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復縁は甘くひそやかに
仕事のため郊外の村に来ていたイーサンが滞在する宿屋に、馬車で怪我をしたという女性が飛び込んできた。彼女は七年前に親しくなりかけたもののひどい決裂のしかたをしたロッティだった。 当時のイーサンは急に子爵の地位と貧しい領地を継がされ、苦労していた。社交界にデビューしたばかりのロッティと出会い、接近したが、彼女の父親に財産狙いだと罵倒されて傷ついた彼は、知人に「あんな紙人形のお姫様は願い下げだ」と強がってみせた。その言葉が広まってゴシップとなり、彼女はいまだ独身。イーサンは昔の失言を心から詫びる。そして、どうしても意に染まない縁談を進められ悩んでいたロッティに、いったん自分と婚約したふりをして、頃合いを見て解消すればいいと言い出した。こうして偽の婚約を発表した二人だが…… -
私立図書館・黄昏堂の奇跡 持ち出し禁止の名もなき奇書たち
第8回ネット小説大賞受賞作! 偏屈でぐうたらな館長と苦労人司書、奇妙な来館者が織りなすビブリオファンタジー! 鬱蒼とした雑木林に囲まれた町はずれの私立図書館・黄昏堂《たそがれどう》。そこで働く新人司書・湊(みなと)は、膨大な蔵書を有するにもかかわらず、少ない来館者数に嘆いていた。しかし、偏屈な若き館長・空汽(うつろぎ)は「この館に余計な客を増やすつもりはない」とまったくやる気を見せない。怠惰な空汽と彼の飼い猫・クロ、そして数少ない常連客たちに囲まれ、湊は仕事にいそしんでいた。そんなある日、常連客の紹介でとある病に苦しむ大学生が訪れた。しかし彼は湊が目を離した僅かな隙に忽然と姿を消してしまう。「――そろそろ新しい仕事を覚えてもらおうと思っていたんだ」空汽に案内されたのは地下の閉鎖書庫・永劫廻廊。そこに足を踏み入れた湊は、書物に纏わる神々や伝承の存在と出逢い……? 謎を秘めた図書館を舞台に繰り広げられる、新たなビブリオファンタジー。 -
下北の殺人者
真犯人は誰? 大逆転劇の本格推理。社内旅行で起きた奇怪殺人の恐怖。互いに犯人を探るうち驚倒の真相が浮上。旅情豊かなトラベルミステリー長編――犯人が自殺したのち、驚天の物語がはじまる……。社内旅行の下北半島をめぐるツアーで、殺人事件が起きた。一行を次々襲う殺人の恐怖。原因は、少し前に発生した同僚女性への殺人か? 犯人は自分の夫か? 事件の発端は半月前の宝くじだった。彼女は宝くじのグループ買いで当てた3000万円を管理していたのだ。互いに犯人を探るうち、容疑者が浮かぶが、その人物には堅固なアリバイ。さらに別人による罠も匂う! 次々と容疑者が代わり、最後に驚愕の逆転劇を秘めた意外な結末の、本格ミステリ-力作。 -
小説 ホムンクルス
映画『ホムンクルス』公式ノベライズ! 高級ホテルとホームレスの住まう公園の間で車上生活をしている名越。 そんな彼の前に現れた医大生・伊藤からある日、高額の謝礼と引き替えにトレパネーション(頭蓋骨穴あけ手術)という人体実験をさせてほしいという依頼を受ける。 最初は、相手にしていなかった名越だったが、拠り所としていた車が駐車違反で撤去されてしまったことをきっかけに、第六感が芽生えるという、その手術を受けることを決断したが・・・・・・ 『週刊ビッグコミックスピリッツ』で連載され、カルト的人気を博した『ホムンクルス』が、綾野剛、成田凌など人気俳優を冠してついに映画化! 映画脚本をもとに公式ノベライズ! 2021年4月2日公開予定!! (2021年4月発行作品) -
