中公新書作品一覧

  • 沖縄のいきもの 1000を超える固有種が暮らす「南の楽園」
    5.0
    青い空、サンゴ礁の海――豊かな自然が広がる沖縄には、珍しい生き物がいっぱい! 県鳥のノグチゲラはキツツキなのに、なぜ地面をつつくの? 瑠璃色に輝くきれいなゴキブリがいるって本当?なぜ一度海に沈んだ宮古島に、海水が苦手なサワガニやカタツムリがいるの? イリオモテヤマネコはどうやって小さな西表島で生き延びてきたの? 沖縄、宮古、八重山、大東……島々の個性的な生き物たちを魅力たっぷりに紹介。
  • 沖縄の殿様 最後の米沢藩主・上杉茂憲の県令奮闘記
    4.0
    謙信の流れをくみ、鷹山を中興の祖と仰ぐ名門、米沢藩上杉家。最後の藩主・茂憲は明治十四年、琉球処分から日が浅い沖縄に県令として赴く。本島をくまなく巡り、宮古・石垣両島まで及んだ視察で目撃したのは、困窮にあえぐ庶民の姿であった。再三の改革意見は政府から黙殺され、志半ばで解任される茂憲。だが、情熱を傾けた人材育成は後年になって実を結ぶ。今日もなお沖縄で敬愛される上杉茂憲の二年にわたる奮闘の記録。
  • 沖縄の歴史と文化
    4.2
    沖縄は地理的に遠く、日本本土と趣きの異なる歴史と文化をもっているため、歴史を区切る概念も、文化を貫く美意識も、それらを表現する言語も、すべて本土的な尺度では計れない。本書は、単に日本列島の一島嶼群として捉えるのではなく、広く太平洋文化圏の中に位置づけ、日本人および日本文化のルーツの一つともいうべき沖縄の歴史と文化を、諸分野の研究成果を取り入れながら紹介する。沖縄の実相を識るための入門書である。
  • 沖縄問題―リアリズムの視点から
    4.7
    米軍海兵隊の普天間飛行場の移設をめぐる国と沖縄県の対立は根深い。保守と革新の単純化した構図でとらえられることの多い沖縄問題をどう考えればよいのか。本書では琉球処分、沖縄戦から米国統治、そして日本復帰という近代以降の歴史を踏まえ、特に沖縄県の行政に注目し、経済振興と米軍基地問題という二大課題への取り組みを追う。理想と現実のはざまで苦闘しつつも、リアリズムに徹する沖縄の論理を示す。
  • お酒の経済学 日本酒のグローバル化からサワーの躍進まで
    3.6
    日本のお酒をめぐる環境が激変している。日本酒からビール、焼酎と主役が交代しつつ消費は伸びてきたが、1990年代半ばにピークを迎えた。その後はデフレ下で「第3のビール」やサワーが躍進する一方、クラフトビールや純米大吟醸酒も人気を集める。さらに、日本酒やウイスキーは海外から高く評価され、輸出が急増している。日本のお酒が抱える課題と可能性とは。経済学と経営学の最新の研究成果から解き明かす。
  • オスカー・ワイルド 「犯罪者」にして芸術家
    3.7
    『サロメ』『幸福な王子』『ドリアン・グレイの画像』など多くの著作と数々の警句で知られる「世紀末芸術の旗手」オスカー・ワイルド。アイルランドに生まれ、オックスフォード大学在学中から頭角を現した青年期に始まり、同性愛裁判に敗北し、保守的なイギリス社会から追放される晩年まで。「私は人生にこそ精魂をつぎ込んだが、作品には才能しか注がなかった」――どの作品よりも起伏と魅力に富んだ彼の生涯をたどる。
  • オスマン帝国 繁栄と衰亡の600年史
    4.2
    オスマン帝国は1299年頃、イスラム世界の辺境であるアナトリア北西部に誕生した。アジア・アフリカ・ヨーロッパの三大陸に跨がる広大な版図を築いた帝国は、イスラムの盟主として君臨する。その後、多民族・多宗教の共生を実現させ、1922年まで命脈を保った。王朝の黎明から、玉座を巡る王子達の争い、ヨーロッパへの進撃、近代化の苦闘など、滅亡までの600年の軌跡を描き、空前の大帝国の内幕に迫る。
  • 織田信忠―天下人の嫡男
    4.0
    織田信忠は、父信長から才覚を認められ、十九歳の若さで家督を継承した。大軍の指揮を任され、紀伊雑賀攻めに続き、謀叛した松永久秀の討伐に成功。さらには先鋒の大将として信濃・甲斐に攻め入り、宿敵武田氏を滅ぼして信長から称賛される。だが凱旋からほどなく、京都で本能寺の変に遭遇。明智光秀の軍勢に包囲され、衆寡敵せず自害した。実績を積み重ね、将来を嘱望されながらも、悲運に斃れた二十六年の生涯をたどる。
  • 織田信長合戦全録 桶狭間から本能寺まで
    3.6
    家督を継いだ十九の年より本能寺に没するまで、織田信長は四方の敵と戦い続けた。初期には、劣勢を覆した桶狭間の戦いのように少数精鋭の部隊を自ら率いて戦い、後には、浅井・朝倉氏攻めや対本願寺戦のように、羽柴秀吉らの部将を配して多方面にわたる戦線を同時に指揮した。際だった戦巧者ぶりを示す戦略や戦術への考察も併せ行い、天下統一の基礎を作った信長のすべての戦いをたどる。
  • 織田信長の家臣団―派閥と人間関係
    3.4
    織田家中で最古参の重鎮・佐久間信盛は、本願寺攻めでの無為無策を理由に信長から突如追放された。一見理不尽な「リストラ」だが、婚姻や養子縁組による盤石の人脈を築けなかった結果とも言える。本書では、一万を超す大軍勢を任された柴田勝家・羽柴秀吉・滝川一益・明智光秀ら軍団長と、配下の武将たちの関係を、地縁・血縁などから詳細に検証。これまで知られなかった「派閥」の構造に迫り、各軍団の特性を明らかにする。
  • オットー大帝―辺境の戦士から「神聖ローマ帝国」樹立者へ
    3.5
    カール大帝の死後、フランク帝国は3分割される。そのひとつ、東フランク王国の貴族の子として912年に生まれたオットーは、父による東フランク王位獲得の後、936年、国王に即位する。東方異民族による度重なる侵攻、兄弟や息子たちの叛乱、3度のイタリア遠征と、その生涯は戦役の連続だった。カール大帝の伝統を引く皇帝戴冠を受け、のちに神聖ローマ帝国と称される大国の基盤を築いた王者の不屈の生涯を描く。
  • オッペンハイマー 原爆の父はなぜ水爆開発に反対したか
    4.0
    第二次世界大戦中に原子爆弾を誕生させたオッペンハイマー。計画成功でヒーローとなったが、広島・長崎への原爆投下後、「科学者は罪を知った」とくり返し、「私の手は血で汚れている」と震えた。巨大なエネルギーを得た一方、人類を滅亡させうる最大級の矛盾に彼は直面したのである。後に核の国際管理を構想し水爆開発に反対した彼は、赤狩りの渦中で公職から追放される。「原爆の父」と呼ばれた天才物理学者の生涯を追う。
  • 男が介護する 家族のケアの実態と支援の取り組み
    3.3
    かつて女性中心で行われてきた家族の介護。今では男性(夫や息子など)が担い手の3分の1を占めるが、問題は少なくない。孤立し、追い詰められた男性介護者による虐待、心中などの事件は後を絶たない。他方で介護離職を余儀なくされる人もいる。本書は、悲喜こもごものケアの実態、介護する男性が集い、支え合う各地のコミュニティの活動を、豊富なエピソードを交えて紹介。仕事と介護が両立できる社会に向けた提言を行う。
  • オペラの運命 十九世紀を魅了した「一夜の夢」
    4.2
    オペラ――この総合芸術は特定の時代、地域、社会階層、そしてそれらが醸し出す特有の雰囲気ときわめて密接に結びついている。オペラはどのように勃興し、隆盛をきわめ、そして衰退したのか。それを解く鍵は、貴族社会の残照と市民社会の熱気とが奇跡的に融合していた十九世紀の劇場という「場」にある。本書は、あまたの作品と、その上演・受容形態をとりあげながら「オペラ的な場」の興亡をたどる野心的な試みである。
  • 親孝行の日本史 道徳と政治の1400年
    3.0
