石濱裕美子のレビュー一覧

  • ダライ・ラマと転生

    Posted by ブクログ

    中国共産党がなぜチベット仏教に介入しようとするのだろう。ダライ・ラマ14世の生まれ変わりを中国が勝手に見つけ、15世の座にしようとしているらしいが笑止千万で滑稽きまわりない。この本は、もちろんダライ・ラマ14世について書かれているが、もう一つの筋は、14世の弟子のロプサン・ガワンと清風学園の平岡宏一との物語だ。平岡はガワンの師となるのだが、ガワンが癌になってこの世を去ってしまう。高僧だったので生まれ変わりを探すことが許され、ネパールに住む3歳の子どもが生まれ変わりとなって育て始められたところまで描かれている。私たちが住むこの俗世間とはまったく違う世界があることを教えられた。

    0
    2025年07月09日
  • 物語 チベットの歴史 天空の仏教国の1400年

    Posted by ブクログ

    仏教国チベットの知られざる歴史を概説。「物語」と冠しているのは、とくに古代は仏教思想のフィルターを通じて語られているからのようです。17世紀以降は転生僧の歴代ダライ・ラマが政教一致の統治をしてきました。歴史の山場はダライ・ラマ5世、13世、現14世の3つの時代。とくに70年前に人民解放軍による侵攻を受けて中国に併合され、14世がインドに亡命し現在に至るくだりは、なんとも生臭い展開。
    チベットという国家は今や存在しません。しかし著者は、この転生僧のシステムが次の15世へとバトンタッチできれば、〈おそらく「チベット」は国として存在するしないにかかわらず、消えることはない〉といいます。14世の言葉と

    0
    2023年06月04日
  • ダライ・ラマと転生

    Posted by ブクログ

    自分の師匠が転生ラマで、亡くなってしまうのですが、数年後、その師匠の生まれ変わりの少年に会いに行きます。そんな実話を軸に、チベット仏教の概要も丁寧に書かれており、チベット仏教入門としも面白い本だと思います。やはり本音を言うと、ダライ・ラマ15世とは会ってみたいし、チベット社会においても活躍して欲しいです。

    0
    2016年09月22日
  • 物語 チベットの歴史 天空の仏教国の1400年

    Posted by ブクログ

    この本を読んで仏教に対する世界観が変わった。
    生活の一部として存在していながらも深く考えることはなかった仏教であるが、なぜ三大宗教と謂われるほどの拡がりを見せたのか、チベット仏教においては、険しい高山へ巡礼に行く人々が絶えないのか、その一端を知った。
    三章・四章はダライ・ラマ13世と14世にそれぞれ1章分のページが割かれ話が進んでいくが、正直、後半はページをめくる手が止まらず、あっという間に読み切ってしまった。
    「ダライ・ラマ」について名前を知るほかは特段の知識もなかったが、群雄割拠の帝国時代から続く激動の時代を歩んだ道のりを紙面を通して読み進めるうちに、いつの間にかチベットの人々へと心が寄り

    0
    2025年08月12日
  • 物語 チベットの歴史 天空の仏教国の1400年

    購入済み

    名前は知っててもどんな歴史を歩んできたかあまり知られてないチベット。高校の世界史でも吐蕃とか名前だけサラッと触れられるだけであまり詳しくやりません(少なくとも私の頃はそうでした)。
    前半はチベット人がどのように古代帝国を築き、その後インドから伝来した仏教がどのようにチベットに定着したのか、を新書にしては細かめに説明しています。ただその割に近代以降の歴史が駆け足になってるような印象は受けました。
    貴重なチベット通史の新書ですからこれからも読まれる本になるのではないでしょうか。

    0
    2024年08月17日
  • 物語 チベットの歴史 天空の仏教国の1400年

    Posted by ブクログ

    古代の軍事帝国から政教一致の仏教国家となり、現代は中国の侵攻により受難の歴史を歩んでいるチベットの通史。
    チベットの人名や仏教用語が満載で、特に第1章、第2章はすっと頭に入ってくる内容ではなく、正直、読み進めにくかったが、あまりよく理解していなかったチベットの古代から現代までの歩み、そしてチベット仏教の思想を知ることができ、有意義だった。
    古代チベット帝国が仏教思想のフィルターを通した歴史として語り継がれているので、本当かどうかよくわからない話も多かったが、神話のようで面白く感じた。また、仏教国家といっても、内部の権力争いなど、俗っぽい歴史も結構あるなと感じた。
    これまで清朝の頃からチベットは

    0
    2023年10月21日
  • 物語 チベットの歴史 天空の仏教国の1400年

    Posted by ブクログ

    前半部があまりにくどく民衆の社会や文化へのまなざしが弱いと感じる
    一つの通史として勉強にはなったけど

    0
    2023年05月20日