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1963年、世紀の暗殺事件の秘密に近づきすぎた悪党(ギャング)がいた―― ハメット賞受賞作。 1963年11月、ニューオーリンズ。暗黒街で生きる男ギドリーは、ケネディ大統領暗殺の報に嫌な予感を覚える。数日前に依頼された仕事はこの暗殺絡みに違いない。ならば次に死ぬのは自分だ、と。仇敵を頼って西へ向かう道中、夫から逃れてきた訳ありの母娘と出会ったギドリーは家族連れを装いともに旅するようになる。だが組織が放った殺し屋はすぐそこに迫っていた――MWA賞受賞作家の話題作。
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Posted by ブクログ
クライムノベルでありロードノベル 裏社会の幹部がボスに命を狙われる 逃げる 殺し屋が追う 新しい生活を目指して夫から逃げる子連れの女性と出会う 追手をまくためにこの女性を利用しようと考える というなんだかどこかで聞いたようなストーリー だがちょっと違う それは逃げる男に訪れる好ましい変化ゆえか ...続きを読む 安心感の中にこそ驚きがある 好きなやーつ そしてなんだか悲しいような嬉しいような終わり方も良かった
「あらゆる決断によって新しい未来をひとつ作る、他の未来を全て潰して」 随所に、なかなかの哲学的な名言が刻まれている。 一九六三年十一月ジョン・F・ケネディ大統領暗殺事件は、ミステリーな点が多くフィクション、ノンフィクションとも数多くの作品が世に出ている。 この小説は、事件の謎解きではなく、事件によ...続きを読むって人生が動き出した人々の物語。 追う側、追われる側、それに巻き込まれる人たち 疑心暗鬼の中、それぞれにドラマがあり、人生が動き出す。 それは、先に確かなことなど何ひとつないドラマ…… 登場人物が魅力的で、ラストを読み終えたあとの余韻が映像的に残る。 わたしには、シャーロットの撮ったギドリーの長い影だけの写真がエンドロールとともに……ほんと、良いドラマでした。
ケネディ暗殺事件の真相が明らかになるという意外性はあるものの、ありがちな犯罪小説でありふれた恋愛小説であり非常にアメリカ的な小説。であればこそ、エピローグでハリウッド世界に収斂させたストーリーテリングが見事でした。もし映画化されることがあれば、母親が遺した写真の入った箱をいつしか娘達が開けたときにあ...続きを読むの男の人を思い出す瞬間をエンディングにしてもらいたい。
フランクはニューオーリンズのマフィア組織のメンバー。ケネディ暗殺の一端を担うと、その秘密を知る者を消してしまえとボスから命を狙われる。シャーロットは、夫の酒癖が悪いのに嫌気がさし娘二人と逃げる。フランクとシャーロットは逃亡の途中で出会う。 書評七福神の何人もがベストに挙げているだけあって、物凄く面...続きを読む白かった。 なぜ逃げなきゃいけないのか、どうやって逃げるのか、具体的で読みやすく、二人それぞれに感情移入してしまう。いい物語とは、殺し屋が迫ってきたら、「何とか逃げ切ってくれー」とつい叫んでしまうものなんだと思う。当作がまさにそれ。
途轍もない実力を備えた作家に出会うと、ぼくはいつも少し興奮してしまう。それほどの掘り出し物の作家は、毎年のようにあちこちで見つかるわけではない。数年に一度、いや十年に一度くらい火傷しそうなくらいの印象と熱とを伴って唐突に眼の前に現れるのだ。 ぼくがこの作品を手に取ってすぐに感じたのが、そのよう...続きを読むな感覚であった。おお、来たぞ、来たぞというような震えが走る。翻訳小説であれ、この手の文章によるグルーブ感は感じられる。素晴らしい文章であり、言葉の流れであり、行間を流れる時がガラスの中を落ち行く砂音を確実に伝える。 題材はジョン・F・ケネディの暗殺事件。主人公ギドリーは、組織から依頼を受け、暗殺者が逃走用に使う車を用意してしまったことを知る。さらにその車の始末を命じられるが、関わった者たちが次々に不審死を遂げてゆく情報を掴んで身の危険を感じ、状況からの脱出を図る。 一方、写真館に勤めるシャーロットは、働かず浪費を繰り返す夫に愛想をつかし、ルート66を、西に向かって旅立つ。個性的な二人の娘を連れて、急激な心の変化で。考えるよりも先に行動を選択してしまった主婦の運命が本筋に交わってゆく。 さらにサイコとも言えるプロの殺し屋パローネは、黒人少年セオドアという運転手とのコンビで、ギドリーを追い始める。 以上、シンプルなトライアングル・ストーリーが、ルート66を疾走し始める。大好きなロード・ノヴェルが慌ただしくスタートする。三つ巴の運命は、大きな川の流れのように蛇行してうねる。