拝み屋つづら怪奇録-異聞拾集篇-
愛犬の死を引き金に身近な人間に不幸な事故が相次いで起こるようになった紗雪は住職の紹介で拝み屋の津々良を頼ることに。 彼は、紗雪を厳しく諭しながらも抱えていた問題を解決してくれたのだった。 それから半年近く拝み屋の助手として雇ってもらっているのに、津々良の仕事について何も知らないことに危機感を覚える紗雪。 少しでも恩人である津々良の役に立ちたいと思い勉強を始めることに……。 ほんのりダークな現代怪異奇譚 待望の第二弾! -
とにかくウツなOLの、人生を変える1か月
幸せって何なんだろう……。慢性的な倦怠感を抱く20代後半のOL奈緒が出会ったのはメンタルジムのカウンセラー・ヒカリ。「頭の中を変えるためには言葉を変えればいい」「運を落とすのは迷いなの」「幸せとお金を切り離して考えられない限り幸せにはなれないわ」。仕事に恋にお金、人間関係、ダイエット……人生にまつわる悩みが尽きない奈緒がヒカリの言葉で変わっていく! 今をしなやかに生きるヒントが詰まった応援小説。 <目次> プロローグ メンタルジムとの出会い 1 心と体のダイエット 2 仕事のやりがい 3 時間の余裕を作るには? 4 お金に振り回されないために 5 人間関係は変えられない!? 6 恋の第一歩とは、自分を愛すること エピローグ カウンセリング最終回 -
嘘と少年
病室で二人の男が話をしている。かつて二人が少年だった頃の思い出――少年達は消えた少女を捜すために冥い森へと入っていった。次々と暴かれるそれぞれの嘘。そして最後に明かされる哀しく切ない衝撃のラスト! 鬼才・永瀬隼介の異彩を放つ物語。 -
今夜、軽率に抱かれたくなりました(大和出版) 恋愛強者になれる“女の直感”ルール
「溺愛されたい」とかバカなこと、もうやめない? 人気コラムニストが綴る、自分に自信を持ち、主導権を握るために必要な恋の掟。いちばん強気で、誰より赤裸々で、最高に真っ直ぐな新感覚恋愛バイブル! ◎自分で自分を貶めないために容姿を磨く ◎浮気されたくないならするべきことはひとつ ◎チヤホヤされて満たされて何が悪い? ◎可愛くないけどモテる女が必ずやっていること など、あなたの恋愛観が180度変わる教えが満載! 妹尾ユウカ(せのお・ゆうか)1997年生まれ。コラムニストとして、「AM」「日刊SPA!」「AERA dot.」など多数のWEBメディア・雑誌で執筆。また、SNSでの恋愛に関する毒舌&強気なツイートや赤裸々な体験談がたびたび話題を呼び、同世代の女性たちから共感と憧れの声が寄せられている。執筆業の他、就活イベント等でのMC、フェスやクラブイベントにてDJとしても活動している。 -
波に座る男たち
消滅寸前の昔気質のヤクザたちが、ふとしたことから手に入れた漁船で捕鯨を始める。超武闘派の環境団体ほか、障害も多く……。著者、初めての痛快冒険文学長編――男たちは海にくりだす。船はその名も任侠丸! 海、鯨、そして仲間たち、そして戦いが始まる! 小料理屋の主人・麓浩司は、借金のため、ヤクザ・大場会の料理人になることに。その大場会の台所も、火の車。任侠道にこだわりすぎの親分が、ある日、決断したのは、「日本の食文化の伝統を守る」稼業に乗り出すことだった。美女、伝説のスナイパーほか、多彩な登場人物が奏でる、ハートウォーミング&ユーモア冒険活劇。 -
石の来歴 浪漫的な行軍の記録
