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那月がD県十櫃町に帰ってくるのは、14年ぶりのことだった。電車から降りた瞬間、背がひやりとした。この町には忌み語が多い。たがい違い、アカンボ、くっつく・・・・・・そしてタカシマサキ。那月が中学時代の同級生の名、鷹島咲も忌み語のひとつだった。彼女の死を皮切りに原因不明の自殺が続いた事実と、その葬儀で聞いたおかしな声を今でも忘れられない。「ひーい」・・・・・・この世のものとは思えない、その声を。いちばんの気がかりは再婚相手の名字になり、娘の名前が「タカシマサキ」になったことだ。忌み語なんて迷信。そう思おうとしても、あの声が今でも聞こえてくる。「ひーい」・・・・・・。
娘の異様な言動が増え、いつしか笑顔が消えた。夫の不在、母の呪詛、元夫のモラハラの記憶、どんどん大きくなるお腹・・・・・・この町は私を追い詰める。「ひーい」・・・・・・。
呪いは、暴走する――。
【著者プロフィール】
櫛木理宇(くしき・りう)
1972年新潟県生まれ。2012年『ホーンテッド・キャンパス』で第19回日本ホラー小説大賞・読者賞を、 同年、『赤と白』で第25回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。他の著作に依存症シリーズ、『死刑にいたる病』『氷の致死量』『虜囚の犬』『鵜頭川村事件』『少年籠城』『死蝋の匣』『ふたり腐れ』『七月の鋭利な破片』『鬼門の村』『氷河期のゴミ』など多数。
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Posted by ブクログ
その言葉は、けっして口に出してはいけない-。
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とある地方都市、十櫃町に14年ぶりに帰ってきた高嶋那月。精神的苦痛を与えてくる母親から逃げるように去った生まれ故郷だったが、再婚した夫の転勤で 妊婦の那月は、8歳の娘・沙希を連れ引っ越しを決める。
那月が十櫃町に帰郷することに不安を感じたのは、母親のことだけではなかった。
この町には、「たがい違い」や「アカンボ」など『忌み語』と呼ばれ 発音すると災いが起こる言葉が数多くあった。
『忌み語』の中には「タカシマサキ」という言葉もあり、それは那月が中学生の時に首吊り自殺をした同級生の名だった。鷹島咲の自殺後、なぜか町で自殺する者が相次いだ。
那月の嫌な予感は、再婚して娘の名前が「高嶋沙希」になってしまったこと…。
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那月は、鷹島咲の葬儀で怪異に遭遇した際に この世のものとは思えない声を耳にしていた。
『ひーい』
この町でまた、「タカシマサキ」の忌み語を引き金に あの音が聞こえる…
『ひーい』
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那月の前ではあまり感情を表に出さず、何を考えているのか分かりずらい娘の沙希だったが、だんだんと笑顔が消え おかしな態度を取るようになる。
いつものように、沙希がジャムの瓶のラベルを音読する。「みずあめ、さとう、ぶどうとう、…やつらは、わなをしかけます…はつどうするよう、しむけます」
私の娘はどうしてしまったのか?
いや、目の前にいるこの娘は本当に沙希なのか?
私は怖い…。自分の娘が!!
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うわぁぁぁ
あれだ、精神的に追いつめられてく系だ。
妊娠で心が不安定なんだろうくらいに思って 全然わかってくれない夫。
離れていくママ友。
執拗に攻めてくる母親。
娘を取り返そうとする元夫。
あーいやだいやだ。
なんでこんな窮屈な町で、いつ始まるか分からない自殺連鎖に怯えて暮らさにゃならんの!
おら、こんな町いやだ!
てかさ、自分の子どもが急に訳分からない言葉を言い出したらゾっとする…。
「あいつら、コトバわかんないんだもん」って呟く沙希ちゃんの台詞。
ん?どゆこと?って思ったけど ネタバレみたら、怖!
ホラー?オカルト?
わかんないけど、一番怖いのは表紙だった!!
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『ひーい』
この声が聞こえたら
目の前の扉は開けてはいけません………。
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