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影と踊る日
「おまえは出来は悪いが、うちの娘だ」 思いつめたら突き進む“跳ねっ返り”女性警察官の真情。 認知症の高齢女性を助けた青年が水死体で発見された。 鈴山澪は事件の背後に悪名高い刑事の存在を探り当てる。 不審な動きを見せる刑事は何を追っているのか? 特殊詐欺の闇を抉り出す渾身の警察小説! 心優しき青年はなぜ殺されなければならなかったのか? 新潟県警に勤務する鈴山澪は地元のテレビ番組で、特殊詐欺対策啓蒙コーナーを担当している。 共演者の麻子は、恋人を詐欺被害で亡くしていた。ある日、麻子は生放送で、未だに捕まらない 犯人への憎しみを口走って炎上する。 一方、澪の友人で、大雪の日に認知症の高齢女性を保護して表彰された青年がいなくなる。 その件に絡んで謹慎となった澪は行方を探し、富山の海岸で変わり果てた姿を目にする。 辿りついた防犯映像には地元暴力団との交際が噂される刑事の姿が……。 警察組織に背を向けて事件を追う澪は、いつしか、封印した自らの過去に踏み込んでいくことに――。 新潟を舞台にした新たなる警察小説 -
ハイスクール・ブッキッシュライフ
カフカ、ニーチェ、ランボー、プルースト――「密かな悪徳」としての読書を愉しむ、ちょっとディープな世界文学案内。 30年前の高校生を魅了した名作15篇を再読。知的興奮あふれる文学エッセイ! ● 読み返すというのは、奇妙な体験である。わたしは高校生であったころから、すでに三十年以上も馬齢を重ねてしまった。ある書物に最初に出会ったときの驚きと同じものを、現在なお求めようとするのは困難かもしれない。その代わりにわたしには、高校生のときに見過ごしていた細部を、より丁寧に、またより広い文脈のもとで理解し直すことができるのではないかという期待がある。(「はじめに」より) -
ルコネサンス
大学院でサルトルを学ぶ中条珠絵は、亡き祖母と母と暮らした一軒家で一人暮らしを続けていた。生後すぐに母は離婚し、父とは二十数年会っていなかったが、ある日、伯父から再会を勧められる。迷った末に銀座のバーで出会うが、なりゆきから娘と名乗らないままに食事を重ね、恋愛にも似た感情を覚える。自身の結婚を機に、改めて父娘としての再会を果たすも、家族であれば持っているはずの共通の思い出がないことに気づく。郷里への旅や父の闘病を経て、ようやくたどり着いた父娘の在り方とは――。父娘がお互いを家族とふたたび認める(ルコネサンス)までの軌跡を描いた著者の自伝的フィクション。 -
P+D BOOKS 風の息 全3巻 合本版
待望の全3巻合本版!! 日航機「もく星号」墜落の謎を追う問題作。 昭和27年4月9日、突然消息を絶った日航定期便福岡行き「もく星号」は、羽田を離陸した20分後に消息を絶った。 乗客には八幡製鉄社長・三鬼隆、漫談家・大辻司郎など著名な顔ぶれも混じっていた。翌日、伊豆大島三原山噴火口付近で、バラバラになった機体が発見されたが事故原因は特定されないまま。朝鮮戦争の最中に起ったこの事故は、果たして偶然か謀略か? 筆者代表作「日本の黒い霧」などと同様に、昭和の“謎”事件の真相を解明するため、記録的手法を導入して真正面から挑んだドキュメントタッチの長編小説。 -
君を憶えてる
小学校6年生の夏休み。僕たち5人は、湖での肝試しで、ある不思議な「光」を見た。それがすべての始まりだった--。5年後、高校2年生の夏休み。僕(ヒロ)は、一人で映画を見に行った街中で、奇妙な体験に襲われる。仲間のトシと、引きこもっているはずのミチオ、そして名前も知らない「もう一人」が急に目の前に現れたのだ。彼らは僕のことを「ハカセ」と呼び……そこで幻視はパチンととぎれ、気がつくと、さっきの雑踏の中に一人で立っていた。この「ジャメ・ビュ(未視感)」が序章となり、周りの仲間たちにも不思議なことが起こり出す。あの夜、「光」を見たのは、5人ではなく、6人だったのではないか? そう思い出した僕は、友だちから彼女になったハム子や、ミチオに話を聞いてみる。すると、二人は、「光」を見た夜に、それぞれ、秘密を持っていることがわかった。その後、大けがをしたトシの見舞いに行った病院で、僕はサラと再会し、すべての奇妙な現象の原因が彼女にあると確信する……。松本清張賞作家が、思い入れのある土地、津久井湖・橋本を舞台に、新機軸に挑んだ「SF青春小説」! -
Xと云う患者 龍之介幻想
あの文豪の生涯と作品を織りまぜて、リシャッフルし、夢見直して、12の妖しい、美しいピースに仕立てた本。それだけで十分すごいが、さらにこの日本語版は、原文の独特のリズムを緻密に再現し、等しく妖美な作品を再創造している。奇跡のような一冊。 ――柴田元幸 本書を読む者は 必ずや二度三度と 芥川の文学的狂気に侵される。 イギリス暗黒文学の旗手が、芥川龍之介の生涯を恐るべきヴィジョンと魔術的な語りを通じて幻想文学として語り直す。 芥川龍之介。東方と西方の物語と伝承と信仰に魅せられた男。そのなかで静かに渦を巻く不安。それがページから少しずつ滲み出す。 半透明の歯車が帝都を襲った震災の瓦礫の彼方にうごめき、頽廃の上海の川面には死んだ犬が浮き沈み、長崎には切支丹の影が落ち、己が生み出した虚構の分身が動き出し、そして漱石がロンドンでの怪異を語る。河童。ポオ。堀川保吉。ドッペルゲンゲル。鴉。マリア像。歯車。羅生門、藪の中、蜘蛛の糸、西方の人――キリスト。私のキリスト。 ジェイ・ルービン訳の芥川作品をピース自身の呪術的な語りとコラージュし/マッシュアップし/リミックスして生み出した幻想と不安のタペストリーを、コーマック・マッカーシーやリチャード・パワーズらを手がけた黒原敏行が芥川自身の文章と精密によりあわせて完成させた日本語版。芥川と幻想ノワールの結合として、原語版以上の衝撃をもって読者を眩惑する。 災厄と文学、狂気と詩情、日本文学と英国文学、現代文学と近代文学、現実と幻覚……すべての境界をおぼろに融かしてゆく文学と翻訳のはなれわざ。 -
旅の終わりに
【映画『ロング,ロングバケーション』原作!】ガン治療中のエラと認知症の夫ジョンの老夫婦。ふたりは子供たちの反対を無視し、かつて一家で旅をしたキャンピングカーに乗って、なつかしいディズニーランドを目指し、ルート66でアメリカ大陸横断の旅に出る。記憶はまだらでも、ジョンの運転は昔通り。ハンバーガーばかり食べたがるジョン、痛み止めを飲み続ける助手席のエラ。強盗に遭ったり、危うくエラが置いてきぼりにされそうになったり、ホテルの超高級スイートに宿泊してみたり……。そして最後の最後にふたりが向かったのは? 老いについて、夫婦について、人生について……軽やかなタッチで見事に描いた傑作。 -
ハリー・クバート事件(上下合本版)
