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「家に興味がない、ということは、自分を守ってくれる場所に興味がない、必要ない、ということと同義です」建物にまつわる超自然的な現象を解決するため、営繕屋・尾端は死者に想いを巡らせ、彼らを鎮めるための方法を導き出す。恐怖と郷愁を精緻に描く、建築怪談シリーズ第4弾!単身者用の集合住宅に住む拓史は、工事現場でスマホを見つける。呼び出しに応じると、雑音に交じり男の声が。以来、耳障りな雑音が聞こえ、人影を見るように。(「忍びよる」)文美は上司から覚えのない嫌がらせを受ける。家では「内神様」が祀られ、亡き祖母と文美だけが暗がりに蹲る黒い「猿」を視ていた。やがて猿は職場にも現れる。(「迦陵頻伽」)仲川はギャラリー用に幽霊屋敷と呼ばれる廃屋を買う。リフォームを依頼された稲葉が、柱に打ち付けられた藁人形を大量に発見すると、仲川は人形を残そうとする。(「鉄輪」)他、全6篇を収録。
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営繕かるかやシリーズ4作目
相変わらず安心安定の尾端さん
いろんなお家の住人たちが怪異に遭い、
尾端さんが出て、
異変の理由がふわっと分かって、
多分こう対処したらいいんじゃないか〜
で終わっていく短編シリーズ
完全に謎解きされるわけでないし、対処したとしてその住人の障りが解決するのか、明確にはされません
でも、世の中の不可解な出来事って、そういうものだとも思います
ホラーミステリーと言うジャンルが成熟したからこそ、許容される作品構成だと思います
と思ったけど、結構十二国記もそんな感じだから、これは小野不由美先生の描く物語の重点の置き位置のせいかもしれないな
冗長なエンディングは不要!的な、私はある程度見たい派ですが
解決したわけではなくても、人は解決策が提示されればある程度満足できるんだと、このシリーズを読むと分かります
じわりと怖く、楽しませていただきました
次作も楽しみです
Posted by ブクログ
営繕かるかやシリーズ4
どれも怖くて、でもその怖さと共に生きようとする人の強さを感じる物語たち。
面白いよ~
忍びよる
落ちていたスマホにかかってきた電話に出たことから、何者かが、少しずつ忍び寄って…
迦陵頻伽
昔鷹匠だった家系に生まれた文美
鉄輪
古民家を購入したヒロが、座敷牢的な場所から見つけた物は…恨みと恥と入り交じった…
いつか眠りを
終の棲家として古民家を購入した葉村。
そこの風呂には、子どもの幽霊が毎晩何かを訴えて…
夜明けの晩に
実家の更地に自分の家を新築した高典。
毎晩夢に見る【かごめかごめ】の遊び歌に、後ろの正面誰だ~の声が、迫ってくる…
風きたりて
古い町の外れ、小さな丘の麓に造成された分譲地に越してきた梓紗と夫。毎晩何か念仏…お経のような声に悩まされ、その原因を探って行くと…
Posted by ブクログ
ちょうどいい怖さの連作短編。
ひんやりほんのり怖い。そこが良い。
落ちていたスマホ、自分の家でだけ祀るもう一つの神、古民家から見つかるわら人形、転居した住まいが事故物件かもしれない疑い、新しい家の壁に発生する黴、新興住宅地は元はどんな地だったのか…。
特に最後の一編は、ネットで流行った「あの祠を壊してしまったのか」というミーム? に似て、ぞくぞくした。
どの話も尾端が対処するのだが、それで事態は良くなったのかどうか、結論がない。そこがまた良い。
今回もとても怖くて面白かった。
このところ最も新刊を楽しみにしているシリーズ。
次が楽しみ。
----------以下 紹介文より引用---------
「忍びよる」
単身者用の集合住宅に住む拓史は、工事現場でスマホを見つける。呼び出しに応じると、雑音に交じり男の声が。以来、耳障りな雑音が聞こえ、人影を見るように。
「迦陵頻伽」
文美は上司から覚えのない嫌がらせを受ける。家では「内神様」が祀られ、亡き祖母と文美だけが暗がりに蹲る黒い「猿」を視ていた。やがて猿は職場にも現れる。
「鉄輪」
仲川はギャラリー用に幽霊屋敷と呼ばれる廃屋を買う。リフォームを依頼された稲葉が、柱に打ち付けられた藁人形を大量に発見すると、仲川は人形を残そうとする。
「いつか眠りを」
築四十年の平屋を買った。将来を諦めた四十歳手前の葉村にとって、終の棲家だった。ある日、葉村は風呂場の中に影を視る。はたしてこの家は事故物件なのか。
「夜明けの晩に」
都会で精神を病み、地元に戻った高典は、毎晩のように見る悪夢で疲弊していた。夢に現れる灰色の男に見覚えがあった高典が、正体を突き止めると……。
「風来たりて」
昨年完成した建売住宅に越した梓紗は近所付き合いに馴染めず、読経のような異音に悩まされる。古い住人によると、住宅地はかつて刑場だったというが。
Posted by ブクログ
営繕かるかや怪異譚その肆。
「忍びよる」「迦陵頻伽」「鉄輪」「いつか眠りを」「夜明けの晩に」「風来たりて」の六篇。
全篇通じて怪異の完全解決に至っていないのが、じんわりとした怖さを与えてくれます。見知らぬ隣人の怖さ、顔の見えない怖さから始まり、ことの詳細を知ったからといって、恐怖がなくなるわけではない、というのは不安や不快でありますね。
その感覚や感情を少しでも薄める、浮かび上がってきた非日常の異物をできるかぎり日常に近づけようと施行する話だったと思います、今巻は。
まあ、祓い屋や拝み屋ではないですからね。
舞台となっている町そのものが抱えてしまった負のエネルギーによる怪異譚だったのかな、と思います。「迦陵頻伽」「夜明けの晩に」「風来たりて」の三篇はそう思う。「鉄輪」「いつか眠りを」は、その土地・家に関わるものではあるけども、それらも紐解いてゆくと、大きな範囲でここの町、ここの土地に関わってくることであったりするのかなぁ、と思うぐらいには、不穏さを醸し出している気持ちになりました。
どの話も読後がよろしくないのも、不穏さ不安さの原因でしょうか。
これまでどれか一つぐらいは、安心する話があったように記憶しているけど、どうだったか。また難しいのは、拒否感が出るほどのものではないというところ。絶妙に怖いもの見たさの範疇に収まってしまう程度の不穏さ不安さであるのですよ。
そういう無防備さが「鉄輪」のような怪異を呼び込んでしまうのかもしれませんが。
あの柱の描写は今巻で随一の怖さ。「残穢」のラストを思い出しました。呪物という言葉がもつ印象に相応しい怖さだと思います。
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