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米軍海兵隊の普天間飛行場の移設をめぐる国と沖縄県の対立は根深い。保守と革新の単純化した構図でとらえられることの多い沖縄問題をどう考えればよいのか。本書では琉球処分、沖縄戦から米国統治、そして日本復帰という近代以降の歴史を踏まえ、特に沖縄県の行政に注目し、経済振興と米軍基地問題という二大課題への取り組みを追う。理想と現実のはざまで苦闘しつつも、リアリズムに徹する沖縄の論理を示す。
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Posted by ブクログ
理想論でも現状肯定でもなく。 理想と現実のジレンマ、ジレンマでもない行政のリアルも記述。 理想とイデオロギーによることも捨てたくないけれど、今できることを進める姿勢ってやっぱり大切とくに行政マンにとっては。 沖縄の問題は長い。いや沖縄問題でなく日本問題。 最後の辺野古埋め立て承認に至るプロセスの章も...続きを読むリアルで良かった。あくまで考えるは法に適合しているかどうか。知事の「自然体で」という指示が印象的。いや全部を肯定するわけではないけれど。 リアルにいま何ができるか、って視点は大事。
沖縄県庁で実務に携わった当事者が筆を取り、極力イデオロギーを介入させずに沖縄の現在及びこれに至るまでの歴史を解説している。沖縄政策に携わる人間にとり必読の書。
匿名
「沖縄問題」として多くの人が想起するであろう基地の問題だけでなく、沖縄・琉球の経済振興についても多くのページが割かれている。第2章では特に経済の観点からみた琉球王国〜日本復帰までの簡単な歴史も記されている。沖縄の基地の問題は時に「大和」による「うちなー」の抑圧という文脈で語られ、そのために妥協点の見...続きを読むつからないアイデンティティポリティクスの様相を呈するが、著者は沖縄県庁で働いていた経験からより「クールな」視点からこの問題を論じようと努めている。琉球処分や沖縄戦、島ぐるみ闘争、アメリカ世、95年の米兵による少女暴行事件など沖縄史のキーワードも出てくるのでそういった言葉を拾って他の本に進んだりしても良いだろうと思う。
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高良倉吉
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