麦と兵隊・土と兵隊

麦と兵隊・土と兵隊

小説・文芸
781円 (税込)

3pt

4.0

どんなに検閲がうるさく、制限がきびしかろうとも、書いておきたいものがあった――(あとがきより)
陸軍報道部員として日中戦争に従軍した著者が愛をもって描く兵隊と中国民衆。
果てしない麦畑を進軍、九死に一生を得た徐州作戦の経験を日記形式で綴る「麦と兵隊」、
杭州湾敵前上陸作戦に臨み、死と隣り合わせの日々を懸命に生きる兵隊の心情を弟への手紙形式で綴る「土と兵隊」の2作を収録。
戦場のリアルを限界まで追求し、書けなかった現実をも想像させる名作。

特別収録 浅田次郎「時代の贄 火野葦平の従軍手帖に寄せて」

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    KADOKAWA
  • 掲載誌・レーベル
    :
    角川文庫
  • タイトル
    :
    麦と兵隊・土と兵隊
  • タイトルID
    :
    20031096
  • 電子版発売日
    :
    2021年02月25日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    2MB

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麦と兵隊・土と兵隊 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    日中戦争に従軍した著者による生々しい従軍記。戦中に発行されベストセラーになったことに興味を持ち、手に取る。ノンフィクションではないらしいが、小説的演出はほとんど施されていない。

    戦地である中国をひたすらに行軍していく様子が描かれる。相手兵への敵意的な眼差しなどは当時の肌感覚を感じ取れるが、日本兵とのやり取りや生々しい生活の姿は現代人と変わらない同じ人間であることを感じさせる。
    家族が戦地に向かって人々が、このような生の記録のように感じるものを欲した気持ちも想像できる。

    0
    2026年09月03日

    Posted by ブクログ

    兵士であり従軍記者出会った著者が目にしたこと、体験したことが生々しく書かれている。兵士はひたすら歩く。重い背嚢を背負って。そのアリのような行軍がどこまでも続く麦畑や泥地を超えていく。
    読むと実際の日本兵の素顔がどうだったのか、近い人のように感じたりする。
    次から次へとページを繰ることができ、あたかも当時のその場所に自分がいて光景を見ているような錯覚を受けた。

    0
    2024年09月17日

    Posted by ブクログ

    火野葦平の小説「麦と兵隊」、「土と兵隊」が収録されています。
    火野葦平は石炭仲仕を商う家庭の長男として出生し、大学在学中より文学を志しましたが、その後、一時断念、左翼運動に興味を抱きながら家業を継ぎます。
    その後、労働活動が検挙されたことにより、転向を決心し、再度文学活動を再開します。
    芥川賞を受賞しましたが、転属し、報道部に入り、日中戦争渦中の南京に入ります。
    本作に収録されている「麦と兵隊」は、火野葦平こと、玉井勝則伍長が、1938年の徐州会戦での記録を元に書かれた戦記文学となります。

    「麦と兵隊」は日中戦争の最中、従軍時に書かれた作品で、内容は生々しいです。
    兵隊や軍備のかっこよさなど、戦争賛美を書かれたような作品や、あるいは後の世に同じ過ちを繰り返させぬよう戦争の悲惨さを伝えたような作品とは異なり、ただ、戦争に参加し、そこでの出来事を、下手な盛り上がりや脚色無く書いた内容となります。
    大本営や戦況を鷹の目から述べているようなものはなく、一報道部による従軍記録として書き出したのみの内容で、極限の状態でありながらも淡々と述べられています。
    技工が凝らされているわけでもなく、読みにくいわけではないのですが、読んで楽しめるものではないです。
    ただ、現地の兵隊がどれだけ辛い目に逢いながらがんばってきたのか、そのリアルな体験を感じられる内容となっています。

    「土と兵隊」も"麦~"同様、日中戦争にて杭州湾での上陸作品に参加した際の体験が元になって書かれた作品です。
    "麦と~"の方が知名度は段違いに上ですが、私的には"土と~"の方が読みやすかったです。
    "麦と~"は日記形式で従軍記録を書籍化したような作品ですが、"土と~"はある兵隊が弟に宛てた手紙という形式となっています。
    最初、海上で幾日も作戦の開始を待っていた「私」だが、ある日、ついに上陸が開始し、弾丸の飛び交う戦地で、日本人と見た目はそう変わらない中国人を相手に殺し合いをすること、隙間を見て睡眠し、ものを食い、脱糞する様子、そして凶弾にやられ倒れていく仲間が書かれてます。
    そして最後は、今日も進軍ができること、そして、また手紙を書きたいという思いが綴られて終幕します。

    いずれの作品も戦争中の場面が書かれているため、検閲が入っているようです。
    それを踏まえても、思ったより踏み込んだ内容となっていると思いました。戦地の壮絶さ、痛ましさが書かれています。
    本作は太平洋戦争中も読まれ、火野葦平は『戦争作家』として人気を博します。
    当然の如く、軍は本作を国民先導のプロパガンダとして利用しますが、それが元となって、火野葦平は戦後に戦争責任を追求される立場になります。
    ただ、本作自体は、海外でも本作されて人気が出ており、都合上の改変はあったのだろうけども極端に美化もされていない、中立な内容に思いました。

    なお、本書収録の2作の他に「花と兵隊」という作品があり、花を含めて火野葦平の兵隊三部作と呼ばれています。
    "花と~"も機会があれば、読んでみたいです。

    0
    2021年09月07日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    小説家による日中戦争の従軍記。出版は戦中だが、本書は戦後に作者による修正が入ったものである。

    戦後版のあとがきでは、著者自身は小説家なので本書はノンフィクションではなく、文学処理を施した創作であると述べられている(p286,287 あとがき「麦と兵隊」「土と兵隊」を書いた頃より)。戦中に出版された際のまえがきでも従軍記と記載されているものの、従軍中毎日つけた日記を整理し清書したに過ぎないものと補足されている(p291 前書 麦と兵隊)ので、ノンフィクションではないようだ。

    それでも、軍の修正が入りにくいであろう箇所はあるはずで、そのような箇所の描写は実体験に近いものが書かれているのではないかと思う。そういう部分が、本作から感じる生々しさに通じているのかもしれない。

    0
    2025年11月12日

麦と兵隊・土と兵隊 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    KADOKAWA
  • 掲載誌・レーベル
    :
    角川文庫
  • タイトル
    :
    麦と兵隊・土と兵隊
  • タイトルID
    :
    20031096
  • 電子版発売日
    :
    2021年02月25日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    2MB

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