシー論の可能性に迫る。試行錯誤を繰り返してきた軌跡を通して、二一世紀の民主主義を模索する試み。
  • 嫉妬論~民主社会に渦巻く情念を解剖する~

    Posted by ブクログ

    民主的な社会の必然的な副産物としての嫉妬、そこから見える「人間学」。
    安易な答えに逃げ込まず、それでも社会の実践のヒントを探る真摯な姿勢。

    ・嫉妬は疲れを知らず、非生産的で、みっともなく、それが故に自他に隠したい。

    ◯嫉妬
    ・他人の幸福が自分の幸福を少しも損なうわけではないのに、他人の幸福をみるのに苦痛を伴うという性癖(カント)
    ・比較可能な者同士のあいだに生じる(アリストテレス)

    cf.義憤
    ・不当な幸運に苦痛を覚えること

    下方嫉妬
    ・自分が苦労して手に入れたものを、他の誰かが簡単に手に入れたとき

    ◯類似の概念
    ・相対的剥奪:自分が感じる満足の絶対量の多寡ではなく、他人と比較するこ

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    2025年01月25日
  • 嫉妬論~民主社会に渦巻く情念を解剖する~

    Posted by ブクログ

    自分ももちろん嫉妬するけど、色々な矛先・感情の嫉妬があって、
    ちょうど選挙の時期だから、嫉妬からこういう政策が人気なのかな?っていうのもいくつか思い当たって面白かった

    0
    2024年11月04日
  • 嫉妬論~民主社会に渦巻く情念を解剖する~

    Posted by ブクログ

    嫉妬をギリシャの賢人や哲人時代から現代の思想家に至るまでの文言を元に分析した一冊。現代社会のポピュリズムやヘイトにも繋がる考察が面白かった。

    特にルネ・ジラールの「羨望の三角形」をベースにした「誇示は羨ましがる他者がいないとなりたたない」という話や、三木清の「嫉妬は質的なものではなくて、量的なもので起こる(個性的なことではなく誰もが欲しがるお金や名誉、ステータスといった量的な物差しではかれるもので起こる)」といった話が勉強になった。

    面白すぎたので、近日読書会で取り上げようと読み込んでいる最中です。著書の次回作にも期待大

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    2024年04月29日
  • 現代民主主義 指導者論から熟議、ポピュリズムまで

    Posted by ブクログ

    最近読んだ本数冊に民主主義がキーワードとして出てきたので読んでみた。
    民主主義という言葉の曖昧さ、民主主義という枠の中での目標や良いとするものの移り変わりを知れてためになった。
    デモなど選挙以外の政治参加についての見方が変わる。
    理解はしきれてないので後でもう一回読みたい。

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    2021年06月19日
  • 嫉妬論~民主社会に渦巻く情念を解剖する~

    Posted by ブクログ

    人生のネガティブな事、不幸の原因の大半は他人と比べる事にあり、そこから全ての道は「嫉妬」に通ずるという気がしてならない。人間は本能として競争を組み込まれているのは受精を巡る精子の鞭毛運動のはじまりから明らかで、しかし、必ずしも活発さが競争優位となる単純なスピードレースではなく、精子にしても運次第。つまりは人間が競争せざるを得ない事と、しかし競争とは公正な能力争いではないという原初的な二つの定めを生命の誕生から業のように背負うのだ。

    生まれ落ち、それが続く。ランダムな競争は能力と偶然によって多様化を齎す。そんな時、敗者が自制しきれない「嫉妬」は、多様化を種の根源的欲求にもつ人間社会において、ど

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    2025年03月21日

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