【驚異のメガヒット! 徹夜の覚悟なしに読み始めないで下さい!!】デビュー作の大ヒットで一躍ベストセラー作家となったマーカス・ゴールドマンは、第二作の執筆に行き詰まり、大学の恩師で国民的作家、ハリー・クバートに悩みを打ち明け助言を求めていた。しかし、そのハリー・クバートが、33年前に失踪した美少女ノラ殺害の容疑で逮捕されてしまう。彼の家の庭に埋められていたノラの白骨死体が発見されたのだ! 師の無実を信じるマーカスは、事件について独自に調べはじめ、それを師に教えられた小説作法に従って、一冊の本にまとめあげることにしたのだったが……。次々に判明する新事実、どんでん返しに次ぐどんでん返し、世界40か国以上で刊行され、眠れぬ夜を過ごす人々を続出させたスイス発のメガヒット・ミステリ。アカデミー・フランセーズ賞、高校生が選ぶゴンクール賞同時受賞の傑作。/解説=川出正樹※本電子書籍は『ハリー・クバート事件 上・下』を1冊にまとめた合本版です。 -
1+1
何を食べて、何を飲む? 人生に寄り添う 愛おしい味がある 俳句結社「水軍」の同人である瑤子は、行くべきかためらっていた。 同じ結社で人たらしの拓郎から誘われた、自宅での食事会。 直前に取った1本の電話が、その意味を変えてしまったから…… (「鱚のフライと白ビール」) それぞれの人生、それぞれの背景を持った、多様な登場人物たち。 当人たちが抱える“心のもや”が、 「ペアリング」を通して、少しだけポジティブへと変わっていく。 料理と飲み物、そして味わう2人。 2つの「ペアリング」をモチーフにした24編。 極上の掌編小説集を、ご賞味ください。 -
ジャッカルの日【上下 合本版】
黒幕は秘密軍事組織、プロの殺し屋が狙う〈大統領暗計画〉。フランス、秘密軍事組織が企てたドゴール大統領暗殺――。依頼を受けたのは、一流の腕を持つ外国人殺し屋、暗号名“ジャッカル”。国内全土で頻発する強盗事件を捜査するなか浮かび上がってきた暗殺計画に、政府には激震が走った。殺し屋の正体を突き止め、計画を阻止すべく、極秘捜査が始まる。国家最大の難題に挑むのは、国内一の刑事、クロード・ルベル。国際謀略小説の巨匠フォーサイスのデビュー作にして最高傑作。 ※本作品は『ジャッカルの日』シリーズ全2巻を収録しています。 ※本商品は1冊に全巻を収録した合本形式での配信となります。あらかじめご了承ください。 -
白鯨 MOBY-DICK【上下合本版】
土佐の中浜村で漁師の次男として生まれ育った万次郎は、兄と釣りに出たときに見て以来、鯨に魅せられる。胸の内に棲み着いた鯨の存在は、日に日に大きくなっていった。やがて宇佐浦の鰹船に預けられた万次郎だったが、仲間たちと漁に出た際、足摺岬の沖合で遭難してしまう。さらに銛打ちの師匠・半九郎の形見の銛を追ってひとり、大海原に飛び込む。そんな万次郎を救出したのは、アメリカの捕鯨船ピークオッド号だった。船長エイハブは、自分の片足を喰いちぎった巨大な白いマッコウクジラ“モービィ・ディック”への復讐に異常な執念を燃やしていた。白い化け鯨の存在を銛打ちの師匠である半九郎から聞いていた万次郎も、彼らと同様、その熱狂へと身を投じていく……。海と鯨に心を奪われた男たちが神の生き物に挑む。ジョン万次郎とハーマン・メルヴィルによるアメリカ文学の金字塔『MOBY-DICK』が融合した超大作! 上下合本版。 ※本商品は1冊に全巻を収録した合本形式での配信となります。あらかじめご了承ください。 -
口笛吹きと音楽の犬
100年分のエモが詰まった青春音楽小説! 大滝瓶太は、口笛で大ボラを吹く 野心とたくらみに満ちたその音は、 声にならない祈りまで響かせてくる (作家・芦沢央氏) 音楽家は呪われている でも、不幸じゃない (口笛世界チャンピオン・青柳呂武氏) ・・・絶賛のコメント、続々!! あらゆる楽器を操る作曲家志望の秋と、口笛で世界を切り開こうとする春菜。芸大キャンパスで出会ったふたりが挑むのは、世界口笛コンクール――誰もが知っているのに、超マイナーな楽器の国際大会だ。クラシックからJ-POP、さらには映画音楽にボカロまで、ジャンルを横断した音楽がそこでは奏でられる。 〈きみにこの楽器を少しだけでも信じさせてあげる〉。春菜の言葉に導かれ、音楽家としての覚悟を決めようとする秋。しかし野望を秘めた前回大会覇者の登場で物語は思わぬ方角へ…… 『その謎を解いてはいけない』では本格ミステリを、『花ざかりの方程式』では数学SFを世に放った異形の作家・大滝瓶太の最新作は、“100年分のエモ”が詰まった新領域の青春音楽小説。 -
ジョヴァンニの部屋
ボールドウィン生誕100年 代表作を記念復刊! LGBTQ文学の傑作 アメリカで再注目されている黒人文学作家であり、マルコムX、キング牧師らとともに60年代公民権運動の中心的役割を担った思想家でもあるボールドウィンの生誕100年を記念し、代表作を復刊する。 小説の舞台は50年代のパリ。パリに遊学中のアメリカ人青年デイヴィッドは、婚約者ヘラが長期旅行で不在の間に、バーで知り合ったイタリア人男性ジョヴァンニと恋愛関係になり、ジョヴァンニの部屋で二人は同棲生活を送るうちに、デイヴィッドは封印してきた過去がよみがえり、苦しみを募らせる。婚約者ヘラが戻ってくると、デイヴィッドは自分の気持ちを押し殺そうとするが……。 「内なる自分と出会ったときの恐怖、罪悪感、喪失感をこんなにも激しく魅力的に描くことのできる作家がほかにいるだろうか。――いま、われわれの作品として大きく呼吸を始める」(金原瑞人「解説」より) -
天橋立物語 ~三年菊組ロリィタ先生~
その教師、人としてクズ、ロリィタじゃ最強! 「筋が通った生き方、この先生が教えてくれます!」(吉本ばなな) 国語教師・大石タネ。人としてクズ、ロリィタとして最強。 「下妻物語」竜ヶ崎桃子のDNAここにあり! 混迷の時代をレースの日傘でぶった斬る、痛快青春物語。 天橋立で知られる京都は宮津。のどかな観光地にある小さな私立高校に、臨時教師、全身ロリィタの大石タネがやってきた! 赴任早々、物議をかもしまくる彼女に何故かなつかれ、堂々ヒイキされるようになった姫山奈緒恵。 初恋、文化祭、進路、そして難病を抱える妹の瞑羅(くらら)とのこと……マイルールに生きる「ロリィタ先生」に振り回されながら、奈緒恵は、そして12人の生徒たちは、己の進むべき道を探っていく。 嶽本野ばら作家デビュー25周年記念長篇。 (底本 2025年11月発売作品) -
未来散歩練習
