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Posted by ブクログ
戸田家の庶子として生まれた垂水行之助は、あまりの利発さが災いしてか、義母と義兄から疎まれる。
行之助は我慢ができず、義母と義兄に暴力を振るったため、小菅村の西菅寺に預けられた。
住職から久斎と云う名を与えられ、小坊主として修行して13歳を迎えていた。
武家の出ということから兄僧から辛く当たられていたが、早朝に出掛ける水汲みの先で、村の娘のしのに会うことが唯一の楽しみだった。
しのの父親が亡くなり、葬儀代の代わりとしてしのは住職から陵辱され、それを苦に崖から身を投げて命を絶った。
絶望感に苛まれた久斎は寺を飛び出し、目的のない放浪者となる。
「もう自分の人生にもう朝は来ない」と考えた久斎は、無暁と名乗ることにする。
そんな時に同じ歳の放浪者の兵吉と出会い、二人して江戸に向かう。
二人は気が合い、運良く吉原でやくざ者として生計を立てることになる。
自分たちの今後に何となく見通しを立てることができるようになったころ、敵対する組との諍いで兵吉が命を落とす。
その意趣返しで無暁は人を殺め、八丈島へ島流しとなる。
無暁は一生を八丈島で終える覚悟を持っていたのだが、反目していた父親の力で恩赦が与えられ20数年振で江戸へ戻ることができた。
江戸に戻ってからの無暁は、世のため人の為になる僧を目指しての修行に入る。
無暁が寺から逃げ出して以来、どれ程の人たちに救われてきたのかを常に心に抱いている無暁は、何が人を口から救うことができるのかとの答えを求めての修行の過酷さが綴られている。
Posted by ブクログ
挫折に次ぐ挫折で、最後は1000日回峰を達成し上人となったが、更なる高みを目指して即身仏となった無暁の物語。全編を通して重い内容が続く。
宇都宮藩の重役の家に庶子として生まれ、本妻と兄弟に虐められ、10歳で寺に預けられる。寺でも武家と覚えの良いので、先輩達から虐められ、13歳で出奔する。この時、無暁と名乗る。同い年の友達ができて、二人で江戸へ。ひょんなことから二人でヤクザの家に厄介となる。この友人が無暁を助けた事で殺され、仇討ちで多勢を殺し八丈島に島流し。艱難辛苦の島暮らし。更生した事で亡き父親の手配りで20年間の島暮らしを脱する。
多勢の亡くなった人々を弔いながら、出羽三山での修験道。50歳の無暁には肉体的にも厳しい修行で辛い。
何故修行するのか、何が真理なのか、即身仏となるため入定塚の中で、今だに生きている証の鈴の音が鳴り響く。最後に生きることに未練が出て苦しむ無暁が悲しい。
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小説・文芸
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