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荘園は日本の原風景である。公家や寺社、武家など支配層の私有農園をいい、奈良時代に始まる。平安後期から増大し、院政を行う上皇の権力の源となった。鎌倉時代以降、武士勢力に侵食されながらも存続し、応仁の乱後に終焉を迎えた。私利私欲で土地を囲い込み、国の秩序を乱したと見られがちな荘園だが、農業生産力向上や貨幣流通の進展に寄与した面は見逃せない。新知見もふまえ、中世社会の根幹だった荘園制の実像に迫る。
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Posted by ブクログ
荘園という視点から日本史を眺めてみた通史といったところ。こうしてみると情勢の変化や政策の変化について日本史の流れがより理解しやすいと感じた。荘園を理解することは日本史をより理解することとつながっているのかもしれない。鎌倉幕府や室町幕府といった武家政権の理解にもやはり荘園史の理解は必要だと思った。
「荘園」そういえば、どうしてできたのかは習ったけれど、どうしてなくなったのかは習ってなかったなと読んでて思いだした。 それにしても、「荘園」を「小さな地域の自治権を最大に、国歌や地方政府の役割を最小にした場合、何が起きるかという四百年にわたる社会実験」とはよく言ったものである。 結局、細分化された...続きを読む小さな地域単独では対処できない災害(の続発)には、対処できずに、広域化で対処することになった。これが、荘園崩壊につながっていたのかと、要約応えにありつけた。
専門用語や固有名詞が多くて理解しづらかったが、非常に興味深い内容だった。1000年近く前にこれほどの行政、経済制度が整っていたことに驚いた。 荘園についての専門書と聞くと、すごく狭い範囲のニッチな印象を受けるが、荘園とは中世日本社会そのものと言ってよい。大方の歴史書や教科書が御所や幕府内部の事にしか...続きを読むフォーカスを当てていないが、そちらの方が実は日本社会のごく一部を切り取っただけとも言える。
奈良時代から延々室町時代まで続く荘園について1冊にまとめた本です。確かに歴史の授業では荘園が何度も出てきましたが、奈良の荘園と平安末期の荘園は違うように見え、室町になると荘園が消えるように見えてましたが、なるほど、その時代の情勢で荘園もいろいろ変質があったのですね。 あとこの本では、時代や荘園の変化...続きを読むの原因として気象環境の影響を見ていることがあり、気象好きとしてはその点も参考になります。
荘園の成立(墾田永年私財法)からその解体(応仁の乱後)までの750年余を辿る通史。その変遷をわかりやすく解説するのは至難の業であろうが、本書はその点、非常に明快であった。 とくに院政期における「領域型荘園」の領主権=本家—領家ー在地領主による三階層の支配体制としてとらえて説明し、この「領域型荘園」...続きを読むの成立を在地領主の開発と院政という新たな王権(中央権力)の介入との合作物としてとらえることで鎌倉期における荘園制が安定していった流れが把握しやすくなっていると思う。そこでは西欧の封建制と類似した性格を見て取ることができるのと同時に、中央権力との関わりにおける日本型の特徴も見いだすことができる。 以上が第5章まで。第6章は鎌倉期に安定する荘園の農業生産力の発展、荘園における消費の様子、流通と貨幣経済の発展、人びとの生活(主として信仰)との関わりなどが多面的に描写されている。そして、第7章以降が鎌倉後期における荘園の変容から最後の解体までについて叙述されている。飢饉などの危機について最新の気候歴史学の成果も取り入れつつ叙述されているのは、本書の大きな特徴のひとつである。 鎌倉後期から職の重層的な構造が崩れ一円化が進み、一円領では次第に領主から任命された名主に代わって土豪という独自の支配身分が成立、また荘園のなかの「村」が惣村として集合して領主からの自立をはたしていく。さらに国人領主は国衆へと変化、最後にはその国衆を束ねる戦国大名が成立していく。荘園の最終的な解体である。 日本の農村風景は荘園によってその原型が形成された。今でもそうした歴史的景観を味わえる箇所もある。本書の最後ではそうした場所の紹介もされているので、機会を見つけて訪ねてみたい。
日本中世史を本当に理解するには荘園の変遷を正しく把握することが不可欠。本書は歴史に興味を持っている一般人に最適。説明も丁寧で分かりやすい。引用している古文も現代語訳のみなので読みつかえることもなくスラスラ読める。良い本に出会えて良かった。
内藤湖南が応仁の乱以前は現代と連続してない的なことを言ったという話があるが、現代とは非連続かもしれないが奈良時代から応仁の乱までの荘園の視点からの流れ方はやはりこの国のありようだと思った。
荘園に関するコンパクトな通史ではありますが、過去の気温や降水量の推定に関する近年の研究を引きながら荘園の成立と発展を自然条件と関連づけて考察したり、院政期に成立した「領域型荘園」を荘園史の1つのターニングポイントとして位置づけたりと、従来とは異なる新たな視点も提供してくれます。また、荘園を切り口とし...続きを読むた徴税の仕組みやそれを巡る様々な人々の人間模様が史料に基づいて具体的に語られており、堅いテーマでも読んでいて飽きないです。
歴史小説の理解が進む
情報量の多さに驚いています。墾田永年私財法の設立時の状況から、富士の噴火や地震に加えて、最新の気象歴史学に基づいた降水量の変化による荘園の変化など、知らなかったことが多く、鎌倉、室町辺りの歴史小説のファンにも必読の書籍ではないかと思います。
かつて、教科書で習ってもなかなか理解ができなかった荘園とは何か、そして、地頭と荘園領主の関係など。目から鱗、とてもクリアに理解できた。なぜ今までこのような本がなかったのかと思うくらい画期的な書。何度も読み返したい。
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荘園 墾田永年私財法から応仁の乱まで
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伊藤俊一
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