荘園 墾田永年私財法から応仁の乱まで

荘園 墾田永年私財法から応仁の乱まで

990円 (税込)

4pt

荘園は日本の原風景である。公家や寺社、武家など支配層の私有農園をいい、奈良時代に始まる。平安後期から増大し、院政を行う上皇の権力の源となった。鎌倉時代以降、武士勢力に侵食されながらも存続し、応仁の乱後に終焉を迎えた。私利私欲で土地を囲い込み、国の秩序を乱したと見られがちな荘園だが、農業生産力向上や貨幣流通の進展に寄与した面は見逃せない。新知見もふまえ、中世社会の根幹だった荘園制の実像に迫る。

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荘園 墾田永年私財法から応仁の乱まで のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2022年10月15日

    「荘園」そういえば、どうしてできたのかは習ったけれど、どうしてなくなったのかは習ってなかったなと読んでて思いだした。
    それにしても、「荘園」を「小さな地域の自治権を最大に、国歌や地方政府の役割を最小にした場合、何が起きるかという四百年にわたる社会実験」とはよく言ったものである。

    結局、細分化された...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年10月08日

    専門用語や固有名詞が多くて理解しづらかったが、非常に興味深い内容だった。1000年近く前にこれほどの行政、経済制度が整っていたことに驚いた。
    荘園についての専門書と聞くと、すごく狭い範囲のニッチな印象を受けるが、荘園とは中世日本社会そのものと言ってよい。大方の歴史書や教科書が御所や幕府内部の事にしか...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年07月04日

    奈良時代から延々室町時代まで続く荘園について1冊にまとめた本です。確かに歴史の授業では荘園が何度も出てきましたが、奈良の荘園と平安末期の荘園は違うように見え、室町になると荘園が消えるように見えてましたが、なるほど、その時代の情勢で荘園もいろいろ変質があったのですね。
    あとこの本では、時代や荘園の変化...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年01月18日

    荘園の成立(墾田永年私財法)からその解体(応仁の乱後)までの750年余を辿る通史。その変遷をわかりやすく解説するのは至難の業であろうが、本書はその点、非常に明快であった。

    とくに院政期における「領域型荘園」の領主権=本家—領家ー在地領主による三階層の支配体制としてとらえて説明し、この「領域型荘園」...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年12月26日

    日本中世史を本当に理解するには荘園の変遷を正しく把握することが不可欠。本書は歴史に興味を持っている一般人に最適。説明も丁寧で分かりやすい。引用している古文も現代語訳のみなので読みつかえることもなくスラスラ読める。良い本に出会えて良かった。

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    Posted by ブクログ 2021年12月03日

    内藤湖南が応仁の乱以前は現代と連続してない的なことを言ったという話があるが、現代とは非連続かもしれないが奈良時代から応仁の乱までの荘園の視点からの流れ方はやはりこの国のありようだと思った。

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    Posted by ブクログ 2021年12月02日

    荘園に関するコンパクトな通史ではありますが、過去の気温や降水量の推定に関する近年の研究を引きながら荘園の成立と発展を自然条件と関連づけて考察したり、院政期に成立した「領域型荘園」を荘園史の1つのターニングポイントとして位置づけたりと、従来とは異なる新たな視点も提供してくれます。また、荘園を切り口とし...続きを読む

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    購入済み

    歴史小説の理解が進む

    2022年01月20日

    情報量の多さに驚いています。墾田永年私財法の設立時の状況から、富士の噴火や地震に加えて、最新の気象歴史学に基づいた降水量の変化による荘園の変化など、知らなかったことが多く、鎌倉、室町辺りの歴史小説のファンにも必読の書籍ではないかと思います。

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    Posted by ブクログ 2021年11月27日

    かつて、教科書で習ってもなかなか理解ができなかった荘園とは何か、そして、地頭と荘園領主の関係など。目から鱗、とてもクリアに理解できた。なぜ今までこのような本がなかったのかと思うくらい画期的な書。何度も読み返したい。

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    Posted by ブクログ 2021年11月25日

    これは全ての日本史教員が読むべきだ。教科書ではいまいちわかりづらい寄進地型荘園に対する理解が格段に深まる。荘園のことだけでなく、中世の流通や農業技術、気候変動などにも触れていてポイントが高い。素晴らしい本に出会えた。感謝。

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