村井則夫の作品一覧
「村井則夫」の「存在と思惟 中世哲学論集」「偶像の黄昏」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「村井則夫」の「存在と思惟 中世哲学論集」「偶像の黄昏」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
ドイツに頽廃をもたらした様々なものを、"生"を否定するキリスト教的価値観をキリスト教を貧者の宗教であり頽廃をもたらすものであると看破しながら、疾走感と痛快さをもって手当たり次第に切り捨て、破壊していく。"生"の否定がどこからもたらされていたかと考えていたかがはっきりと示されたニーチェの思想の到達点である。
中でも印象に残ったのが、『反時代的人間の渉猟』で指摘している無政府主義者の行動である。社会の底辺階層を代弁して「『正義』、『公平』『平等の権利』を要求」し、「私が下層民であるなら、お前もそうあるべきだ」という理論を掲げ、そして「自分の困窮ぶりを他人
Posted by ブクログ
2部構成。第1部でニーチェの文体について論じ、第2部で『ツァラトゥストラ』を読解する。
岩波文庫版の『ツァラトゥストラ』には訳注が無かったが、本書はその役割を十二分に果たしてくれた。
以下は本書無しには読み取れなかった数々の「謎」の一部。
・古代ギリシアの風刺文学のスタイル「メニッペア」を模した表現技法
・綱渡り師と道化師のエピソードが暗示する意味
・ツァラトゥストラが説く駱駝⇒獅子⇒幼子の「三様の変化」と、ヘーゲルの弁証法との違い
・全篇をとおして現れる聖書のパロディ
・自分が見た悪夢にそれらしい解釈を与える弟子を、ツァラトゥストラが一度は歓迎しながら最後は首をふって否定した理由
・「重力
Posted by ブクログ
数あるニーチェの本の中でも村井則夫氏(明星大学准教授)の本を手に取ったのは新書にしては深い洞察と新しい発見が多い中公新書から出版されていたことと、帯にかかれた「血をもって書かれたものだけを私は信じる」というニーチェ自身の言葉の強烈さに圧倒されたからという理由が大きいように感じられます。
過去に自分がやったテレビゲームに、「ゼノギアス」や「ゼノサーガ」といったRPGがありました。制作者である高橋哲也氏が盛り込んでいたニーチェの思想が、テレビゲームという媒体を通じて断片的に知るだけでしたが、発狂する前にニーチェがたどり着いていた「永劫回帰」の発現のプロセスを追うことができたのもこの本から得るこ