    孝とは、親を大切にすることで、儒教の基本的徳目だ。律令で孝行者の表彰が定められ、七一四年に最古の例が見られる。以来、孝子は為政者から顕彰され、人々の尊敬を集めた。特に江戸時代は表彰が盛んに行われ、多くの孝子伝が編まれた。明治に入り教育の中心に据えられるが、戦後、軍国主義に結びついたとして否定された。それは常に支配者の押しつけだったか。豊富な資料で「孝」を辿り、日本人の家族観や道徳観に迫る。
  • 親指はなぜ太いのか 直立二足歩行の起原に迫る
    3.8
    一本だけ離れて生えている太くて短い親指、ガラスさえ噛み砕くほど堅い歯。人類の手と口は、他の霊長類に例のない特異なものである。霊長類の調査を長年続けてきた著者は、サルの口と手の形、移動方法は、その主食によって決定されることを解明し、「口と手連合仮説」と名づけた。なぜアイアイの中指は細長いのか、なぜチンパンジーは拳固で歩くのか、そして人類は何を食べ、なぜ立ちあがったのか。スリリングな知の冒険が始まる。
  • オランダ風説書 「鎖国」日本に語られた「世界」
    4.1
    日本人の海外渡航を禁じた江戸幕府にとって、オランダ風説書は最新の世界情勢を知るほぼ唯一の情報源だった。幕府はキリスト教禁令徹底のため、後には迫り来る「西洋近代」に立ち向かうために情報を求め、オランダ人は貿易上の競争相手を蹴落すためにそれに応えた。激動の世界の中で、双方の思惑が交錯し、商館長と通詞が苦闘する。長崎出島を舞台に、「鎖国」の200年間、毎年続けられた世界情報の提供の実態に迫る。
  • 折口信夫 日本の保守主義者
    3.0
    民俗学者、国文学者にして釈迢空の号で知られる歌人、そして小説家でもある折口信夫。多方面にわたる業績は「折口学」と総称されるが、全貌をひととおり眺めるのは容易ではない。本書ではその生涯をたどり、関東大震災、二・二六事件、敗戦から占領へという日本崩壊への危機感がこの稀有な思想家を生み出したことを示す。さらに、折口の思想をナショナリズムとの関係性から読み解き、真の保守主義とは何かを問う。
  • 音楽の聴き方 聴く型と趣味を語る言葉
    4.1
    音楽の聴き方は、誰に言われるまでもなく全く自由だ。しかし、誰かからの影響や何らかの傾向なしに聴くこともまた不可能である。それならば、自分はどんな聴き方をしているのかについて自覚的になってみようというのが、本書の狙いである。聴き方の「型」を知り、自分の感じたことを言葉にしてみるだけで、どれほど世界が広がって見えることか。規則なき規則を考えるためにはどうすればよいかの道筋を示す。
  • 音楽の危機 《第九》が歌えなくなった日
    4.0
    二〇二〇年、世界的なコロナ禍でライブやコンサートが次々と中止になり、「音楽が消える」事態に陥った。集うことすらできない――。交響曲からオペラ、ジャズ、ロックに至るまで、近代市民社会と共に発展してきた文化がかつてない窮地を迎えている。一方で、利便性を極めたストリーミングや録音メディアが「音楽の不在」を覆い隠し、私たちの危機感は麻痺している。文化の終焉か、それとも変化の契機か。音楽のゆくえを探る。
  • 温泉の日本史 記紀の古湯、武将の隠し湯、温泉番付
    3.0
    日本人と温泉の関わりは古く、三古湯と称される道後・有馬・白浜温泉は『日本書紀』にも出てくる。中世には箱根・熱海・草津・別府などの名湯が歴史の表舞台に現れた。武田信玄ら戦国大名が直轄した領国内の温泉地は「隠し湯」として知られる。江戸時代に入ると大名や藩士、幕臣らはこぞって湯治旅を楽しむようになり、旅行案内書や温泉番付が登場。初の秘湯ブームも到来した――。多彩なエピソードでつづる通史。
  • 女たちの幕末京都
    3.0
    開国か攘夷かをめぐり、幕末の政治の中心は江戸から朝廷のひざもと、京都へ移った。歴史は男たちの活躍する格好の大舞台を提供し、のちに多くの書物に取り扱われた。本書は、ともすれば歴史の片隅で取り上げられてきた女性たち、たとえば安政の大獄で逮捕された老女村岡、皇女和宮と協力して徳川家を救った庭田嗣子と土御門藤子、岩倉具視に「手のつけられぬ女」といわれた若江薫子らに光を当て、歴史の面白さを掘りおこす。
  • 女たちの平安後期―紫式部から源平までの200年
    4.0
    平安後期、天皇を超える絶対権力者として上皇が院政をしき、それを支える中級貴族や源氏・平家などの軍事貴族、乳母が権力を持つようになる。そのなかで巨大な権力を得た女院たちが登場、莫大な財産は源平合戦のきっかけを作り、武士の世へと移って行く。紫式部が『源氏物語』で予言し、中宮彰子が行き着いた女院権力とは? 「女人入眼の日本国(政治の決定権は女にある)」とまで言われた平安後期の実像がいま明かされる。 ■目次■ はじめに 平安時代後期二〇〇年の年表 序章 平安後期二〇〇年の女人たちとは   武人貴族と日本中を走り回る人々、そしてその妻たち   乱立する権門――政治・権力の多チャンネル化、忖度とロビー外交の時代   「女人入眼の日本国」――平安後期を生きる女性権力者の新しい道   『百人一首』の女流歌人たちのスポンサーが女院たちだった   紫式部の描いた「女院」の予言――『源氏物語』のもう一つの〈サクセスストーリー〉 第一章 寛仁三年に起こった大事件――〈刀伊の入寇〉   刀伊の襲来   〈刀伊入寇〉と「暴れん坊」藤原隆家   〈刀伊の入寇〉についての太政官会議   刀伊の攻撃を防いだ者は   〈刀伊の入寇〉と『源氏物語』と現地の女性たち 第二章 彰子が宮廷のトップに立つまで   『源氏物語』のころの彰子   一条天皇亡き後の彰子   彰子、道長を任命する   望月の歌と三人の后   そして彰子がトップに立つ   上東門院をめぐるある事件    第三章 道長の孫、禎子内親王が摂関政治を終わらせた   三条天皇皇女、禎子内親王   姉たちとの格差   道長の野望と新たな計画   禎子内親王の結婚と摂関家   藤原頼通とその妻、隆姫女王の動向――具平親王の子供たち   藤原嫄子、入内する   具平親王家を継いだ人   禎子内親王の自立と藤原能信   藤原頼通と斎王と伊勢神宮   斎王良子をいじめたのは誰だ   我慢する禎子の切り札とは   禎子、勝利の時    第四章 貴族と武者と女房と――〈斎王密通事件〉と武士   斎王を襲った武者   平致光と平致頼   九州の海の武者と平致光   武人貴族が社会のスキマを埋めていく   「朝家の守護」、源頼光と渡辺綱の関係   清原致信殺害事件とその立ち位置   歌人としての武者と女房たち――相模の立ち位置   そして、斎王を襲った男ふたたび    第五章 躍動する『新猿楽記』の女たち   『新猿楽記』に見える芸人たち   「あるある下級貴族」の日常コント   どんどん個性的になる女性たち   たくましい女性たちが語るもの    第六章 院政期の中心には女院がいた   「行き当たりばったり」白河天皇と母と妃と皇子たち   未婚女院第一号、郁芳門院――白河天皇の暴走①   未婚の高位内親王――白河院の暴走②   閑院流の姫、待賢門院と白河院――白河院の暴走③   藤原親子と六条藤家――「天皇の乳母」の力①   藤原光子と「夜の関白」――「天皇の乳母」の力②   鳥羽院と「九尾の狐」にされた傍流藤原氏の美福門院   女院の熊野詣    第七章 源平の合戦前夜を仕切った女性たち   奥州合戦と安倍氏と藤原経清の妻   〈保元・平治の乱〉と女性たち   源義家から平忠盛へ   祇園女御という謎   平滋子と平時子――「平氏」から「平家」を生み出した女性たち   フィクサー藤原成親と女性たち    第八章 多様化する女院と皇后、そして斎王たち   女院が歴史に埋もれたのはなぜか   二条天皇と育ての親、美福門院   二代の后になった若き太皇太后多子   六条天皇准母藤原育子、外戚のいない天皇の母として   悲劇の女院、建礼門院徳子、そして斎宮・斎院をめぐる変化    第九章 究極のお嬢様――八条院暲子内親王と源平合戦   いきなり女院の八条院   八条院の財産と武力   八条院と源平合戦   女院と結びつく清和源氏   「女人入眼の日本国」の裏で   もう一度八条院に戻って見えてくること   八条院たちが残した華麗な文化   八条院領の終わり 第十章 それから――鎌倉時代以後の女性の力   『百人一首』の語る平安時代の折り返し点   消された定子皇后   女性は家長になれない時代   しかし女性家長はいた   それでも女院には力があった   斎宮は物語の中へ おわりに あとがき 主要参考文献 付録 歴史を描いた女たち(『栄花物語』一口紹介)
