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  • 轍が弔うお前の恨み
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    小平市のタクシー運転手・宮原が刺殺され、車ごと黒焦げ死体で発見された。宮原と親しかった同僚の小関は、実直な宮原の死に不審を抱いた。怨恨の線は考えられない。強盗の犯行か……。四十九日の前日、府中まで客を乗せた小関は、前方に同じ会社の車がドアを半開きにして停っているのを見た。やがて小柄な女がドアに向かって歩いてきたが、女は実家に帰っているはずの未亡人・直美だった。傑作サスペンス。
  • 扉の中の祝宴
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    1巻605円 (税込)
    ここもと御覧に入れまするは、かの勝目梓がペンの至芸によって織りなす女たちの妖かしの姿態──電車の車内以外にはオーガズムを感じない女、夫よりもスプーンを好む異物愛玩症の女、被視姦願望の女、恥ずかしくて行為に至れない赤面恐怖症の女……百花繚乱、天下泰平、女百態噺。
  • 夜を真昼に
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    まあ聞いてくれ、タクシー強盗をやられた上に殺人容疑をかけられて――こんなひどい目にあって、犯人逮捕を刑事なんかにまかせておけるものか! 沖島雄一が解きはじめたパズルは、迷宮入り犯罪の絡むビッグゲームだった。闇に閉ざされた夜を、太陽の真昼に――荒々しい男と甘美な女の情念が絡み合い、やがて時間に埋もれた謎の事件へと連動し、華麗に展開する勝目梓の世界!
  • 闇に光る肌
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    八木秀一の車が、銀座で森沢洋子のアルファロメオに追突した。森沢洋子は事故の被害をベッドでの奉仕で支払えと要求した。八木は洋子の指令で女優のタマゴを相手にすることになった。が、マンションに出向いた八木を待っていたのは、中年男の死体だった。殺人容疑を受けた八木はきわどくアリバイが証明され釈放された。洋子の仕掛けた罠に落ちたのだ。洋子とは何者なのか!? 背後に政界大物の影がちらつく――。
  • 墓碑銘は炎で刻め
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    ショットガンをたずさえて社長室に乗り込み、人質10人を全裸にして屈辱的な行為を強要する戸室。誘拐した女をペットのように飼育し、卑猥なポーズをカメラに収める柴崎。強姦されかかった女を救い、彼女を相棒に荒っぽい復讐計画を練る岡田。見るからに疲れた中年男だが、報復のためには大胆かつ巧妙な久保寺。……邪悪な情念を描き、人間の魔性を見事に抉り出した勝目世界の男の群像。
  • 叩かれる父
    4.0
    1巻605円 (税込)
    28歳の息子・隆一が、職を転々とした揚げ句に実家に戻ってきた。以来8ヵ月、ひきこもり生活を続けている。母親を階段から蹴落とした隆一に反省をうながすが……。逆上した息子に叩かれ続けても、父親はひたすら耐える。胸中では自らの半生を振り返っていた。(表題作) 義母の介護、熟年離婚、愛人との再会など、さまざまな夫婦の姿を通して、人生の機微を描く。
  • 犯行(やま)
    5.0
    1巻605円 (税込)
    10年前、タクシー運転手の藤森は裏社会の仕事に就いた。暴力団の女に手をつけたのが原因だった。今回の犯行は、中国マフィアの地下銀行に流れる2億円強奪。だが、ガセネタだったのか計画は破綻した。疑惑をもたれた彼の身に、凄絶な私刑の雨が降り注ぐ。謀略の渦に巻き込まれた藤森は、怒り心頭に発し、真の敵を求め果敢に反撃に出るが……。官能と暴力の世界!
  • かくも水深き不在(新潮文庫)
    3.3
    森に包まれた廃墟の洋館で次々と鬼に変化(へんげ)していく仲間たち。何故か見るだけで激しい恐怖に襲われるCM。想い人のストーカーを追及する男の狂気。大御所芸人の娘を狙った不可解な誘拐事件。浮かび現われては消える4つの物語は、異能の精神科医・天野の出現により誰も見たことのない局面へと変容していく。全ての謎を看破する超越的論理(ロジック)と幻想の融合で煌めく、めくるめく万華鏡(カレイドスコープ)を体感せよ!
  • アダージョの恋
    -
    1巻605円 (税込)
    十年以上も前に終わったはずの男と女の不思議な関係。かつては売れっ子のライターだった男は鎌倉に住み、有閑の夫人や女医との付き合いに明け暮れる。酒に溺れ睡眠薬を多用するおとこを、かつての恋人だった「私」は優しく見守る(表題作「アダージョの恋」)。高校時代の女友達との久しぶりの邂逅で、遠い昔のことを思い出しながらも現状の生活を探り合ったり(「迷子が笑った」)、雄の飼い猫は飼い主の私に欲情する、訪れる男たちにも嫉妬し、彼らの服などにおしっこをする(「猫のヒゲ」)、若手俳優のベテラン役者への嫉妬に付き合う女優の気持ちの揺れ(「砂の花」)、甘味評論家の取材を通してその夫婦の生活のただなかに入ってしまうフリーライター怒りと困惑(「ようかん」)、など、様々な場面の男と女の嫉妬と愛情を描く5編を収録。
  • それは秘密の(新潮文庫)
    3.5
    美容に狂う前妻と彼女を奪っていった男、なぜ二人は俺に会いに来るのか? なぜこんなに友人の母親が気になるのか? 隣室で虚ろで奇妙な音を出し続けるのは何者か? どうしてあんなに不出来な部下に惹かれるのか? なぜ暗闇で出会って顔も見えない彼女がこんなにも愛おしいのか? なぜ、なぜ……。愛とも恋とも言えない、不思議な感情――。心理描写の洗練を極めた珠玉の短編九編を収録。
  • 月世界紳士録
    3.4
    宇宙技術振興推進株式会社――通称STeP。待宵澄雄の異動先は「竹取班」と呼ばれ、月にまつわる民話や伝承などを扱う部署だ。同僚は桂靖久という青年ひとり。その日、竹取班を訪れた宗像という男は、ある蒐集家から寄贈された保管中の古い洋燈(ランプ)『朧月夜』を譲ってくれと言った。『朧月夜』には、ウソをつくと火が消える、という謂われがあり? 月に憑かれた者たちの幻想譚。
  • 政と源
    4.0
    東京都墨田区Y町。つまみ簪職人・源二郎の弟子である徹平の様子がおかしい。どうやら、昔の不良仲間に強請られたらしい。それを知った源二郎は、幼なじみの国政とともにひと肌脱ぐことにするが――。当年とって七十三歳の国政と源二郎は、正反対の性格ながら、なぜか良いコンビ。水路のある下町を舞台に老人パワーを炸裂させるふたりの、痛快で心温まる人情譚! 【目次】一、政と源/二、幼なじみ無線/三、象を見た日/四、花も嵐も/五、平成無責任男/六、Y町の永遠
  • 彼女の人生は間違いじゃない
    3.0
    震災後、恋人とうまく付き合えない市役所職員のみゆき。彼女は週末、上京してデリヘルを始める……福島-東京の往還がもたらす、哀しみから光への軌跡。廣木監督が自身の初小説を映画化!
