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ケアを管理と競争から解放し、「生きるスペース」を見出すにはどうしたらよいのか。
ある男性研究者が、自らを振り返り自身の「傷つけやすさ」に向き合って書いた、
『ケアとは何か 看護・福祉で大事なこと』(中公新書)の続編のような立ち位置にある1冊。
「私たちは傷つきやすい存在であると同時に、人を傷つける存在でもあり、
ケアをする存在でもあると同時につねにケアを受け取る存在でもある。」
「今までの僕は卓越した支援者から学んだケアを描くことが多かった。本書では僕自身の傷つけやすさ、
そしてケアにおけるネガティブな場面も考慮したうえで、ケアし合う社会と生きやすい空間を考えていきたい。」
「目の前の人がどのような世界構造のなかに置かれているのか理解することは非常に難しい。
僕が自明とする世界の枠組みからその人は排除されているがゆえに、その人に説明してもらうしかない。
説明してもらってもわからないかもしれない。
ところがそもそも説明してもらうこと自体がその人を傷つける。」
●人間は相互に依存し合うと同時に、傷つけあってしまう
●なぜケアは家庭と施設に閉じ込められたのか
●自分の小さな願いごとから始める
<目次>
はじめに 傷つきやすさと傷つけやすさ
序章
第1章 家族ケアに忍び込む暴力
第2章 プロのケアのなかのネガティブな出来事
第3章 ケアを管理から解放する
第4章 孤立と〈かすかなS O S へのアンテナ〉
第5章 生きのびるためのミクロな実践
おわりに 二つの対話、いくつもの対話
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Posted by ブクログ
読んでいると苦しくなる。
普段私が、疑問を感じつつも組織の中で致し方なく選び取らざるを得ない対処法や、意見の押し込めを鋭く指摘されているからだ。違う、本当はそうであるべきでない、そう思いながら、属している組織にいる立場で、それに反することができずに受け入れている私自身を強く意識させられるからだ。
今の状況では自分がやりたいことはできないことを痛感する。出来ることに限界がある。届けたい支援が制限されてしまう宿命がある。
とても突き刺さったフレーズをここにメモしておく。
本当にそうなんだよなあ…
「ケアのなかに管理とヒエラルキー、そして効率化が過度に浸透しているときに、ケアが暴力に転じやすくなる」P120
「余裕のある時間の流れのなかでケアは生まれる」P122
「ゆとりを許す場を確保しない限り人間の生存は難しくなる」P124
Posted by ブクログ
“自分の「能力」に自信がある人は、下駄を履かせてもらって恵まれていたことに気づいていない。親の経済力、教育環境、仲間の協力、家事をしてくれる妻、これらはすべて「能力」を嵩上げする「下駄」だ。僕自身も子どもの教育に投資することが可能な家で育ったから大学まで行けた。自分の仕事に集中できる環境も、僕自身の努力の成果ではない。”(p.24)
“「人様に迷惑をかけてしまう」という意識は、「ケアが不足している」のにSOSが聞き届けられない状態だ。(中略)「迷惑をかける」と思ったときにはケアが不足しているのであり、ケアを受け取る権利がある。”(p.65)
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