現実と非現実の交錯を描く芥川賞受賞作。石に異常な執着を示す男の人生。長男の死、妻の狂気、次男の学生運動、夢と現実の交錯のなかで描かれる奥泉光の芥川賞受賞作。他に「浪漫的な行軍の記録」所収――太平洋戦争末期、レイテで、真名瀬は石に魅せられる。戦後も、石に対する執着は、異常にも思えるほど続くが、やがて、子供たちは死に弄ばれ、妻は狂気に向かう。現実と非現実が交錯する、芥川賞受賞作「石の来歴」。兵士たちの、いつ終わるとも知れぬ時空を超えた進軍、極限状況の中でみたものは……。帝国陸軍兵士の夢と現を描く、渾身の力作、「浪漫的な行軍の記録」所収。 -
私が欲しかったもの
盗んでも盗んでも、手に入らなかったもの。それは、ただ横に座って私の話を聞いてくれる相手。私を受け入れてくれる、自分の居場所だった――。元北京五輪マラソン代表候補としてその名を知られた原裕美子。引退し、一度は表舞台から消えた彼女の名前が、17年、18年と二度にわたり再び取り上げられた。それは「万引きで逮捕」というニュースとしてだった。原は依存症である「窃盗症(クレプトマニア)」を患っていた。窃盗症に陥った裏にあった過酷な競技人生、怪我、婚約不履行、1000万円超の詐欺被害……。これまでの過去と今とともに、40歳を前にひとりの女性として揺れ動く心の内を率直につづっている。 -
ミュゲ書房
小説編集の仕事をビジネスと割り切れない、若手編集者の宮本章は、新人作家・広川蒼汰の作品を書籍化できず、責任を感じ退職する。ちょうどその頃、北海道で書店を経営していた祖父が亡くなり、章はその大正時代の洋館を改装した書店・ミュゲ書房をなりゆきで継ぐことに……。 失意の章は、本に関する膨大な知識を持つ高校生・永瀬桃ら、ミュゲ書房に集まる人々との出会いの中で、さらに彼のもとに持ち込まれた二つの書籍編集の仕事の中で、次第に本づくりの情熱を取り戻していく。そして彼が潰してしまった作家・広川蒼汰は――。 挫折を味わった編集者は書店主となり、そしてまた編集者として再起する。本に携わる人々と、彼らの想いを描いたお仕事エンターテインメント。 -
雲上雲下
「物語が世界から消える?」 子狐に山姥、乙姫に天人、そして龍の子。 民話の主人公たちが笑い、苦悩し、闘う! 「全体の形があらわになった瞬間、 全身に鳥肌の立つような感動を覚えた」 阿部智里(作家) 【出版社からのコメント】 朝井さんと日本各地へ行き、 昔から伝わるお話を聞かせていただきました。 湖や地方の山、遺跡に滝。 ブナ林の中を走り回り、 田んぼの中で 偶然みつけたお地蔵さんを拝んだことも。 そんな四季折々の一瞬一瞬が集められ、 物語となり、生き物のように動きはじめました。 「物語よりおもしろいものがある」 と言われる厳しい時代の中、 朝井さんが命を吹き込んだ“物語たち”は 世界に問いかけます。 物語たちがいなくなってしまったら、 どうするでしょうか? 本作品が、 物語に関わるすべての人に届いたらと 切に願っております。 昔、むかしのそのまた昔。深山の草原に、 一本の名もなき草がいた。 彼のもとに小生意気な子狐が現れ、 「草どん」と呼んでお話をせがむ。山姥に、 団子ころころ、お経を読む猫、 そして龍の子・小太郎。草どんが語る物語は やがて交錯し、雲上と雲下の世界がひずみ始める。 ――民話の主人公たちが笑い、苦悩し、闘う。 不思議で懐かしいニッポンのファンタジー。 〈第十三回中央公論文芸賞受賞〉 (解説:阿部智里) 章ノ一 小さき者たち 草どんと、子狐 団子地蔵 粒や 亀の身上がり 猫寺 章ノ二 勇の者たち 通り過ぎる者 お花 湖へ 小太郎 章ノ三 物語の果て 草どんと、子狐と山姥 神々の庭 空の下 解説:阿部智里 -
ウチの娘は、彼氏が出来ない!!
