【感想・ネタバレ】ケアとは何か 看護・福祉で大事なことのレビュー

あらすじ

やがて訪れる死や衰弱は、誰にも避けられない。自分や親しい人が苦境に立たされたとき、私たちは「独りでは生きていけない」と痛感する。ケアとは、そうした人間の弱さを前提とした上で、生を肯定し、支える営みである。本書は、ケアを受ける人や医療従事者、ソーシャルワーカーへの聞き取りを通じて、より良いケアのあり方を模索。介護や地域活動に通底する「当事者主体の支援」を探り、コロナ後の課題についても論じる。

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Posted by ブクログ

看護をするなかで初心に戻れる本だと思う。
そもそものケアとは何かを問うことが看護職として、看護職である前の人間として必要だと思う。
このまま看護師への道に進んでも良いか迷ったときに、もう一度読みたい。

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2025年01月13日

Posted by ブクログ

ケアラーだけでなく、全ての人に読んで欲しい本。
この本は医療福祉従事者のための専門書ではなく、人と人が共に生きていくために大切なことを考える哲学書だと思う。

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2024年09月15日

Posted by ブクログ

非常に面白く読めた。史実的な行為がクローズアップされるが、それに至るまでのコミニュケーションが大事。意思疎通を図ろうとする努力そのものがケアである。
人が人を相手にする仕事だからこそ様々な形でのコミニュケーションがある。

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2024年02月14日

Posted by ブクログ

 仕事柄、病や逆境と向き合う患者さんと多く接してきた。その接し方で見えてきたことの答え合わせをしたくて手にした本。

 患者さんの中には、悲嘆から抜け出せないでいたり、希望を持てないでいる方も多く、声掛けにも応じず、否定が重なる。まさに人生の歯車が止まっている状態だ。ここに関わる者は、ケアラーとして役に立てず自分が不甲斐なく感じることはないだろうか。

 確かに病や死は避けたくても避けられない。受け入れるしかないものである。しかし、これらの逆境は人との関わりが断たれるだけでなく、その孤独を表明することすらできなくなる辛さを伴う。

 ケアラーとして、良いケアを考える時にヒントとなるのは、逆境の淵にいる人が再び自分らしさを取り戻して動き出すための触媒となることだった。

 本書には、ケアラーの立ち位置や向き合い方について、相手の反応の受け取り方を大切に、自分が考えていたことよりも大変温かく、繊細に表現してくれている。

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2023年12月03日

Posted by ブクログ

ケアといってもいろんなケアの場があり、この本でも医療者による患者への、介護職による利用者へのとか、子どものケアをしている人とか著者の長年の研究をもとにしたケアの場面から見えてくるものが紹介され、ケアに含まれるさまざまな要素が示唆される。
ケアとは何かと説く本をこれまでにも何冊か読んできて、そのたびに感じこの本を読んでも感じたことなんだけど、かなり意気込んで読み始めるんだけど途中でわからなくなっちゃうんだよね。興味ありながらもケアの場にどっぷり身をおいていないので実感が伴わないのか、哲学的な話になっていくと理解できなくなってしまうのか……とにかく残念なことよ。
とはいえ、この本を読みながら思ったのはケアって技というよりは、相手に思いを寄せることなんだということ。解説されれば当たり前のようにうなずけるかかわりなんだけど、実際に誰もができているかというとそうでもない。当たり前のようなことだから考えてするというよりは、アンテナを立てておいて感じたままに相手にかかわるという感じじゃないかと想像する。こういう大切なことが、お金を交えた社会の仕組みや希薄化する人間関係のなかでないがしろにされているとも感じた。
「看護・福祉で大事なこと」という副題らしきものは的を射ていないよね。この本は人と人がかかわり合っていくうえでのケアというものの大切さを説いているのだと思うから。看護・福祉なんて限定してしまうと、対人援助職向けという感じがしてしまう。おそらく著者ではなく編集者が付け加えたもので、一番の読者層と目される対人援助職に訴求はしやすいだろうけど、第二、第三層の読者に広がるのを邪魔してしまっていないかな。

