黒き荒野の果て

黒き荒野の果て

小説・文芸
1,210円 (税込)

6pt

2021年アンソニー賞、マカヴィティ賞、バリー賞、3冠!
「クライム文学の新星」デニス・ルヘイン
裏社会の元凄腕ドライバーが
家族のために引き受けた最後の仕事――

米国南部の町で自動車修理工場を営むボーレガード。
裏社会で語り継がれる伝説のドライバーだった彼は、足を洗い家族とまっとうに暮らしていた。
だが工場の経営が傾きだしたことで運命の歯車は再び狂い始める。
金策に奔走するボーレガードに昔の仲間が持ちかけてきたのは宝石店強盗の運転役。
それは家族を守るための最後の仕事になるはずだった。
ギャングの抗争に巻き込まれるまでは――。

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黒き荒野の果て のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    作品全て読みましたが、テイストがそれぞれ異なりどれも濃い!熱量が素晴らしくて引き込まれます。これまで見てきた数多くの走り屋映画のシーンが思い起こされるボーレガードの走りっぷり、冒頭のレース場面から釘付けです。とんでもないやつと組んだおかげで酷いことになっていく展開、そこで放たれるボーレガードの言葉には重みすら感じられます。結末では家族ともども幸せになって欲しい、と願っていました。とんでもないパワーのアメリカンマッスル車、エンジンにニトロとかまるで映画の世界。ホンダの車はそりゃ「車のようなもの」になるよね。

    0
    2026年03月11日

    Posted by ブクログ

    これは面白かった。
    S・A・コスビーはどの作品も面白く、作品を重ねる毎に描かれている物語的にも描いている社会背景的にも作品的にも深度が深まってる印象がある。
    だが、個人的には一番好みのタイプなのが本作。
    かつて裏稼業で生活していた男が、愛する者と出会い足を洗う。だが、表の世界での生活が苦しくなり、再び裏稼業に手を出す。簡単だと思っていた仕事が、実はギャングの金で……というどこかで観たことあるようなシンプルな物語ではある。
    だが、これがS・A・コスビーが描くと見事なクライムノベルに仕上がっている。
    これは映画化したら絶対最高だろう、というシーンがいくつもある。
    クライマックス、ダスターという愛車の登場シーンからカーチェイスシーンまで絶対映画だったら見せ場になるシーンで、文章でありながらもそのイメージでかなり痺れた。
    当然ながら映画化の話もきているらしい。
    映画が今から待ち遠しい。

    0
    2024年09月11日

    Posted by ブクログ

    あなたにとって大切な守りたいものは何だ!

    自動車修理工場を営むボーレガードにとってそれは家族、友、仕事、工場、父から引き継いだ愛車ダスターだ

    彼は大切なものを守るために過去に足を洗った犯罪に再び手を染めてしまう

    大切なものを守るための最後の犯罪になるはずだった…

    しかし、そこで歯車が狂い出す!

    彼の大切なもの…
    守ることができたもの…
    守ることができなかったもの…


    本作の魅了のひとつは登場人物
    特に主人公のボーレガードはカッコイイ!
    彼を取り巻く妻のキアやいとこで友のケルヴィンも魅力的だ

    もうひとはアメ車
    ビュイック、カマロ、ノヴァ、キャデラック…
    しびれるアメ車が次々に登場
    そして、何と言ってもボーレガードの愛車ダスター
    これらアメ車のカーアクションは必見だ!

    0
    2023年05月04日

    Posted by ブクログ

    設定はありきたりな感じだが、読み始めると初っ端から疾走感と緊迫感にグイグイ引っ張られる。ハードボイルドチックな気の利いた会話や時には詩的な感じさえする比喩表現も愉しい。

    0
    2022年06月07日

    Posted by ブクログ

     ホンモノのノワールがやって来た。古いフレンチ・ノワールの世界が、現代に帰ってきた。そういう小説の時間をもたらしてくれる作品である。

     70年代のアメリカン・ニューシネマのフィルムの傷を想定しながら読む。暗闇に潜んで見上げていた傷だらけのスクリーン。暗くくすんだカラー。映画館内に漂う煙草のにおい。小便臭いコンクリート打ちっぱなしの廊下の匂い。しかしスクリーンの向こうには、野望を持つ男と女のしゅっとした切れの良さがある。銃口と硝煙。カーブの向こうを見据えるドライバーの冷徹な眼差し。

     それらは大抵。美しい犯罪ストーリーだった。生と死、疑わしい愛、安全さに欠ける大金、それらがやり取りされていた。魅せられるが、脆過ぎる。ぎりぎりの展開。破滅か生存かを賭けて、犯罪、裏切り、脱出や生存の可否を、いつも秤にかけていた。

     本書は、南部の田舎町のトレーラーハウスに生活する黒人の一家の物語である。ビターの効いたホームドラマと言って言えないこともない。主人公ボーレガードは自動車修理工場を営むが、競争相手の出現で破産を目の前にしている。目の前には、過去からやって来た犯罪という餌がぶら下がり、彼は家族のため、敢えて餌に喰らいつく。危険だが、それしかもう道はない。追いつめられた状況劇。

     うまい話には裏がある。裏切りに満ちた犯罪者たちの個性ある顔ぶれ。ボーレガードの運転技術が凄まじい。自動車を知り尽くしているゆえ、犯罪に用いる車に関しては整備も運転も100%引き受ける。路上のアクションを主体にした小説作品はそう多くないだろう。ギャビン・ライアル以来、あまりお目にかかっていないかもしれない。