私だって恋してみたい。と娘(二十歳)は思っていた。 でも、漫画は次々に新刊が出るし、コミケに向けてコスプレの準備もしなきゃだし。 オタクの私はそれでも結構忙しいのだ。 なんていうか、“ご縁”もなかったし。 そんなことより心配なのはウチの母! いい歳して天然、暴走、世間知らずなかーちゃんを放っては置けない。 そんな時、二人に突如吹きつけた恋の春一番! 娘にとっては人生初の、母にとっては久々の、恋! 少女のような天然母・碧と、しっかり者のオタク娘・空。 トモダチ母娘のエキサイティングラブストーリー。 2021年1月クール、日テレ系列で放送の水曜ドラマを小説化。 出演:菅野美穂、浜辺美波、岡田健史、川上洋平(Alexandros)、東啓介、沢村一樹、有田哲平、豊川悦司ほか -
テッパン
80年代 東京――僕と不良のひと夏の物語。 中学卒業と同時に渡米し、長らく日本を留守にしていた吉田倫。吉田は旧友である寿司屋の主からの誘いに応じて、中学の同窓会に赴いた。 同窓会のメインイベントは当時作ったタイムカプセルを皆で開けること。タイムカプセルの中に入っていたのは、アイドルのブロマイドに『明星』や『平凡』といった芸能雑誌、『なめ猫』の缶ペンケースなどなど。三十年以上前に流行した懐かしいグッズの数々に、同級生たちの会話が盛り上がる。 そんな中、吉田の紙袋から出てきたのは『ビニ本』に『警棒』、そして小さく折りたたまれた『おみくじ』だった。 それらは吉田が中学三年の夏休みに出会った、中学生ながら屋台を営む町一番の不良、東屋との思い出の品で――。 平凡な「僕」と不良の「あいつ」、正反対の二人が出会った、ひと夏の切ない物語。 -
万国菓子舗 お気に召すまま ~真珠の指輪とお菓子なたこ焼き~
注文されたお菓子はなんでも作る博多の“和洋”菓子店「お気に召すまま」はサボり癖のある店主・荘介とアルバイト・久美のコンビで今日もほっこり営業中。 クリスマスも間近に迫った日。どんなお菓子でも作るという荘介の噂を聞きつけて少年がやってくる。 どうやら彼はおとぎ話に登場する「不思議なお菓子」を作ってほしいようで…? 巻末の「特別編 ジョーカーを握っている」では、荘介の父親が『万国菓子舗 お気に召すまま』を見張る不審人物と出会い…? 大人気シリーズ、ますます美味しい第9弾! -
未来の私へ贈る、君と紡ぐ今日の物語
金沢で暮らす高校生の彩羽は、モノに触れるとそこにある感情を色として視ることができる。その特殊な能力と、不仲によって離婚した両親とはなればなれになったことで、どこか孤独を感じる日々を過ごしていた。「代わりは他にはいないんやから、もっと大事にしないとだめやろ?」和紙工房でアルバイトをしている憧れの大学生・創生がくれる言葉に、彼への気持ちが膨らむ彩羽だったが、彼の色は視えない。さらにふたりの関係を揺るがす出来事が待ち受けていて――!? 「創生さん、私は、これからもあなたに、ずっとずっと恋しててもいいですか?」孤独な少女がさまざまな色を通して大切な人の想いと絆を知り成長する、感動の青春ストーリー!! 読んだらきっと大切なあの人に会いたくなる! -
青蘭国後宮みがわり草紙
はるか南の島国、青蘭国。 霊媒師として生計を立てる少女・蓮華は生き別れの姉・桜花が国王との間に子を残して亡くなったことを知る。 蓮華は忘れ形見の王子を守るため、陰謀渦巻く後宮へ飛び込むことに。しかし、みがわりの王妃としてふるまう蓮華に、美貌の国王は冷酷な目を向ける。姉の想い人に半ば失望した蓮華だったが、そこには亡き姉への愛が隠れていることに気づき、蓮華自身も静かに王に惹かれていく……。 姉の想いとともに、王母の策略が張り巡らされた後宮を生き抜け──陰謀の後宮ファンタジー! -
今日は心のおそうじ日和
突然終わった結婚生活。バツイチか──と嘆く余裕もない私。職務経験もろくにないが、家事だけは好きだった。 そんな私に住み込み家政婦の仕事が舞い込む。相手は高名な小説家。そして整った顔立ちとは裏腹に、ものすごく気難しい人だった。行き場のない私と、ふれ合いを拒む小説家。最初はぎこちなかった関係も、家事が魔法のように変えていく。彼と心を通わせて行くうちに、いつしか──。 なにげない毎日が奇跡になる物語──本を閉じた後、爽やかな風を感じてください。 -