  • 女の旅―幕末維新から明治期の11人
    3.4
    江戸期以前、女性が一人で旅することは難しかった。身の危険、歩きという制約、何より、男に付き従う姿こそ美徳とされたからだろう。だが、明治維新による文明開化以降、女性たちの旅は少しずつ広まっていく。本書は、日記、手記、聞き書きなどの記録から、全国漂泊、京都への出奔、遊説、米国留学、富士山越冬、蒙古行などの足取りを再現。男尊女卑の風潮が強いなか、時代に立ち向かった女性たちの人生を描く。
  • 陰陽師(おんみょうじ) 安倍晴明と蘆屋道満
    4.0
    古くから説話や伝説に彩られてきた陰陽師。近年では小説や映画にも登場し、呪術により凄まじい力を発揮する。世界を滅ぼしかねない超人として描かれることも少なくない。では実在の陰陽師たちはいかなる活動に従事していたのか。安倍晴明らが絶大な名声を博したのはなぜか。藤原道長ら同時代の王朝貴族が残した日記を手がかりに、知られざる実像に迫る。さらには、陰陽師を必要とした平安時代の人々の心性をも明らかにする。
  • 怨霊とは何か 菅原道真・平将門・崇徳院
    3.4
    電子版は本文中の写真を多数カラー写真に差し替えて掲載。 怨霊とは死後に落ち着くところのない霊魂である。古来、日本では怨霊が憑依することによって、個人的な祟りにとどまらず、疫病や天変地異など社会に甚大な被害がもたらされると信じられてきた。三大怨霊と称される菅原道真、平将門、崇徳院は死後、いかに人々を恐怖に陥れたのか。そして、どのように鎮魂がなされたのか。霊魂の存在から説き起こし、怨霊の誕生とその終焉、さらに近代の霊魂文化まで概観する。
  • OLたちの〈レジスタンス〉 サラリーマンとOLのパワーゲーム
    3.7
    先進諸国の中で職場の女性の地位が日本ほど低い国はないと指摘されている。しかし、男性が女性一般職に対し奇妙に遠慮がちなのに対し、女性が男性をからかったり仕事の優先順位を勝手につけるなどして抵抗しうるのはなぜか。弱者の立場を逆手にとって男性の競争を傍観者として楽しむ戦略は伝統的性別役割の再生産につながるのではないか。ゴシップ、バレンタインデー等細部を通し武器としてのジェンダーとその落とし穴を考える。
  • ОDA(政府開発援助) 日本に何ができるか
    3.5
    ODA(政府開発援助)は、日本の対外援助の主力として、一九九三年以降世界最大規模の支出額を誇ったが、国民の不信と批判にさらされ、大幅な削減を余儀なくされている。一方、欧米諸国は同時多発テロ以降、貧困をなくす手段としてむしろODAを重視する傾向にある。開発途上国側の課題が多様化したいま、ODAはどうあるべきか。現状と課題を平易に解説しながら、日本が国際社会のなかで果たすべき役割を考察する。
  • オールコックの江戸 初代英国公使が見た幕末日本
    4.3
    19世紀半ば、江戸―ロンドン間の文書のやりとりに蒸気船で半年近く要した時代、一人の外交官が担う責任は、今日とは比較にならないほど大きかった。 そんな時代、日英関係の仕事は、初代駐日公使ラザフォード・オールコックの手に完全に託されていたといってよい。 本書は、1859年から1862年まで、日本の外交にとって決定的に重要だった3年間の彼の思考と行動を、在外史料を駆使していきいきと描いた幕末物語である。
  • 海外で研究者になる 就活と仕事事情
    3.9
    日本人の研究リーダーたちが世界の大学で活躍している。どうすれば海外で研究者になれるのか。応募書類の書き方から、面接の実際、待遇交渉まで、イギリスの大学に就職した著者が詳説。昇進は自己申告制、会議は家庭の用事で欠席可能、公費でティータイム、意外と親身な学生指導など、異文化での研究生活をリアルに描写。各国で活躍する研究者17人へのインタビューも収録。研究職だけでなく、海外で働こうとする日本人必読。
  • 会議の技法 チームワークがひらく発想の新次元
    3.8
    私たちの忙しさの一因は会議の多さにある。多いばかりか、費やす時間も増えている。「会議社会」に生きる現代人にとって、会議の意味と役割は重くなる一方である。しかし、効率的・効果的な会議のもち方を知らないために、膨大な経済的・社会的ムダが生じているのが現状だろう。本書は、企業の戦略会議から地域交流まで、あらゆる場面で役に立つ斬新なアイディアをちりばめながら、チームパワーを最大限に引き出す会議の方法を伝授する。
  • 会社人間、社会に生きる
    4.0
    資生堂創業家に生をうけ、新入社員の時から現場を経験した著者は、社長に就任後、大胆な経営改革、情報開示等、時代を先取りする経営を推進し、また社員の意識改革に積極的に取り組んできた。企業の枠を超えた、意欲的な文化活動への関わりでも知られる。会社の中での個人の働きがい、生きがいを探求し、また社会の中での企業の役割と位置づけを追求する姿勢はどのように育まれたのか。思索と行動の跡とその背景を辿る。
  • 回想 黒澤明
    -
    世界的に有名な映画監督クロサワを父に持つことは、並大抵の苦労ではない。仕事上のトラブルや社会への憤懣から父の怒りに火がつけば、家族はたちまち嵐に巻き込まれる。ところが、ひとたび旨いものが食卓に上るや、上機嫌のニコニコ顔に――。父の愛に育まれ、映画界へ飛び込み、晩年の父に寄り添い続けた娘だから書ける、素顔の黒澤明。「信頼する」「反抗する」「想像する」など、黒澤明の哲学が、肉声とともに伝わる24話。
  • 海賊の世界史 古代ギリシアから大航海時代、現代ソマリアまで
    4.0
    古代ギリシアのヘロドトスは海賊たちを英雄とみなし、ローマのキケロは「人類の敵」と罵倒した。スペインとオスマン帝国が激突したレパントの海戦の主役は海賊であり、大英帝国を裏面から支えたのもカリブ海に跋扈するバッカニア海賊だった。19世紀、欧米の覇権主義で海賊は滅びたが、現代のソマリア海賊として甦る。キリスト教とイスラームの対立、力と正義の相克など、多様な視座で読み解く、もう一つの世界史。
  • 〈快楽消費〉する社会 消費者が求めているものはなにか
    3.3
    人はなぜモノを買うのだろうか? さまざまな商品があふれる現在では、必要最低限の商品を仕方なく買うのではなく、買いたい商品を自分の欲求にしたがって選ぶほうが多い。 しかし、消費者は移り気で、どんなモノをなぜ買うか、一貫した法則はないように見える。 本書は、「快楽」という視点から「デパ地下」「自分にご褒美」など多様な消費者行動に見られる共通原理を明らかにする。 人とモノとの新しい関係とは。 目次 1章 消費者の行動をさぐる 2章 快楽消費のロジック 3章 日本における快楽消費の歴史—高度経済成長期以降 4章 今どきの快楽消費—全体的な傾向は? 5章 今どきの快楽消費—個別トピックス篇 6章 明日へとつづく快楽消費
  • カエル 水辺の隣人
    4.0