  • 芥川症
    3.7
    父の死因とは一体何だったのか? 食い違う医師・看護師の証言。真相を求め、息子はさまよう(「病院の中」)。多額の募金を得て渡米、心臓移植を受けた怠け者の男と支援者たちが巻き起こす悲喜劇(「他生門」)。芸術を深く愛するクリニック院長と偏屈なアーティストが出会ったとき(「極楽変」)。芥川龍之介の名短篇に触発された、前代未聞の医療エンタテインメント。黒いユーモアに河童も嗤う全七篇。
  • 杳子・妻隠
    3.9
    “杳子は深い谷底に一人で坐っていた。”神経を病む女子大生〈杳子〉との、山中での異様な出会いに始まる、孤独で斬新な愛の世界……。現代の青春を浮彫りにする芥川賞受賞作「杳子」。都会に住まう若い夫婦の日常の周辺にひろがる深淵を巧緻な筆に描く「妻隠」。卓抜な感性と濃密な筆致で生の深い感覚に分け入り、現代文学の新地平を切り拓いた著者の代表作二編を収録する。
  • 中目黒リバーエッジハウス ワケありだらけのシェアオフィス はじまりの春
    3.0
    青森から上京した哲太は憧れのクリエイター職に就いたが、ブラックぶりに追い詰められ、好きな女性に醜態をさらし――限界を迎えてドロップアウト。人生に行き詰まり、クリエイターを目指すきっかけになった宗方(むなかた)を捜すうち、中目黒のシェアオフィスに辿り着く。そこでインテリアデザイナーの杢(もく)や料理研究家の千奈美と組み、カフェをプロデュースすることに…!?
  • 鎌倉香房メモリーズ
    3.9
    「香り」で謎解き。思い出は切なくて、やさしい…。人の心の動きを香りとして感じとる力を持つ、高校二年生の香乃は祖母が営む香り専門店『花月香房』に暮らしている。香乃のよき理解者、大学生の雪弥さんと共に『花月香房』は今日もゆるり営業中。そんなある日、店を訪れた老婦人の“消えた手紙”を一緒に探すことになって!? 鎌倉を舞台に、あの日の匂いと、想いも……よみがえる。ほっこり、あったか香りミステリー。
  • 風

    3.3
    姉妹が奏でる究極の愛憎、十五年来の友人が育んだ友情の果て、決して踊らない優子、そして旅行を終えて帰ってくると、わたしの家は消えていた……疾走する「生」が紡ぎ出す、とても特別な「関係」の物語。
  • 蛇行する川のほとり
    3.6
    演劇祭の舞台装置を描くため、高校美術部の先輩、香澄の家での夏合宿に誘われた毬子。憧れの香澄と芳野からの申し出に有頂天になるが、それもつかの間だった。その家ではかつて不幸な事件があった。何か秘密を共有しているようなふたりに、毬子はだんだんと疑心暗鬼になっていく。そして忘れたはずの、あの夏の記憶がよみがえる。少女時代の残酷なほどのはかなさ、美しさを克明に描き出す。
  • 永遠のディーバ-君たちに明日はない4-
    4.0
    2~7巻605~825円 (税込)
    ※本作品は 2015年3月25日まで販売しておりました単行本版『勝ち逃げの女王-君たちに明日はない4-』の文庫改題版となります。 本編内容は同じとなりますので予めご了承下さい。 「おれはただ、ずっと自分を誤魔化(ごまか)してきただけだ」。リストラ面接官・村上真介の今度の相手は、航空会社の勝ち組CA、楽器メーカーでくすぶる元バンドマン、ファミレスの超優秀店長、おまけに、破綻した証券会社のOBたち。企業ブランドも価値観も揺らぐ時代、あなたは明日をどう生きる? 全ての働き人たちにパワーを届ける、人気お仕事小説第4弾! 『勝ち逃げの女王』改題。
  • ぴんぞろ
    4.0
    浅草・酉の市でイカサマ賭博に巻き込まれた脚本家の「おれ」は、まるでサイコロの目に導かれるように、地方のさびれた温泉街に辿り着く。そこであてがわれたのは、ヌード劇場の司会業。三味線弾きのルリ婆さんと、その孫リッちゃんとの奇妙な共同生活の末に訪れた、意外な結末とは。笑いと哀切に満ちた傑作。
  • はずれ姫
    3.0
    1巻605円 (税込)
    「はずれ姫」は「マキの包むもの」「はずれ姫」「ナッちゃんの豆腐」「蛍を飲む」「サリーの恵み」の5編からなる短編集。表題作の「はずれ姫」は路地裏のバーで、艶めかしい魅力の女のいつも貧乏くじを引く人生の焦り描く。「マキの包むもの」は、中国人の経営する宅配餃子の店で働くやるせない日々、「ナッちゃんの豆腐」の女性は、小さな飲み屋の女将、醜女の彼女はその店の中だけで人生の大半を過ごすが、ふらりと現れた男に騙される。「蛍を飲む」は、男と酒だけが生きがいの アルコール依存の女の優しさ。「サリーの恵み」は引きこもり男が病院で知り合った天女にも思える女の悲しい性とは。5編の短編それぞれにまともな人生を生きられない女たちの懸命さと、切ないまでの男と女のふれあいを描く。
  • ご旅行はあの世まで? 死神は上野にいる
    3.0
    就活生(絶望的に苦戦中…)の青年・楓は、小学生を助けようとして川で溺れる。意識を失った楓は、蝉時雨の響く謎の場所で「死神」を名乗る男・刑部と出会う。意識を取り戻したとき、楓の手元に残されていたのは、刑部の名刺と『最高の終末を!』と染め抜かれた眼鏡拭き…。上野で刑部と再会した楓は「死神、やってみる気ない?」というとんでもない誘いを受けて……!? 【目次】第一話 死神は上野にいる/第二話 心のこりは何ですか/閑話小品 見習いも上野にいる
  • よるのふくらみ
    4.0
    1巻605円 (税込)
    同じ商店街で幼なじみとして育ったみひろと、圭祐、裕太の兄弟。圭祐と同棲しているみひろは、長い間セックスがないことに悩み、そんな自分に嫌悪感を抱いていた。みひろに惹かれている弟の裕太は、二人がうまくいっていないことに感づいていたが――。抑えきれない衝動、忘れられない記憶、断ち切れない恋情。交錯する三人の想いと、熱を孕んだ欲望とが溶け合う、究極の恋愛小説。
  • あの子が欲しい
    2.5
    新人採用プロジェクトを完遂せよ。アラフォーの川俣志帆子はそのチームリーダーに突如指名された。ネットの裏工作や学生との心理戦を制し、成果を上げるが、なぜか心は満たされない。同居する男には惑わされ、猫カフェの猫ザビーだけが癒やし。このままでいいの? 独身女性の働く辛さをリアルに描く!
