作品一覧

  • 物語 チベットの歴史 天空の仏教国の1400年
    4.2
    1巻990円 (税込)
    古代に軍事国家だったチベットはインド仏教を受容、12世紀には仏教界が世俗に君臨する社会となった。17世紀に成立したダライ・ラマ政権はモンゴル人や満洲人の帰依を受け、チベットは聖地として繁栄する。だが1950年、人民解放軍のラサ侵攻により独立を失い、ダライ・ラマ14世はインドに亡命した。チベットはこれからどうなるのか? 1400年の歴史を辿り、世界で尊敬の念を集めるチベット仏教と文化の未来を考える。
  • ダライ・ラマと転生
    5.0
    チベット僧の転生相続制を20年にわたり取材…… 1990年チベット密教の大本山ギュメにおいて、ロプサン・ガワン師(1937‐2009)について密教を学び始めた日本人、平岡宏一氏(現・清風学園校長)は、師を看取り、2014年、恩師の「生まれ変わり」とインドのガンデン大僧院で再会した。 この貴重な場面にも同行した著者が、20年にわたる関係各位への取材、清風学園に所蔵されている記録映像、チベット語史料に基づき、ダライ・ラマ法王を頂点としたチベットの僧院社会の構造、高僧が死後も生まれ変わり、施主や弟子の下に戻って教えを継承する転生相続を明らかにした書。

ユーザーレビュー

  • ダライ・ラマと転生

    Posted by ブクログ

    中国共産党がなぜチベット仏教に介入しようとするのだろう。ダライ・ラマ14世の生まれ変わりを中国が勝手に見つけ、15世の座にしようとしているらしいが笑止千万で滑稽きまわりない。この本は、もちろんダライ・ラマ14世について書かれているが、もう一つの筋は、14世の弟子のロプサン・ガワンと清風学園の平岡宏一との物語だ。平岡はガワンの師となるのだが、ガワンが癌になってこの世を去ってしまう。高僧だったので生まれ変わりを探すことが許され、ネパールに住む3歳の子どもが生まれ変わりとなって育て始められたところまで描かれている。私たちが住むこの俗世間とはまったく違う世界があることを教えられた。

    0
    2025年07月09日
  • 物語 チベットの歴史 天空の仏教国の1400年

    Posted by ブクログ

    仏教国チベットの知られざる歴史を概説。「物語」と冠しているのは、とくに古代は仏教思想のフィルターを通じて語られているからのようです。17世紀以降は転生僧の歴代ダライ・ラマが政教一致の統治をしてきました。歴史の山場はダライ・ラマ5世、13世、現14世の3つの時代。とくに70年前に人民解放軍による侵攻を受けて中国に併合され、14世がインドに亡命し現在に至るくだりは、なんとも生臭い展開。
    チベットという国家は今や存在しません。しかし著者は、この転生僧のシステムが次の15世へとバトンタッチできれば、〈おそらく「チベット」は国として存在するしないにかかわらず、消えることはない〉といいます。14世の言葉と

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    2023年06月04日
  • ダライ・ラマと転生

    Posted by ブクログ

    自分の師匠が転生ラマで、亡くなってしまうのですが、数年後、その師匠の生まれ変わりの少年に会いに行きます。そんな実話を軸に、チベット仏教の概要も丁寧に書かれており、チベット仏教入門としも面白い本だと思います。やはり本音を言うと、ダライ・ラマ15世とは会ってみたいし、チベット社会においても活躍して欲しいです。

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    2016年09月22日
  • 物語 チベットの歴史 天空の仏教国の1400年

    Posted by ブクログ

    この本を読んで仏教に対する世界観が変わった。
    生活の一部として存在していながらも深く考えることはなかった仏教であるが、なぜ三大宗教と謂われるほどの拡がりを見せたのか、チベット仏教においては、険しい高山へ巡礼に行く人々が絶えないのか、その一端を知った。
    三章・四章はダライ・ラマ13世と14世にそれぞれ1章分のページが割かれ話が進んでいくが、正直、後半はページをめくる手が止まらず、あっという間に読み切ってしまった。
    「ダライ・ラマ」について名前を知るほかは特段の知識もなかったが、群雄割拠の帝国時代から続く激動の時代を歩んだ道のりを紙面を通して読み進めるうちに、いつの間にかチベットの人々へと心が寄り

    0
    2025年08月12日
  • 物語 チベットの歴史 天空の仏教国の1400年

    購入済み

    名前は知っててもどんな歴史を歩んできたかあまり知られてないチベット。高校の世界史でも吐蕃とか名前だけサラッと触れられるだけであまり詳しくやりません(少なくとも私の頃はそうでした)。
    前半はチベット人がどのように古代帝国を築き、その後インドから伝来した仏教がどのようにチベットに定着したのか、を新書にしては細かめに説明しています。ただその割に近代以降の歴史が駆け足になってるような印象は受けました。
    貴重なチベット通史の新書ですからこれからも読まれる本になるのではないでしょうか。

    0
    2024年08月17日

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