君と、君がいる彼方
相原孝之は一級建築士で、妻の貴美子と中学1年生の娘・美加、小学2年生で料理好きの息子・康文の4人家族だ。ある日、息子が車にはねられ意識不明の重体に陥るが、時を同じくして、孝之の不倫や娘が学校でいじめられていることが発覚し、家族は瓦解寸前に。そんなとき、認知症の老人が相原家の前に何度も現れ、孝之の心にさざ波が立つ。孝之には幼い自分と母を捨て駆け落ちした父親がいたのだ。一方、康文の意識が戻らない中、老人とのふれあいを重ねるうちに、貴美子と美加の2人は驚くべき事実に気づくことに……。 不倫、いじめ、交通事故、そして認知症老人の作る手料理――崩壊寸前の家族に訪れた奇蹟の13日間。江戸川乱歩賞作家が満を持して贈る書き下ろし感動長編小説 -
転職の魔王様
この会社で、この仕事で、この生き方のままで――いいんだろうか。若手注目作家が未来の見えない大人たちに捧ぐ、渾身のお仕事小説! 大学卒業後に入社した大手広告代理店でパワハラに遭い、三年たたずに退職してしまった未谷千晴。働く自信と希望をすっかり無くしてしまった千晴だが、どうにか「普通の大人」に戻りたいと、叔母が経営する人材紹介会社を活用しながら転職活動をすることに。彼女はその会社で、「転職の魔王様」という異名を持つ凄腕キャリアアドバイザー・来栖嵐と出会う。「仕事内容なんて何でもいいから、とにかく履歴書の空白期間を埋めたい。それが未谷さんのご希望ですか」面談初日から不躾な態度で接してくる来栖に、千晴は戸惑うが……。人気漫画家、おかざき真里氏、推薦! -
考えるよろこび
江藤文学への最高の入門書。『漱石とその時代』執筆当時に行った、若き著者の知性とユーモア溢れる講演録。表題作の他「転換期の指導者像」「英語と私」など、全6編――アメリカから帰国し、名作『漱石とその時代』を準備中の、1968年から69年にかけて行われた若き日の6つの講演。現代における真の「英知」とは何か……歴史を探り、人物を語り、表現の謎に迫り、大学や国際化の意味を問う。軽妙なユーモアと明快な論理、臨場感あふれる語り口で、読者を一気に江藤文学の核心へといざなう。多くの復刊待望の応え、甦った歴史的名講演集。 ※本書は、講談社文庫『考えるよろこび』(1974年9月)を底本としました。 -
ぎぶそん
中学二年「ガンズ・アンド・ローゼズ」に心酔した少年ガクは、仲間を集めてバンドをはじめる。 親友のマロと幼なじみのリリイ。 それに「ギブソンのフライングV」を持っていてギターがうまいと噂――の問題児かける。 ケンカや練習を経て、四人は次第に仲間になっていく。 ガクとリリイの淡い恋、文化祭ライブ、十四歳のできごとのひとつひとつが多彩な音を響かせあう青春ストーリー。 第21回坪田譲治文学賞受賞作。 -
家族会議
官能とバイオレンスの大家が70代で描いた「家族」を揺るがす一大事な物語7篇。 「姉妹」 子供が巣立って、夫婦だけの二人暮らし。夫は自分が先に逝くと思っていたが、妻が半身不随に。食事や入浴の世話で生活は一変した。妻の妹が同居して助けてくれたまでは よかったが……。 「ダブルベッド」 娘の披露宴に出席する両親。しかし、二人は別れて12年の元夫婦。娘と新郎の願いでこの日だけ夫婦のふりをしなくてはならなかった。 ほか、急死した呑み屋のママの葬儀で常連客が次々と暴露する秘密(「遺骨」)、元ヤクザの父親が遺した遺言状のあまりな内容に驚く息子(「遺産」)など、一筋縄でいかない仕掛けが満載。大家の筆の凄みを堪能できる極上の短篇集。 -
新入社員、社長になる