  • 星の王子さま
    4.3
    砂漠に飛行機で不時着した「僕」が出会った男の子。それは、小さな小さな自分の星を後にして、いくつもの星をめぐってから七番目の星・地球にたどり着いた王子さまだった……。一度読んだら必ず宝物にしたくなる、この宝石のような物語は、刊行後七十年以上たった今も、世界中でみんなの心をつかんで離さない。最も愛らしく毅然とした王子さまを、優しい日本語でよみがえらせた、新訳。
  • 枯葉の中の青い炎
    3.6
    1巻605円 (税込)
    老いた名投手の悲願を叶えるため、災いが襲うことを承知で呪術を使う男の話「枯葉の中の青い炎」。一カ月だけ愛人と同棲したい、という夫の望みを聞き入れる妻が妖しい「ちょっと歪んだわたしのブローチ」。奇妙な匂いに誘われて妻の妹をレイプしてしまった男のモノローグ「水いらず」など、濃密な味わいを持つ六つの物語。
  • 踊る手なが猿
    4.0
    1巻605円 (税込)
    新宿西口地下にあるケーキ屋のガラスケースの上にすわる猿の人形。向かいの喫茶店で働く純子は、この猿に結ばれている赤いリボンが、時によって位置を移動するのが気掛かりだった。(「踊る手なが猿」) 都立高の敷地から江戸時代の墓地が? その中の樽形の棺に男女2体の人骨と、密封された小壺が入っていた。(「暗闇団子」) サスペンス&トリック傑作集。
  • 毒を売る女
    3.6
    1巻605円 (税込)
    夫に性病をうつされ、それが不治の病と知ったとき、若妻は狂った! 大道時靖子は、秘密を打ち明けていた友人とその家族に対して、次々と鬼気迫る接触をはじめ……。(「毒を売る女」)“糸ノコとジグザグ”という風変わりな名のカフェ・バー。だが、店名の由来には、戦慄すべき秘密が……!?(「糸ノコとジグザグ」) 本格推理の旗手が精選した、サスペンス&トリックの自信作。
  • エロ事師たち
    3.9
    お上の目をかいくぐり、世の男どもにあらゆる享楽の手管を提供する、これすなわち「エロ事師」の生業なり――享楽と猥雑の真っ只中で、したたかに棲息する主人公・スブやん。他人を勃たせるのはお手のものだが、彼を取り巻く男たちの性は、どこかいびつで滑稽で苛烈で、そして切ない……正常なる男女の美しきまぐわいやオーガズムなんぞどこ吹く風、ニッポン文学に永遠に屹立する傑作。
  • エデン
    4.3
    あれから三年──。白石誓は唯一の日本人選手として世界最高峰の舞台、ツール・ド・フランスに挑む。しかし、スポンサー獲得をめぐる駆け引きで監督と対立。競合チームの若きエースにまつわる黒い噂には動揺を隠せない。そして、友情が新たな惨劇を招く……。目指すゴールは「楽園」なのか? 前作『サクリファイス』を上回る興奮と感動、熱い想いが疾走する3000kmの人間ドラマ!
  • ぼくの映画。 ~学園一の美少女をヒロインにキャスティングしてゾンビ映画を撮ろう~
    4.7
    成績は頑張って中の下。スクールカーストで言えば低い方。気の合う友達はいるけど、女子と喋った回数なんて数えるほど。可愛い女の子と交遊なんて高望みってものだろう。だけど脚本兼監督を引き受けてしまったぼくの一言で、映画部の日常が変わる。「ヒロインで撮りたいんだ」文化祭に出展する予定のオリジナル脚本ゾンビ映画『死霊の呼び声』。しかし主演女優の出演交渉は早くも難航。女子たちから小馬鹿にされながらも、ヒロイン獲得に向けてみんなで策を練るが…
  • 穴

    3.9
    仕事を辞め、夫の田舎に移り住んだ私は、暑い夏の日、見たこともない黒い獣を追って、土手にあいた胸の深さの穴に落ちた。甘いお香の匂いが漂う世羅さん、庭の水撒きに励む寡黙な義祖父に、義兄を名乗る知らない男。出会う人々もどこか奇妙で、見慣れた日常は静かに異界の色を帯びる。芥川賞受賞の表題作に、農村の古民家で新生活を始めた友人夫婦との不思議な時を描く二編を収録。
  • ジャングル・ブック
    4.6
    森の洞穴に現れた人間の赤ちゃんは、母オオカミ・ラクシャに預けられて、オオカミの群れの中で育てられた。その少年モウグリを主人公に、ヒグマのバルーと黒ヒョウのバギーラ、モウグリをさらったサル族、岩ニシキヘビで知恵者のカー、人間を恨みモウグリの命を奪おうとするトラのシア・カーンなど、「ジャングルの掟」とともに厳しく生きる者たちを描く永遠の名作、新訳で復活!
  • アンダースタディ
    3.7
    父が急死して21歳のOL、内海奈美の人生は大きく変わった。3歳の時に別れた母と双子の姉、美幸と暮らすことになって、姉の(代役)生活が始まった。身代わりデートをしたり、姉の愛人らしい大学生、安田から「連絡くれなきゃ死ぬ」って電話を受けたり、代役もなかなか大変なのだ。不穏なことは次々起きる。安田の自殺、叔父の心中事件、旧い友人の死。奇妙な糸に結ばれて意外な真相が暴かれる長編。
  • 夢みる妹たち
    5.0
    長女涼子。ひとりっ子の舞とともに別居生活を始めたばかり。舞を名門幼稚園に通わせるためで夫と離婚する訳じゃない。次女美雪。大学受験を控えて上京。独り住いの義兄の家に居候中。ただならぬ恋の予感を感じている。そして三女由香。オテンバな高校受験生。不思議な恋人ができたようだ。美しい三人の姉妹をめぐる恋模様が次々と波瀾を呼び奇妙な事件が巻き起こる。家族と愛とサスペンスの物語。
  • ボタン屋つぼみ来客簿 ―さまよう彼らの探しもの―
    4.5
    菜乃香は奇妙なボタン専門店を見つけた。接客してくれたのは、ライと名乗る長身の男性だった。服飾の勉強をしたいと思っていた菜乃香は、数々のボタンに興奮し連日店に通っていたが、ある日、亡くなったはずの友人が店を訪れた。そして菜乃香は、自分が親とケンカをした後、交通事故にあっていたことを思い出した。ボタン屋は、さまよう魂の「探しもの」を置く店で?