新しい世界を信じて夢見た 彼らが練習した未来へ 著者は、社会問題に独創的な想像力で対峙する、韓国で最も注目される新鋭作家である。 光州事件、釜山アメリカ文化院放火事件からの時間を、歩きながら思索し、つながりあう五人の女性たち。今を生きる・過去を理解する・未来を思うことを重層的に描く物語。 スミと幼馴染のジョンスンはホテルで会って話している。東京の大学院に留学し、仕事に追われる自分に不安になるスミ。ジョンスンは東京で結婚し離婚して、育児の悩みや経済的な苦労を抱える。スミはこの日の朝まで、親戚のユンミ姉さんと一緒にいた。ユンミ姉さんのことをしっかり記憶にとどめておきたいとスミは強く思う。 1980年代、釜山に住む中学生のスミの家に、刑務所を出た大学生のユンミ姉さんが突然やってきた。彼女がアメリカ文化院放火事件の実行犯の一人だと教えてくれたのはジョンスンだった。ある日、ユンミ姉さんがバスで光州へ行くと言い、スミが同行することになる……。 ソウルに住む作家の「私」は釜山を訪れた際、不動産を所有しながら一人で暮らす六十代の女性、チェ・ミョンファンと出会い、その生き方に刺激を受ける。そして、ずっと興味を持っていた釜山アメリカ文化院放火事件に、チェ・ミョンファンも遭遇していたと知り……。 釜山アメリカ文化院放火事件に関わる人々は「来たるべき未来を練習した人」とされ、「私」は現地周辺を歩きながら、当時の人々が何を思い、記憶し、来たるべき未来の練習をしていたか、息をするような等身大の感覚で肉薄していく。 「私」は『チボー家の人々』を心の拠り所にし、ジャックの存在を自身の内にあたたかく感じ取る。人々が練習した未来は今日に続き、悩みながら懸命に生きる読者一人一人と強い信頼を結ぶ。 -
こうふくろう
社会派ミステリの名手によるクライム巨編! 後味最凶の作家デビュー20周年記念作品! 2020年5月、大学生の芹沢涼風はコロナ禍の影響で息が詰まりそうになる毎日を過ごしていた。ある日、彼女が池袋の公園を訪れると、そこには同じように孤独に苛まれ、行き場をなくした者たちがいた。 血がつながっていなくても、戸籍上は同じ家族でなくても、強い絆で結ばれた「本物の家族」を作りたい――。涼風は親しくなった者たちと「こうふくろう」を立ち上げる。 しかし、いつしか想像を超えて巨大になった集団の内部では、日常的に犯罪行為が繰り返されるようになっていく。 不穏な日常、酷薄な悪い奴ら、鳥肌必至のラストシーン……これはあなたのすぐ隣にある物語。 人々の心に巣くい、世に蔓延る「闇」の根源を炙り出す、戦慄のクライム巨編! 「今までで一番ダークな作品になったかもしれません」(著者) (底本 2025年6月発売作品) -
砕かれた四月
「生者とは、生の許しを受けた死者にすぎない」 二十世紀初頭のアルバニア北部の荒涼たる高地。この土地を支配するのは「カヌン」と呼ばれる、先祖伝来の終わることのない復讐の掟である。兄の血を奪い返した山岳民の若い男ジョルグは、三十日間の休戦の猶予ののちに自らの死を待つ身だった。しかし、この土地を新婚旅行で訪れた作家の妻ディアナと、馬車の窓越しにただ一度視線を合わせたことで、ふたりは命を賭してその運命を交錯させてゆく――。伝説と神話の影をまとった悲劇の時空間が立ちのぼる、忘れがたく美しい叙事詩的散文。 現代のアルバニア文学を、そして世界文学を牽引したカダレの作品は、フランス語を筆頭に四〇以上の言語に翻訳され、ノーベル文学賞の候補にたびたびその名が挙がったが、作家は二〇二四年七月に惜しまれつつ八十八歳で亡くなった。カダレの創作全体を見渡す井浦伊知郎氏(アルバニア語学・翻訳)による解説を巻末に付す。 -
立秋
匂い立つ情感、大人の恋愛小説の極北。 諏訪湖の花火大会の日、光岡は駅に降り立った。漆工の涼子とのつきあいは十年以上になる。二人の生が交差したきっかけは、漆器だった。シンプルで控えめな佇まいと、官能的とも思える光沢に魅かれ、光岡は盛器を購入。伝統工芸展の入賞作品であった。 そして、精神の疲れをいやす旅で、塩尻・奈良井に赴き、光岡は漆器店で作者の涼子と出会う。若い涼子の漆器創作に刺激を受け、彼は、かつて文学賞を受賞したものの、挫折していた小説執筆を再開した。 以来、二人は造形や執筆の傍ら、時に二人で憩いつつ、深い想いを育んできた。 やがて、涼子は漆芸作家として、パリで開催される漆器二人展に招聘される。もう一人は、沈金や蒔絵の輪島塗りの男性作家だという。成功したパリの二人展を契機に、光岡は人生の秋期を意識するが……。 -
友
北朝鮮の市井の人々が描かれた文学を読む。 北朝鮮の市井の人々を描いた作品。 1988年に北朝鮮で刊行され、後に韓国で出版。さらにフランス、アメリカでも翻訳出版された。 アメリカの「ライブラリー・ジャーナル」で、2020年のBest Books翻訳文学部門の10冊に選出。 離婚を望む歌手である妻と、寡黙な技術者の夫。そして、その離婚の審議に当たる判事と、野菜の研究者として生きる妻。二組の夫婦の姿を軸に、地方都市の情景や、そこに生きる人々の心情を描く。 「北朝鮮の人が読む北朝鮮の文学とは何か? 1988年に出版されたペク・ナムリョンの小説『友』は、“北朝鮮”という言葉から思い浮かべるロケット弾や軍事パレードではなく、日常を呈している。〈中略〉 小説は、投機的なニュースよりも恒久的な事実を提供するかもしれない」 ――― New York Times Book Reviewより -
わたしのペンは鳥の翼
アフガンの女性作家たちによる23の短篇集。 書くことがこんなにも強靭な抵抗になるなんて。 この炎のような短篇集を読み、語り合うことで、彼女たちの命懸けの戦いにくわわろう。――柚木麻子 早急に、世界に届けられなければならない声がある。 そしてその声は、物語の力を借りて、何より強いものとなる。――西加奈子 どんなに過酷な現実が目の前にあっても私たちは描く。 ペンを持っている間だけ心は自由に空を飛べるから。――窪美澄 抑圧・蹂躙され口を塞がれた女性たちがペンを執り、鳥の翼のように自由に紡ぎ出した言葉の数々。女性嫌悪、家父長制、暴力、貧困、テロ、戦争、死。一日一日を生き抜くことに精一杯の彼女たちが、身の危険に晒されても表現したかった自分たちの居る残酷な世界と胸のなかで羽ばたく美しい世界。 アフガニスタンの女性作家18人が紡ぎ出す、心揺さぶる23の短篇集。 -
ゴルファーズ・キャロル
米国の人気作家が贈る感動のオマージュ小説。 1986年のアラバマ。開催中のマスターズで、J・ニクラウスが伝説の勝利を収める直前。40歳のランディは、テネシー川の橋から身を投げようとしていた。若かりし日、今は亡き父親から現実的に生きるように諭され、夢を諦めたランディ。幸せな家庭を築いていたものの、幼い息子を病気で亡くし、治療費による借金苦に陥った彼は、愛する妻とプロゴルファーを目指す娘のためには自分が死ぬしかない、と思いつめていた。そんな彼の前に、かつて共にプロゴルファーを目指し、事故で亡くなったばかりの親友の幽霊が現れ「4人のヒーロー、4つのラウンド」を贈るという。ボビー・ジョーンズ、ベン・ホーガン、アーノルド・パーマーら往年の名プレイヤーたちとの不思議なレッスンを経た先にランディが見つけたものとは…。 親子とは、夢とは、人生にもっとも大切なこととは――胸アツ法廷シリーズ『ザ・プロフェッサー』シリーズの著者が、80年代のゴルフシーンを背景にあたたかくファンタジックに描く、名作『クリスマス・キャロル』のオマージュ小説。 -
プルーストへの扉
