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Posted by ブクログ
仕事柄、病や逆境と向き合う患者さんと多く接してきた。その接し方で見えてきたことの答え合わせをしたくて手にした本。
患者さんの中には、悲嘆から抜け出せないでいたり、希望を持てないでいる方も多く、声掛けにも応じず、否定が重なる。まさに人生の歯車が止まっている状態だ。ここに関わる者は、ケアラーとして役に立てず自分が不甲斐なく感じることはないだろうか。
確かに病や死は避けたくても避けられない。受け入れるしかないものである。しかし、これらの逆境は人との関わりが断たれるだけでなく、その孤独を表明することすらできなくなる辛さを伴う。
ケアラーとして、良いケアを考える時にヒントとなるのは、逆境の淵にいる人が再び自分らしさを取り戻して動き出すための触媒となることだった。
本書には、ケアラーの立ち位置や向き合い方について、相手の反応の受け取り方を大切に、自分が考えていたことよりも大変温かく、繊細に表現してくれている。
Posted by ブクログ
ケアといってもいろんなケアの場があり、この本でも医療者による患者への、介護職による利用者へのとか、子どものケアをしている人とか著者の長年の研究をもとにしたケアの場面から見えてくるものが紹介され、ケアに含まれるさまざまな要素が示唆される。
ケアとは何かと説く本をこれまでにも何冊か読んできて、そのたびに感じこの本を読んでも感じたことなんだけど、かなり意気込んで読み始めるんだけど途中でわからなくなっちゃうんだよね。興味ありながらもケアの場にどっぷり身をおいていないので実感が伴わないのか、哲学的な話になっていくと理解できなくなってしまうのか……とにかく残念なことよ。
とはいえ、この本を読みながら思ったのはケアって技というよりは、相手に思いを寄せることなんだということ。解説されれば当たり前のようにうなずけるかかわりなんだけど、実際に誰もができているかというとそうでもない。当たり前のようなことだから考えてするというよりは、アンテナを立てておいて感じたままに相手にかかわるという感じじゃないかと想像する。こういう大切なことが、お金を交えた社会の仕組みや希薄化する人間関係のなかでないがしろにされているとも感じた。
「看護・福祉で大事なこと」という副題らしきものは的を射ていないよね。この本は人と人がかかわり合っていくうえでのケアというものの大切さを説いているのだと思うから。看護・福祉なんて限定してしまうと、対人援助職向けという感じがしてしまう。おそらく著者ではなく編集者が付け加えたもので、一番の読者層と目される対人援助職に訴求はしやすいだろうけど、第二、第三層の読者に広がるのを邪魔してしまっていないかな。
Posted by ブクログ
自分自身では本年最高の読後感であった。現場の声から本質を捉えていく方法論で紡いでいく本書であるだけに力があるものだと思う。まずケアのゴールからであるが、「当事者が自身の<からだ>の感覚を再発見し、自らの願いを保てる、そのような力の発揮を目指すことこそがケアのゴールだ」で始まり、以下コミュニケーションを取る、小さな願いと落ち着ける場所、ということでACPにも言及。「いるつら」でも有名になった、存在を肯定する、「居る」を支えるケア、死や逆境に向き合う、「言葉にならないこと」を言葉にする、最後にケアの行方、当事者とケアラーのあいだで、ピアについて言及して締める。言葉にならないことを言葉にすることがその人の力になる、それを援助することがケアにつながることを紡いでいる。あらためて人の話をしっかり聞く、話せれない人でも接触を持つ、アナログではあるがあらためて原点に返る力を与えてくれた本であった。
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