    「最近カエルの声を聞かないね」という声を耳にするようになって久しい。この、間の抜けて愛嬌のある身近な生きものについては、よく知っているようで知らないことが多い。そこでまず、カエルの属する両生類の祖先から話を始め、日本に生息するカエルのすべてを紹介し、さらに世界中の変わったカエルを取り上げる。また、薄い皮膚を持つ、か弱いカエルが環境変化の犠牲となりつつある現状への警鐘をならす。
  • 科学技術の現代史 システム、リスク、イノベーション
    4.2
    第2次世界大戦後、科学技術の力は増大する。その原動力は豊富な資金を持つ国家、特に米国だった。インターネットが生まれ、遺伝子操作が可能になり、原子力や人工衛星の利用が広がる。一方でリスクは巨大化・複雑化した。21世紀に入り、AIやバイオテクノロジーが驚異的な展開を見せ、中国や民間企業による〝暴走〟が懸念されるなか、世界は今後どうなっていくのか――。科学技術の〝進化〟の歴史と未来への展望を描く。
  • 科学史人物事典 150のエピソードが語る天才たち
    4.0
    「ガリレオによるピサの斜塔の実験は創作だった」「ニュートンは偽金造り犯の摘発に心血を注いだ」「ダーウィンの生活費はウェッジウッドが面倒をみた」「馬頭星雲を発見したのはメードの女性だった」「ワトソンは1ページの論文でノーベル賞を取った」……十六世紀のコペルニクスから現代の先端科学まで、160人以上の科学者を選び、業績だけでなく、当時の世相や科学者たちの素顔も紹介。読んで楽しい人物事典。
  • 科学史年表 増補版
    4.0
    科学の歴史を辿ると、偉大な発見は、地道な観察・研究だけでなく、偶然の結果から生まれたものも多い。そこには、自然の原理を解明しようと情熱を傾けた「科学者」たちの創意工夫と試行錯誤があった。「近代科学」が生まれた十七世紀から、宇宙や生命の神秘に自然科学が迫る現代まで、物理・天文・化学を軸に、四百年の歩みを年表形式で読み解く科学史ガイド。二〇一〇年までを新たに増補した最新版。
  • 科学捜査の事件簿 証拠物件が語る犯罪の真相
    -
    探偵は一個の厳密な科学である、とはコナン・ドイルの言葉である。わずかな痕跡も見逃さずに事件の真相に迫ろうとする科学捜査は、その時々の難問を解決しながら発展してきた。本書は、捜査の画期的な発展を促した歴史的に有名な犯罪を取り上げ、指紋、筆跡、毒物、白骨、木片、銃痕などの古典的な証拠物件の鑑定から、最新のDNA鑑定、そして昨今のテロ事件に使われたサリン、炭疽菌の分析と同定までを紹介する。
  • 科挙 中国の試験地獄
    4.2
    かつて中国では、官吏登用のことを選挙といい、その試験科目による選挙を「科挙」と呼んだ。官吏登用を夢みて、全国各地から秀才たちが続々と大試験場に集まってきた。浪人を続けている老人も少なくない。なかには、七十余万字にもおよぶ四書五経の注釈を筆写したカンニング襦袢をひそかに着こんだ者もいる。完備しきった制度の裏の悲しみと喜びを描きながら、試験地獄を生み出す社会の本質を、科挙制度研究の権威が解き明かす。
  • 革新自治体 熱狂と挫折に何を学ぶか
    4.3
    一九六〇~七〇年代に蜷川虎三、美濃部亮吉、黒田了一、飛鳥田一雄など個性的な首長を各地で擁し、脚光を浴びた革新自治体。だが、現在では、「巨額の財政赤字をもたらした」というレッテルのみで語られがちだ。本書は、革新自治体の台頭の背景から政治的取り組みまでを詳述し、その功罪も描く。国政とも深く関係して躍進し、そして消えていった地方の左翼政権は何を残したのか。現在の国政や地方自治を再考する試み。
  • 核と日本人 ヒロシマ・ゴジラ・フクシマ
    4.0
    唯一の戦争被爆国である日本。戦後、米国の「核の傘」の下にありながら、一貫して「軍事利用」には批判的だ。だが原子力発電を始めとする「平和利用」についてはイデオロギーと関わりなく広範な支持を得てきた。東日本大震災後もなお支持は強い。それはなぜか――。本書は、報道、世論、知識人、さらにはマンガ、映画などのポピュラー文化に注目、戦後日本人の核エネルギーへの嫌悪と歓迎に揺れる複雑な意識と、その軌跡を追う。
  • 影の銀行 もう一つの戦後日本金融史
    4.0
    「影の銀行」は金融当局の規制や監視を受けない運用機関のことで、伝統的な銀行と手を組んで収益を拡大した。高度成長期の日本では、銀行は貸出先に事欠かなかったが、70年代以降は不動産融資や有価証券投資で利益の増大を図った。そこに登場したのが影の銀行だ。銀行の別働隊であるノンバンクやヘッジファンドが生まれ、いまや世界経済を揺るがすに至った。戦後日本金融史をふまえ、知られざる影の銀行の全貌を明かす。
  • 化石に眠るDNA 絶滅動物は復活するか
    5.0
    1巻1,100円 (税込)
    DNAには不思議な魅力がある。大ヒット映画『ジュラシック・パーク』では、琥珀の中に遺されたDNAから、恐竜を現代に蘇らせた。それは絵空事とは言い切れない。マンモスなど絶滅動物の復活をめざす取り組みは今なお続けられている。古代DNAの研究を進展させた新技術はどのようなものか。生命を操作することに重大なリスクはないのか――。科学者たちが織りなしたドラマとともに、起伏に富んだ研究史をたどる。
  • 華族 近代日本貴族の虚像と実像
    3.6
    明治維新後、旧公卿・大名、維新功労者などから選ばれた華族。「皇室の藩屏」として、貴族院議員選出など多くの特権を享受した彼らは、近代日本の政治、経済、生活様式をリードした「恵まれた」階級のはずだった。日清・日露戦争後、膨大な軍人や財界人を組み込み拡大を続けたが、多様な出自ゆえ基盤は脆く、敗戦とともに消滅する。本書は、七八年間に一〇一一家存在したその実像を明らかにする。巻末に詳細な「華族一覧」付き。
  • かたき討ち 復讐の作法
    3.8
    みずから腹を割き、遺書で相手に切腹を迫る「さし腹」。仇敵の死刑執行人を願い出る「太刀取」。女たちの討入り「うわなり打」。男色の愛と絆の証「衆道敵討」……。著者は豊富な史料に基づいて、忘れられた多彩な復習の習俗を照らし出す。近世の人々はどのように怨みを晴らし、幕府は復讐の情をいかに管理し手なずけようとしたか。うつろう武士道、演劇化する「かたき討ち」。日本の復讐の歴史がよみがえる。
  • 勝海舟と幕末外交 イギリス・ロシアの脅威に抗して
    3.7
    幕末、日本近海ではイギリスとロシアが激突していた。クリミア戦争ではカムチャツカ半島も戦場になり、アロー戦争では清国と英仏の講和に介入したロシアが広大な領土を清国から得た。「日本の味方はどの国か」を巡って幕府内では親英・親米・親露の各派が対立。そして、ついにロシアは日本に触手を伸ばし、対馬を占領、軍事基地を築きはじめる。植民地化の危機が迫るなか、独自の知見と人脈を持つ勝海舟が動く。
  • 桂太郎 外に帝国主義、内に立憲主義
    3.4
    日本最長の八年に及ぶ首相在任期間を誇った桂太郎。三度の政権下、日露戦争、韓国併合と、外には帝国主義政策を断行、内には伊藤博文らの次世代として、最後には政党結成に動く。山県有朋の“傀儡”と、低く評価されてきた桂だが、軍人出身ながら、軍の予算を抑制、国家全体の利益を最優先し、緊縮財政を追求し続ける。時代の制約の中、「ニコポン」と呼ばれた調整型政治家が求めたものは何か――。その全貌を描く。
  • カナダ―資源・ハイテク・移民が拓く未来の「準超大国」
    4.0