ここからはじめる『失われた時を求めて』 2021年で生誕150年を迎えるマルセル・プルーストの『失われた時を求めて』は、多くの人にとって「いつかは読んでみたい」「途中で挫折したけれど、もう一度挑戦したい」小説のひとつでしょう。3000ページからなり、500人の登場人物がいるこの作品を、プルースト自身は大聖堂に喩えています。圧倒的な大きさ、この上なく精緻な細部に、躊躇したり、読む気をなくしたりするのは無理もないことかもしれません。 この本の目的はただひとつ、そうした先入観を払拭することにあります。著者は斬新でわかりやすい3段階のアプローチで『失われた時を求めて』への扉を開いてくれます。まず、プルーストとはどういう人物だったのかを確認します。そして、厳選した引用をちりばめて基本的な登場人物たちを紹介しながら、なぜプルーストを読むのかということについて、12の理由から考えていきます。最後に「花咲く乙女たちのかげに」の断章の分析を試みることで、プルーストの書き方の特徴にふれます。巻末には訳者による固有名詞索引や関連年表をつけました。 そっと背中を押すように、この本はきっとあなたを『失われた時を求めて』の世界へと連れていってくれることでしょう。 -
陪審員C-2の情事
米女性作家によるリアルで残酷な法廷と恋愛。 フロリダ州で起きた乳児焼死事件。放火の疑いをかけられた裁判の被告は、乳児の義理の姉である十代の少女だった。陪審員として7名の男女が集められるが、裁判期間中は郊外のモーテルに隔離、名前も伏せられ番号で呼ばれる。陪審員同士の個人的交流も固く禁じられていた。そんな中、老齢の夫を持つ50代のカメラマンC-2は、年下の解剖医と禁断の情事に身を投じていく。被告の運命を握る重責と正義に対する思い、女性としての焦燥や欲望の間で揺れるC-2の運命の歯車が狂い出す…。 M・フリーマン、D・キートン主演のヒット映画『眺めのいい部屋売ります』の原作著者が乾いた筆致で描く、リアルな法廷小説にして残酷な恋愛小説。 -
【合本版】明治あやかし新聞 怠惰な記者の裏稼業
日がな一日サロンで惰眠を貪る日陽新聞社の記者、久馬。そんな彼も好奇心が疼けば記事を書く。傍に用意するのは、怪談奇談に妖怪本。彼が書く記事は全て妖怪にまつわるものなのだ。ある春の日、少女が新聞社へ乗り込んできた。彼女の名は香澄。久馬の記事が原因で、友人が奉公先を追い出されたのだという。冷たい対応の久馬に代わり香澄に声を掛けたのは、妖美な男・艶煙。曰く、むしろ妖怪記事は人助けになっており、友人は貞操の危機を免れたのだというが!? ※本電子書籍は、『明治あやかし新聞 怠惰な記者の裏稼業』全3巻を1冊にまとめた合本版です。 -
【合本版】桃の侍、金剛のパトリオット
1900年、清朝末期の中国で、魔神の「金剛力」を秘めた子を産む運命を背負う「桃源公主」が産声をあげた。「香桃」と名付けられた彼女は、神秘教団「義和団」の村で育つが、彼女を狙う清の将軍袁世凱の軍が村を襲撃する。だが香桃は村に潜んでいた旧長岡藩士鬼頭周蔵の機転で日本に亡命した。時は流れて1914年、浅草で占い小屋を営む書生、宇佐美俊介のもとに侍装束の少女が現れ、彼の占い札に妖力が宿っていることを告げる。彼女の正体は成長した香桃だった――。日本近代、辛亥革命、そして世界大戦――激動の極東に渦巻く謀略の最中に繰り広げられる歴史伝奇浪漫! ※本電子書籍は、『桃の侍、金剛のパトリオット』全3巻を1冊にまとめた合本版です。 -
コンサートの呼びかけ
第7回ことばと新人賞受賞作!! この表題作を見よ。生きていくうえでだれもが抱く漠とした不安をそこはかとないユーモアにつつんで見せてくれる。 ようするに選べなかったもうひとつの人生を過大評価してはいけないのだ。 ――東山彰良 ハードボイルドな文体と硬質の叙情で描く信頼と友愛の物語。ブラザーフッド&ファミリーフッドなメロい純文学を貴方に。 ――佐々木敦(exことばと編集長) -------------------------------- 妖怪作品を鑑賞していたら、英治の耳に“コンサート”が届けられた。 英治が受け取ったメッセージは学生時代の仲間で取り決めたSOSの合図だった。息子の草介を連れて、失踪した友人を追跡する旅が始まる……。 ことばと新人賞最後の受賞作となった「コンサートの呼びかけ」ほか、書き下ろし3作品も収録。 【目次】 コンサートの呼びかけ 遠泳 魔法の腕輪―マジックバングル― 危ない雨ではないのに 【著者】 白石秀太 1988年生まれ。兵庫県西宮市出身。同志社大学文学部美学芸術学科卒業。「コンサートの呼びかけ」で第七回ことばと新人賞受賞。 -
地中海文学への招待 16の都市をめぐる物語
地中海文学とはいったい何か? エッセイの形式で綴る入門書! ヨーロッパ、アフリカ、アジアに囲まれる地中海は、文明の交差点として多彩な文化を育んできた一方、絶えず揺らぎや緊張を内包してきた。11名の気鋭の文学研究者が地中海地域の都市とその街を描いた文学作品を紹介していく日本初の地中海文学入門。 執筆者:鵜戸聡(アラブ・ベルベル文学)、奥彩子(ユーゴスラヴィア文学)、小久保真理江(イタリア文学)、小林薫(古代ギリシャ文学)、小林久子(アルバニア文学)、三枝大修(フランス文学)、富田広樹(スペイン文学)、中村菜穂(ペルシア文学)、古川哲(ロシア文学)、細田和江(パレスチナ・イスラエル文学)、宮下遼(トルコ文学) 取り上げられる都市:アルジェ(アルジェリア)、アレクサンドリア(エジプト)、イスタンブール(トルコ)、エグ=モルト(フランス)、ガザ(パレスチナ)、グラース(フランス)、ジブラルタル(イギリス海外領土)、ジロカストラ(アルバニア)、セート(フランス)、タンジェ(モロッコ)、テーバイ(ギリシャ)、ドゥブロヴニク(クロアチア)、ハイファ(イスラエル)、バルセロナ(スペイン)、プーラ(クロアチア)、ローマ(イタリア) 【目次】 はじめに(奥彩子) 地中海文学とは何か? (鵜戸聡) Ⅰ 地中海都市に導かれて アルジェ(鵜戸聡) アレクサンドリア(中村菜穂) イスタンブール(宮下遼) エグ=モルト(三枝大修) ガザ(細田和江) グラース(古川哲) ジブラルタル(富田広樹) ジロカストラ(小林久子) セート(三枝大修) タンジェ(鵜戸聡) テーバイ(小林薫) ドゥブロヴニク(奥彩子) ハイファ(細田和江) バルセロナ(富田広樹) プーラ(奥彩子) ローマ(小久保真理江) Ⅱ 地中海文学と私 フランス語圏のアラブでベルベルな文学(鵜戸聡) 文学が描きだす、いまはない国(奥彩子) イタリアとその海の向こう(小久保真理江) 古代ギリシアに生きた人々の営みとしての文学(小林薫) 小さな国の「大きな文学」研究(小林久子) あてどなく仏文(三枝大修) 遥かなるペルシア(中村菜穂) たゆたうように本を読む(富田広樹) ロシアの輪郭=周縁を丁寧になぞる(古川哲) イスラエルとパレスチナの「間」の文化の研究(細田和江) 古今のトルコを文学作品に探す(宮下遼) 地中海文学を知るためのブックガイド おわりに(細田和江) 執筆者紹介 【著者】 鵜戸聡 1981年、南九州に生まれる。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。現在、明治大学教授。専攻、フランス語圏アラブ゠ベルベル文学。