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Posted by ブクログ 2021年03月07日
『JR高田馬場駅戸山口』柳美里
山手線シリーズ。『グッドバイ・ママ』の新装・改題版。上野駅も品川駅も孤独で辛かったけれど、こちらは群を抜いて孤独だと思った。こんな手法で孤独を描くことができるんだと思った。おそろしい。
夫は単身赴任先で不倫、母親は離婚、父親は他界、義実家とも不仲。幼稚園児の息子...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年02月08日
柳美里の山手線シリーズ、私にとっての3冊目。あとがきに、連作8作の内、唯一師匠的な内容である、とされている。それがうなづけるぐらい、主人公の心理的な流れが言葉としてしつこいほどに表現され続けている。断続的な意識と指向の連続が、主人公の絶望へと駆り立てられる様子をとてもリアルに描き出してく。
なぜか...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年09月27日
主婦の狂気が怖くて気持ち悪い。暴走して周りと軋轢を生みまくってるから居心地が悪い。放射能に怯える主婦。鎖。731。なぞのハットリくん口調と淡々と書く三人称で、何が何なのか分からなくなる。
孤独が確執を生むのか確執が孤独を生むのか、こんなに人が多い高田馬場で幼稚園で団地で人と関わっているのに、誰も狂気...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年02月15日
この人が軽いアスペルガーなのか正常なのかわからなかった。子どもを大切に思う気持ちと追い込む行動のどちらもわかる気がした。夫と離婚寸前で近所のおばさんたちにはゴミ問答の後「逃げた逃げた」などと言われ、東日本大震災の放射能でもノイローゼになって。子どもは毎日食べれない量のお弁当を持たされ、「食べろ!残す...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年05月07日
都会に溢れる情報と主人公の頭の中でどこからか止めどなく溢れ出てくる情報が入り混じって、とにかく忙しなく畳み掛けてくる。
そんな膨大な情報が大きな壁となって、主人公は社会から隔絶されているように思えた。
きっと社会と繋がりたくていろいろな情報に手を伸ばして、けれどそれらが却って主人公と社会を隔ててしま...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年07月14日
上野駅、品川駅と読んで3作品目です。
上野駅も品川駅も、死んだように生きている人が、最終的にたどり着いたのが死だった。どちらも読後、程よいカタルシスを感じた。
が、この高田馬場駅は、読んでいて非常に辛かった。読むほど、気持ちが悪い方向に持っていかれた。主人公は生きようとしているのに、そのために必死に...続きを読む
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