中公新書作品一覧
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3.0いまから120年程前、ふとした偶然から甲骨文が発見された。 これを機に研究が劇的に進み、殷・周の国の姿がうっすらと立ち現れてきた。 ところが解読の過程で、重大な誤りがまぎれこんでしまった。 正されたと信じられた古代史像にも歪みが生じた。 古代中国の年代矛盾を全面的・系統的に解決した著者は、天文学や数学的手法をも駆使して、厚いヴェールに覆われた殷周王朝の素顔に迫る。 いま明かされる真実とは――。 目次 はしがき 第1章 文字と呪術の時代 夏・殷・周三代 殷王朝の国家構造 周代の暦 散氏盤の年代と製作の経緯 第2章 殷滅亡の年代 周が殷を滅ぼした年代 前1023年克殷の史料 伐殷から克殷へ 『国語』の木星記事 再度『竹書紀年』を考える 第3章 霊的威圧による支配から官僚による支配へ 周の東遷 春秋時代の覇権 盟書の出現 律の登場と中央意識 文字と呪術の帝国 余話 あとがき
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4.0子どもを産んだそのときから、母親の生活は一変する。 一日中抱っこをせがまれ、夜中も授乳…。 子育てとはこんなに大変なものなのか? しかも、こうして育てられた子どもの中には、突然キレるなど他人とよい関係を築けない子も増えている。 いまや当たり前になった「子ども中心」育児法はいつどうして生まれたのか。 その問題点とは何か。 本書は、母子健康手帳副読本などの変遷を検証し、新たな子育ての技法を模索する。 目次 1章 迷走する子育て 2章 子育ての場に何が起きたか—とまどう親/変わる子ども 3章 子育て法の大転換—一九八〇年代に起きたこと 4章 子育ての二重規準—一九三〇年代—一九七〇年代 5章 「超日本式育児」の陥穽 6章 親の主体性をとりもどす
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4.2かつて一億総中流といわれた日本。 いまや格差が広がり、社会の分断も進んでいる。 人生が親ガチャ・運しだいでよいのか。 能力主義は正しいか。 そもそも不平等の何がわるいのか。 日本の「失われた30年」を振り返り、政治哲学と思想史の知見から世界を覆う不平等に切り込み、経済・政治・評価上の平等を問いなおす。 支配・抑圧のない、自尊を下支えする社会へ。 財産が公平にいきわたるデモクラシーの構想を示す。 ■目次 はじめに 第1章 不平等の何がわるいのか? 本書の特徴 前口上――なぜ平等・不平等を考えるのか 不平等から考える――不平等に反対する四つの理由 ①剥奪――貧窮ゆえの苦しみ ②スティグマ化――傲りと卑屈、そして差別 ③不公平なゲーム――人生の難易度の変化 ④支配――非対称的な関係の固定化 みえやすい不平等・みえにくい不平等 窮民問題――貧困にあえぐ社会 寡頭制問題――少数が牛耳る社会 健康格差問題――寿命が短い社会 第2章 平等とは何であるべきか? 平等を支持する四つの理由 ①生存・生活の保障――充分主義 ②恵まれない立場への優先的な配慮――優先主義 ③影響の中立化――運の平等主義 ④支配関係がないこと――関係の平等主義 平等の要点――「局所的な平等化」をこえて 三つの不平等の区別――差別・格差・差異 格差原理と(不)平等 差異ゆえに平等 第3章 平等と能力主義 アファーマティブ・アクション AA――五段階の規範 正義と能力主義 公正な能力主義はゴールか? 能力の測定問題とガラスの天井問題 能力主義の専制 正義と功績をいったん切り離す 機会の平等を見直す――スキャンロンの三段階モデル まとめ――財産所有のデモクラシーへ 第4章 経済上の平等――社会的なもの 『21世紀の資本』のインパクト――r>g 『資本とイデオロギー』――格差はつくられたものである アンダークラスの出現 財産所有のデモクラシー①――社会的なもの 日本型福祉社会の問題 事前分配・当初分配 人的資本のストック 職場環境の正義 ベーシック・インカム タックス・ジャスティス 第5章 政治上の平等――共和主義 誰が統治するのか――政治家のキャリアパス なぜ世襲政治家は多いのか 経済力の政治力への転化 徒党の発生をいかに防ぐか 