主な著書に、『世界の文学、文学の世界』(共編著、松籟社、2020年)、『クリティカル・ワード 文学理論』(共編著、フィルムアート社、2020年)、主な訳書に、カメル・ダーウド『もうひとつの『異邦人』』(水声社、2019年)、アブデッラー・ターイア『ベッドがあれば』(水声社、2025年)などがある。 奥彩子 京都生まれ。共立女子大学文芸学部教授。専門はユーゴスラヴィア文学。著書『境界の作家 ダニロ・キシュ』(松籟社、2010年)、共編著『東欧の想像力』(松籟社、2016年)、『世界文学アンソロジー』(三省堂、2019年)、『世界の文学、文学の世界』(松籟社、2020年)など。訳書にダニロ・キシュ『ボリス・ダヴィドヴィチのための墓』(松籟社、2025 年)など。 細田和江 東京生まれ。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所フェロー。専門はイスラエル・パレスチナの文学と文化。編著に『mare nostrum 地中海詞華集』(非売品、2024年)、翻訳にサイイド・カシューア「ヘルツル真夜中に消える」(秋草俊一郎他編『世界文学アンソロジー』、2019年、三省堂所収)、論文に「イスラエルの文芸誌『ケシェット』と「地中海」・「中東」への眼差し」(岩波書店『思想』2023年3月号)など。 -
中華食堂ひばり亭
クリニック勤務の小松原菜々子は、今日のランチに悩んでいた。結婚を考えている彼との将来のため、毎日地道に自炊して節約してきたのに、作ったお弁当を家に忘れてきてしまったのだ。谷中の路地まで辿り着いた菜々子が選んだのは、老姉妹の春美と雪子が営む町中華「ひばり亭」だった。ひょんなことから怪我をした雪子の代わりに、菜々子はここでアルバイトをすることとなり……。ふわふわのチャーハン、焼き目の香ばしい餃子、サクサクまろやかなカツカレー、関西風の天津飯に隠された秘密とは――。人生に迷っても「ひばり亭」の美味しいご飯が前を向かせてくれる。お腹も心も温まる、美味しい人情物語。 -
「しんがり」の意地 ドラフト最下位指名からの下剋上
プロ野球のドラフト会議で、各球団の「最後」に名前を呼ばれた男たち。本書は、期待値もチャンスも最下位というどん底の評価から這い上がり、名を残した「しんがり」選手たちを描いたノンフィクション。厳しい生存競争の中で、彼らがいかに己を磨き、運命を切り拓いたのか。その知られざるドラマと入団エピソードに迫る。さらに、現役スカウトが明かす「しんがり」指名の狙いや獲得戦略も必読。評価はいくらでも覆せる。男たちの逆転劇を読む1冊。 収録選手:小林至(91年・ロッテ8位)/田畑一也(91年・ダイエー10位)/鶴岡慎也(02年・日本ハム8巡)/平石洋介(04年・楽天7巡)/佐野恵太(16年・DeNA9位)/山本祐大(17年・DeNA9位)/愛敬尚史(楽天・スカウト) -
初髪下ろし
――樟脳の匂い。それは僕にとって、大事な死者の忘れ形見だった。 その村では人が死ぬと、霊は徐々に若返り、やがて赤子に戻る。死者が女なら「初髪下ろし」の儀式を行い、成仏を促すという。 将来に悩む美大生・洞口航は、漆掻きのアルバイトの面接を受けた。謎めいた女性に採用されて山村に向かったものの、到着するなり思いもかけぬ事態に遭遇する。集落の長に「初髪下ろし」の役目を押しつけられたその夜から、不穏な影が身辺に忍び寄る。 「お前、このままだと死ぬぞ」 怯える航を見かねた漆掻きの親方が明かしたのは、村が隠してきた想像を絶する闇だった。 -
マーダースクール
大学四年生の葉月真由は、卒業が近づく一月のこと、内定が決まっていた母校の私立小学校が突如閉校となり教員採用を取り消されてしまう。 急遽、新たな就職先を探しているところ、小学校教師を募集している全寮制の小学校から声がかかる。 寮費、光熱費、食費はすべて学校負担で、初任給は新任教師の平均給与の2倍という好条件から、教育実習を受けに寮が併設されている山奥の学園へと向かう。 ところが、実習初日に「ハヤクニゲテ」と書かれた付箋を授業で使用するタブレットの裏に見つける。 礼儀正しく、先生の言うことを静かに守る不気味な生徒たち、真由の部屋に届くSOSのメッセージ。 同僚の事故死や生徒の不審死から学校の方針や対応に違和感を持ち始める真由だが……。 予測不能の一気読み学園サイコホラー! -
〈メディア〉シリーズ
140年の歴史を誇る全国紙・日本新報が発行を停止した。世間の新聞離れに歯止めがかからず、経営改善の努力も虚しく倒産してしまったのだ。 同僚たちが次の就職先を模索するなか、社会部の記者・南康祐にはある画策があった。それは志を同じくする同僚と、日本新報の後継としてネット専門メディア「日新ネットS」を立ち上げることだった。 新聞社やテレビなど「オールドメディア」との確執、人員・人材不足、記者クラブ問題、広告収入の減少・・・・・・立ちはだかる諸問題を乗り越え、ネット専門メディアとして成立させることができるのか。 『警察(サツ)回りの夏』『蛮政の秋』『社長室の冬』に続く〈メディア〉シリーズ、真の完結編! 【著者略歴】 堂場瞬一(どうば・しゅんいち)1963年生まれ。新聞社勤務のかたわら小説を執筆し、2000年、野球を題材とした「8年」で第13回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。スポーツ小説のほか、警察小説を多く手がける。「ラストライン」シリーズ、「警視庁犯罪被害者支援課」シリーズ、「警視庁追跡捜査係」シリーズなど、次々と人気シリーズを送り出している。ほかに『弾丸メシ』『幻の旗の下に』『デモクラシー』『ポピュリズム』「ボーダーズ」シリーズなど著書多数。 -
5秒で完全犯罪を生成する方法
重岡大毅が主演を務める映画『5秒で完全犯罪を生成する方法』(2026年9月11日全国公開)を「シナリオブック」として刊行。 人間の選択とAIの完璧さが交錯する新たな完全犯罪サスペンス。AIを誰もが手軽に使える時代に忍び寄る便利さの裏側にある恐怖。かつてSFの世界だったAIが、日常の暮らしに溶け込もうとしている今こそ読むべき最も危険な物語。 そんな緊迫感あふれる本作において、主演の重岡大毅はじめ、共演の原菜乃華、田中みな実の場面撮影写真を、印象的なシーンを中心に巻頭カラーで16ページ掲載します。 脚本は『ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ』(2010年)や『マスカレード・ホテル』(2019年)など多くのヒット作を手掛ける気鋭の脚本家・岡田道尚が担当。映像では捉えきれないト書き、台詞の“間”、演出意図、感情の揺らぎを読書体験できる一冊です。 また、本書では巻頭カラーの場面写真、シナリオに加え、この物語がどのように生まれたのか、脚本家自らが解説。本作が動き出すことを導いた企画書第一弾や脚本執筆のために試行錯誤したAI生成文などの資料も公開。その物語とともに、制作過程にも迫ります。 シナリオ制作の過程がわかる資料を収録することで、映画を“観た後”にも“観る前”にも楽しめる立体的な構成の一冊となっており、映画ファンはもちろん、脚本・演出・映像制作に関心の高い読者層まで幅広く楽しめます。 -
