作品一覧

  • 中世哲学の射程
    5.0
    1巻2,475円 (税込)
    古代末期から中世、15世紀ルネサンス迄。理性、自己、創造論、言語と超越、知性と神秘など哲学史の基本問題を網羅する待望の論集。
  • 存在と思惟 中世哲学論集
    値引きあり
    5.0
    本書の著者クラウス・リーゼンフーバー神父(1938-2022年)は、フランクフルトに生まれ、1958年にカトリックの修道会であるイエズス会に入会したのち、1967年に来日して長年にわたり上智大学で教鞭を執りました。ドイツ哲学に深い造詣をもつばかりか、西田幾多郎をはじめとする日本の哲学思想に通じていた著者は、西洋中世の哲学・神学について研究し、あるいは教育するとともに、一般向けの講座を精力的に行って多くの日本人に親われました。 しかし、専門論文が多いこともあってか、一般向けの著作はほとんどなかったと言わざるをえません。古代から現代に至る西洋哲学全体に対する該博な知識と透徹した理解に基づいた知恵の結晶を多くのかたに触れていただく機会になることを願って、ここに学術文庫オリジナルの精選論文集をお届けします。 以下の目次にあるように、本書で中心的に選ばれたのは、著者にとって重要な研究対象であるトマス・アクィナス(1225頃-74年)をめぐる論考です。「言語」、「存在」、「神」という哲学にとっても神学にとっても最重要の概念を正面から取り上げ、トマスの論を精緻にたどるだけでなく、独自の読みを加えることで、そこに潜む可能性を最大限に引き出す――「思惟」というものの醍醐味がふんだんにつまった論考群は、読むたびに発見に満ちた宝と言えるでしょう。 惜しまれながら2022年に逝去したリーゼンフーバー神父の偉大な遺産を本書を通して知っていただけることを心から願っています。 [本書の内容] 中世思想における至福の概念 トマス・アクィナスにおける言葉 トマス・アクィナスにおける存在理解の展開 存在と思惟――存在理解の展開の可能性を探って トマス・アクィナスにおける神認識の構造 神の全能と人間の自由――オッカム理解の試み 解 説(山本芳久)
  • 真理のメタファーとしての光/コペルニクス的転回と宇宙における人間の位置づけ
    -
    1巻1,584円 (税込)
    〈概念〉による論理認識以前の領域に遡行し、人間の生と思考の実相に迫るメタファー学の実践。20世紀ドイツ哲学の巨匠による2編。
  • 偶像の黄昏
    4.5
    ニーチェの最後の著作が流麗で明晰な新訳でよみがえる。近代の偶像を破壊しながら、その思考を決算したニーチェ哲学の究極的な到達であると同時に自身によるニーチェ入門でもある名著。
  • 喜ばしき知恵
    5.0
    1巻1,320円 (税込)
    ニーチェの最も美しく、最も重要な著書が冷徹にして流麗な日本語によってよみがえる。「神は死んだ」と宣言しつつ永遠回帰の思想をはじめてあきらかにしたニーチェ哲学の中核をなす大いなる肯定の書。
  • ニーチェ―ツァラトゥストラの謎
    4.1
    1巻1,056円 (税込)
    ある日「永劫回帰」の思想がニーチェを襲う。この着想をもとに一気呵成に書き上げられた『ツァラトゥストラはこう語った』は、二〇世紀の文学者・哲学者の多くを惹きつけ、現代思想に大きな影響を与えた。文学の伝統的手法を駆使しつつも、ときにそれを逆手にとり、文体の実験までも行うニーチェ。一見、用意周到な筋立てや人物造形とは無縁と思われるこの物語は何を目論んでいるのか。稀代の奇書に迫る。

ユーザーレビュー

  • 存在と思惟 中世哲学論集

    Posted by ブクログ

     この論文を読むためにだけこの本を買わなければならないというものがある。リーゼンフーバー氏の『中世における知と超越』所収のトマス・アクィナスの存在論をめぐる論文、『命題コレクション哲学』所収の神認識論はそのようなものに数えられるであろう。それらはのちに著者の大著『中世哲学の源流』に収録されることとなり、日本における中世哲学研究の結晶として今なお輝きを放つものである。相次いで刊行された『中世哲学の射程』と本書『存在と思惟』はその主著『中世哲学の源流』のハイライトともいうべきものである。本書『存在と思惟』に先んじて刊行された村井則夫編『中世哲学の射程』は中世文化を闡明し、中世哲学研究の前庭を読者に

    0
    2025年12月08日
  • 中世哲学の射程

    Posted by ブクログ

     本書はリーゼンフーバー氏の待望の一巻選集である。著者であるクラウス・リーゼンフーバー氏は日本における西洋中世哲学研究を牽引し続けた碩学である。その氏の仕事は『中世における自由と超越』『中世哲学の源流』『中世における理性と霊性』『近代哲学の根本問題』など数多くの大著にまとめられており、どれもA5版ないし菊版にして700頁を超える大作である。氏の研究の道程で発表された論考をまとめたそれらの大著は、体系的な構成によって書き記されたのとは違った知の結晶を思わせる著作群である。一見周縁的な主題に思われる論考でさえ、著者の論考を読み進める読者はその認識を改めなければならないと思わされる、そういった知的喜

    0
    2025年12月08日
  • 偶像の黄昏

    Posted by ブクログ

     ドイツに頽廃をもたらした様々なものを、"生"を否定するキリスト教的価値観をキリスト教を貧者の宗教であり頽廃をもたらすものであると看破しながら、疾走感と痛快さをもって手当たり次第に切り捨て、破壊していく。"生"の否定がどこからもたらされていたかと考えていたかがはっきりと示されたニーチェの思想の到達点である。
     中でも印象に残ったのが、『反時代的人間の渉猟』で指摘している無政府主義者の行動である。社会の底辺階層を代弁して「『正義』、『公平』『平等の権利』を要求」し、「私が下層民であるなら、お前もそうあるべきだ」という理論を掲げ、そして「自分の困窮ぶりを他人

    0
    2019年05月26日
  • ニーチェ―ツァラトゥストラの謎

    Posted by ブクログ

    2部構成。第1部でニーチェの文体について論じ、第2部で『ツァラトゥストラ』を読解する。
    岩波文庫版の『ツァラトゥストラ』には訳注が無かったが、本書はその役割を十二分に果たしてくれた。
    以下は本書無しには読み取れなかった数々の「謎」の一部。

    ・古代ギリシアの風刺文学のスタイル「メニッペア」を模した表現技法
    ・綱渡り師と道化師のエピソードが暗示する意味
    ・ツァラトゥストラが説く駱駝⇒獅子⇒幼子の「三様の変化」と、ヘーゲルの弁証法との違い
    ・全篇をとおして現れる聖書のパロディ
    ・自分が見た悪夢にそれらしい解釈を与える弟子を、ツァラトゥストラが一度は歓迎しながら最後は首をふって否定した理由
    ・「重力

    0
    2014年05月05日
  • 喜ばしき知恵

    Posted by ブクログ

    注釈など、研究に使うにはちくま学術文庫の方が良いが、普通に読むのであれば、こちらが読みやすいのでオススメ

    0
    2013年10月21日

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