  • ひっぱたけ! ~茨城県立利根南高校ソフトテニス部~
    -
    ソフトテニス強豪中学校から、体育会系の部活動がほとんど顧みられない進学校の利根南高校に進んだ夏希と花綾(かあや)。「女子テニス部ないね」「うん。でも予備校通うし、恋愛だってしたいし?」と話しながらも、テニスコートのほうに足が向いてしまう2人。そこはヤンキー風な先輩がいて、お下げの地味な先輩と2人だけで女子ソフトテニス部をやっているらしいのだが…!?
  • P+D BOOKS 人喰い
    4.0
    心中現場から、何故か一人だけ姿を消した姉。 ワンマン社長の横暴に不満を募らせる社員達が、それに対抗しようと組合闘争に明け暮れる本多銃砲火薬店。 その工場に勤める花城由記子が、妹の佐紀子に遺書を残して失踪した。社長の一人息子・本多昭一と心中するという書き置きを残して姿を消したのだが、山梨の昇仙峡で昭一の遺体が発見されたにもかかわらず、由記子の遺体は発見されないままだった。ついには殺人犯人として指名手配を受けてしまう由記子――。 姿を消した姉を追って、一人残された妹・佐紀子は必死の捜索を続けるが、そこには思わぬ結末が待ち受けていた。 卓抜したトリックに、人間の底知れぬ業を描いた笹沢左保、会心のミステリー。第14回日本推理作家協会賞受賞作品。
  • ネガティヴ
    3.7
    妻に不倫の恋をさせ、それを材料に、同時進行で作品を書こうともくろんだ流行作家。この「仕組まれた恋」を発端に、不気味な連続殺人がはじまった……。いつのまにか現実と物語との境界がうすれ、この世の裏側(ネガティヴ)の世界が現実にまぎれこんでくる――底知れない怖さを描く、異色のサスペンス長篇!
  • ホーム・スイートホーム
    3.5
    部長に昇進した父、専業主婦の母、しっかり者の娘二人と末っ子の一人息子。棚原家はどこにでもある平凡な一家だったが、ある日の早朝、長女の無残な姿の帰宅から、悲劇は始まる。誘拐、脅迫、殺人――「ウチには全く関係ナイ」はずの物騒な事件に次々と巻き込まれていく。平和な家庭をたちまち破滅させてしまう現代社会の落とし穴の恐ろしさを描く辛口ミステリー。家族の絆を問い直す意欲作!
  • 貴族探偵
    3.7
    信州の山荘で、鍵の掛かった密室状態の部屋から会社社長の遺体が発見された。自殺か、他殺か? 捜査に乗り出した警察の前に、突如あらわれた男がいた。その名も「貴族探偵」。警察上部への強力なコネと、執事やメイドら使用人を駆使して、数々の難事件を解決してゆく。斬新かつ精緻なトリックと強烈なキャラクターが融合した、かつてないディテクティブ・ミステリ、ここに誕生! 傑作5編を収録。
  • 招き猫神社のテンテコ舞いな日々
    3.6
    起業した会社が倒産したため、着の身着のまま、東京の片隅にある神社に管理人として身を寄せることになった青年。都落ちを痛感しながらも、再起に向けて意気揚々と暮らし始めようとする。 ところが、この神社には3匹の猫が棲み着いていた。大きくてブサイクな虎猫と、灰色の毛玉のような仔猫2匹。実は彼らは“化け猫”だった。 傍若無人ぶりを発揮する化け猫たち。そして、それにひたすら翻弄される青年――。 どこか憎めない化け猫たちとの人間味豊かな同棲生活を愉快に描くストーリー。化け猫も、けっこう可愛いものですよ……たぶん!
  • 姥うかれ(新潮文庫)
    3.0
    花の盛りは五、六十/六十七十は恋愛ざかり/七十八十は嫁入りざかり/くよくよしゃんすな/お身の毒……。女には年齢(とし)の数だけ花が咲く。花の数だけ夢が咲く――78本の花束を抱いて香り高く華やいで生きる、愛しのシルバーレディ歌子サン、清く正しく美しくをモットーに、口八丁手八丁、歌って踊って大活躍! 『姥ざかり』『姥ときめき』に続くお馴染みのシリーズ、待望の第3部。
  • 俺は駄目じゃない
    4.3
    下着泥棒と間違えられて逮捕され、職も失った35歳の独身男。誤認逮捕の経緯を書いたブログ「俺は何もやってません」が、予想外の反響を呼んで、“エンザイ男”としてちょっとしたヒーローにまつりあげられてしまう。自分にできることだけコツコツやってるだけど、なんとなく、少しずつ、何かが変わってきた……!?『とげ』など、著者の代名詞「巻き込まれ型小説」の決定版!どん底に落ちるまでも、はい上がるまでも、とことん巻き込まれまくって、読後感は爽快!!