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2023年02月03日

Posted by ブクログ

ケアについて,現象学的アプローチから実践ベースに語られた良著。私はメイヤロフ,ノディングズなどに明るくないが,それでも読み切れてしまう。

〈出会いの場〉〈からだ〉など現象学チックな言葉づかい,概念も多いが,平易な文章のため難なく読めるのではないだろうか。

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2021年10月23日

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自分自身では本年最高の読後感であった。現場の声から本質を捉えていく方法論で紡いでいく本書であるだけに力があるものだと思う。まずケアのゴールからであるが、「当事者が自身の<からだ>の感覚を再発見し、自らの願いを保てる、そのような力の発揮を目指すことこそがケアのゴールだ」で始まり、以下コミュニケーションを取る、小さな願いと落ち着ける場所、ということでACPにも言及。「いるつら」でも有名になった、存在を肯定する、「居る」を支えるケア、死や逆境に向き合う、「言葉にならないこと」を言葉にする、最後にケアの行方、当事者とケアラーのあいだで、ピアについて言及して締める。言葉にならないことを言葉にすることがその人の力になる、それを援助することがケアにつながることを紡いでいる。あらためて人の話をしっかり聞く、話せれない人でも接触を持つ、アナログではあるがあらためて原点に返る力を与えてくれた本であった。

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2021年10月19日

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ケアラーにとって大切なことが明確に書かれた一冊。著者が様々な福祉現場の方の話を聞いた中からできた考察がまとめられている。
ケアラーが日頃から感受性を高めて接することで、例えそれがもう話せない相手あっても、それがコミュニケーションにつながるのだと、最期までコミュニケーションを取ろうとすることを諦めてはいけないと気付かされた。

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2025年09月30日

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教育の現場に当てはめて考えながら読んだ。
「そこにいる存在」がケアの第一歩というのが自分の教育観と重なった。教員として、子どものために何ができるか考え、関わり続ける訳だが、何よりもまずは子どもたちと一緒にその場にいることが重要だと思う。

ケアの現場でも相手のために自分を犠牲にしてまで働くことがあり、その結果精神的に辛い状況になることがあるという。いつのまにかケアをする人がケアをされる側になっているということだ。
これは教育現場でも同じことが言えるだろう。
教員も子どもたちを支えようと一生懸命になりすぎて、自分を見失い、休職したり、退職したりすることがある。
そんな時に、誰しもそういう弱さがある、辛いと感じている、やめたいと思う時がある、そういう話をし合える関係性が現場に必要だと思った。
校内研修で授業をつくるとかどうこう言っている場合ではない。もっとみんなが弱さを自己開示してフラットな関係で話せる場があったらいいなぁ。

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2025年09月28日

Posted by ブクログ

職業的なケアをしたことがなくて、これからケアをしようという人とか,ケアをしたことがない完全に異業種の方向け?の教科書のようで、エピソードの積み重ねのようなところがあって、さらっと読みやすく面白かった。
ひとつだけ、なぜこの事例を入れたのか分からなかったのが、骨髄腫か何かで入院しているのに良くならなくて、看護師もコミュニケーションを取るのが辛くなって病室を訪れて話しかけなくなったころ、自死をしてしまったケースのことかな。
この部分を読んでいて、すごくぞっとしたのは私だけ?。これってもっと真剣に検討されるべきケースな気がした。なんのためにこのエピソードを入れたのだろうか。

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2025年06月01日

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興味深い事例や語りが多い

「私の病気であなたの人生が変化したからには、あるいはあなたの病気で私の人生が変化したからには、共に考えて応答するしかないのだ」p.184

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2025年04月19日

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ちょっとやりすぎかなぁと思っていたことは、ケアだ!と思った。そもそも感じ取れなかったらそこにケアは生まれるのか。本人の言葉を無視しちゃいけない、見立てはありつつもそれはそれだなぁ。ユマニチュードも気になった。動画見たことある。