財産所有のデモクラシー②――共和主義 政治資金規制とメディア宣伝 パブリック・シングス――公共性のインフラ 公共財としての仲介機関――政党とメディア 政治バウチャー クオータ制 ロトクラシー――くじ引き民主制 第6章 評価上の平等――複数性 絶望死、遺伝と能力 時間どろぼう――エンデ『モモ』 財産所有のデモクラシー③――複数性 自尊の社会――配達員の仮想演説 評価集団の多元化――複合的平等 正義と多元性 財産と富 〈自分自身〉であるためのデモクラシー 「自己の内なる体制」 おわりに――平等についての六つのテーゼ あとがき 注記一覧 図版出典 参考文献 読書案内
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3.9山地が七割を占め、地震や台風にしばしば見舞われる日本。 この試練の多い土地に住みついた日本人は、古来、道を通し、川筋を変え、営々と自然に働きかけてきた。 私たちが見る風景は、自然と人が共に造り上げたものなのだ。 本書は、まず日本の国土の地形的・社会的特徴を明らかにする。 さらに大震災に見舞われ、財政危機にある今、海外に伍して豊かな国土を築き上げ、日本人が再び活力を取り戻すために何が必要かを提言する。 ■□■目次■□■ 第1章 国土はどう形成されてきたか 第2章 日本列島の自然条件―わが国土の実情1 第3章 国土の社会条件―わが国土の実情2 第4章 これまでの国土造り 第5章 これからの国土造り 終章 人の輝きを国土が支える―「人と国土」の思想
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3.7酸素は何でも燃やしてしまう。 栄養素を燃やせばたくさんのエネルギーができる。 27億年前、光合成によって海水から酸素ガスが発生したとき、酸素とは無縁だった生物はその魅力に惹かれて体内に採り入れた。 ここに生物は進化への道を選び、多種多様の種が生まれる。 しかし一方、酸素はからだの成分も燃やし、細胞を傷つけ、寿命さえ縮めてしまう。 ヒトも含めた生物は、この魔性の気体にどう対処してきたのか。 ■□■目次■□■ 第1章 山に登るとどうして息が切れるのか 第2章 酸素がない所でどうやって生きるのか 第3章 酸素元素はどこからやってきたのか 第4章 エネルギーをつくるのに酸素はどういう役割をするのか 第5章 低酸素をどう生き抜いてきたのか 第6章 酸素濃度はどう変わってきたのか 第7章 酸素の毒性にどうやって対抗するのか 第8章 酸素は病気にどう関わるのか
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5.0電子版は本文中の写真を多数カラー写真に差し替えて掲載。 ケガや病原菌からカラダを守り、他者の表情から瞬時に感情を読みとるヒトの細胞。 傷ついた患部に白血球はどう集まり、血小板は固まるのか。 他者への共感をもたらすミラーニューロンはどんなものか。 細胞たちのコミュニケーションには、人間社会にまさるとも劣らない大胆で精緻な仕組みが隠されている。 本書は体内で行われる37兆個に及ぶ細胞たちの情報伝達をわかりやすく解説。 人間のカラダに潜む知恵と不思議に迫る一冊。 ■□■目次■□■ 序章 細胞たちのコトバ―カラダの反応を支えるシグナル I 身体的コトバ 第1章 白血球をあやつるコトバ―惹かれて引かれる 第2章 重要なコトバのアラカルト―サイトカインと活性酸素とエネルギーと 第3章 細胞たちの指さし確認―安全確認システム 第4章 コトバの組み合わせ―自分と他人を区別する/色と形を知る II 心的コトバ 第5章 あなたの痛みがわかる―共感と模倣と創造と 第6章 暗示というコトバ―プラセボの効果 第7章 直覚のすすめ―ビビッ! とくる
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3.81990年代以降、少子化は社会的問題としてさまざまな議論を呼んできた。 しかしそこには、少子化が出産・結婚をめぐる女性の心理の問題であるという認識が欠けている。 日本では「親子は一心同体」とその絆を強調されるが、そうした考え方もいまや普遍的とは言えず、変化してきている。 現在「子どもをもつ」とはどういう意味があると考えられているのか。 少子化を心の問題として捉える人口心理学を提唱、その視点から考える。 ■□■目次■□■ 1章 「子どもの価値」展望―子どもの価値の古今東西 2章 人類初の人口革命―子どもの命と親の愛情の変質 3章 「なぜ子どもを産むか」―「つくる」時代の子どもの価値 4章 人口革命下の女性の生活と心の変化―子どもの価値・産む理由の変化の背景 5章 子どもを〈つくる〉時代の問題