    留学・移住先として日本での人気は高いが、実情は知られていないカナダ。 食糧やエネルギー豊かな資源大国、ノーベル賞学者を育んだAIや量子技術の開発国、地球温暖化対策の先進国、そして移民立国など多様な側面を持つ国の光と影を紹介。 「アメリカの51番目の州」との揶揄もあるが、自由・民主主義・人権重視をわが国と共有する外交パートナーとして存在感を高めている。 未来の「準超大国」の可能性と課題とは? はじめに――知られざる未来の「準超大国」の実力 序 章 カナダ――50年余の歩み 第一章 資源大国の実力―食料からエネルギー︑鉱物まで 1自給率230%を誇る世界の食料庫  2エネルギー――国家存続の核心 3重要鉱物―温暖化と地政学の交差点 コラム① 恐竜と石炭と古生物と 第二章 知られざるハイテク先進国―AIから量子まで 1AI国家戦略 2量子を制する者が世界を制す 3最先端技術をビジネスへ コラム② シルク・ドゥ・ソレイユ 第三章 移民立国の理想と現実 1移民国家カナダの誕生と発展 2現在の移民制度の概要   3「過剰な移民」という世論をめぐって コラム③ 柔道とカナダ 第四章 地球温暖化対策への挑戦と苦悩 1トルドー政権の取り組み 2グリーン・エコノミー最前線 3地球温暖化対策をめぐる国内の難題 コラム④ ジョニ・ミッチェルの音楽的冒険と予言 第五章 ミドルパワー外交の地平 1カナダ外交を読み解く3つの視点 2南の巨象・アメリカ合衆国 3インド太平洋戦略 コラム⑤ メープル・シロップ 終章 日加関係の「新しい時代」へ
  • 貨幣が語る ローマ帝国史 権力と図像の千年
    4.2
    古代ローマでは、発掘されただけでも数万種類にのぼる貨幣が存在した。貨幣は一般に権力の象徴とされ政府や中央銀行などが造幣権を独占する。だが、ローマでは政界に登場したばかりの若手や地方の有力者も発行していた。神話の神々、カエサルや皇帝たちの肖像、ヤギや北斗七星など描かれた図像も多岐にわたるが、彼らは貨幣を用いて何をアピールしようとしたのか。図像と銘文から読み解く、新しい古代ローマ史入門。
  • 神々の体系 ──深層文化の試掘
    3.5
    大和朝廷の支配を基礎づけた古事記と日本書紀は歴史の実相とどう対応していたのか―歴史と価値のかかわりを深層文化論の立場から追究する著者は、奈良時代前期の背景をなす公の価値体系をになう基本文献として記紀をとらえ、共通の制作主体として藤原不比等に着目しつつ、両書の神々を体系づけて、天皇家の権威が新興の藤原家の実権掌握の手段として利用されたにすぎないとの見方を論証する。
  • カラスはどれほど賢いか 都市鳥の適応能力
    3.5
    電子版は本文中の写真を多数カラー写真に差し替えて掲載。 都市の発展により多くの野生鳥が姿を消したが、一方では環境に適応することによって、積極的に都市に進出する鳥群が観察される。 その頂点に君臨するのがカラス軍団であり、いま都市にあってはカラスとヒトの知恵比べが、熾烈に進行中なのである。 本書は都市鳥研究会にあって長年、野鳥を観察研究してきた著者が、その成果を克明に報告するとともに、カラスに対する人間の愛憎半ばする感情をさまざまな文献に探る、カラス百科である。 ■□■目次■□■ 序章 野鳥にとって都市とは何か 第1章 銀座のカラスはカァーと鳴く 第2章 ヒートアイランドの夜 第3章 カラスを追跡する 第4章 都会派カラスの子育て法 第5章 街中のスカベンジャー 第6章 カラスの知恵袋 第7章 カラスの遊戯 第8章 カラスと人の交友 第9章 カラスと人の知恵比べ 第10章 カラスの博物学
  • カラダの知恵 細胞たちのコミュニケーション
    5.0
    電子版は本文中の写真を多数カラー写真に差し替えて掲載。 ケガや病原菌からカラダを守り、他者の表情から瞬時に感情を読みとるヒトの細胞。 傷ついた患部に白血球はどう集まり、血小板は固まるのか。 他者への共感をもたらすミラーニューロンはどんなものか。 細胞たちのコミュニケーションには、人間社会にまさるとも劣らない大胆で精緻な仕組みが隠されている。 本書は体内で行われる37兆個に及ぶ細胞たちの情報伝達をわかりやすく解説。 人間のカラダに潜む知恵と不思議に迫る一冊。 ■□■目次■□■ 序章 細胞たちのコトバ―カラダの反応を支えるシグナル I 身体的コトバ 第1章 白血球をあやつるコトバ―惹かれて引かれる 第2章 重要なコトバのアラカルト―サイトカインと活性酸素とエネルギーと 第3章 細胞たちの指さし確認―安全確認システム 第4章 コトバの組み合わせ―自分と他人を区別する/色と形を知る II 心的コトバ 第5章 あなたの痛みがわかる―共感と模倣と創造と 第6章 暗示というコトバ―プラセボの効果 第7章 直覚のすすめ―ビビッ! とくる
  • カラー版 アフリカを行く
    3.7
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 アフリカといえば、広大なサバンナをさまざまな動物たちが闊歩する動物王国との印象が強い。だがアフリカの魅力はそれだけにとどまらない。雄大な滝、厳しい砂漠、近代的なビルが林立する都市など、その表情は驚くほど多様であり、またそこに生きる動物や人々もまた多様である。アフリカに魅せられ、三〇年にわたって撮り続けている写真家とともに、アフリカの「いま」を訪ねる。
  • カラー版 アマゾンの森と川を行く
    -
    1巻1,320円 (税込)
    人類に残された最後の秘境・アマゾン。カヌーに乗って幾日も川をさかのぼると、現代文明と隔絶した世界が広がる。ワニやアナコンダが日光浴し、チョウが舞う岸辺。一歩森に入れば、最大の肉食獣ジャガー、毒ヘビや大蛇、原因不明の風土病にも警戒しなければならない。危険なこの地に魅せられた著者は、三十年来、取材を続けてきた。アンデスから熱帯雨林まで、多様なアマゾンの植物、動物、人々を紹介。
  • カラー版 遺跡が語るアジア
    3.3
    アジアは遺跡の宝庫だ。 そこに立つと何かが見えてくる。 謎のインダス都市、新発掘の274体の仏像で注目されるアンコール、土砂の下から出てきたシルクロードの仏教壁画、そして植民地支配の痕跡……。 それらはことごとく盗難や破壊の危機にさらされている。 長い時間をかけて撮りつづけてきたフィルムのなかから18ケ所の遺産・遺跡を選び出し、カラー写真とエッセイで紹介する。 ■□■目次■□■ 第1章 眠りから覚めたインダス文明都市遺跡:インド・ドーラヴィーラ 第2章 大地が聖堂だった:トルコ・カッパドキア 第3章 かつてヒッピーを惹きつけた町:ネパール・カトマンズ 第4章 最古の仏教壁画:インド・アジャンタ 第5章 絶滅収容所アウシュヴィッツ:ポーランド・オシフィエンチム 第6章 アンコール遺跡群:カンボジア 第7章 不毛の地に残る千仏洞:中国・キジル 第8章 天への階段イフガオ:フィリピン・ルソン島 第9章 旧朝鮮総督府:韓国・ソウル 第10章 ワット・プー(山の寺):ラオス 第11章 千年の都イスタンブル:トルコ 第12章 砂漠の宮殿ペルセポリス:イラン 第13章 人類初めて鉄を手にした人たちの都ハットゥシャ:トルコ 第14章 東西文化融合遺跡タキシラ:パキスタン・ガンダーラ 第15章 文明の十字路サマルカンド:ウズベキスタン 第16章 ブッダガヤ:インド 第17章 エローラ石窟:インド 第18章 メソポタミアの悲劇:イラク
  • カラー版イタリア・ロマネスクへの旅
    3.5
    華やかなルネサンスの舞台として語られることの多いイタリアは、豊饒なロマネスクの地でもある。白い大理石に包まれたピサやルッカ、黄金のモザイクが輝くムラーノ、ローマ帝国と中世のバシリカが重層するミラノなど、どの都市もロマネスク芸術と共に生き、その歴史を重ねてきた。イタリアの各地方に残る、二四の個性豊かなロマネスク教会を巡る。
  • カラー版 インカ帝国―大街道を行く
