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ひかりの家の押入れにいる、形も声もなんにもない影みたいなやつ、ナイナイ。
唯一の友達であるナイナイをいじめっ子のありさちゃんに会わせた日から、ひかりの生活は一変した。
ありさちゃんはひかりの親友のように振る舞い、クラスメイトは次々と接近してきて、いつもはつらく当たる母親さえも、甘々な態度をとるように。
絶対に何かがおかしい。疑心暗鬼になったひかりはありさちゃんと距離を置こうとするが、状況は悪化するばかり。
数年後、〈よみご〉と呼ばれる霊能者・志朗貞明のもとに、幼い子供と心中した姉の死の真相を探ってほしいという依頼が舞い込んでいた。
無関係に思える二つの異変は、強大な呪いと複雑に絡み合い……。
第8回カクヨムWeb小説コンテスト〈ホラー部門〉大賞受賞作。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
こわい話が苦手なひかりは、こわい話が好きなありさの機嫌を損ねたことでいじめに遭ってしまう。しかしひかりの家の押し入れに住むこわくないおばけ「ナイナイ」にありさを会わせてから、ひかりの生活は一変した。一方で霊能者の志朗のもとに持ち込まれた依頼は、彼の手には負えない恐るべきものだった。一見怖くなさそうな、しかししっかりと怖いホラーです。
何とも言えずポップで不思議な読み心地で始まる物語。不遇な目に遭っていたひかりがなぜか人気者になり、家庭も良いほうに一変してしまうという幸せな状況のはずなのに、どこかしら不気味さも感じます。たしかにこの状況は気持ち悪いかも……。そして「よみご」と「きょう」の物語が絡んでくるにつれ、不気味さはどんどんヒートアップしていくのですが、それでも読み心地はポップでどこかしらユーモラスなまま。かるーく読めるのだけれど、これはこれでしっかり怖いなあ。こわい話が大すきな人には断然お薦め、なホラーです。
Posted by ブクログ
優しいからおかしい。好意が静かに伝播していく。
〈今までは、ありさちゃんが四年二組の女王さまみたいだった。
今はわたしが、四年二組のお姫さまみたいになっている。〉
転校初日、ひかりはクラスで女王様のような立場のありさちゃんから、「こわい話、すき?」と聞かれて、「きらい」と素っ気ない態度を取ったことをきっかけに、『幽霊の仕業』という言葉とともに、嫌がらせを受けはじめる。家に帰れば、母親から理不尽な怒りを向けられる。そんなひかりにも心を寄り添わせることのできる大好きな存在がいて、それがナイナイだった。ひょんなことから関係性にすこし変化のあったありさちゃんが家に来ることになった。その日からひかりに対する周囲の態度はまったく変わっていた――。
というのが、本作の導入。立場の変わっていくひかりと凶事を扱う盲目の霊能者「よみご」のひとりである志朗貞明のふたり、そしてその周囲にいる様々な人間たちのまなざしから、『ナイナイ』の正体が浮き彫りになっていくミステリ的な構成の妙が魅力的なホラーです。無垢な暴走の行き着く果ては、恐ろしくも、寂しげで、愛おしくもある、不思議な読後感がありました。悪意も善意も、心情の変化も、未知なる存在も、どこかシームレスで自然なところが、とても好きでした。
Posted by ブクログ
『宮部みゆきのおすすめ本』で紹介されていた一冊
アラジンに出てくる魔人ジーニーは持ち主の願いを3つ叶えてくれるけど、この本に出てくる"何か"は持ち主ひかりの願いを何個でも(先回りして)叶えてくれる
家族も友達もみんなひかりに優しくなり、ひかりの悩みのタネになるような人物は、ひかりが願わなくてもこの世から消えていく
そして、盲目の霊能者・志郎に持ち込まれた心中事件とひかりの周囲で起きる怪異が繋がるとき、"何か"が暴走を始める!
ピンクのかわいい装丁に油断してはいけない一冊
One book introduced in "Recommended Books by Miyabe Miyuki"
The genie in Aladdin grants exactly three wishes to its master, but the "something" in this book grants Hikari’s wishes endlessly, even anticipating them beforehand.
Everyone around Hikari—family and friends alike—becomes kind to her, and anyone who could trouble her vanishes from this world, even without Hikari wishing it.
When a double suicide case brought to the blind psychic Shirou connects to the strange phenomena surrounding Hikari, the "something" begins to run rampant.
Don’t be deceived by the cute pink cover—this is a book of unsettling depth.
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