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2025年03月26日

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看護師などの対人支援職に従事する方へのインタビュー調査等を専門とする著者によるケア概論。対人支援における具体的な場面を題材にケアという営みの重要性や意義がどのように表出されているのかを論じていく。読者は冒頭で示されるコミュニケーションの4類型(①サインを感じ取ること、②アプローチすること、③相手の立場に立つこと、④共に居ること)のそれぞれが困難だからこそ際立つ場面について読み進めていくうちに、そこで重要とされるものや考えるべきことは日常のすべての他者とのコミュニケーションにおいても同様に重要なものであることを考えることになる。

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2024年07月27日

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ACPの小藪さんのポスターの件、星野源さんの入院の件、磯野さんと哲学者の方の対話など、さらなる読書へと誘う一冊。

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2023年01月17日

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研究者である筆者が、対人支援職(看護や福祉職の現場で働く人々)と接し、実際の現場を観察する中で学んだケアに関する本質についてが述べられている。

ケアとは病む人と共にある営みであって、コミュニケーションを絶やさない努力の重要性が本の中で、何度も綴られていた。

人は孤独の中では生きられない。だからこそコミュニケーションを取ろうと声をかけ続けることがその人の存在を支える力になる。

21世紀に生まれて発展してきたピアの文化(同じ立場のフラットな関係の人たちが語り合う場所)も、自分が孤独ではないことを確認する手段の一つであることが記されていた。

また、ケアする立場の人(ケアラー)が注意すべきこととして、当事者へ気持ちを押し付けることなく、同じ目線で考え寄り添うことが挙げられていた。

医療について知識がなくても読みやすく、支援職の方の具体的エピソードもたくさん盛り込まれているので、現場でのケアについて想像しやすかったように思う。

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2022年10月21日

Posted by ブクログ

ケアというよく言われる言葉を掘り下げており、様々なインタビューや文献を元に考察しているので、いろいろなケアの考え方を知るにはいいと思う。

ヤングケアラーや終末医療など、ケアとは何か気になっている人は最初に読むといいと思う。興味を持ったら、本でなければ、映画の「こんな夜更けにバナナかよ」がお勧め。

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2021年11月14日

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ナラティブによる、ケアについて
専門職が仕事の中で語って来たことを民俗学的に集め、ケアとは何か?を専門職の語りから表現して行く。
口語体の部分もあり、はっきりとしておらず、
どうにでも解釈できる。

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2021年09月12日

Posted by ブクログ

ケアとは。ケアするとは。ケアされるとは。
ケアについて様々な角度から考察されています。

赤ちゃんから母親のSOSをキャッチする、のエピソードや、ピアの活動など、「そうだよねぇ」と思わず頷いてしまう場面がいくつも紹介されていました。

ソーシャルワーカーの私にとっては、頭の中で未整理だった経験が整理され、言葉が与えられていく感覚になれる本でした。

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2021年09月11日

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ケアという言葉は仕事でも、プライベートでも、さまざまな場面で用いられるけど、その言葉が持つ意味、期待される行動などを考える機械になった

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2025年10月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この方の講義の動画を見る機会があって、かいつまんでるからか分かりにくいなというのが正直な感想だったけど、ケアラーへの聞き取りを、話し言葉そのまま載せている感じが社会学っぽくて好きと思って本を読んでみた
引用がたくさんあって読んでみたいものが本当にたくさんできた!
私は医療者介護者のこうゆう話し言葉の語りをたくさん読みたいのだなーと思った
講義の印象と文章の印象は淡々としてる感じだったけど後書きは人間味があったな

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2025年07月25日

Posted by ブクログ

ケアとは、声かけ、そこに一緒にいること。暴言やたった一言や、沈黙でも、相手の何らかのサインに対して、声かけをする。その場にいるだけで、ケアが始まっている。

そのことで、ケアされる側は言葉で物語れたり、反応して、生きている実感が得られる。

そんな事を学べました。

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2022年05月05日

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