「えっ、俺がコイツの部下になるの!?」。 名古屋市にある菓子メーカー・押切製菓。そのオーナー社長である押切謙二が、新入社員である都築俊介を社長に抜擢し、なぜか総務課長の島田高志がその教育係になってしまった。 都築は会社の慣習など我関せずと改革を推し進め、社内の人間関係は最悪に。当然、そのしわ寄せは教育係の島田のもとへとやってきた。島田と都築の関係も、ぎくしゃくしていった。 そんな中、ライバル企業である大那フーズが、押切製菓の模倣品を発表した。押切製菓の売上はみるみる減っていき、ついには倒産の二文字が。しかし、新米社長の都築はこの大ピンチを驚くべき手段で切り抜け、さらにライバル企業を打倒するべく、島田に新たなミッションを与えるのだが――。 ゴタゴタの人間関係、会社への不信感、全部まとめてスカッと解決! 全サラリーマンに希望を贈る、お仕事応援バラエティ! -
陽気なクラウン・オフィス・ロウ
こよなく愛したC・ラムを巡る英国への旅。香り高き紀行文学――英国の名文家として知られ、今もなお読み継がれているチャールズ・ラム(1775~1834)をこよなく愛した著者が、ロンドンを中心に、ラムゆかりの地を訪れた旅行記。時代を超えた瞑想が、ラムへの深い想いを伝え、英国の食文化や店内の鮮やかな描写、華やかなる舞台、夫人とのなにげない散歩が、我々を旅へと誘ってくれる。豊かな時間の流れは、滞在記を香り高い「紀行文学」へ。 ◎「この『陽気なクラウン・オフィス・ロウ』では、作者がいわばロンドンの空気の中に丸ごと溶け込み、心ゆくまでロンドンという大都会の古びた湯船にゆったりと身を横たえ、ラムへの尽きぬ思いに浸っているということだろう。この滞在記にただよう一種沁み沁みとした哀感は、ここに由来する。」<井内雄四郎「解説」より> -
万引き家族
第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門にてパルムドール(最高賞)をはじめ、 第42回日本アカデミー賞最優秀作品賞はど数々の賞を受賞した映画『万引き家族』を 是枝裕和監督自ら小説化。是枝監督が小説で描き出す、「家族の絆」とは―――。 「彼らが盗んだものは、絆でした」 とある住宅街。柴田治と息子の祥太は、スーパーや駄菓子店で日常的に万引きをする生活を送っていた。 ある日、治はじゅりという少女が家から閉め出されているのを見かねて連れて帰ってくる。 驚く妻の信代だったが、少女の家庭事情を案じ、 一緒に「家族」として暮らすことに。 年金で細々と生きる祖母の初枝、信代の妹でJK見学店で働く亜紀。 6人家族として貧しいながらも幸せに暮らしていた。 しかし、ある出来事を境に、彼らの抱える 「秘密」が明らかになっていく―――。 -
夏の流れ 丸山健二初期作品集
平凡な家庭を持つ刑務官の平穏な日常と、死を目前にした死刑囚の非日常を対比させ、死刑執行日に到るまでの担当刑務官と死刑囚の心の動きを、緊迫感のある会話と硬質な文体で簡潔に綴る、芥川賞受賞作「夏の流れ」。稲妻に染まるイヌワシを幻想的に描いた「稲妻の鳥」。ほかに、「その日は船で」「雁風呂」「血と水の匂い」「夜は真夜中」「チャボと湖」など、初期の代表作7篇を収録。 ◎「丸山健二の文学性は、ジェームズ・ジョイスに通じる。本作品集に収録されている初期短編を改めて読みながら、私はそう思った。(中略)すぐれた芸術家は生涯を通して変貌を続けるが、若き日の作品群は作品を受容する側にとっての定点を提供する。ピカソのキュビズムは、初期の見事な絵画によって担保される。このような文脈において、本文庫に収められた初期の短編の数々は、弱冠23歳で芥川賞を受賞し、長年文壇と一線を画して孤高の道を歩んできた丸山健二の文学の全体像を理解する上で、重要な意味を持つのではないか。」<茂木健一郎「解説」より> -
わたしは告白ができない。
校内でも有名なイケメン風紀委員長・睦月に片思い中の小夜子。 ある日、ずっと渡せなくて持ち歩いていた彼へのラブレターが紛失してしまった。 「大切なものがなくなった」と落ち込んでいると、それに気づいた睦月が「風紀を乱す盗難事件は即刻解決する」と言い出した。 落とし物として誰かに拾われ手紙を読まれることは嫌だけど、こんな展開で本人に内容を知られるのが一番最悪――。 渡すつもりだったラブレターが行方不明になったり、送ったはずの告白メールが見知らぬ誰かに届いてしまったり。 かと思えば大切な思い出を盗まれ、なりすまし告白をされたり。 わたしが告白できないのは、恋なのか故意なのか。……どっちでもいいから告白くらいさせてほしい! 『交換ウソ日記』の著者が描く、いつも誰かに邪魔をされ何故か告白ができない女の子と、イケメン風紀委員長とのドタバタ告白ミステリ! -
