長﨑励朗の作品一覧
「長﨑励朗」の「大大阪という神話 東京への対抗とローカリティの喪失」「上田哲の歌声」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「長﨑励朗」の「大大阪という神話 東京への対抗とローカリティの喪失」「上田哲の歌声」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
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Posted by ブクログ
人と同じになりたい、人は同じでなければならない。これを「均質化の欲望」と言う。このことを考えるうえで、本書は大阪の文化を取り上げる。大阪の文化は一般的に他の地方とは違うと**、その特殊性が注目される。しかし、果たしてそうか。ガメツイ商人の町として知られ**、吉本の漫才を中心に笑いのエンターテイメントが溢れ、一般の大阪人の会話自体が漫才のようだなどとイメージされる。しかし**、一見特殊性が強調される大阪の文化は、特殊性と「均質化の欲望」のジレンマに陥り、古い時代の大阪の文化とは別物になっていった。それが今の、全国的にイメージされている大阪なのだと著者は**言う。
例えば、吉本の漫才は**、大阪ローカルとは異質な東京を中心とした全国への波及を目指し、均質化の要素を当初からはらんでいた。大阪特有のしゃべくり漫才の嚆矢となる「エンタツ・アチャコ」は背広姿で、言葉も「キミ」「ボク」と呼び合い、代表的なネタも「早慶戦」という大学野球をパロディ化するものであった。着物姿で音曲も入る大阪独特のスタイルであった音曲漫才がモダンなしゃべくり漫才へと変容したのは、特殊な土着の大阪人のものであった萬歳が、他の地域から大阪に入り込んできた庶民やサラリーマン層を対象としたものに変わっていったからである**。大阪の東京への対抗意識は吉本の東京進出を促し、そしてそれがますます「均質化」へと大阪の文化を変容させていった。
社会学者である著者はその他にも、ラジオ放送開局時の大阪放送局が**「東京に先駆けて」と言う意識を持ちながらやがて均質化へと変わっていく様相(ことばの均質化)や、職業野球や宝塚歌劇を取り上げて、国民文化の形成の様子を描いていく。「文化」とは個人や集団の特殊性を強調するものである以上、国民文化という概念は他国との比較という意味合いでは有意味であっても、自国内では普遍性を帯び**なければ成立せず、無意味なものとなってしまう。
「文化的である」とは何か。これを思考することが本書の主題である。
Posted by ブクログ
なんかすごい残念な本という印象。
そもそも、「大大阪」って何。
どうやら大正15年にそういう宣言を大阪がやったらしい。震災で凹んだ東京を越えるのは大阪なのだと。そんな感じ?
ところが結局、東京を越えるという発想そのものが、大阪の均質化を産んで、東京に次ぐ第二都市だというところに甘んじることになった。
そんな話だろうか。
そもそも、著者の言う、大阪が主張する独自性って、何。
均質か、大衆化が進んだのは時代だと思うんだが、大阪以外ではどうだったのか。
第一の都市という、東京ではどうだったのか。
その時期に新しい「大衆」が生まれてそれが今に至る所謂大阪らしさになってるらしいのだが、なぜ大阪だけなのか。
放送、吉本、宝塚をキーワードに大阪は実は大衆化、均質化を進めたのだという主張と思うが、それって大阪が枕になってるだけで、しかも大大阪宣言みたいなの、ほぼ最初に出てくるだけ。
後書きで、著者がこの発想に至る過程を語ってくれてて、なるほどと思う部分と、だったらテーマを変えて一冊にした方が良かったんじゃないかという感想。
天王寺公園の辺、地元民やないと、イメージわかんと思う。
しかもここに書いてる前、旅芸人とかが公園で練習してる姿とか知らん世代でしょ。
露天カラオケなんかずっと後よ。
Posted by ブクログ
社会学者によるポピュラー音楽論。
ポピュラー音楽といっても、ロック(英米と日本)が中心で、わたしがリアルタイムで聴いてきたようなものが多数トピックにあがっている。
著者は、83年の生まれなので、60〜70年代の音楽は、リアルタイムには聴いてないはずだが、音楽の捉え方にそんなに違和感はない。なんとなく、感じていたことを整理してくれるような感じかな?
なんで、そんなこと知っているの?という驚きもある。
社会学者なので、単なる音楽の解説でおわらず、背景として、当時の時代背景、社会階級の状況などを読み込んで分析していく。そのあたりが、もっともらしいというか、やや面倒臭い感じではあるが、なるほどと納得させられるところもある。
音楽それ自体ではなくて、それをどう語るかという観点での文章だが、雑誌Rockin' Onについての論考が、一番面白かったかな?わたしはその雑誌は、70年代の終わりに1〜2年読んだくらいなので、その一部しかわからないのだが、雑誌のもつなんとなくの雰囲気はわかるし、創刊時や、80年代初めくらいの同誌の編集方針の変更については知らないことも多く、面白かった。
で、著者のメッセージは、言葉をかえていうと、「音楽というものはこういうものだ」という考えは、しばしば実体のない社会的構築なわけで、その辺をわかったうえに、いろいろな音楽を楽しんでみたら?みたいなことかな?
ここは共感するものの、それにしては取り扱っている音楽のジャンルがやや狭い気もする。(でも、結構、オタクネタまで取り扱ってくれるので、本としては、これでよかったのかな?)
巻末の音楽関係のマップがなかなか面白い。