村井則夫の作品一覧
「村井則夫」の「偶像の黄昏」「真理のメタファーとしての光/コペルニクス的転回と宇宙における人間の位置づけ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
この論文を読むためにだけこの本を買わなければならないというものがある。リーゼンフーバー氏の『中世における知と超越』所収のトマス・アクィナスの存在論をめぐる論文、『命題コレクション哲学』所収の神認識論はそのようなものに数えられるであろう。それらはのちに著者の大著『中世哲学の源流』に収録されることとなり、日本における中世哲学研究の結晶として今なお輝きを放つものである。相次いで刊行された『中世哲学の射程』と本書『存在と思惟』はその主著『中世哲学の源流』のハイライトともいうべきものである。本書『存在と思惟』に先んじて刊行された村井則夫編『中世哲学の射程』は中世文化を闡明し、中世哲学研究の前庭を読者に
Posted by ブクログ
本書はリーゼンフーバー氏の待望の一巻選集である。著者であるクラウス・リーゼンフーバー氏は日本における西洋中世哲学研究を牽引し続けた碩学である。その氏の仕事は『中世における自由と超越』『中世哲学の源流』『中世における理性と霊性』『近代哲学の根本問題』など数多くの大著にまとめられており、どれもA5版ないし菊版にして700頁を超える大作である。氏の研究の道程で発表された論考をまとめたそれらの大著は、体系的な構成によって書き記されたのとは違った知の結晶を思わせる著作群である。一見周縁的な主題に思われる論考でさえ、著者の論考を読み進める読者はその認識を改めなければならないと思わされる、そういった知的喜
Posted by ブクログ
ドイツに頽廃をもたらした様々なものを、"生"を否定するキリスト教的価値観をキリスト教を貧者の宗教であり頽廃をもたらすものであると看破しながら、疾走感と痛快さをもって手当たり次第に切り捨て、破壊していく。"生"の否定がどこからもたらされていたかと考えていたかがはっきりと示されたニーチェの思想の到達点である。
中でも印象に残ったのが、『反時代的人間の渉猟』で指摘している無政府主義者の行動である。社会の底辺階層を代弁して「『正義』、『公平』『平等の権利』を要求」し、「私が下層民であるなら、お前もそうあるべきだ」という理論を掲げ、そして「自分の困窮ぶりを他人
Posted by ブクログ
2部構成。第1部でニーチェの文体について論じ、第2部で『ツァラトゥストラ』を読解する。
岩波文庫版の『ツァラトゥストラ』には訳注が無かったが、本書はその役割を十二分に果たしてくれた。
以下は本書無しには読み取れなかった数々の「謎」の一部。
・古代ギリシアの風刺文学のスタイル「メニッペア」を模した表現技法
・綱渡り師と道化師のエピソードが暗示する意味
・ツァラトゥストラが説く駱駝⇒獅子⇒幼子の「三様の変化」と、ヘーゲルの弁証法との違い
・全篇をとおして現れる聖書のパロディ
・自分が見た悪夢にそれらしい解釈を与える弟子を、ツァラトゥストラが一度は歓迎しながら最後は首をふって否定した理由
・「重力