月とワンテイク
山内昌人第一歌集 永遠の青年は、山内昌人という名前の仮面をかぶり、「顔なき男」として泣いて笑うのだ。――山田航(歌人) 山田航解説『素顔のピエロ』収録 〈5首選〉 今日という異物を包み込むために受け取っているデイリーニュース 遠回りすることでしかたどり着くことのできない青空がある 我という入り江に寄せてまた返す喜びと哀しみにようこそ まもなくの夜に向かいて木漏れ日のひかり溜め込む夕暮れのバス 影としてコンクリートに溶けていくことだけが許された夕暮れ 【目次】 序奏~プロローグ 合わせ鏡 ポケット 空回りする役回り 表札以前 音階のカルテ 役名 解説 素顔のピエロ 山田航 あとがき 【著者】 山内昌人 1966年北海道生まれ 「辛夷」に所属 -
敵
デビュー句集『膚』で田中裕明賞と俳人協会新人賞をW受賞した俊英・岩田奎。今年、Forbesが選ぶ「30 Under 30 Asia 2026」にも選ばれた著者による待望の第二句集! 叫ぶおやすみとか氷るおやすみ 挽肉のあらければ咲く辛夷かな 辛夷が咲くのは、この挽肉が粗いからだったのだ。ひとつの死である挽肉が、粒の粗さのために口の中で弾ける逆説的な生命感。辛夷が咲くことはまさにそのような現象ではないか。私たちの世界の、思いもよらないきらきらしさと残酷さを、『敵』はこうして取り出してみせるのである。──服部真里子(歌人) 【収録句より】 蟻地獄蟻がはこびしものも落ち 「皆」 星祭われら虚業のビル灯す 「舌や腸」 春の雨いのちちぢめの飯を食ふ 「力」 鹿啼けり無数の黒い扉のやうに 「ライフ」 枯木コロシアムかならずだれか勝つ 「敵」 氷柱落ち砕けてそこにありつづけ 「水の熱」 残るあぢさゐこれからも見て暮す 「冗談」 【目次】 1 皆 2 舌や腸 3 力 4 ライフ 5 敵 6 水の熱 7 冗談 あとがき 【著者】 岩田奎 一九九九年京都生。二〇一五年、開成高校俳句部にて作句開始。櫂未知子、佐藤郁良に師事。第一句集『膚』(二〇二二、ふらんす堂)にて田中裕明賞、俳人協会新人賞。ほか著書に『田中裕明の百句」(二〇二四、同)、受賞に石田波郷新人賞、俳人協会新鋭評論賞、角川俳句賞など。「群青」「オルガン」同人。俳人協会幹事。日本文藝家協会、現代俳句協会、パフォーマンスコレクティブ「やる」に所属。NHK文化センター青山教室(オンライン開講)、梅田教室講師。二〇二六年現在大阪在住。 -
地の果て、砂の祈り
台湾出身で日本で暮らす思云(しうん)は、ひと月前に別れた恋人りさと共にエジプトを訪れる。手配がキャンセルできず、交際が終わった記念としての観光旅行だった。二人は、別れの原因となった事柄について言葉を交わすのだが・・・・・・(「地の果て、砂の祈り」)。 台湾に住む清猗(チンイー)と永真(ヨンジェン)は、小学生のとき一緒にRPGゲーム〈仙剣奇侠伝〉に熱中していた。大学生となった二人は、ミャンマー出身のツァイリーと三人でアパートを借りることに。卒業後、清猗と、ジーリーと名前を変えた永真は、それぞれに日本に向かった。そして、祖国に戻ったツァイリーと連絡が途切れたことをきっかけに再会し・・・・・・(「東京奇侠伝」)。 アイデンティティをめぐる思索と実践、恋愛と友情の多様なかたちを芥川賞作家が描く、連作中編小説。 【著者略歴】 李琴峰(り・ことみ) 1989年、台湾生まれ。作家・翻訳家。2013年来日。早稲田大学大学院日本語教育研究科修士課程修了。2017年、『独り舞』で第60回群像新人文学賞優秀作を受賞しデビュー。2021年、『ポラリスが降り注ぐ夜』で第71回芸術選奨文部科学大臣新人賞、『彼岸花が咲く島』で第165回芥川龍之介賞を受賞。2026年、『日本語からの祝福、日本語への祝福』で第15回梅棹忠夫・山と探検文学賞を受賞。著書に『星月夜』『生を祝う』『言霊の幸う国で』『シドニーの虹に誘われて』『月を見に行こうよ』他。 -
失くしても、また
大人にだって、きゅん!も、ぐっ……もある。 愛猫を失った夫婦、学校図書館で子どもたちに向き合う司書、久しぶりに集う高校の同級生たち、夢を忘れかけた会社員――。 ひとりでも、ふたりでも、みんなでも。 自分にちょうどの形を見つけて、そうして今日も、生きていく。 第1話 いくつになっても 第2話 さみしくてやさしくてかわいい 第3話 いとおしい大人たちへ 第4話 眠りに落ちるその前に 第5話 ぜんぶ自分のことだから 第6話 愛することと許すこと 第7話 大きく息を吸って 第8話 これはため息じゃない 第9話 忘れても、忘れなくても 第10話 あなたはここにいる -
なぜ人は悪役に惹かれるのか? ヴィランで読む文学
名作には、必ず忘れられない敵がいる アルセーヌ・ルパン、ハリソン山中(「地面師たち」)、悪女ミレディー、貞子―― 名作には、忘れられない悪役(ヴィラン)たちが登場します。 主人公と敵対し、悪事を働くヴィランたち。 一見、人々に嫌われてしまうようなキャラクターでありながら、私たちはどこかで彼らに「悪としての活躍」を期待してしまいます。 なぜ、私たちは悪役に惹かれてしまうのでしょうか? 怪盗、詐欺師、剣鬼、悪女、怨霊、人獣。 近現代の大衆文学に登場する、恐ろしくも魅力あふれる6つのヴィランを例にその魅力をひも解いてみましょう。 早稲田大学 人気講義を電子書籍化! -
月曜のこない部屋
もう消えたい。 でも出たい。 就職難・8050・家族クライシス 孤独と焦りを抱え続ける146万人のひきこもり。 ひきこもり支援施設RS(リアルステップ)で 交錯する、家族の闇と再生の物語。 ベストセラー『看守の流儀』の著者が、 家庭の内側に迫る社会派ドラマ! 【著者からのコメント】 「ひきこもりが長く続く原因は家族にある」 ひきこもりの取材と膨大な資料から 何度も感じたことです。 「ひきこもりというのは、 ひきこもる当人だけをいうのでなく その家族も含む」 「家族の心も当人と同じように ひきこもっているのではないか」 いろいろな方の話を聞いてそう感じました。 本人と家族をがんじがらめにしつづける 固定化した関係とは、 いったいどういうものなのか? これを溶かして、もう一度時間を動かすには、 どうしたらいいのか? 希望の物語だからこそ、きれいごとを抜きにして、 あえてザラザラした世界を描きました。 そうでなければ、現状を変える本当のヒントは 見えてこないと思ったから。 この物語が「出口のない穴でもがいている人々」の 何かのきっかけになってくれたらと 心から願っています。 【あらすじ】 ひきこもり支援施設「リアルステップ」で 働く矢島宇宙は、新人の栗本日菜子とともに、 依頼された家を訪ね、当事者を説得し、 社会復帰への道を探る仕事をしている。 ある日、疲れ果てた様子の女性が 施設を訪れる。 総合病院に勤めていた息子・敦司が、 5年前からひきこもっていて、 母親の服を切り刻む行動まで始まったという。 矢島は手紙や電話で敦司との接触を試みるが、 応答はない。 栗本とともに自宅を訪ねると――。 プロローグ 第一話 即興役者 第二話 ロスジェネの落武者 第三話 どこまでも王子 第四話 生き埋め二十年 エピローグ -