    -
    1巻1,320円 (税込)
    インカ帝国は、北はコロンビア、南はチリ、アルゼンチンにまでまたがる広大な領土に、総延長三万キロにおよぶカパック・ニャンと称される王道を張りめぐらした。海岸地方に広がる砂漠、険しい岩や雪の山稜や断崖、鬱蒼とした森林帯、荒涼たる原野などを大道が貫き、都市や神殿などを結んでいた。自らの足でアンデス全域を歩いた写真家が、遺跡や大自然などを含む数々の未公開写真とともに知られざる大帝国の世界に迫る。
  • カラー版 イースター島を行く―モアイの謎と未踏の聖地
    4.6
    南太平洋に浮かぶ孤島イースター島。そこには千体ものモアイ像が眠っている。かつては緑溢れる豊かな島だったが、「モアイ倒し戦争」や西洋人の来航によって、一万人以上いた島民は約百人にまで激減、文明は失われてしまった。しかし、いまではモアイが再建され、文化復興の動きもめざましい。本書は島内に立つすべてのモアイ像を紹介し、文明滅亡の謎に迫る。さらに島民にも知られていない、隠された聖地へ読者を誘う。
  • カラー版 絵の教室
    4.2
    たとえば、天使がラッパを吹きながら空を舞う名画は、技術の蓄積だけでは描けなかった。目には見えないその姿を描く画家は、人体のデッサンに習熟し、想像力に助けられて、絵画という世界を構築していったのだろう。この本ではクールベやゴッホなどのたくらみや情熱の跡を辿り、美の宇宙の源泉へ旅してみたい。描く技術、鑑賞する感性を会得するには、近道も終着点もないが、創造の歴史には「絵の真実」が現われてくる。
  • カラー版 絵画で読む『失われた時を求めて』
    3.7
    二〇世紀を代表する作家・プルースト(一八七一~一九二二)。その生涯をかけて執筆した『失われた時を求めて』は著名だが、長大さや難解さから挫折する人も多い。本書は絵画を手がかりにそのエッセンスを紹介。彼が作品で描いた恋愛、同性愛、死、ユダヤ人、スノビズム、時間、芸術論などの主題をわかりやすく案内する。この大作の個人全訳を成し遂げた、プルースト研究の第一人者による最良の入門書。図版六九点収載。
  • カラー版 極限に生きる植物
    3.0
    富士山をはじめとする日本の高山には、厳しい自然のなかで可憐に花ひらく植物たちが生きている。また、アンデスやヒマラヤ、南米の砂漠、北極圏や南極大陸などの過酷な環境にも、個性的な植物が数多く存在する。百年も長生きする草、高さ百メートルを超える巨木、多機能な葉を持つ植物など、地球の長い歴史のなかで厳しい環境に適応して生きつづけてきた植物のふしぎな生態に迫る。
  • カラー版 ギリシャを巡る
    3.0
    ギリシャの美しさは他に類を見ない。美しい浜辺や海岸線に縁どられた紺碧の海。岩がちな、あるいは緑鮮やかな、変化に富む地形。ヨーロッパ文明発祥の地として、文化史上でも輝かしいかの地には、世界遺産に登録された地域や建造物も多い。本土の観光ポイントに加え、エーゲ海とイオニア海に浮かぶ有人の島すべてを、美しい写真で紹介する。
  • カラー版 クモの世界―糸をあやつる8本脚の狩人
    4.0
    1巻1,100円 (税込)
    日本には1700種類のクモがいる。もともとは地中に生活していたが、網を張って待ち伏せするクモに進化し、さらにあちこち歩き回って獲物を捕らえるクモが生まれた。花の蜜を吸うクモ、投げ縄を放つクモ、花嫁をぐるぐる巻きに縛ったり催眠術をかけたりして交尾に及ぶクモ、我が子に自分の体を与えるクモなど、特徴ある生き方をするものも多い。その種類から生態、人との関わりまで全てを紹介。カラー写真370点収録。
  • カラー版 ゴッホ〈自画像〉紀行
    4.0
    三七歳で自ら命を絶ったヴィンセント・ヴァン・ゴッホ。彼の画家人生は、わずか一〇年あまりにすぎない。その短い歳月に、四〇点を超える自画像を遺した。なぜゴッホはこれほど多くの自画像を描き、そしてそこに何を見いだしたのか――。ゴッホ研究の第一人者が、その求道的な生涯とともに、自画像を一点ずつたどっていく。丹念な作品の読解によって浮かび上がる、新しいゴッホの世界。自画像全点カラー収録。
  • カラー版 最後の辺境―極北の森林、アフリカの氷河
    3.0
    地図上の空白地帯が失われてしまった現在も、文明の侵食を許さない隔絶された土地は存在する。ヒマラヤの高山氷河、アマゾン源流の大瀑布、アフリカ最奥部の密林地帯――人の手が地球上の隅々にまで及ぼうとするなか、厳しくも美しいこれら辺境こそ、豊かな自然の最後の砦だと言えよう。日本を代表する自然写真家が半世紀にわたって追い求めてきた最後の辺境を、見る者の心を強く揺さぶる写真で紹介する。
  • カラー版 小惑星探査機はやぶさ 「玉手箱」は開かれた
    4.5
    地球の引力圏を離れて宇宙を航行し、他の天体に着陸してサンプルを採取し、地球に帰ってくる-人類初の偉業を成し遂げた「はやぶさ」は、どんな発想で生まれたのか。そして打ち上げから、イトカワへの着陸、空前絶後の救出、満身創痍の帰還、サンプル確認まで、「生きているのが不思議」とまで言われたミッションはどのように行われたのか。誕生から帰還まで、プロジェクトを先導した著者が「はやぶさ」への思いを語る。
  • カラー版 新大陸が生んだ食物―トウモロコシ・ジャガイモ・トウガラシ
    3.3
    カレーや肉じゃがなど、日々の献立に欠かせないジャガイモ、季節を感じさせるトウモロコシやカボチャ、激辛のトウガラシや魅惑のチョコレート……。これらはすべて中南米を原産とし、15世紀末以降、世界中に広まった新しい食物である。その「ふるさと」を訪ねると、味も形も色もユニークでバラエティーに富む原産種が栽培され、加工や調理にも工夫が凝らされていた。多彩な食物と人間の関係をカラー写真と文章でたどる。
  • カラー版 スイス-花の旅
    2.0
    旅人の心をとらえて離さない壮麗な山並み、そこかしこに咲きこぼれる色鮮やかな花々――。山の国スイスは、美しい花の国でもある。自然への配慮を尽くして敷かれた登山鉄道と5万キロに及ぶハイキング・コースは、美しい自然をすべての旅人にと願う、この国の人々からの贈り物なのだ。すがすがしいスイスの風があふれ出すフォト・ガイド・ブック。
  • カラー版 スキマの植物図鑑
    4.3
    街を歩けば、アスファルトの割れ目、電柱の根元、ブロック塀の穴、石垣など、あちこちのスキマから芽生え、花開いている植物が見つかる。 一見、窮屈で居心地の悪い場所に思えるが、こうしたスキマはじつは植物たちの「楽園」なのだ。 タンポポやスミレなど春の花から、クロマツやナンテンなど冬の木まで、都会のスキマで見つけられる代表的な植物110種をカラーで紹介。 季節の植物図鑑として、通勤通学や散策のお供に。
  • カラー版 スキマの植物の世界
    3.8
    スキマには植物が満ちている。 駅のホームのはじっこ、ビルの窓枠、車道の割れ目……。 「なんでこんなところに?」と思うような場所にも旺盛に成長している。 じつは植物たちにとってスキマは窮屈な住みかなどではなく、のびのびと暮らせる「楽園」なのだ。 タンポポやミズヒキなど身近な植物から、ケヤキやポプラなど意外な植物、さらに里山や海辺、高山植物まで、百種類以上のスキマ植物をカラーで紹介。散歩のお供にぜひ。
  • カラー版 スペイン・ロマネスクへの旅
    -
    イベリア半島では、レコンキスタの進展に伴い次々と教会や修道院が建てられた。中世最大の巡礼地サンティヤゴをめざす街道が作られたことも、ヨーロッパ各地の職人や様式の粋が流れ込むのを後押しした。西ゴート、アストゥリアス、モサラベといった魅力的なプレロマネスクの影響も受けながら、11~12世紀、半島独自のロマネスク芸術が花開いていく。複雑で陰影に富んだスペイン・ロマネスクの美を余すところなく紹介する。