さくら、うるわし 左近の桜
小旅館「左近(さこん)」の長男・桜蔵(さくら)は、母と弟が暮らす家を離れ、父・柾(まさき)の元から大学に通っている。柾の庶子ではあるが特に不自由はなく、柾の本妻である遠子(とおこ)とは、気軽に連れ立って出かけられるほどだ。複雑な家族関係に不満はないが、誰からか継いだ、不可思議な体質は困りものだ。見えないはずのものを見てしまうだけでなく、その者たちに魅入られ、身体をほしいままにされてしまう。それも、集まってくる者たちはいずれも桜蔵を「いい女」と呼んではばからないのだ。 耳を求めさまよう犬、男か女か判然としないマネキン――この世ならぬものたちが桜蔵の身体を求め……。生と性、死の気配が絡み合う珠玉の連作幻想譚。 -
声が出なくなったので、会社を辞めて二人暮らし始めました。
仕事は辛くて友だちも少なく、元カレはクズ。ストレスが原因で声が出なくなり会社を辞めた絵麻。無職になり祖母の遺した家でずぼらな引きこもり生活をしていたが、突如親友の弟・空が現れる。 「俺がここに住むの、どうですか?」 空の強引な提案で一緒に暮らし始める二人。空の手料理やお世話により、絵麻の生活は改善されていくが、空には秘密があって……。 『おいしい』『ありがとう』『好き』――声が出なくても想いは文字《カタチ》にして伝えたい。 優しく言葉を綴る恋の物語。 -
嵯峨野より
嵯峨野の自然と人生を流麗に綴る好エッセイ―― 剃髪して京都の郊外嵯峨野に庵を結んだ著者が、樹木、野の草をはじめ四季の自然を愛し、それに対することで自分の来しかた、人生、世の移ろいを深くとらえ、さわやかな感動を読む者に与える好エッセイ。 吾れ、常に、ここにおいて、切なり、と心につぶやく。すると、心の中に涼しい風がおこり、もやもやした俗情がさっぱり吹き払われる……。剃髪して京都・嵯峨野に庵を結ぶ著者が、草花、樹木をはじめ四季の自然を愛し、それに対することで自分の人生、世の移ろいを深くとらえ、さわやかな感動を与える好エッセイ。 -
樹海村〈小説版〉
「お姉ちゃん知ってる? この箱が置かれた家はね、 みんな死んで家系が絶えるの」 人々を戦慄させる禍々しい古くから伝わる強力な呪いを、 歪な木々や地を這う根が生える、 不気味で壮大な樹海の奥深くに封印した。 ――13年後。姉妹の響と鳴の前に、あれが出現。 そして、樹海で行方不明者が続出する。 自ら向かったのか?それとも魔の力に吸い寄せられているのか? 恐怖が、いま再び解き放たれる。 実録!実在!?東映が贈る【恐怖の村】シリーズ第2弾! 次なる舞台は…アノ富士の樹海。 樹海に封印された呪いの箱が、今解き放たれる! 2020年2月に公開し、非常事態下において異例の興収14億円、110万人を震撼させた映画『犬鳴村』。 続く【恐怖の村】シリーズ第2弾の舞台は、令和の時代となった今もなお禁足地として存在する富士の樹海。 木々の生命力がみなぎる美しい場所である一方、 「コンパスが効かない」「一度入ったら迷って出てこられない」「本当に死体が多数ある」 など様々な話題が絶えず、人生の最期を迎える場所としてこの地を選ぶ者の多さでも有名。 そんな森の奥深くには、何者かが暮らす村が存在した。 そして、封印されし凶悪な呪いの箱……! 「絶対に検索してはいけない」とインターネットの怪談スレで語り継がれる、通称“コトリバコ”。 逃げても逃れられない箱の恐怖と「SUICIDE FOREST」として世界的に有名な富士の樹海がもたらす負の引力。 〈小説版〉は、『犬鳴村〈小説版〉』に引き続いて久田樹生が手掛ける。 -
附子の弁舌