オランジェット
第一歌集『はるかカーテンコールまで』で現代歌人集会賞と高志の国詩歌賞を受賞した著者の第二歌集。 海に架かる橋はたてごとその弦をつまびく指をゆめみて待たず 「笠木拓という作者は、こんなにもふとぶとと言葉と命を太らせ、命がけで言葉の「遊び」を尽くそうとしている。怖いな、と思う」(川野里子) 「しずかで、時に大胆で、繊細で、そして果敢な戦いの歌。笠木さんの世界には、この時代を生きる人の言葉が現実と切り結ぶ、吹きぬける風のような精神がある」(黒瀬珂瀾) 「どうがんばったって、世界は悲しい。だが、悲しい世界を生きていくとき、その悲しさを自覚していることは強さだと思う」(初谷むい) 【収録歌より】 濃くうすく色づきながら夏空は慣らし保育のように暮れゆく きみといるといつもかもめが背景を奥へゆく なぜかな さよなら てのひらに立てたるあわで面の皮すなわちメンズBB落とす においから桜はひらきこの星にいつか途絶える観測史あり うつつにもゆめにもひとのおもかげのたちあおいたちあおいたそがれ 【栞】 川野里子「命がけで「きょじつひまく」を「遊ぶ」ひと」 黒瀬珂瀾「風土から心の風へ」 初谷むい「ハンドメイド・タンカ・ワールド」 【目次】 Ⅰ くす玉 ちゃんと呪いだ 銀河のほとり ゆめかようみち 愛から醒めて ゆきすぎる Ⅱ B is for 馬手に鰭、弓手は翼 Ⅲ 銀の靴 はなふるなかはてをおよがせて カピバラまんじゅう/地魚十貫 薄ら氷 可能世界のちいさなブーケ 方舟 アドベントカレンダー 幕間 Ⅳ 思い出の灰が咲くまで 奈落にてきみと甘露を Ⅴ machine washable 私淑 七つ目の道 きときと 空音 airport fiction 春の歌 【著者】 笠木拓 1987年、新潟県糸魚川市生まれ。石川県野々市市で育つ。歌集『はるかカーテンコールまで』(港の人、2019年)で第2回高志の国詩歌賞、第46回現代歌人集会賞。富山市在住。 -
無音 忌み語を紡ぐ町
那月がD県十櫃町に帰ってくるのは、14年ぶりのことだった。電車から降りた瞬間、背がひやりとした。この町には忌み語が多い。たがい違い、アカンボ、くっつく・・・・・・そしてタカシマサキ。那月が中学時代の同級生の名、鷹島咲も忌み語のひとつだった。彼女の死を皮切りに原因不明の自殺が続いた事実と、その葬儀で聞いたおかしな声を今でも忘れられない。「ひーい」・・・・・・この世のものとは思えない、その声を。いちばんの気がかりは再婚相手の名字になり、娘の名前が「タカシマサキ」になったことだ。忌み語なんて迷信。そう思おうとしても、あの声が今でも聞こえてくる。「ひーい」・・・・・・。 娘の異様な言動が増え、いつしか笑顔が消えた。夫の不在、母の呪詛、元夫のモラハラの記憶、どんどん大きくなるお腹・・・・・・この町は私を追い詰める。「ひーい」・・・・・・。 呪いは、暴走する――。 【著者プロフィール】 櫛木理宇(くしき・りう) 1972年新潟県生まれ。2012年『ホーンテッド・キャンパス』で第19回日本ホラー小説大賞・読者賞を、 同年、『赤と白』で第25回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。他の著作に依存症シリーズ、『死刑にいたる病』『氷の致死量』『虜囚の犬』『鵜頭川村事件』『少年籠城』『死蝋の匣』『ふたり腐れ』『七月の鋭利な破片』『鬼門の村』『氷河期のゴミ』など多数。 -
春、出逢い
正反対のふたりが目指す、三十一文字に賭ける夏。 「私はあんたなんてすぐに追い抜いてやるから」 ライバル心、淡い恋、熱い友情ーー青春ぜんぶ短歌に込めて。 『春、出逢い』につらなる、みずみずしくて王道の部活小説! 中学から文芸部で、ずっと短歌甲子園に憧れてきた東雲菜海。短歌への熱意には絶対の自信を持っていた。いっぽう、自分の好きなようにずっと一人で短歌を作っていたという、天真爛漫な神安海禾。そんな二人が、星澤高校文芸部で一緒に戦うことになる。かけがえのない日々を一秒もあまさず短歌に詠みあげる、彼女たちだけの青春。 物語を彩る、宮田愛萌さんによるオリジナル短歌を約六十首収録した、著者入魂のシリーズ第二弾! カワセミは飛ぶ一羽でもまっすぐに 人は一人でまっすぐ飛べない -
愛する男
いつしか孤独を抱きしめていた―― 誰にも知られず、思い出されることもない。 真に孤独なそのひとは、けれども愛を知っていた。 「俺が好きになった人は、みんな死ぬんじゃないか」 数奇な運命を背負った青年が絶望の果てに見出した、究極の「愛」とは。 魂をゆさぶる衝撃作! そのひとの孤独を、誰も知らない。 愛らしい顔立ちの赤ん坊は、生まれてすぐに母を喪った。立て続けに祖父母を亡くし、父も死んだ。養護施設で育ったその少年・中川宙希は、聡明な友人や心優しい大人たちに囲まれ、愛情を注がれ、大きくなる。だがひとたび宙希が好意を抱くと、彼らは死んでしまうのだった。 やがて愛することを恐れるようになる宙希。それでも数々の出会いが宙希に訪れ、その愛はただならぬ気配を帯びていく――。 -
霧に貌
第一歌集『湖とファルセット』で現代歌人協会賞&現代歌人集会賞をW受賞した著者、待望の第二歌集。 蜘蛛のようにあなたを好きで眼球にあぶら波打つ日の暮れだった 【収録歌より】 鐘みたいにからだぜんぶを震わせてみたい おおきな前歯を見せて 鈴の音の絶えてしずかな冬の田に白磁が産んだ白磁のこども 鳥の胃に溶かされてゆく青虫の暗いあおぞらいちどっきりの ながく待つことの寒さの対岸に石の扇をふる手がみえる 小神殿(エディキュール) ねむるあなたの口腔に永久歯あり書物のごとく 【目次】 Ⅰ ぬるい水 輪唱 結露 一輪車 襖 解析 氷河 雪は裸 夏の昼と夜と朝 仏間 虫みたいに胸を 長者ヶ森 夏の離島 二重跳び 塩壺 Ⅱ 公民館 構想 誤飲の秋 牛と鏡 兄の名前 Ⅲ その沼へ ひかる首輪 砂と箱 砂を吐く わらいはじめる 口蓋垂 歯を見せて 霧に貌 黒い鳥居 海の無言、空の無言 綺麗な縄 改札 あとがき 【著者】 田村穂隆 1996年生まれ、島根県出身。「塔」所属。第一歌集『湖とファルセット』(現代短歌社)で第48回現代歌人集会賞、第67回現代歌人協会賞を受賞。 -
営繕かるかや怪異譚
「家に興味がない、ということは、自分を守ってくれる場所に興味がない、必要ない、ということと同義です」建物にまつわる超自然的な現象を解決するため、営繕屋・尾端は死者に想いを巡らせ、彼らを鎮めるための方法を導き出す。恐怖と郷愁を精緻に描く、建築怪談シリーズ第4弾!単身者用の集合住宅に住む拓史は、工事現場でスマホを見つける。呼び出しに応じると、雑音に交じり男の声が。以来、耳障りな雑音が聞こえ、人影を見るように。(「忍びよる」)文美は上司から覚えのない嫌がらせを受ける。家では「内神様」が祀られ、亡き祖母と文美だけが暗がりに蹲る黒い「猿」を視ていた。やがて猿は職場にも現れる。(「迦陵頻伽」)仲川はギャラリー用に幽霊屋敷と呼ばれる廃屋を買う。リフォームを依頼された稲葉が、柱に打ち付けられた藁人形を大量に発見すると、仲川は人形を残そうとする。(「鉄輪」)他、全6篇を収録。 -
