予言のけもの

予言のけもの

小説・文芸
2,090円 (税込)

10pt

4.0

長良由布子は、古い大学ノートに密かに綴られた、自分あての異様なほど長い手紙を受け取った。
差出人の少女が暮らす「守ノ関村」は、戦時下とは思えないほど不自然に豊かな、たくさんの牛が住む土地で、周囲からは「旅人を殺して埋めている」「住民はみな化け物だ」とひどく恐れられていた。手紙の少女は由布子に「必ず最後まで読んで」と執拗に懇願する。そこには、予言にまつわる村の凄惨な因果だけでなく、現実の由布子を待ち受ける恐ろしい運命が隠されていた……。

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予言のけもの のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    私が大好きな作家さんのひとりである、尾八原ジュージさんの新作です。

    少女から届いた一通の長い長い手紙で語られる怪異の数々は、ゾクゾクとする怖さがあるのですが、手紙の書き手である塔子ちゃんが非常に可愛らしく、飽きずに読み進めることができます。

    そして本作は、ただ恐ろしくて魅力的なホラーというだけではありません。最後に明かされる手紙に隠された目的には、思わず胸がぎゅっとなり、切なさに涙が滲んでしまいました。

    また、カクヨムに掲載されている、ある登場人物に関する後日談も、本編の余韻をさらに深くしてくれるものでした。本作を読まれた方には、ぜひそちらも併せて味わっていただきたいです。

    0
    2026年08月11日

    Posted by ブクログ

     KADOKAWAの編集課に届いた一通のテキストデータ。それは顔が人間で、体が牛の予言する妖怪「くだん」に関する、手紙の色合いの強い大学ノートだった。第二次世界大戦中、岡山県の山間の村「守ノ関村」の地主の娘だという蔵橋塔子(トコちゃん)が、長良由布子に宛てたものだという。差出人の塔子は長良由布子が義理の姉であると書き、「ねえさん」と呼ぶが、一度も会ったことはないらしい。

     なぜか他の村と違って豊かな暮らしを送り、「人間じゃない」と噂される守ノ関村の話や死んで顔がなくなった家族の話、妖怪「くだん」の予言の話を綴った手紙は(作中人物にとって)真実めいていたり小説めいていたり虚実が曖昧なまま、どこか違和感を帯びていきます。奇妙な話のつるべ打ちのようなとても怖いホラーなのですが、その真意が緩やかに紐解かれていく様子はミステリ的にも魅力的な一冊になっています。怖さの先に待っている切ない余韻も素敵で、読み終えた時、まだこの物語に浸っていたいな、と思える読後感がとても良い小説でした。

    0
    2026年08月08日

    Posted by ブクログ

    怖さより哀しみが強い作品だった。
    死ぬ時に予言をするくだんという人の顔を持つ牛の妖怪? のはなし。
    予言をするために死ななければいけない人の哀しみのはなしだった。

    0
    2026年10月10日

    Posted by ブクログ

    ねえさん、どうか最後まで読んでくださいね─

    由布子に届けられたのは自分のことを「ねえさん」と呼ぶ見ず知らずの少女からの長い手紙だった。

    書簡体小説で、手紙には「ねえさんはこわい話がお好きと聞いたので」とまるで百物語のように様々な怖い話が綴られる。ある村にまつわる話、山の話、誰それから聞いた話、その合間に少女の置かれた状況が入り込み、やがてそれはある一族の業を浮かび上がらせていく。

    書簡体小説読むの久しぶりだったけど気持ちがいい。書簡体小説にしかない読み味を存分に活かしておりました。自分が宛先の「ねえさん」になった気持ちでぐっと入り込めるし、少女の必死の呼びかけ「最後まで読んでくださいね」にじっくり応えたくなる(もちろん、その願いの仕掛けには気づいた上で)。

    恐怖と切なさが交じるホラー小説でした。
    くだんなので、禍話の「例の家」が聞きたくなりましたね。

    0
    2026年10月02日

    Posted by ブクログ

    最初は全然怖くなく読むのを止めようかと思ったが何故手紙を認めたのか気になり読んでいく。
    義姉に宛てた手紙は最後にこれも塔子の予言??と一瞬脳が閃きを放つが最後はこの家のしがらみ、風習を途絶えさせるために書いたのかな。恐さより哀しい話だった。
    不思議なホラー小説。

    0
    2026年09月27日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    なんだか不思議な世界観だった
    確かに怖いんだけど、でも切なさもあって、、
    兄夫婦は幸せになってよかった
    塔子は来世で幸せな人生を送ってるといいなぁ

    この作者の尾八原ジュージさんはこんなお話も書けるんだなぁと尊敬
    次回作が楽しみだ!

    0
    2026年10月06日

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