     一人一人の書き分けも素晴らしい。癖のある男と女。ボーレガードの家族と彼らの長年の仕事仲間。こちら側の人間たち。愛と友情。一方では悪玉が列をなす。こわもての狂犬たち。裏切り者たち。ひとつの犯罪仕事をきかっけに、次々と組織間の衝突が巻き起こり連鎖する。一人一人、順番にこの世とおさらばをしてゆく。いとも簡単に。静と動を絡み合わせたクライム小説。銃と、暴力と、カーチェイス。

     こう書いてみると単純に見えるかもしれないが、前半部は少し長めの導火線であり、静である。だが爆発物に近づいているのはわかる仕掛けだ。とりわけボーレガードと家族たちは追い込まれてゆく。かつて失踪し、この世から消滅してしまった父の物語。いなくなった父から引き継いだ愛車ダスターへのこだわりが、夫婦間の平和を切り裂く。子供たちを切り裂く。実はこの前半によって後半の物語にも厚みが出る。

     家族。消えた父。育ちゆく息子たち。彼らに迫る危険な奴ら。家族を生き延びさせるために、ボーレガードが何をしなくていけないのか。

     大一番の賭けに出る男たちの、知略の勝負を描いて圧倒するクライムの傑作が登場した。この作家の今後が楽しみだ。そのくらい活きのいい一冊である。

    0
    2022年03月14日

    Posted by ブクログ

    家族のために最後の仕事,犯罪へと向かうボーレガード。家族のため、守るためだったはずのことがどんどん追い込まれていく。犯罪計画と信用できない仲間たち。夫として父親としての想いと妻の気持ちとのずれ。その間で揺れながらそれでも計画に飛び込んでいくこと。乾いた空気がある犯罪小説であり、良くも悪くも家族を強く想っている家族小説でもあってとても読み応えのある作品。

    0
    2022年03月07日

    Posted by ブクログ

    アメリカ南部の街で、自動車整備工場を営む黒人男性ボーレガード。
    周りに犯罪者が多いような環境で育ち、友達の誘いに乗って、ちょっとした悪事に加担したこともあったが。

    何よりも好きなのは、車。
    走り屋だった父の面影は理想で、家族を捨てて去って行った男でも、憧れをぬぐい切れずにいた。
    自分は家族を愛し、妻にも子供たちにも、あたう限り、まともな暮らしをさせてやりたいと思っていたが。

    経営が苦しくなり、思い余って賭けレースに参加した。
    ところが失敗、さらに追い詰められる。
    そこへ、強盗の仲間に加われという誘いが。
    走り屋の腕を生かせば、逃げ切れるかもしれない‥

    妻には、愛車のダスターを売れば、資金難は解決できると再三言われていたのだが。
    もはや、それでは間に合わない‥

    ボーレガードが愛車で走る疾走感は出色の描写で、これだけでも読む価値あります。
    ただ、クライムノベルなのでね~
    真面目に働いて、貧困を脱し、ある程度までは成功した。
    だが、多くを望み過ぎた男の、選んだ道は。
    ボーレガードはいい人みたいに描かれているけど、いやダメだって。
    状況が丁寧に描かれているので、アメリカの悲劇という見方もしそうになりますけれど。
    いや…悲劇というのともちょっと違うし。

    こんなやり方じゃ、家族を巻き込むに決まっているでしょ? 妻子に何させてるの。ど素人じゃないんだからさ~。これじゃ、子供たちはどうなるの。捨ててはないけど、家族の元に戻ったとは言えませんよ。
    という怒りが込み上げてきた結末でした(笑)

    でもまあ、この妻も、こういう男を選んだんだしね‥
    一種の業みたいなものかしら。
    息子がこんなことに負けずに、力強く生きてくれますように!

    0
    2026年09月02日

    Posted by ブクログ

    ここ数年で読んだ翻訳ミステリーとしては一番の収穫。何よりも主人公ボーレガードのセリフ、行動、そして愛車(ダスター)すべてがカッコいい。話の展開もダスター同様スピーディーだし、迫力もある。
    脇役たち、中でも父親代わりの叔父ブーニーの人柄と言葉にしびれます。細部まで行き届いた筆致、素晴らしい。

    0
    2025年05月27日

    Posted by ブクログ

    定義というよりもイメージしているクライム・ノベルというのがあって。これが完全にイメージ通り、読みたい、完全にクライム・ノベルな一冊。

    引退して自動車修理工場を営む元凄腕のゲッタウェイ・ドライバー、ライバル店の出現で生活がピンチに陥ったところに過去に仕事でトラブった相手からデカい“仕事”の誘いが。これが最後とその“仕事”を受けることにするが…

    こんな話は何年か前の深夜にDVDで観たことがある、そんな気もしてくる“良くある話”だ。だけど、そんな“良くある話”とドラマ、そのなかに書き込まれるディティール、生活や文化や街並み、様々な引用や知識、哲学が読みたいのだ。

    “良くある話”にスムーズに乗って、ディティールに惹きつけられ、そこにドラマが加わりグルーヴが生まれる。そのなかで主人公はじめ登場人物たちが解決しようとするのは、起こした、起こってしまった事件ではなく、人生そのもので。それは銃撃戦が終わっても、最後の頁を捲っても、あるいは希望が書かれたとしても、決定的に解決することが出来ない物語。解決することのない人生、人生の解決の出来なさを書くのがクライム・ノベル、というような気もしてくる。

    久しぶりに読んでも最高だった。最高にクライム・ノベルだった。S・A・コスビーはこの一冊で大好きな作家になって、2,3作目もとても良かったけれど、いちばん好きなのはこの1作目。”良くある話“と書き込まれるディティール、解決しない物語。クライム・ノベル。

    0
    2025年01月15日

    Posted by ブクログ

    頬に哀しみを刻めが面白かったので、読みました。今作も過激でハードなアクションたっぷりのクライムサスペンス。終わり方も良かった。

    0
    2024年10月27日

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