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家族に疎まれ寒村の寺に預けられた武家の庶子・行之助は、手ひどい裏切りにあって村を捨てた。絶望から“無暁”と名を変え、ひょんなことから一緒になった万吉と江戸に向かう。悶着をきっかけにやくざの用心棒になった無暁と万吉――波瀾万丈の人生が始まる。信じるものを見失った無暁が、最後にたどり着く圧倒的な境地とは? 傑作が待望の文庫化!!
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Posted by ブクログ
分厚いので身構えたけど3日で終えた。いやあ重い終わり方だった、無暁の半生だけど簡単ではない、とても真似出来ない正解とも思えない、ただ無暁が自分から選んだという事実だけである。即仏心の事は知っているけど千日行がその為のものとは知らなかった。その先にあるのが即仏心で、その為に修行に耐えることが出来るのか...続きを読む?蓋を閉める暗闇で鈴を鳴らす、嫌だ死にたくないが本心だった、いやそうなるよ、干物の様に海水掛けられて。小坊主3年から江戸の生活に末吉にしのに、島生活に、繋がるのかと、辛い。見て来た様に書く西條奈加さんは流石
生とは何か、 死とは何か、 信仰とは何か、 真摯に向き合う無暁の姿は、時として読み手である自分に跳ね返る。 ーお前はどうなのだ? と。 人生に迷いを感じている時だったので、問答するように読む。
人に支えられて育ち、島流しの経験も経て支える立場になってからは円満な終焉が読めるのかと思っていたけれど、最も厳しい事を自らに課す主人公。 飽くことなく読んでしまいました。
生きることの苦しさ、死ぬ事の辛さ、どちらも地獄だとしたら、人間はそこから何を選ぶのだろう。重い内容だった。読み続けるのも苦しかったが、読まずには居れなかった。作者の無暁との道行を想像しながら、自分もいつか死を前にして抗うのかと思ったりする。無為に生き続ける事は出来ないと思った。
戸田家の庶子として生まれた垂水行之助は、あまりの利発さが災いしてか、義母と義兄から疎まれる。 行之助は我慢ができず、義母と義兄に暴力を振るったため、小菅村の西菅寺に預けられた。 住職から久斎と云う名を与えられ、小坊主として修行して13歳を迎えていた。 武家の出ということから兄僧から辛く当たられていた...続きを読むが、早朝に出掛ける水汲みの先で、村の娘のしのに会うことが唯一の楽しみだった。 しのの父親が亡くなり、葬儀代の代わりとしてしのは住職から陵辱され、それを苦に崖から身を投げて命を絶った。 絶望感に苛まれた久斎は寺を飛び出し、目的のない放浪者となる。 「もう自分の人生にもう朝は来ない」と考えた久斎は、無暁と名乗ることにする。 そんな時に同じ歳の放浪者の兵吉と出会い、二人して江戸に向かう。 二人は気が合い、運良く吉原でやくざ者として生計を立てることになる。 自分たちの今後に何となく見通しを立てることができるようになったころ、敵対する組との諍いで兵吉が命を落とす。 その意趣返しで無暁は人を殺め、八丈島へ島流しとなる。 無暁は一生を八丈島で終える覚悟を持っていたのだが、反目していた父親の力で恩赦が与えられ20数年振で江戸へ戻ることができた。 江戸に戻ってからの無暁は、世のため人の為になる僧を目指しての修行に入る。 無暁が寺から逃げ出して以来、どれ程の人たちに救われてきたのかを常に心に抱いている無暁は、何が人を口から救うことができるのかとの答えを求めての修行の過酷さが綴られている。
遠島・流刑という言葉は日本史の授業で習いましたが、実際に流された罪人たちが配流先でどうやって生活していたのかまでは知らなかったのでまずそこに驚き、さらに後半は修験者が即身成仏に至る過程にも驚き…と、驚きの連続でした。ただ、内容が非常に重く…この前読んだ『バタン島漂流記』も相当重かったですが、こちらの...続きを読む方がさらに重かったです。
著者の時代小説はやはり独特である。江戸時代後期の武家の庶子が主人公で、その波瀾万丈の一生を描いている。主人公に肩入れして、状況の好転を望む気持ちが出てくるが、まったく想像しない方向に向かっていく驚きがある。当時の仏教界についてよく理解できるが、晩年はシリアスで宗教色も強くなる。かなり重い小説だ。
挫折に次ぐ挫折で、最後は1000日回峰を達成し上人となったが、更なる高みを目指して即身仏となった無暁の物語。全編を通して重い内容が続く。 宇都宮藩の重役の家に庶子として生まれ、本妻と兄弟に虐められ、10歳で寺に預けられる。寺でも武家と覚えの良いので、先輩達から虐められ、13歳で出奔する。この時、無暁...続きを読むと名乗る。同い年の友達ができて、二人で江戸へ。ひょんなことから二人でヤクザの家に厄介となる。この友人が無暁を助けた事で殺され、仇討ちで多勢を殺し八丈島に島流し。艱難辛苦の島暮らし。更生した事で亡き父親の手配りで20年間の島暮らしを脱する。 多勢の亡くなった人々を弔いながら、出羽三山での修験道。50歳の無暁には肉体的にも厳しい修行で辛い。 何故修行するのか、何が真理なのか、即身仏となるため入定塚の中で、今だに生きている証の鈴の音が鳴り響く。最後に生きることに未練が出て苦しむ無暁が悲しい。
重い。それでも、このような人生があったのだなと思える。江戸時代の江戸以外の様子が描かれている。八丈島への島流し、そこでの生活など考えたこともなかった。最後の鈴の音(ね)。文字よりも耳に残った。
裏表紙のあらすじからは、破戒僧のピカレスクロマンのようにも見えるが、ピカレスクロマンではなく、単純な仏教小説でもない。 主人公が、社会の不条理に翻弄され、社会の不条理と向き合い、せめて人々の心の救済を求めていく物語。あえていえば、江戸時代の仏教をテーマにした「罪と罰」か?ちょっと違うけど。
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無暁(むぎょう)の鈴(りん)
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西條奈加
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