  • 十津川警部 湯けむりの殺意
    5.0
    道後温泉の老舗ホテルの娘を三田村刑事が殺害したという告発の手紙が、本多捜査一課長宛てに届いた。愛媛県警に確認すると、確かに殺人事件が起きており、その時期に三田村も叔父の葬儀で道後に行っていたことがわかった。捜査に乗り出した十津川警部のもとに、三田村に不利な証拠が次々と出る。温泉地を舞台にした五編を収録。
  • 麗しき白骨
    4.0
    【渡辺淳一文学賞創設記念電子化!】T大医学部整形外科・藤本教授の定年退官の時期が迫っていた。絶大な権力を持つそのポストに、次に座るのは誰か――。有力候補の一人である東都大の可知教授は、実績作りのために、骨移植研究グループを発足させた。異種骨移植が上手くいけば、学会の注目を集めること必定である。動物実験もそこそこに、人体実験が開始されたが……。
  • 美女
    3.8
    この里芋のような女に、俺の「浮気相手」が演じられるのだろうか? 妻の妹と関係を持った男は、妻の疑いをそらすために、馴染みの居酒屋の女将に一芝居打ってくれるように頼み込んだ。男の目の前ではじまった、妻とその妹、女将――3人の女の壮絶な「芝居」は、想像もしない幕切れへ……(表題作)。逆転に次ぐ逆転! 息を呑む超絶技巧で男と女の虚実を描く、8篇の傑作ミステリアス・ノベル。
  • 釈迦
    4.3
    八十歳を迎えたブッダ(釈迦)は、侍者ひとりを連れて最後の旅に出る。遺された日々、病み衰えたブッダの胸に、人々の面影や様々な思いが去来する。自分を産んですぐ亡くなった母、養母、シャカ族の王だった父。亡霊となって現れる妻。出家してなお煩悩に苦しむ弟子たち、尼僧を受け入れた日のこと。涅槃に至るブッダの言葉の数々が、心地よい音楽のように綴られる。入魂の仏教小説。
  • 私小説
    4.0
    出家した作家・宇都木のまわりには、姉の死や裁判を受けている俳優からの電話、獄中の死刑囚からの手紙などの“事件”が相次ぐ。作家として尼僧として、誠実に対応しつつ、虚が実で実が虚の世界を書き続ける。現実の展開を小説の中に映し、自らの道をわき目もふらず独り歩きつづけた作家の、人生への愛と哲学に満ちた長編。瀬戸内寂聴が得度十年目に書いた、「亡き姉に」捧げる一冊。
  • 空き缶ユートピア
    -
    「老人による老人のための老人の有料老人ホーム」を目指し共同生活をはじめた八人の老人と老人候補。人情薄い時代の心あたたまるユートピア設立の話に、マスコミはとびついた。だが、これはマスコミ受けをねらった全くのお芝居。老人たちはもっと凄い事件を企んでいた……。ユーモアと風刺をきかせたドンデン返し。新しい共同体の夢を描いた意欲作。
  • 死が二人を分つまで
    -
    心臓が止まったはずなのに、専業主婦・由利江には、はっきり意識があった。なぜか生きているのだ。だが、その代償は重く、人間の生命エネルギーを奪わないと生きられない体になっていた。他人を殺さねば、自分が死ぬ。彼女は殺すことを選択してしまう。それを知ったサラリーマンの夫・広造は銃を手に彼女を追うが……。殺しながら逃げる主婦とその夫とのスリリングな関係を描く傑作ホラー長編。
  • オレンジの壺(上)
    3.7
    1~2巻605円 (税込)
    佐和子、25歳――とりたてて不幸なことなど何もない、しかし決して幸福ではない。ある日、亡き祖父から残された日記帳を読んだ佐和子は、重大な秘密を知る。パリへ旅立ち、祖父の本当の姿を探し求める彼女は、いつしか大切な何かを追い求めている。平凡な自分に何ができるのか? 佐和子が見つける答えは――。女性のひたむきな成長を描く宮本文学の傑作!
  • クロスカウンター~金融探偵・七森恵子の事件簿~
    3.3
    1~2巻605~968円 (税込)
    元大手外資系証券会社アナリストの七森恵子は、ある事件をきっかけにフリーの金融探偵に転身した。新テクノロジー、中国の出版ビジネスなど数々の潜入調査のなかで、次第にひとりの天才詐欺師の存在に気づく恵子。相棒の如月浩二郎とタッグを組み、強大な詐欺に挑む。『T.R.Y.』など時代を映した小説で読者を虜にする作者の新たなる「コンゲーム・ミステリー」。
  • スタッキング可能
    3.7
    『あなた』と『わたし』は交換可能? 5階A田、6階B野、4階C川、7階D山、10階E木……似ているけれどどこか違う人々が各フロアで働いているオフィスビル――女とは、男とは、社会とは、家族とは……同調圧力に溢れる社会で、それぞれの『武器』を手に不条理と戦う『わたしたち』を描いた、著者初の小説集! 短篇「タッパー」を収録。解説は穂村弘さん。
  • 朝ごはんぬき?
    3.8
    私、明田マリ子、ハイ・ミス。OLのとき年下の男に失恋して、いまは有名な女流作家、秋本えりか先生の家でお手伝い兼秘書兼イヌの散歩係。月末になると、いろんなタイプの編集者が原稿催促におしかけてくるが、なかでも美青年編集者鈴木ノボルクンがくると、先生は仕事そっちのけでウロウロソワソワ……。人気女流作家の私生活と、ハイ・ミスの複雑な心境をユーモラスなタッチで描く。
  • 繭の密室
    3.5
    都内のマンションで不可解な転落死事件が発生した。死亡した大学生・前島博和は、自室で何者かに襲われた後、ベランダから転落したものと見られたが、奇妙なことに部屋は密室状態であった! 警視庁刑事・貴島が捜査を開始、6年前のある事件に辿り着く。そして、同時に発生した誘拐事件の行方は? トリックの才、ますます冴えわたる長編本格推理小説、登場。
  • 走ル
    3.5
    なんとなく授業をさぼって国道4号線を北に走り始めただけだった…やがて僕の自転車は、福島を越え、翌日は山形、そして秋田、青森へと走り続ける。彼女、友人、両親には嘘のメールを送りながら、高2の僕の旅はどこまで続く?21世紀日本版『オン・ザ・ロード』と激賞された、文藝賞作家の話題作。
  • クロイツェル・ソナタ 悪魔
    4.1
    嫉妬のため妻を殺した男の告白を通して、惨劇の理由を迫真の筆に描き、性問題に対する社会の堕落を痛烈に批判した『クロイツェル・ソナタ』、実在の事件に自身の過去の苦い経験を交えて懺悔の気持をこめて書いた『悪魔』。性的欲望こそ人間生活のさまざまな悪や不幸、悲劇の源であるとして、性に関するきわめてストイックな考えと絶対的な純潔の理想とを披瀝した中編2作。
  • 枕女優
    3.3
    高校三年生の夏、一人の少女が手にした夢の芸能界への切符。しかし、そこには想像を絶する現実が待ち受けていた。芸能プロ社長でもある著者が描く、芸能界騒然のベストセラー!