\オーバー30歳主人公コンテスト特別賞受賞作/ 【約500作の中から受賞! 理不尽を毒舌&法律知識でぶったぎる痛快劇、開幕!】 俺、貝谷[かいたに]は美容師(まぁ、雰囲気イケメンだ)。そしてコイツは馬場添泉[ばばぞえいずみ]。よろしくない容姿と異常に口の悪いのが特徴の弁護士。嫌味を言う時に一番いきいきする女。 同窓会での再会をキッカケに、なぜか俺は不倫や虐待事件のいざこざに巻き込まれ、そのたび馬場添が毒舌と法律知識を武器に無双する!「武器[のうりょく]がない奴なんて、私みたいな賢いババアに踏まれてお終いよ! だから武器を磨いて。今は私に任せなさい」俺はお前が苦手だが、お前はすげぇよ、馬場添。 現代の理不尽をぶったぎる痛快劇、ここに開幕! -
猫がこなくなった
猫好きの友人の高平君がうちに来て、涙ながらにいなくなった猫の話をはじめた、聞けば聞くほど私が外で世話していたキャシーそっくりだった。 ついに1ヵ月経ったところで高平君は、迷い猫のポスターを貼りだした。それを作ったのは二週間目だったが、「貼ったら事実を固定化するみたいじゃん。」と思っていたのだ。レディはきっと帰ってくる、キャシーもそうだ。 果たして高平君のレディはみつかるか?(表題作) 特別に忘れがたい猫、突然伐られてしまった大きなヒマラヤ杉、賢いカラス、鎌倉の家から見えた川端先生のお屋敷、夏の明るい日差しの中で本を読むこと、隣家の物置きに住み着いた赤ん坊連れの女のひと、子猫が友人の手のなかで命を落とした夜明けまでの夜・・・ 「命において死は生きるのと平行して在りつづける」ことを証しだてる9つの短篇小説。 -
P+D BOOKS 貝がらと海の音
老夫婦の穏やかでかけがえのない日々を描く。 「もうすぐ結婚五〇年の年を迎えようとしている夫婦がどんな日常生活を送っているかを書いてみたい」(あとがきより)――。庭に咲く四季折々の花々、かわいい孫たちの成長、ご近所さんが届けてくれる季節の風物など、作者の身のまわりの何気ない日常を、まるで花を育てるように丹念に描く。 「棚からものが落ちてきても、すぐには反応できない」「歩くスピードが明らかに落ちた」などという老いの兆候も、戸惑いながらも受け入れ、日常の一コマとして消化していく。事件らしい事件は何も起こらないが、些細な驚きの積み重ねで読み応えある文学作品にしてしまう、まさに庄野潤三の世界。 -
慶応三年生まれ 七人の旋毛曲り 漱石・外骨・熊楠・露伴・子規・紅葉・緑雨とその時代
夏目漱石、宮武外骨、南方熊楠、幸田露伴、正岡子規、尾崎紅葉、斎藤緑雨の七人がみな、幕末維新動乱真っ只中の慶応三年生まれの同い年だということに、著者が興味を感じ続けてきたことからすべてが始まる。明治期の文学に造詣の深い著者が膨大な文献を渉猟することで浮かび上がってきた、七人の傑物たちの姿や相互に絡み合う関係を生き生きと筆致で描くことで、明治初期から日清戦争までの時代を鮮やかに浮かび上がらせる本書は、2001年講談社エッセイ賞を受賞した。鋭い批評性を保ちながらも、ひたすら頁を繰っていきたくなる面白さに満ちた文芸評論の傑作。 -
元彼の遺言状
第19回『このミステリーがすごい! 』大賞 大賞受賞作 「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」――奇妙な遺言状をめぐる遺産相続ミステリー! シリーズ累計48万部突破! テレビ・新聞・雑誌・WEBニュースほか各メディアで話題 (あらすじ) 「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」。元彼の森川栄治が残した奇妙な遺言状に導かれ、弁護士の剣持麗子は「犯人選考会」に代理人として参加することになった。数百億円ともいわれる遺産の分け前を勝ち取るべく、麗子は自らの依頼人を犯人に仕立て上げようと奔走する。ところが、件の遺書が保管されていた金庫が盗まれ、さらには栄治の顧問弁護士が何者かによって殺害され……。
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