贄の森
エドガー賞、ブラム・ストーカー賞ファイナリスト 親友の結婚パーティのため、しぶしぶ故郷の寂れた町に戻ってきたリズ。そしてパーティの夜、親友の娘が会場の森で姿を消した。それはリズのトラウマにも関わる過去の事件と酷似しており、恐怖したリズは独自に捜査を開始することに。やがて、この地に潜む恐ろしい秘密が明らかになるのだが……。解説/杉江松恋 -
羽と風鈴
第三回笹井宏之賞染野太朗賞を受賞した著者の第一歌集。 それぞれの羽を揺らして風鈴はひとつの風に音を合わせる 眼差しはあくまで低く、しかし深く、表現は抑制的に。嶋さんの歌はそんな風にして作られている。それがチェーホフと似ているのだ。(大辻隆弘) 拡散と収斂が進行形で同時に発生しているようなこの日々のありようを、まるでひとりきりの測量士のように見つめる歌集。(小島なお) 歌集のどの歌についても、言葉を尽くして誰かと語り合いたくなる。一首の静謐で理性的な質感や調べに、むしろ心をあたためられたような気がした。(染野太朗) 【収録歌より】 地上までまだ少しある踊り場に桜の花が散らばっていた 乗り過ごして何駅目だろう菱形のひかりの中につま先を置く 開かれて窓の格子に吊り下がるビニール傘が通路に光る 白球がいま打ち上がる公園のヒマラヤスギの背丈を越えて 屋久島の森に置かれたマイクから配信される雨音を聞く 自動車の赤いランプの連なりが橋の終わりでほどけ始める 【目次】 羽と風鈴 大きな窓のある部屋に 四辺系 逆光 白い砂丘 常磐道 風吹く午後 伊勢湾 夏の辞令 立てかけてある 林試の森 長崎 異郷 多摩川 もっとも青い 草の匂いが 地上 灯す 思い出の色 【著者】 嶋稟太郎 1988年 宮城県石巻市生まれ。 2014年 短歌に触れる。「未来短歌会」入会。桜井登世子氏、大辻隆弘氏に師事。 2017年 未来年間賞(2016年度)受賞。 2020年 第3回笹井宏之賞個人賞染野太朗賞受賞(「羽と風鈴」50首)。 2021年 第64回短歌研究新人賞次席(「大きな窓のある部屋に」30首)。 -
多類婚姻譚
一緒に生きる。わかりあえないあなたと。 一番近くにいる他人-こいびと-。どうして結婚はこんなに難しくなってしまったのだろう。 『流浪の月』『汝、星のごとく』で二度の本屋大賞を受賞した著者が描く、今そこにある愛のかたち。 セクシュアリティ/ジェンダー、金銭感覚、世代間格差、成育環境…… あらゆる価値観の対立の中で現代を生きるわたしたちの祈りと叫び。 【凪良ゆう コメント】 「文芸書としては『星を編む』から2年半、ようやく新刊をお届けできます。 今作は結婚について。 婚姻譚と銘打ちながらも、婚姻への道のりがはてしなく遠い!! これは果たして婚姻譚と言えるのか、と担当さん達と首をかしげる場面もありました。 読んでくださった方たちと”現代の結婚”について語り合ってみたいです。」 【収録作 紹介】 「Thank you for your understanding」 家族の期待に応え、ついに恋人と帰省する決意を固めた華。 「Beautiful Dreamer」 結婚したい。ありふれた夢のはずなのに、東京ではこんなにも遠い。 「小鳥たち」 離婚して、実家の書店を継いだ一葉。そこに偶然、初恋の人がやって来て--。 「Position Talk」 入籍を目前にした男女。性差を越え、個としてわかり合える日は来るのか。 「C'est la vie」 仕事も恋も、魂を分けあった二人。だが、夢のような時間にはいつか終わりが来る。 -
相続ゲーム
いわれなき莫大な遺産の 相続人になった少女が、その謎を追う。 母は亡くなり、父親は蒸発してどこにいるか分からない。女子高生エイブリーのたった一つの希望は、残りの高校生活を消化し、奨学金を獲得して独り立ちすることだった。ところが見ず知らずの億万長者の遺言状で自身が莫大な遺産の相続人に指名されたことから、エイブリーの人生は風雲急を告げる。その相続条件とは「秘密の通路や仕掛けだらけの大豪邸で1年間過ごすこと」だった! 大富豪一族を巡る陰謀、相続人候補となるはずだった個性豊かな4人の御曹司たちとのスリリングかつときめく駆け引きなど、いきなりセレブとなったエイブリーの周りで起こる大騒動が、スピード感あふれる筆致で描かれる。そして、億万長者が遺した暗号が解読されるにつれ、驚くべき新事実が明らかになる……!? 世界累計500万部を突破したロマンス×謎解きミステリー超大作の第1巻(全3巻予定)! ページをめくるたびに、深まる謎と秘密が折り重なっていく、レガシー・ゲーム・ミステリー! -紀伊國屋書店福岡本店 宗岡敦子さん 求める答えを探すように気が逸り、ページをめくる手が止まらなかった。 -未来屋書店大日店 石坂華月さん 恋模様も含め人間関係に目が離せないシンデレラロマンスミステリー -元 明林堂書店南宮崎店 河野邦広さん -
あんたはだいじょうぶ
1歳になる前から、みち代は、 ご飯を食べるのも居眠りをするのも、 父の足の上だった。 足芸をする曲芸一座の流転ーー。 『芥川賞落選小説集』『おにたろかっぱ』の著者による 人間のおかしみと切なさが胸を衝く、傑作小説。 鉄熊みち代は、足芸をする曲芸一座の家に生まれた。 3歳でアメリカ巡業に出るが、6歳で父と生き別れ、18歳で母を喪う。 第二次世界大戦中は日本人を収容するマンザナー強制収容所で過ごし、 終戦後はホテルのメイドとして働いていたが、 ある日、ピストルの流れ弾にあたって天啓を受け 「あんたはだいじょうぶ」と唱えながら街角で足芸をはじめることに……。 失ってばかりだが わたしたちには心臓がある 足がある タライがある 樽がある 三味線があって りんごの木箱がある -
法月綸太郎の不覚
油断大敵。 「推理」のその先へ―― ミステリの可能性を押し拡げるシリーズ最新作! 書き下ろし短編「平行線は交わらない」など、 全4篇を収録した作品集。 【収録作品】 「心理的瑕疵(かし)あり」 首吊り自殺物件に住むライターが同じ死に方で発見される。 しかし、自殺だとすると現場には不可解な謎があって――? 「被疑者死亡により」 <交換殺人>の疑いを晴らしてほしい。 だが養父を亡くした依頼人には、多額の死亡保険金が転がり込む予定で――。 「次はあんたの番だよ」 ランナーが公園で目撃した“女の幽霊”。 その顔は二日前に殺された資産家女性と瓜二つだった。 「平行線は交わらない」(書き下ろし) 和菓子屋店主が殺された事件。 背景には和菓子経営者の兄弟の因縁が……?
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