  • 紫苑物語
    -
    1巻605円 (税込)
    王朝末期、宗頼は秀れた才能に恵まれながら、歌を捨て、絶対的なものを求めて力の世界に生きるべく弓矢の人となり、国の守として遠国におもむく。その若い領主の尖鋭すぎる理知と、女狐によって象徴される野性の情熱との、宿命的な触れ合いと破局を描き、著者の文学の最高峰をなす『紫苑物語』、思想に裏うちされた幻想的な冒険小説『鷹』、ほかに『善財』を収録。
  • 戦う操縦士
    3.3
    僕は多くのことを考える。万一生きていたら、今夜を待って、とくと考えてみよう。ただ、生きているかどうか……。第二次大戦中、敗走するフランス軍に、一飛行士として従軍した作家サン=テグジュペリ。明日、ドイツ軍が侵入するであろう、祖国の一寒村にたたずんで、死を目前にした極限状況にあって綴られた、生の根源と人間の勇気に果敢に迫り、深く追究する思考。
  • 夢の壁
    4.0
    終戦前後、少女期を北京で過ごした佐智が見たことは、少女の心をひとまわり大きくした――戦争で母親を亡くした悲しみを背負いこむ中国人の少年と佐智との無垢な心の交流を描いた芥川賞受賞の「夢の壁」と、国民学校が消滅した夏の一日、SH学院の利発な少女・宋梅里との友情、両親と共に日本に帰る1947年の船中の出来事など、佐智の目と心を通して活写する「北京海棠の街」を収録。
  • 真知子
    -
    日本の社会と知識人の心を激しくゆさぶらずにはおかなかった、昭和初期のマルキシズム。その嵐の中を手さぐりでさまよう若い魂の群れ。美しい近代女性・曽根真知子は、退屈で滑稽な自分の親類仲間の俗物性を批判し、現実社会を動かしている力に虚偽を感じて、社会の救済を思念する。甘美なヒューマニズムを脱却して真摯な生き方をもとめる真知子の愛と思想を描く、記念碑的小説。
  • 木馬の騎手
    4.6
    出稼ぎに出たきり戻らぬ父を尋ねて、ひとり東京に着いたキワ、自分は電気仕掛けで動くのだと頑なに信じる少年・作次、晴れ着を着て父親とメリー・ゴー・ラウンドに乗るチサ――。危ういバランスをとりつつ、生と死の深淵を覗き見る子供たち。この、人生の小さな冒険家たちの、様々な死とのたわむれを、清冽な抒情と澄んだユーモアを重ね合せて描く「接吻」「睡蓮」「厄落し」「星夜」「初秋」「ロボット」「遠出」「遊び」「出刃」など12編。著者会心の連作短編集。
  • いつも彼らはどこかに
    3.7
    たっぷりとたてがみをたたえ、じっとディープインパクトに寄り添う帯同馬のように。深い森の中、小さな歯で大木と格闘するビーバーのように。絶滅させられた今も、村のシンボルである兎のように。滑らかな背中を、いつまでも撫でさせてくれるブロンズ製の犬のように。――動物も、そして人も、自分の役割を全うし生きている。気がつけば傍に在る彼らの温もりに満ちた、8つの物語。
  • 倫敦千夜一夜物語 あなたの一冊、お貸しします。
    4.1
    お貸しするのは、本の世界を自由に旅する時間。19世紀末・英国。ロンドン郊外の静かな町で、貸本屋《千夜一夜》を営むサラとアルフレッド兄妹。とある事情から侯爵家の生まれという身分を隠して暮らしているふたりだったが、店にはとっておきの一冊を求めて今日もたくさんの客がやってくる。そんなある日、「探してほしい本がある」という貴族の兄弟が店をおとずれて…。ビクトリアン文学ミステリー!!
  • ナルキッソスの鏡
    4.0
    女装倒錯、その美貌とあいまった孤高のナルシズムに生きる作家志望の青年。そして、殺戮をくりかえしてまでも子供たちを守ろうとする過剰な家族愛に生きる異形の大女。高原の避暑地を舞台に、それぞれの人生が交錯するとき悲劇のドラマがはじまる――。愛と憎しみに囚われた人間の2つのストーリーがモザイク模様のように絡み、展開する衝撃のサイコ・サスペンス。
  • 絶対恋愛禁止っ!!(1)
    5.0
    1~3巻605~693円 (税込)
    高1の柚妃はワケあって、全寮制の超セレブ高校・鳳凰学園に転入。 入寮日、右も左もわからずウロウロしていた柚妃の前に現れたのは生徒会執行部のメンバー、超絶美形な俺様キング・響。 ホッと安心したのもつかの間、「お前が今日のエサか」と強引に押し倒されてしまう! 全力パンチをお見舞いし、逃げ切った翌日、「この学園のクイーンが決まった」と校内放送が流れ、まさかの指名をされちゃって――!?!? 波乱だらけの学園生活がはじまった!
  • 考えすぎた人―お笑い哲学者列伝―
    3.7
    「ソクラテスより頭の強い人間はいますか」聞き間違えた神託のせいで頭突き勝負が始まって(「ソクラテスの石頭」)。論理学の講義が苦痛で仕方がない未来の大王は……(「アリストテレスの論理が苦」)。若く美しい婚約者とモメた四十男のヘーゲルは思慮深すぎる手紙を書くが(「ヘーゲルの弁証法的な痴話喧嘩」)。哲学史に燦然と輝く巨星たちを笑いのめし、叡智の扉へと誘うユーモア小説。
  • 新釈 グリム童話 ―めでたし、めでたし?―
    3.3
    老舗ホテルの一人娘として生まれた「眠り姫」は、経営不振の実家を救うためにお見合いをすることに。「ヘンゼルとグレーテル」は廃屋から届くケーキの注文に戸惑っていた。自分こそが学年一の美少女だと思っている「白雪姫」は、同じくらい美しい無愛想な少女の存在が気になっていて……。誰もが知る“グリム童話”を大胆にアレンジ! 人気作家の作品、全六編を収録。
  • ヘッセ詩集
    3.9
    ひたすら詩人になりたいと願い、苦難の道のりをひとり歩み続けたドイツ最大の抒情詩人ヘッセ。仮借ない自己探求の賜物である淡々とし飄々とした風格は、われわれ日本人の心に深く共鳴するものを備えている。18歳のころの処女詩集より70余歳の晩年に及ぶ彼の全詩集から、その各期にわたる代表作をすべて抜萃し、ノーベル賞に輝く彼の小説に勝るとも劣らぬヘッセの詩境を紹介する。
  • シッダールタ
    4.4
    シッダールタとは、釈尊の出家以前の名である。生に苦しみ出離を求めたシッダールタは、苦行に苦行を重ねたあげく、川の流れから時間を超越することによってのみ幸福が得られることを学び、ついに一切をあるがままに愛する悟りの境地に達する。――成道後の仏陀を讃美するのではなく、悟りに至るまでの求道者の体験の奥義を探ろうとしたこの作品は、ヘッセ芸術のひとつの頂点である。
  • 郷愁
    3.9
    豊かな自然に囲まれて育ったペーターは故郷を離れ、文筆家を目指すため都会生活を始める。彼はそこで多くの人と出会い、多くの事を学ぶが、心の底では常に虚しさを感じていた。文明の腐敗に失望し、故郷に戻った彼を待っていたのは、シンプルな暮らしと新たな出会いだったが……。叙情にあふれた美しい自然描写、青春の苦悩、故郷への思いを見事に描いた、著者の処女作にして出世作。
  • P+D BOOKS 悲しみの港(上)
    -
    1~2巻605~660円 (税込)
    現実と幻想の間を彷徨する若き小説家の懊悩。 「僕が故郷に漠然と期待したのは避難港だった。ところが、それどころではなかった」――。 東京から郷里の静岡県藤枝市に居を移した三十手前の小説家・及川晃一の日常的思索を描いた著者の自伝的小説の前編。 1994年、発刊時の単行本の帯には[自分はすでに難破船か、骸骨か。それでもなお試練の故郷で文学者が探し求める自我の新しい船出。現実と想像のあわいに明晰な幻視者・小川国夫が眼をそそぐ]とある。 日本人とは、市民とは、そして小説家とは何かを考え続けた、「内向の世代」の作家・小川国夫の深い懊悩が滲む秀作。朝日新聞に連載され、第5回伊藤整文学賞を受賞。