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3.8ペリー来航から明治維新まで、この15年を彩るさまざまな物語は、志士をはじめとする武家を主人公として描かれることが多い。 一方、公家たちは歴史のうねりに翻弄される優柔不断な脇役として描かれてきた。 しかし、公武合体から王政復古まで、彼らが果たした役割は大きい。 天皇復権のため、志士たちを煽り、大名を相手に種々の交渉を重ねたのは有名無名の公家たちである。 日本史の画期で奔走した彼らの奮闘に迫る。 ■□■目次■□■ 序章 朝廷のしくみ 第1章 政治に関与する公家たち 1853~58年 第2章 公武合体の季節 1859~61年 第3章 京都の政局 1861~62年 第4章 攘夷をめぐる激闘 1863~64年 第5章 朝廷の内と外 1865~66年 第6章 王政復古への道程 1867年 第7章 維新の功労―公家華族の誕生 1868~91年 終章 公家にとっての維新
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3.9デジタル化やグローバル化などの社会変化を背景に、世界各国が教育改革を加速させている。 本書は国連やOECD、ユネスコなどの国際機関、各国での議論を踏まえ、これからの教育を考察する。 新たな時代に求められる能力や主体性、ウェルビーイングとは何か。 各国が直面する教師不足や過重なカリキュラムへの対応策は。そして、日本に欠けている点とは。 一人ひとりの子供が尊重された、あるべき教育、学校の未来を探る。 ■ 目 次 ■ はじめに 序 章 変わる世界の教育 1 デジタル化の影響 2 「学力世界一」の交替 3 教師を取り巻く環境の変化 第一章 教育は何を目指すべきか 1 世界のパラダイム転換 2 国連が採択したSDGs 3 ウェルビーイングへの注目 4 人間重視に立ち返る 第二章 「主体性」を捉え直す 1 理想と現実のギャップ 2 そもそも共通理解はあるのか 3 国際的な視点から問い直す 第三章 子供たちに求められる「能力」 1 能力とは何か 2 「非認知能力」の重要性と落とし穴 3 能力を発揮する方向 第四章 「探究」の再検討 1 「総合的な学習の時間」の導入 2 前提としての方法論 3 成功するための条件 第五章 何をどこまで学ぶべきか 1 「広さ」と「深さ」のトレードオフ 2 問題の背景 3 見えてきた解決策 終 章 これからの教育はどこへ向かうか 1 ニュー・ノーマルの教育像 2 未来の学校はどうなるか おわりに 主要参考文献
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3.7歴史の「洗礼」を受けた土地には、不思議なオーラがある。 たたずまいが微妙にちがうのだ。 考古学の常識をくつがえした岩宿遺跡、平家一門が波間に消えた壇ノ浦、徳川の天下を決した関ヶ原、忠臣蔵の四十七士の故里・赤穂、そして特攻隊が出撃した九州南端の知覧基地――。 好奇心のおもむくまま、由緒ある町を訪ね、古代から近現代まで、自由に時間を旅する。 歴史の魅力を堪能し、思索をめぐらした紀行エッセイ。
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-伊藤博文の主導で制定された明治の皇室典範。 女帝・女系容認の可能性もあったが、皇位継承資格は「男系の男子」限定で、退位の規定もない。 その骨格は戦後の皇室典範でも維持された。 皇族男子の誕生は極めて稀で、皇族数の減少も続き、制度的矛盾が顕在化して久しい。 小泉内閣時代に改正の検討が始まるも、進展はいまだ見えない。 本格的議論の再開に向けて、皇室制度の専門家が論点を整理し、法改正への道筋を探る。 ■本書の目次 はじめに 第一章 明治皇室典範の起草をめぐる攻防 一、伊藤・シュタイン「邂逅」と柳原前光 二、伊藤の体制刷新と柳原の失速 三、高輪会議とは何だったのか 四、皇室典範の成立と保守派との攻防 第二章 戦後の皇室典範制定 一、皇室の命運と知日派の台頭 二、占領統治と「国体護持」をめぐる攻防 三、現行皇室典範が抱えた矛盾――皇位継承と退位 四、狙われた皇室財産と皇籍離脱 五、矛盾が生んだ制度上の不具合 第三章 顕在化した構造的矛盾 一、皇位継承問題とは何か 二、少子化と制度疲労 三、「生前退位」から典範改正へ 第四章 象徴天皇制の新たな危機 一、戦後政治と昭和天皇 二、「象徴天皇」の模索 三、象徴天皇制と典範改正 あとがき 参考文献 皇室典範(明治典範) 大日本帝国憲法(抄) 皇室典範(現行典範) 日本国憲法(抄) 天皇の退位等に関する皇室典範特例法 天皇系図
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3.7一篇の神話や伝説にはもちろんのこと、一首のうた、ひとつの言葉にも豊饒な物語があふれている。そこから伝わってくるものは、古今東西どこで生をうけていても不思議なほど似通った、ひとびとの喜びや悲しみ、想い、悩み。 万葉集からギリシャ神話、ケルト神話まで自在に題材をとり、日本と世界、古代と現代をひとしく眺めるエッセイ83篇。
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-山のこだまを聞きとめるように、自然の深奥の響きを捉え、思いを結晶させる――。 万葉の昔から、うつりゆく世界をことばに託してうたいあげる文化は、形を変えながら現代に引き継がれてきた。一篇の詩と向かい合うとき、私たちは、これまでの悠久の宇宙、これから果てしなく続く無窮の時間、そしていまという一瞬の永遠を感じることができる。 本書は、長い時をかけて培われてきた美しい詩の世界への招待状である。
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3.9加耶/任那は3~6世紀に存在した朝鮮半島南部の小国群を指す。『日本書紀』は任那と記し、「任那日本府」の記述などから長く倭の拠点と認識されてきた。だが戦後、強く疑義が呈される。歴史教科書の記述は修正が続き、呼称も韓国における加耶へと変わる。他方で近年、半島南部で倭独自の前方後円墳の発掘が相次ぎ、倭人勢力説が台頭する。本書は、古代東アジア史の大きな争点である同地域の実態を実証研究から明らかにする。 <目次> まえがき 序 章 加耶/任那研究の歩み 1日中韓史料のなかの古代東アジア 2通説までの道程――150年に及ぶ研究の軌跡 3広開土王碑と百済三書――史料批判による精緻化 第1章 檀君神話から金官・大加耶へ 1「古朝鮮」の虚実――檀君、箕子・衛氏朝鮮時代 2三韓時代へ――朝鮮四郡と馬韓・辰韓・弁韓 3いにしえの辰国―― 三韓以前の半島南部 4二大国の建国神話と任那の登場 第2章 弁韓からの発展――4世紀の動向 1盟主・金官の台頭と揺らぎ 2神功皇后「加羅七国平定」――『日本書紀』の真偽 3百済と倭の通交はいつからか 4広開土王碑のなかの倭、任那加羅、安羅 第3章 大加耶の成長と倭臣――5世紀~6世紀初頭 1高句麗対百済・倭――5世紀前半の動向 2倭の五王による「任那・加羅」都督諸軍事申請 3大加耶の中国への遣使――「輔国将軍本国王」の冊封 4加耶・馬韓の倭臣たち――ヤマト王権と異なる倭系集団 第4章 百済・新羅による蚕食と抵抗―― 6世紀 1「任那四県の割譲」――減衰する加耶諸国 2新羅の侵攻、㖨己呑・金官・卓淳の併合 3任那復興会議――百済の招集と加耶諸国の思惑 4加耶の消滅 ――「任那日本府」とは何だったか 第5章 滅亡後―― 倭の揺れる「任那」認識 1なぜ倭は百済・新羅に「調」を要求し続けたか 2伝承と面影―― 新羅と日本のなかで 終 章 加耶とは何か―― 国民国家を超えて あとがき 主要参考文献 加耶/任那 関連年表
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4.0国家の行動を地理環境と結びつけて考える「地政学」が復活している。米国主導の秩序と日米同盟に守られていた日本だが、中国の軍拡による脅威は深刻だ。さらに経済力で地政学的利益の実現を目指す中国の手法は「地経学」時代の到来を示す。北朝鮮の核やロシアの動向のほか、エネルギー、サイバー戦争、気候変動など地球規模のリスクの影響も大きい。トランプ米政権のもと、日本がとるべき戦略を俊英13人が描く。