  • カラー版 世界の四大花園を行く―砂漠が生み出す奇跡
    4.5
    荒涼とした砂漠に、突如、大花園が出現する。雨季とともに花開き、まもなく消えてしまう幻の花景色だ。南北600キロも花街道がつづく南アフリカ、クリスマスリースのような花束が咲くオーストラリア、世界でもっとも乾燥した大地がピンクの花で敷き詰められるチリ、瑠璃色の花が砂丘を埋めつくすペルー。これらすべての花園を訪ねて地球を何周も巡った写真家が、多種多様な花、そこに生きる人々や動物の姿をカラーで紹介。
  • カラー版 ダ・ヴィンチ絵画の謎
    4.0
    誰もが知っている「モナリザ」。しかし、よくよく見てみればさまざまな謎に満ちている。モデルはだれか、なぜ微笑を湛えているのか。左右の背景はなぜつながっていないのか、そもそもなぜこんなに荒涼とした風景なのか……。鏡文字で書かれたダ・ヴィンチの手稿を研究し、彼の抱く世界観を知悉する著者が、「モナリザ」や「受胎告知」等、現存する主要な絵に秘められた謎について、ダヴィンチ自身のものの見方考え方に立って、俗説を退け、解読を試みる。
  • カラー版 地中海都市周遊
    4.0
    散策が楽しい路地の迷宮、居心地のよいカフェ。地上の楽園を再現したパティオ、人びとの情熱を今に伝えるモスクやカテドラル。地中海都市は共通する魅力を持つ。キリスト教文化とイスラムが出会うこの地では、古来、双方が交わり、歴史に醸造された懐の深い文化が花開いた。イタリア、スペイン、モロッコ、シリアの美しい町々へ、この地を愛してやまない二人が誘う。
  • カラー版 東海道新幹線歴史散歩 車窓から愉しむ歴史の宝庫
    4.5
    新幹線の窓からなにが見えるだろうか。縄文時代の貝塚から昭和の歴史遺産まで、見どころ満載なのが東海道新幹線だ。田子ノ浦や老蘇の森に古代の貴族たちが詠んだ風景を想像し、清州城や関ヶ原の古戦場に戦国大名の栄枯盛衰をたどる。明治の先取の気質を豊田佐吉の生家や井上勝の墓に感じ、熱海城や八ツ山橋にゴジラの悲哀を思う。車窓に拡がる歴史的スポット百カ所以上を全線地図とカラー写真を付して詳述。乗り越し注意。
  • カラー版 東京鉄道遺産100選
    5.0
    開業以来150年、東京の鉄道はつねに町づくりとともにあった。江戸以来の水道を横切るための煉瓦アーチ橋。多摩川の砂利で作ったコンクリート高架。壮麗な旧万世橋駅や浅草駅。そしてあちこちに延伸された軍用鉄道と戦争の痕跡……。東京駅舎のように誰もが知っている文化財から、絶滅寸前の吊り掛け電車や駅の木製ベンチ、構内踏切のような意外なものまで、首都に残る貴重な100の歴史的遺産を精選して紹介する。
  • カラー版 トレッキングinヒマラヤ
    4.0
    「定年記念にヒマラヤのトレッキングに行こうよ」。妻のひとことがきっかけで、かつてヒマラヤ登山を夢みた夫婦はネパールへと向かう。数々の名峰を眺めながら歩む「エベレスト街道」をはじめ、アンナプルナやダウラギリを望む峠や谷など、特色あるトレッキング・コースを旅する。そこでは、花々の群落やチベット仏教との出あい、ヒマラヤ山中の人たちとの交流が待っていた。
  • カラー版 ドリアン 果物の王
    3.3
    クリームのような甘く濃厚な味といい馥郁たる香りといい、ドリアンこそ果物の王である。しかし、「鼻が曲がるほど臭い」「ビールと一緒に食べると死ぬ」等々、これほど誤解されている果物も珍しい。ドリアンの虜になった植物学者が、その魅力や種類を紹介。さらに、選び方から、羊羹やかき氷などドリアンの様々な食べ方、日本での育て方まで伝授するドリアン三昧の書。ドリアンついでに植物学のイロハも解説する。
  • カラー版 日本画の歴史 近代篇 狩野派の崩壊から院展・官展の隆盛まで
    4.0
    開国後、大和絵、狩野派、浮世絵など日本伝統の絵画は、西洋絵画と出遭い、「日本画」と称すようになった。フェノロサに評価された日本画は、岡倉天心、橋本雅邦らが新設の東京美術学校で確立。のちには日本美術院の横山大観や菱田春草らが技法を追究し進展させる。本書は、幕末の横浜浮世絵や南画から、国家主導で堂々たる作品が制作された明治期、そして、今村紫紅に代表されるのびやかな画風の大正期を描く。
  • カラー版 日本画の歴史 近代篇・現代篇 合本 狩野派の崩壊から21世紀の新潮流まで
    -
    開国後、大和絵、狩野派、浮世絵など日本伝統の絵画は、西洋絵画と出遭い、「日本画」と称すようになった。フェノロサに評価された日本画は、岡倉天心、橋本雅邦らが新設の東京美術学校で確立。のちには日本美術院の横山大観や菱田春草らが技法を追究し進展させる。本書は、幕末の横浜浮世絵や南画から、国家主導で堂々たる作品が制作された明治期、そして、今村紫紅に代表されるのびやかな画風の大正期を描く。(近代篇) 昭和十年代、前衛美術集団の離合集散が続いた。だが、新しい絵画の胎動は戦時体制に飲み込まれ、富士山や軍人など国威昂揚を意図した絵画が制作されるようになる。戦後は国粋主義への批判から「日本画滅亡論」が唱えられ、新しい道の模索を余儀なくされた。本書は、前衛として戦前に注目された吉岡堅二らから、戦時中、そして復興に寄り添って人気を博した東山魁夷や平山郁夫の活躍、さらに、平成以降の新潮流までを描く。(現代篇)
  • カラー版 日本画の歴史 現代篇 アヴァンギャルド、戦争画から21世紀の新潮流まで
    4.0
    昭和十年代、前衛美術集団の離合集散が続いた。だが、新しい絵画の胎動は戦時体制に飲み込まれ、富士山や軍人など国威昂揚を意図した絵画が制作されるようになる。戦後は国粋主義への批判から「日本画滅亡論」が唱えられ、新しい道の模索を余儀なくされた。本書は、前衛として戦前に注目された吉岡堅二らから、戦時中、そして復興に寄り添って人気を博した東山魁夷や平山郁夫の活躍、さらに、平成以降の新潮流までを描く。
  • カラー版 廃線紀行―もうひとつの鉄道旅
    4.0
    「絶景廃線」と呼びたくなる路線がある。瀬戸大橋の見える下津井電鉄、景勝地・耶馬渓の真ん中を走る大分交通耶馬渓線などだ。他方で、ありふれた景色の中を通っているが、歩いてみると何とも楽しい路線も少なくない。鉄道をこよなく愛する著者が五年をかけて全国の廃線跡を踏破。往時の威容に思いを馳せつつ、現在の姿を活写する。北は道東の国鉄根北線から南は鹿児島交通南薩線まで、精選五〇路線を紹介する廃線案内。
  • カラー版 パタゴニアを行く-世界でもっとも美しい大地
    4.0
    パタゴニアは、南米大陸の南緯40度以南、アンデス山脈が南氷洋に沈むホーン岬までを含む広大な地だ。豊かな森と輝く湖水が美しい北部、天を突き破らんばかりの奇峰がそびえ、蒼き氷河に彩られる南部、そして一年中強風が吹き荒れる地の果てフエゴ島…。変化に富む自然に魅せられて移住した写真家が、鋭鋒パイネやフィッツロイ、バルデス半島のクジラ、四季の花や味覚、そして人々の素朴な暮らしを余すところなく紹介する。
  • カラー版 美術の愉しみ方 「好きを見つける」から「判る判らない」まで
    3.3
    絵に殉じたゴッホの筆遣い、色彩を見極めたセザンヌの眼、人間の生命を彫像にしたロダンの手。優れた絵画・彫刻は、作家の感性と知性が結晶した永遠の芸術である。東西の名品を堪能できる現場が美術館や展覧会だ。本書は、関心を開く・好きを見つける・読む・比べる・敷居をまたぐ・参加する・判るという7つの視点から、読者を現場にいざなう。80点のカラー図版とともに、美術体験の感動に迫り、愉しみ方を伝授する。