  • 雲の墓標
    3.9
    太平洋戦争末期、南方諸島の日本軍が次々に玉砕し、本土決戦が叫ばれていた頃、海軍予備学生たちは特攻隊員として、空や海の果てに消えていった……。一特攻学徒兵吉野次郎の日記の形をとり、大空に散った彼ら若人たちの、生への執着と死の恐怖に身をもだえる真実の姿を描く。観念的イデオロギー的な従来の戦争小説にはのぞむことのできなかったリアリティを持つ問題作。
  • 水に似た感情
    3.8
    人気作家・モンクは友人のミュージシャンたちとテレビの取材でバリ島を訪れる。撮影はスタートするが、モンク自身の躁鬱と、スタッフの不手際や不協和音に悩むが、呪術師を取材し超常現象を体験した後、モンクも落ち着きスタッフもまとまる。帰国したモンクは親しい友人たちを誘い再びバリを訪れるのだが。リアルに迫りくる幻想体験を通じ、なぜか読むほどに心安らぐ小説。
  • 酒気帯び車椅子
    3.9
    家族をこよなく愛する小泉は中堅の商社に勤める平凡なサラリーマン。彼は、土地売買の極秘巨大プロジェクトを立ち上げた。必死の思いで進めた仕事のメドがたったある日、計画を知るという謎の不動産屋から呼び出される。彼を待っていたのは暴力団だった。家族を狙うという脅しにも負けず敢然と立ち向かう小泉だったが……。容赦ない暴力とせつない愛が交差する中島らもの遺作バイオレンス小説。
  • 寂聴源氏塾
    4.7
    『源氏物語』の本当の主人公はプレイボーイの光源氏ではありません。藤壷、葵の上、紫の上、夕顔、朧月夜、六条の御息所、浮舟などなど、恋に生き、愛に苦しむ女君たちの心情と迷いを、作者である紫式部は描きたかったのでした――『瀬戸内源氏』を訳しきった著者ならではの解釈に充ち満ちた「千年の名作」の最高のガイドブック。
  • わたしの蜻蛉日記
    4.0
    通い婚の時代も今も、恋する女の苦悩は変わらない――。私小説の元祖といわれる『蜻蛉日記』。作家・藤原道綱母は、美と才能に恵まれながら、嫉妬深さゆえに夫・兼家や自身を追い詰めてしまう。彼女の半生記を通して、千年前の女たちの愛と性を読み解く。兼家を光源氏、道綱母を六条御息所に重ね合わせるなど、『源氏物語』を完訳した著者ならではの解釈も。古典名作の新たな魅力と出会える一冊。
  • 心も身体も全部、全部。[上]
    -
    1~2巻605~627円 (税込)
    大会社の社長令嬢である夏希は幼なじみの翼と付き合っている。翼は将来、夏希の会社を継ぐことが決まっていて、誰もがうらやむ美男美女カップル。しかし、裏では翼は別の女の子と浮気中。夏希はそれを見て見ぬ振りしていた。苦しい毎日を送っていたある日、旧校舎で激しいエッチをしているカップルを目撃。しかも男の人は生徒ではなく、大人しくて頼りないと評判の宇佐先生で――。
  • 孤独な散歩者の夢想
    4.0
    十八世紀以降の文学と哲学はルソーの影響を無視しては考えられない。しかし彼の晩年はまったく孤独であった。人生の長い路のはずれに来て、この孤独な散歩者は立ちどまる。彼はうしろを振返り、また目前にせまる暗闇のほうに眼をやる。そして左右にひらけている美しい夕暮れの景色に眺めいる。――自由な想念の世界で、自らの生涯を省みながら、断片的につづった十の哲学的な夢想。
  • マスカレード・オン・アイス
    3.3
    かつては将来を期待された若手フィギュアスケーターだった白井愛。だが、高一になった今では不調に悩み、昨シーズン、世界ジュニア二位に輝いた姉の華との差は開くばかり。愛は懸命に練習を続けるが、経済的な事情もあり、スケートを続けることすら難しくなりそうで……。だが、そんな時、華をはじめとする周りの人達が、愛の持つ“特別な才能”に気づきはじめ……!?
  • 恋に焦がれて吉田の上京
    3.3
    札幌に住む吉田苑美(そのみ)は、23歳にして人生初の恋をする。相手は四十男のエノマタさん。不器用な乙女は「会いたい」と「知りたい」と「欲しい」の本能のまま、想い人を張り込んだ。だがある時彼は上京し、吉田は友人前田の制止(「正気かい?」)を振り切り後を追う。まだ吉田の存在を知らぬ彼に、ちゃんと出会うために。初恋の全てがここにある! 『とうへんぼくで、ばかったれ』改題。
  • 百年の恋
    3.7
    さえないライター稼業の真一が射止めたのは、容姿端麗、頭脳明晰、3歳年上のスーパーエリート梨香子。出会って4ヶ月で結婚はしたけれど、それこそ百年の恋もさめるような悲惨な日々がはじまる。仕事はできるけど、家事はいっさいダメな妻。妙に几帳面で生活巧者の夫。かみあわないふたりの毎日は、梨香子の妊娠で、そのキテレツぶりに拍車がかかる。逆転カップルの結婚生活を描く傑作コメディ。
  • NOTHING
    4.0
    空手を習い、ジムに通って、通勤電車でも足腰の鍛錬を欠かさない五島は、朝の新宿駅南口で、若い二人組にボコボコにされた。ガタイはいいけど、見かけ倒し。そんな真実の姿が明らかになると、五島の人生も暗転して――。(表題作) 泣きたくなるほど切なくて、でも、どこかおかしく、いとおしい。純な心を描いて、あなたの胸に、ずんとくる珠玉のエイト・ストーリーズ。
  • 初恋ロスタイム
    3.6
    僕の「青春」は、人よりも少しだけ長いらしい。ある日、僕以外の時間が止まったのだ。 それは平凡な高校生活を送る相葉孝司に唐突に訪れた特別すぎる青春だった――。 午後1時35分、毎日決まった時刻に訪れる1日1時間だけの奇妙なロスタイム。そんな中で、僕は僕と同じ景色を見る彼女に恋をした。 琥珀色の瞳で、まるで停止世界が当たり前だと言わんばかりの不思議な魅力を持つ少女・篠宮時音。彼女には“僕だけ”が気付けない、とても大きな秘密があるようで……。 不思議なロスタイムが少年と少女を結ぶ、ほんのり甘くビターに切ない恋愛物語。
  • バスカヴィル家の犬
    3.9
    深夜、銀幕のような濃霧のたちこめた西部イングランドの荒野に、忽然と姿を現わした怪物。らんらんと光る双眼、火を吐く口、全身を青い炎で燃やす伝説にまつわる魔の犬は、名家バスカヴィル家の当主ヘンリ卿を目がけて、矢のように走る――。きわだった叙景によって舞台となる特殊地帯を一種の密室のように仕上げ、息づまるばかりの緊張を生む、ホームズ物語中最大の長編。
  • 四つの署名
    3.6
    ある日、ベーカー街を訪れた若く美しい婦人。父がインドの連隊から帰国したまま消息を断って十年になるが、この数年、きまった日に高価な真珠が送られてくるという……。ホームズ達が真珠の所有者を捜し当てた時、無限の富をもつこの男は殺され、そこには“四つの署名”が――インド王族秘蔵の宝石箱をめぐってテムズ河に繰り広げられる追跡劇! ホームズ物語の2作目にあたる長編。
  • 隠し事
    3.2
    すべての女は男の携帯を見ている。男は……女の携帯を覗いてはいけない!盗み見から生まれた小さな疑いが、さらなる疑いを呼んで行く。話題の芥川賞作家による、家庭内ストーキング小説。
  • 子どもの王様
    3.3
    団地に住むショウタと親友トモヤ。部屋に籠もって本ばかり読んでいるトモヤの奇妙なつくり話が、ショウタの目の前で現実のものとなる。残酷な"子どもの王様"が現れたのだ。怯える親友を守るため、ショウタがとった行動とは? つくり話の真相とは? 『ハサミ男』の殊能将之が遺した傑作をついに文庫化!