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4.0近代小説は19世紀以来、「(かけがえのない)個人」に焦点を当てて発達してきた。物語の主人公が、神や王から、ありふれた個人に替わる時、イメージこそが物語の書き手と読み手をつなぐために必須のものとなったのだ。本書では、文学とイメージのかかわりを意識的に追求してきたフランス近代文学を素材に、私たちが物語を通して「見ている」ものは何か、そして書かれているものは何かを考えていく。
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-「遅れた東北」観は、どのように生まれ、どう変転を遂げたのか。本書は、史料を博捜して、大正から戦後にかけての、「後進性」脱却と国際化を指向した議論や政策を分析し、文学作品や学術書に描かれた東北像を検証する。戦時体制に組み込まれ、いつしか「異境」から「原境」へとイメージを移行する東北。戦後歴史学の「地域モデル論」が捉えきれなかった東北史のダイナミクスを照射し、日本史像のラディカルな転換をめざす。
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3.5武士道とは何か。武士はいかに生き、死すべきなのか――。戦乱の世が生み出した軍学書『甲陽軍鑑』『五輪書』から、泰平の時代の倫理書『山鹿語類』『葉隠』へ。そして、幕末維新期の吉田松陰、西郷隆盛へと連なるサムライの思想水脈を経て、武士道を世界に知らしめた新渡戸稲造まで。日本人必読の名著12冊で知る、高潔にして強靭な武士の倫理と美学。章末には、各書から選りすぐった人生指南の「名言」を付す。 【目次】 《総論》 武士道、その精神と系譜 《著作解説》 1 小幡景憲『甲陽軍鑑』江戸時代初期 軍学第一の書 2 柳生宗矩『兵法家伝書』寛永九年(1632) 柳生新陰流の奥義 3 宮本武蔵『五輪書』寛永二十年(1643) 必勝の思想 4 山鹿素行『山鹿語類』寛文五年(1665) 武士の職分とは何か 5 堀部武庸『堀部武庸筆記』元禄十五年(1702) 武士の一分を貫く 6 山本常朝『葉隠』宝永七年~享保元年(1710~16) 「死狂い」の美学 7 新井白石『折りたく柴の記』享保元年(1716) 古武士の風格 8 恩田木工『日暮硯』宝暦十一年(1761) 為政者の理想の姿 9 佐藤一斎『言志四録』文政七年~嘉永六年(1824~53) 朱子学と陽明学の合体 10 吉田松陰『留魂録』安政六年(1859) 至誠にして動かざる者なし 11 西郷隆盛『西郷南洲遺訓』明治二十三年(1890) 義に生きる 12 新渡戸稲造『武士道』明治三十三年(1900) 理想の日本人論
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3.5人口が急減する日本。なぜ出生率も幸福度も低いのか。日本、アメリカ、スウェーデンの子育て世代へのインタビュー調査と、国際比較データをあわせて分析することで、「規範」に縛られる日本の若い男女の姿が見えてきた。日本人は家族を大切にしているのか、男性はなぜ育児休業をとらないのか、職場にどんな問題があるのか、アメリカやスウェーデンに学べることは――。アメリカを代表する日本専門家による書き下ろし。
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3.7春はニシン、ヤマワサビ。夏はウニ、ジャガイモ。秋はサケ、新米。冬はカニ、タラ。そして通年でジンギスカン、ラーメン……。北海道は、日本ばかりか世界でも有数の「食の王国」である。海・川・湖の幸、広大な大地の幸に恵まれ、食材本来の良さを生かした料理の数々は、私たちを魅了してやまない。無類の食いしん坊を自認し、北海道中を長年食べ歩いた発酵学の第一人者による、垂涎のうまいもの尽くしエッセイ。
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