それぞれの人間がとても深く描写されつつ、スリリングな緊張を保ってゆく。文章は、秀逸で、リズムが横溢している。煮詰まり行くストーリー。それぞれの出会いと、決着への興味にぐいぐいと引っ張られてしまう。 案の定『このミス』6位の評価を得た作品。ぼくは自己3位とした。『ガットショット・ストレート』という評価の高いデビュー作以前は、『ニューヨーカー』で作品を採用され、文学作品やシナリオライティング、文芸創作の教師などの仕事に従事していたらしく、ミステリー・ジャンルで花開くまでの下地を作る助走路は十分に長かったようである。なるほどの筆力である。 ぼくはそもそもJFKを題材にしているというだけで興味を覚えてしまう。映画『ダラスの熱い日』のラストシーンを覚えておいでだろうか? 事件後に不審死を遂げた関係者や目撃者の実際の写真がずらっと拡大され、これだけの関係者が数年内に死亡を遂げる確率は数千分の一とか数万分の一(記憶曖昧、失礼!)であるといった字幕が流れ、事件後の証人不在工作の徹底度を伝えて終わる。その衝撃をこのストーリーの基盤に据えた、暗黒組織の存在が非常に怖く、現実と繋がっている感覚が否めない。 そんな歴史的な悲劇を潜り抜ける中で、冒険と恋愛と生命の逞しさとを登場のたびに表現してくれた一主婦シャーロットの存在に、ぼくとしては大きな喝采を送りたい。
「ガットショット・ストレート」を 読んでからの二作目 直前に読んだ「キャサリン・ダンス」にも出てきた「雨が降れば、土砂降り」と言う言葉がこちらの話にも出てきた…謎 舞台は1963年 ボスのある秘密に気づき追われる身となった マフィアの幹部ギドリー それを追う同じマフィアの幹部(殺し屋)バローネ ...続きを読む そして、全く関係のない。ダメな夫に別れを告げ、子供二人と犬をつれて新しい生活探しの旅をする主婦シャーロット 三者が交差する。 前作にもあった「追う」「追われる」の読み合いの面白さアリ 他のマフィアのボスや殺し屋と行動を共にすることになる黒人の少年とのやり取りとか、会話が楽しい。 表紙は読んだ私は納得できるのだけれど、全体的に暗くタイトルもあってか読む前の印象は暗い話なのかと思っていた。 そんなことはなく、前向きな変化に向かって人生を転がそうとしてる人物達が生き生きとしていてよかった。見た目で損してる気がする。 なんとか私も、11月中に読めた…
1963年ケネディ大統領暗殺に知らないうちに関わっていたことに気づいたギドリーの逃走劇と夫から逃げるシャーロットとその娘2人。そしてギドリーを追う殺し屋。シャーロットたちとの出会い。犯罪組織で生きてきたギドリーが触れる優しさや温かみ。そこから生じる変化。一緒に進むのか離れるのか。それぞれの感情ひとつ...続きを読むひとつがとてもいい。不器用で、でも子供たちに見せる顔は穏やかで優しい。とても好みの作品。
1963年11月22日、第35代アメリカ大統領・ジョン・F・ケネディが狙撃され、暗殺された 裏社会に生きる男ギドリーは嫌な予感を覚える 数日前に依頼された仕事はこの暗殺絡みに違いない 「自分は消される」 そう思ったギドリーは仇敵を頼り西へ逃げる そんな時、夫から逃れてきた訳ありの母娘と出会い… ...続きを読む組織が放った殺し屋がギドリーを追う形で物語は進んでいく… 無事に逃げ切れるか? 訳あり母娘とどう絡んでいくのか? ドキドキしながら読み進める 展開が読めたところもあったが、最後までおもしろく読めた ラストの何ともいえない主人公の行動は、前回読んだ同作家の作品『7月のダークライド』と重なるものがあった… ただJFK事件絡みの展開がある訳ではなく、それは少し残念だった…
非常に面白い。大してハラハラはしないが、2つの話がどう交錯するのだろうと気になって楽しく読めた。主人公の最後の話は少し気に入らないが、全体はとても良くできた話になっている。その作家を読んだのは初めてだったが、他のも読んでみたい。
殺し屋に追われる悪党ギドリーと家族を連れ戻そうと酒癖の悪い夫から逃げ出した母シャーロットとの逃走シーンがこの小説の展開の面白いところだ。双方に身元を明かさずいるが暫くすると悪党に情が芽生え、家族を母親を守ろうと動き始める。その逃走の中での言葉「これから出会うのは新しいことばかりだ。ここからずっと、ど...続きを読むこへ行っても。新しいものは古いものよりずっといいかもしれない。その時になるまでわからないんだ」それは、新しいものが必ずしても良いとは限らない、だが経験しないことには誰にもそれを判断できない、と言うことだ。力強い母の情熱と新たな挑戦は子供二人の将来を見通し人生を賭けたのだ。
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