  • 蝶のゆくえ
    3.9
    【第18回柴田錬三郎賞受賞作】10代で出産離婚し23歳で再婚した美加だが、新しい夫は息子にまったく無関心だった。彼女もそんな夫に同調し、いつしか虐待が始まる……。突然、夫の両親と同居することになった37歳主婦のいらだち。定年退職した直後の夫をオヤジ狩りでなぶり殺された58歳主婦の孤独。現代に生きる様々な年齢の普通の女たちを鋭く描いた傑作短編集。
  • お気に召すまま
    3.9
    弟に領地を奪われた侯爵は、アーデンの森に移り住んでいる。侯爵の娘ロザリンドは、叔父の娘シーリアと大の仲良しのため邸内にとどまっていたが、ついに追放される。男装したロザリンドは、シーリアとともに森に向ったが、一方、侯爵の功臣の遺子オーランドーも、兄の迫害を逃れて森にやって来る……。幾組もの恋人たちが織りなすさまざまな恋を、明るい牧歌的雰囲気の中に描く。
  • 夏の夜の夢・あらし
    4.0
    妖精の王とその后の喧嘩に巻き込まれ、さらに茶目な小妖精パックが惚れ草を誤用したために、思いがけない食い違いの生じた恋人たち。妖精と人間が展開する詩情豊かな幻想喜劇『夏の夜の夢』。ほかに、奸悪な弟に領地を奪われ、娘ミランダと共に絶海の孤島に漂着したミラノ公プロスペローは、魔法の力を究め弟の船を難破させたが……シェイクスピア最後の傑作『あらし』を収める。
  • ジュリアス・シーザー
    4.1
    “おれはシーザーを愛さぬのではく、ローマを愛したのだ” 高潔な勇将ブルータスは、自らの政治の理想に忠実であろうとして、ローマの専制君主シーザーを元老院大広間で刺殺する。民衆はブルータスに拍手を送ったが、アントニーの民衆を巧みに誘導するブルータス大弾劾演説により形勢は逆転し、ブルータスはローマを追放される……。脈々と現代に生きる政治劇。
  • あじさい日記 (上)
    3.0
    1~2巻605円 (税込)
    開業医の川嶋省吾は、美人の妻と2人の子どもに恵まれ、愛人とも順調にいっている。 しかし、ある日、偶然にも妻の日記を読んでしまったことから、少しずつ歯車が狂い始める。 妻はどこまで知っているのか? どうするのか? 妻の本当の目的は何なのか? やめたくてもやめられない日記の盗み読みに振り回される夫を通して夫婦のあり方を描く。 【著者プロフィール】 1933年北海道生まれ。札幌医科大学卒業後、母校の整形外科講師となり、医療と並行して小説を執筆。1970年『光と影』で第63回直木賞受賞し、本格的に作家活動を開始。1980年『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で第14回吉川英治文学賞を受賞。1997年に刊行された『失楽園』は大きな話題をよび、映画化、テレビドラマ化された。2003年には紫綬褒章受章。著書は『鈍感力』『ひとひらの雪』『化身』『化粧』『孤舟』『うたかた』『花埋み』など多数。
  • 情状鑑定人
    3.0
    幼女誘拐の容疑で逮捕された井原信三に、情状酌量の余地があるかどうか――家裁の調査官・立花文代の依頼を受け、精神科医・祝田教授は、被告の過去を調べていく。井原は7年前、妻を殺し放火した容疑で起訴され、実刑判決を受けていたが、その背後に意外な事が……。“精神異常”の本質に迫る表題作の他、読み応えのある傑作ミステリー集。
  • さまよえる脳髄
    3.2
    精神科医・南川藍子の前にあらわれた三人の男たちは、それぞれが脳に「傷」を持っていた。試合中、突然マスコットガールに襲いかかり、殺人未遂で起訴されたプロ野球選手。制服姿の女性ばかりを次々に惨殺していく連続殺人犯。そして、事件捜査時の負傷がもとで、大脳に障害を負った刑事。やがて、藍子のもとに黒い影が迫り始める――。人間の脳にひそむ闇を大胆に抉り出す、傑作長編ミステリ。
  • 水中眼鏡(ゴーグル)の女
    3.6
    黒い水中眼鏡をかけた女が、精神科医の前にあらわれた。ある朝、突然目が開かなくなってしまったという。自宅で発生した火事によって夫を失ったことが原因かと思われたが――。治療が進むにつれ、驚愕の真実が浮かび上がっていく表題作ほか、難病の妻の介護人として雇われた女性が、歪んだ夫婦関係に巻き込まれていく「ペンテジレアの叫び」など。サイコサスペンスの傑作全三篇を収録。
  • 空白の研究
    4.0
    季子が夫の愛人を殺したことは、本人の自白からも、証拠品などからも間違いないらしい。だが、裁判までの過程で、供述に微妙なぶれがあるとして、精神鑑定の依頼を受けた祝田が、犯行時の一瞬の空白を探ってゆくと……。表題作他、心理分析を背景にして描く奇妙な味のミステリー集。

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