  • カラー版 ふしぎな県境 歩ける、またげる、愉しめる
    3.8
    地図を詳しく見ていくと、日本各地に複雑怪奇な県境が存在する。ショッピングセンターの売り場を分断している、一つの村が丸ごと他県に囲まれている、盲腸県境が幅1メートル×長さ8キロにわたって細長く続く、実際の県境からだいぶ離れたところに「県境」バス停がある……。こんな県境が、なぜ生まれたのか? 実際に行ってみると何があるのか? 地元の人は不便ではないのか? 県境マニアが全国13ヵ所の県境を検証。
  • カラー版 フランス・ロマネスクへの旅
    5.0
    十一~十二世紀にヨーロッパ各地で一斉に開花したロマネスク芸術。その神秘的な美は、千年を経た今も人々を魅了してやまない。本書ではフランスの八地方に残る二十四の教会を選び出し、その建築をとりまく歴史や、細部に秘められた物語をたどる。個性的な各教会の建築、壁画、柱頭彫刻など、それぞれに異なる見どころも紹介。鑑賞に役立つ用語解説を付す。
  • カラー版 マチュピチュ-天空の聖殿
    3.4
    インカ帝国が未来にのこした世界遺産マチュピチュ。太陽、虹、霧、風に包まれた永遠の聖殿は、いまなお謎とともに眠る。人々は断崖上の都市でどのように暮らし、何に向かって祈っていたのだろうか。初代皇帝の誕生神話、18~19世紀の古文書や最古の地図と秘められた歴史、1911年のビンガムの発見、そしてビルカバンバの山や谷、神秘の東方圏まで、マチュピチュを中心としたインカの全貌がここにある。
  • カラー版 虫や鳥が見ている世界―紫外線写真が明かす生存戦略
    3.7
    1巻1,100円 (税込)
    人間の目は、赤・青・緑の3色しか見えない。だが、虫や鳥は紫外線をも見ることができる。では虫や鳥には、世界はいったいどう見えているのか? 著者は紫外線カメラを自作し、動物や植物を撮影。そこには驚きの世界が広がっていた――。モンシロチョウは雌雄で翅の色が違い、ウツボカズラの捕虫嚢は紫外線を反射して虫を誘い、ハシブトガラスは紫外色の模様の違いで個体を識別していた。人には見えない生存戦略を探る。
  • カラー版 目からウロコの自然観察
    3.7
    ヒバリはなぜ天高く舞いながらさえずるのだろうか? アカメガシワの新芽はどうして赤いのか? 百日紅はその名の通り100日咲きつづけるのか? ヒガンバナは本当にお彼岸に咲くのか? 秋にたくさんいたスズメたちは冬にどこに行ってしまうのか? 見慣れた動植物を詳しく観察してみると、意外な発見に満ちている。ツユクサやオシロイバナのような草花からチョウやツバメ、カエルまで四季の生き物の素顔をカラーで紹介。
  • カラー版 ラファエロ―ルネサンスの天才芸術家
    4.0
    ラファエロ(1483~1520)は、イタリア・ルネサンスの巨人である。37年の短い生涯にもかかわらず、聖母子画やローマ教皇らを描いた肖像画などの傑作を残した。本書は、その歩みと作品をたどって、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロら芸術家たちとの交流や、古代ローマへ向けた関心などを読み解く。そして、後世に巨大な影響をもたらした彼の知られざる多面的な実像を明らかにする。
  • 河合栄治郎 戦闘的自由主義者の真実
    4.0
    人格の成長を第一と考える理想主義を提唱し、昭和期の学生必読書『学生に与う』を著した思想家・河合栄治郎。彼の生涯は闘いの連続であった。中学校でのいじめにはじまり、保身に走る官僚、派閥抗争に明け暮れる大学教授、そしてファシズムに傾斜していく軍部に対し、彼は「戦闘的自由主義者」として、自らの信念を貫き通した。新発見の史料によって生涯・思想・後世への影響を詳説。いま明かされる真実の河合栄治郎とは。
  • 河内源氏 頼朝を生んだ武士本流
    4.0
    十二世紀末、源頼朝は初の本格的武士政権である鎌倉幕府を樹立する。彼を出した河内源氏の名は武士の本流として後世まで崇敬を集めるが、祖・頼信から頼朝に至る一族の歴史は、京の政変、辺境の叛乱、兄弟間の嫡流争いなどで浮沈を繰り返す苛酷なものだった。頼義、義家、義親、為義、義朝と代を重ねた源氏嫡流は、いかにして栄光を手にし、あるいは敗れて雌伏の時を過ごしたのか。七代二百年の、彼らの実像に迫る。
  • 考えることの科学 推論の認知心理学への招待
    4.1
    日常生活での思考は推論の連続といえる。その多くは論理形式に従うより、文脈情報に応じた知識を使ったり、心の中のモデルを操作してなされる。現実世界はまた、不確定要素に満ちているので、可能性の高さを直観的に判断して行動を決めている。推論はさらに、その人の信念や感情、他者にも影響される。推論の認知心理学は、これら人間の知的能力の長所と短所とをみつめ直すことによって、それを改善するためのヒントを与えてくれる。
  • 宦官 改版 側近政治の構造
    3.5
    中国の歴史において宦官のはたした役割は実に大きい。清朝の歴史家は、各王朝ともその衰亡の原因が宦官にあったことを指摘する。過去四千年にわたる専制君主と表裏一体をなして生きながらえた宦官の研究は、単なる好奇心を越えて、中国史の重要な課題の一つである。宦官とはなにかから説きおこして、宦官のもっとも活躍した漢・唐・明代を中心に、それぞれの、時代を背景にした特色を指摘する。毎日出版文化賞受賞。
  • 関係人口の時代 「観光以上、定住未満」で地域とつながる
    4.5
    人口減少が進むなか、政府は地方創生の切り札として、今後、関係人口一千万人の創出を目標に掲げた。関係人口とは、「観光以上、定住未満」で地域とつながる人々を指す。地域間で人材をシェアする考え方が根底にある。関係人口の増加で都市と地方はどのように変わり、個人のライフスタイルにどんな影響があるのか。関係人口研究の第一人者が、全国の事例をもとに、現状と具体的な課題、実践に向けたヒントを示す。
  • 韓国愛憎 激変する隣国と私の30年
    4.0
    ここ30年間で韓国は大きく変わった。独裁から民主国家へ、発展途上国から先進国へと。20世紀に日本が「弟」と蔑んだ韓国は過去のものだ。他方、元慰安婦を始め歴史認識問題が顕在化、日韓の対立は熾烈さを増す。21世紀に入り、政治、経済から韓流、嫌韓まで常に意識する存在だ。本書は、1980年代末、途上国だった隣国に関心を抱き、韓国研究の第一人者となった著者が自らの体験から描く、日韓関係の変貌と軋轢の30年史である。
  • 韓国現代史 大統領たちの栄光と蹉跌
    4.2
    一九四八年、日本の植民地から米国の占領を経て、建国した大韓民国。六〇年の間に、独裁国家から民主国家、途上国から先進国へと大きく変貌した。本書は、歴代大統領の「眼」と「体験」を通し、激変した韓国を描くものである。「建国の父」李承晩、軍事クーデタで政権を奪った朴正煕、民主化に大きな役割を果たした金泳三、金大中、そして「ポスト民主化」時代の盧武鉉、李明博。大統領たちの証言で織りなす現代史の意欲作。
  • 韓国済州島 日韓をむすぶ東シナ海の要石
    3.0
    朝鮮半島本土から南へ90キロ沖の東シナ海にあり、古代は耽羅と称した済州島だったが、地理的位置から日韓中三国が密接に絡み合う元寇や倭寇の基地となり、李朝時代は政治犯の流刑地、植民地時代は日本への労働供給地として、島の自主性は奪われていた。解放後も本土との軋轢から、その歴史は平坦ではなかったが、恵まれた自然と温暖な気候を活かした園芸、観光産業によって、韓国一豊かな島に変貌した。離島ゆえの宿命をたどる。

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