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小学生の15人に1人が「家族の世話」を担い、社会問題として顕在化したヤングケアラー。一般のイメージとは異なり、精神疾患の母親のケアをするケースも多い。こうした事例を含めヤングケアラー経験者たちの語りから実態を読み解く。
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Posted by ブクログ
ヤングケアラー当事者の声を丁寧に掘り下げた一冊。 読むのが苦しくて、何度も挫折して、ようやく読み終えました。 ヤングケアラーと呼ばれるご本人に世界はどのように見えていたのか、ご本人の言葉からだからこそ湧き上がる感覚、浮かび上がってくる情景があり、読むことができて本当によかったです。 記号としての...続きを読むヤングケアラー。 ヤングケアラーとネグレクト、どちらの視点から見るか。 社会の中で起きていることとしてみていくことなど、わかりやすくまとめられていて、ヤングケアラーの理解と整理の助けになりました。 ヤングケアラーの統計やデータを見るというマクロな視点と、個別に詳しく見ていくミクロな視点と。 両方の大切さと必要性を改めて実感することのできた本でした。
ここ数年来に知られるようになった「ヤングケアラー」。何冊か類書を読んでいるが、本書はその中でも異色というか、深く問題を掘り下げ、またヤングケアラーだった人、サバイバーと言ったらよいのか、その人たちからの聞き取りをまとめたものなので、実情がより具体的であり、またその支援も具体的である。事例の方々は、よ...続きを読むくこんな過酷な状況を生き抜いてきたなという人たちばかりである、本書に登場する人達は、西成にある「こどもの里」に関わっている人たちであり、こどもの立場に立って、包摂する場があったからこそ今があると言って良いと思う。全国津々浦々なかなかこのような場はないと思うが、参考にはなる。また子供への支援ではあるが、親の支援も並行いや強調して行うこと、複数の居場所、複数の支援者、ピアサポートなど、一つ一つ納得できるものであった。ただ事例が重すぎて、うまく表現できない感想となった。
ヤングケアラーとされた(されている)人々の語りから、定義だけではわからない、必死に生きる子どもたちの姿が浮かんでくる。 まさに事象である。
とんでもない環境に置かれた子どもたちが多くいることを知れた。感情がグラグラ揺さぶられるが、全体を通してテーマの割に明るい口調と雰囲気のためメンタルにダメージが来るわけではない。もしかして自分はヤングケアラーなのだろうか、と思っている人が見るとピンとくるものがあるかもしれない
昨今話題のヤングケアラーについての一冊。実際に家族の介護や様々な体験をした人々のインタビューからヤングケアラー当事者がどのようなことに苦しみ、それに対してどのような支援を受けたことでその苦しみを乗り越えられたのか解析しながらヤングケアラー支援に必要なことを考察している。 精神科の専門家が書かれている...続きを読むこともあり、ド素人の私には時々難解な箇所もあったが全体的には非常に分かりやすく、またヤングケアラーの生々しいリアルが描かれていた本だと感じた。 「ヤングケアラー」と聞いて『ああ、両親が共働きで祖父母の介護や兄弟の面倒を見ている未成年のことだな』という認識しか私はこれまで持ってこなかった。 これも全てが間違いではないが、本書に紹介されているヤングケアラーは、例えば母子家庭で母親が覚醒剤を使用し、その母親のために日常生活もまともに送れなかった女性。寝たきりになってしまった母親に対して、過度に責任を感じ一人でずっと家族を背負おうとしてきた男性などが登場する。家族全員が聴覚障がいのある一家の中でただ一人健常者(コーダ)として生まれた女性の話は特に印象的だった。 家族が大変な時は皆で助け合うべきだ。もちろん、それも大事だ。しかし片親や親がいない、どこにも逃げ場のない状態の子どもにそれを求めることは間違っているように思う。幼い頃からヤングケアラーとなってしまった子どもは自身がそうであるとも気づけない。また家族から自立する手段もなく、孤立しやがて自身も鬱や精神的に追い詰められていってしまう。 本書で紹介されているヤングケアラー達は、過酷な状況下で苦しみながらも、親身に支えてくれたNPO法人の支援員の方や友人達などの協力でやがてまともな生活を手に入れて家族から自立していく。孤立した子どもを支援するためにはただ相談窓口を開いておけばよいのではなく、積極的に支援する場所とスタッフが重要なのだということが本書を読んでいてよくわかった。 家族というものは単純なものではない。改めて考えさせられる本でした。
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「ヤングケアラー」とは誰か 家族を“気づかう”子どもたちの孤立
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村上靖彦
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