作品一覧 2022/12/20更新 息の限りに遠吠えを 試し読み フォロー イモータル 試し読み フォロー 食われる国 試し読み フォロー 極悪 五右衛門伝 試し読み フォロー 炎の帝 試し読み フォロー 鹿鳴館のドラクラ 試し読み フォロー 1~6件目 / 6件<<<1・・・・・・・・・>>> 萩耿介の作品をすべて見る
ユーザーレビュー イモータル 萩耿介 ムガル帝国皇帝の息子からフランス革命期の学者、そして現在日本の普通のサラリーマンへと、時代の垣根を越えて受け継がれる「智慧の書」の物語。「智慧の書」とは古代インドより伝わるウパニシャッド哲学(ヒンドゥー教の聖典)であるが、この内容については多く語られておらず、どのようなことが書かれているのかとても興...続きを読む味を持った。この本を読んで感じたことは、時代背景や文化、習俗、さらには宗教さえもが違っていたとしても、人が人である限り、我々が人生で感じる悩みや苦しみは根本的に同質であるのだ、ということである。これは言い換えれば、時代や文化が異なっていたとしても変わらない人間の普遍的な価値観が存在する、ということで、それを知るためのヒントを我々に教えてくれるのが、哲学や思想、宗教なのだと思う。自分としても、時代や文化、世俗の考え方に縛られないで自分だけの価値を人生の中で見つけたいし、そのためにも、過去の悩み抜いてきた先人たちの知恵を借りたい。科学技術がここまで進歩し、生活環境が100年前と比べても激変した現代だが、そこに生きる我々は、1000年前2000年前の人間が抱えていた悩みや苦しみと同じような感情を未だ持ち続けているのかもしれない。 Posted by ブクログ イモータル 萩耿介 目頭が熱くなる。そういう生体現象は何ゆえに生じるのでしょうか? 本書の登場人物らの「知への一途さ」に心を鷲掴みにされました。 この経済社会に身を置いて暮らしている私たち。俗世間の歪みや矛盾や機微、からくり。そういうものに多かれ少なかれ、そして、否応無しにさらされています。それを踏まえてどのように生き...続きを読むるか、というのは多くの人の深層に伏流しているテーマだろうと思いますが、その部分を抉り出してくれる怪作ですね。 哲学関連の本が好きな人(私を含む、普段あまり小説を読まない人)にもオススメです。 何度か(何度も)読み返していますし、また折を見て読むことになるでしょう。 そして同じところでまた目頭を熱くするのです。 Posted by ブクログ イモータル 萩耿介 久しぶりにフィクションを読んだ。クラウドアトラスを観たあとと同じような壮大な気持ち。こまかなセリフと端々に作者の意志を感じた。ショーペンハウアーの『意志と表象としての世界』を読みたくなる物語でした(個人的には、外とのつながりを感じる作品はいい作品だと思う)。 Posted by ブクログ イモータル 萩耿介 『ウパニシャッド』にまつわる3つの時代と場所と登場人物で紡がれる重厚なストーリー。サンスクリット語の原典をペルシア語に訳させたインドのダーラー・シコーとムガル帝国の内乱、ペルシア語『ウプニカット』のラテン語訳に取り組んだフランスのデュペロンとフランス革命、そして現代の東京やインドの混乱の中『智慧の書...続きを読む』(ショーペンハウアーの『意志と表象としての世界』)を受け継ぐ隆。 題名のイモータルは不死者の意、原題は『不滅の書』と知った。アートマンたる個々の現れの根本にあるブラフマンの全体性に導かれ、感じ取り、覚悟する主人公たちに学ばされる。 19-20 Posted by ブクログ イモータル 萩耿介 "智慧の書をめぐる時代を超えた壮大な物語。 行方不明の兄を探す弟は、兄が大事にしていた智慧の書を手にした時から、兄と会話ができるようになる。兄の言葉に導かれ、インドに旅立つ。 智慧の書そのものは原書があるらしいが、時代の言語に翻訳してきた先代たちが歩んできた時代とともに苦難の生きざまが描かれる。フラ...続きを読むンス革命、ムガル帝国の息子たちの争い、それぞれの時代で、本の持ち主は魂との対話を繰り返し、自らの運命に翻弄されながらも現世とは隔絶した世界をもって生きてきた。 兄を探す弟は、私たち。この智慧の書から何を学ぶかは自分次第。" Posted by ブクログ 萩耿介のレビューをもっと見る